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島で育む

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

那覇から南西へ約430㎞の東シナ海に浮かぶ石垣島。

亜熱帯の豊かな自然の中に約47,000人が住み、観光地や移住先としても大人気の島です。

そんな石垣島で有機パイナップルやブランド豚を育てる農場があります。

生産から食品加工、流通、販売まで。

やえやまファームはすべてを一貫して自社内で手がける完全6次産業化に取り組み、有機パイナップルや南ぬ豚(ぱいぬぶた)といった高付加価値型の特産品を島に生み出してきました。

今回はここで、ブランド豚である南ぬ豚の生産に携わる人を募集します。



石垣島へは羽田空港から飛行機に乗って約3時間。乗り換えは必要ないので、思っていた以上にあっという間だ。

飛行機から降りた瞬間、暖かい空気に包まれると、一気に南の島にやってきた気分に変わる。

やえやまファームの牧場までは、スタッフの古屋さんに車で案内してもらった。

古屋さんは大阪の出身。やえやまファームでは1年半前から働いているという。

「石垣島は観光と農業が主な産業で、とくに観光客でにぎわう夏場は島全体が忙しくなるんです。やえやまファームでもパイナップルの収穫のピークになる6〜8月が繁忙期ですね」

実は、やえやまファームはロート製薬の子会社なのだそう。

ロート製薬は、北は北海道から南は石垣島まで多種多様な食ビジネスを実践していて、やえやまファームもその中のひとつ。

石垣島は消費地から遠いために物流コストが高く、台風など気象災害のリスクも大きい。そんな地で農業の6次産業化を目指すという困難な挑戦に、ロート製薬も長年協力してきた。

今回募集する人が飼育する『南ぬ豚』とはどんな豚なのだろう。

「うちは石垣島内で採れたパイナップルを自社でジュースなどに加工していていまして、その搾りかすを『ふすま』という麦の皮と混ぜて発酵させてパインサイレージをつくり、それを配合飼料と一緒に豚に与えているんです。そして豚が排泄した糞尿を農地の堆肥にして、またパイナップルを育てる...」

「それを循環型農業といって、南ぬ豚はその中で育った豚です」

南ぬ豚は父豚に純血のアグー豚、母親に西洋豚をもつ。両方の特性を持ちながらパインサイレージで育てるため、一般の豚肉よりも旨みがあり、ジューシーで肉質が柔らかく脂身のおいしいのが特徴だという。

年間出荷頭数は約300頭と非常に稀少性が高い、やえやまファーム独自のブランド豚だ。今後は頭数を増やしていくことで、より買い求めやすくしていくという。

「生産方法をいろいろ試して独自ブランドをつくる。それって個人の農家さんでやるのはなかなか難しくて、企業だからこそできることだと思うんです」

「そういうチャレンジや冒険を一緒にやりたいと、やる気のある方に来ていただきたいですね」



しばらくすると、今回の舞台となる『幸福牧場』が見えてきた。

34haの広大な土地。海岸沿いから潮風がミネラルを運んでくれるおかげで牧草はよく育ち、豚や牛も病気が少なく健康的に育つのだという。

それにしても、これだけ一面に水平線が広がっている景色は見たことがない。海岸沿いに視界を遮るものがまったくないためか、海がせり上がっているような不思議な景色だ。

「僕もはじめに来たときはね、青い壁があるような感じて(笑)海って見下ろすものなのに不思議ですよね」

そう話すのは森岡さん。

高校生のころに畜産を学んでいたり、静岡の牧場で働いていた経験を買われて、2014年からやえやまファームで働いている。

牧場ではどんな仕事をするのだろう。

「エサやりと掃除が基本になります。豚も牛も、朝と夕に1回ずつエサをやって、その間に掃除をしっかりやる。ほかにもエサの仕込みをしたり、分娩があったり、ワクチンを打つのに獣医さんを呼んだり。そういう細々したことを日中にやるんですね」

エサの仕込みも自分たちでやるのですね。

「ええ。うちはパインサイレージをつくるので、夏の収穫時期になると自社工場で絞ってから1〜2日くらいでこちらに運ばれてくるんですよ」

「ただ、そのままだと搾りかすの水分量が多いので腐敗しないように天日干しして、『ふすま』という麦の皮と混ぜて乳酸菌発酵させ、1年間保存しています」

ほかにも重機を使って敷地内の雑草を引っこ抜いたり、小屋でハエ駆除をしたり、種付をしたり。出産は基本的に自然分娩だが、逆子で調子がわるいと獣医を呼ぶこともある。

「だから日々やることは結構いろいろありますよ」

牧場の仕事は決して流れ作業ではない、という森岡さん。

とくに日々の仕事の中で「気づくこと」が大切なのだという。

「たとえば1頭の豚の体調がわるくて、下痢が1週間くらい続くと、今まで右肩上がりだった成長がそこで止まってしまうんです。僕らは豚の体重を増やして出荷したいので、その落ちた分のロスが大きいんですよ」

「体調不良や病気をいかに察知できるかで、落ち込みをより早く回復させることができる。この豚は呼吸が少し荒いねとか、毛艶がわるいなぁとか。そういう異変にいち早くすぐ気づくことが大切です」

以前、豚があまり餌を食べないことがあり、よくよく調べたら飲料水のノズルが詰まって、飲み水がきちんと出ていないことが原因だったという。

「問題の解消のために観察力があって、気がまわる人は向いていると思いますよ」

森岡さんは最初から気づくことができましたか?

