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愛する倉庫

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

浦和興産株式会社という会社のあり方を、「倉庫業」という言葉から想像するのは難しい。

倉庫でお客さんのモノを預かり、大切に保管することがベースではあるものの、さらにその先に踏み込んでサービスを展開していく。

ときには保管している製品のメンテナンスや、イベントの提案・運営を行う。さらに、感性を養うために社内勉強会でアートに親しんだり、業界の知識や商品への想いを理解するために自転車のロードレースに参加したり。

ユニークで、苦労を厭わない姿勢が支持されて、ファッションやスポーツ業界の有名ブランド、ベビーカーを扱う会社など、様々なつながりも生まれています。

「こうしたら喜んでもらえるかな?」「このほうが使いやすいかも」

常に誰かを想っていつも頭を巡らせている。

その想いは、社外の人だけでなく一緒に働く社内の人たちにも向いていて、仕事と暮らし、両方を充実させるための取り組みにも力を入れています。

今回は、そんな浦和興産の一員になる人を募集します。職種は営業コンシェルジュと、ロードバイクの管理・メンテナンスなどを行うサービスセンターのスタッフです。

北戸田駅を降りると、この日はあいにくの雨模様。

だけど会社に着くと明るい挨拶で迎えてもらい、気分は晴れやかになった。

「まずはお茶をどうぞ」と優しく