「いえいえ、最初は僕も分からないことが多かったですよ。やっていくうちに、こういうことなんだと覚えていってね」

「ただ見ていると、人間でも『体調わるそうですね』って気づく人がいるじゃないですか。そういう人って動物のことでも気づきやすいと思います。他人とか自分以外のことに無関心な人は向かないかなって。あとはペット気分な人もよくない」

ペット気分?

「ええ。ペットと触れ合うように仕事をやると、事故が起こってしまう可能性が出てくるんですよ。牛に角で突かれたり、豚も噛まれることがある。慣れすぎはよくない。動物は突然野生に戻るときがあります」

「重機を使うこともありますから、注意すべきところはちゃんと注意しないといけないですね」

質のいい肉に育て上げ、「美味しい!」という声とともにリピーターが増えていく。そうやって一生懸命育てたものがより多くの人たちによろこんでもらえるのがこの仕事の一番の楽しみだと、森岡さんは話す。

「そういった、いかに美味しいものをつくるか、ということに加えて、ブランドづくりとか経営のことにも関わってもらいたいと思っています」

南ぬ豚はブランドとしての地位が固まってきたものの、牛はまだまだ。もしかしたら豚も別ブランドをつくることができるかもしれない。

独自性を打ち出しながら、いかに低コストで安心安全な肉をつくれるのか、日々の仕事に加えて考えてほしいという。

今は、沖縄の特色を生かして泡盛粕を牛のエサにしたらどうかと試している最中なのだとか。

「ほかにも、石垣島って年に5〜6回も牧草が採れるから、放牧して草だけ食わせたらどうだろうか、とかね。そんな簡単にできるわけじゃないけど、みんなでいろんな意見を出しながらトライしていきたいです」



続いて話を伺ったのは、主に牛の繁殖を担当している渡邊さん。

岐阜県多治見市の出身で、以前は愛知にある機械工場で働いていたそう。

どうして石垣島のこの会社に転職したのだろう。

「きっかけは前の仕事がイヤになったからなんです。仕事も住環境もぜんぶ変えたいと思って、冬でも暖かい沖縄で仕事を探してみたんです」

「そうしたら石垣島は移住者が多いってことで、自分も行きやすいかなって。いくつか探す中で、やえやまファームを見つけました」

畜産の経験はあったのですか?

「いいえ、まったくです。だから正直、自分にできるか不安だったんです。臭いとかキツイのかなっていうイメージもあったりして」

「でも、ここの牧場はきれいですし、多少の臭いも1週間くらいで慣れましたね。それに仕事は思った以上に楽しかったです」

どんなところが楽しいですか?

「動物が相手の仕事なので、やっぱり癒されるんですよね。工場で機械部品を触ってても本当につまらなくて。顔つきが違うとか、こいつは懐きやすいなとか、動物はみんなそれぞれに個性があるんですよ」

一方で、命を扱う仕事のため決まった休みが取れないなど、大変なこともある。

また、最初のころは牛に情が移ることもあったそう。そういったことは働くうちに徐々に慣れていったという。

渡邊さんはどんな人と一緒に働きたいですか?

「ちゃんとコミュニケーションできる人ですね。ひとりで黙々と作業するんじゃなくて、みんなでやる仕事なので。話しやすい人だといいなと思います」



「私もフレンドリーな人に来てほしいなって思います」

そう話すのは、入社4年目の大湾さん。沖縄本島出身の方だ。

「私は牛の哺乳と育成を担当しています。順調に成長していく様子とか、ときどきかわいい表情を見せることがあって、そういうところが面白いですね」

反対に、仕事の大変なことはありますか?

「そうですね… 私は身体が小さいし、体力もあまりなかったので、慣れるまではよく体調を崩すことがありました。その度にスタッフのみんなに助けてもらいながらやってきて」

「社内はそういう人たちが多いので、これから来る人も話しやすくてフレンドリーな人だとうれしいです」

ここで豚を育てるというのは、地域の特産品を生み出すということ。つまり石垣島の魅力を高めることだと思います。

まずは一度、石垣島へ遊びに行ってみてください。牧場を見学したかったら、やえやまファームの皆さんが快く受け入れてくれますよ。

(2018/3/13 取材 森田曜光)

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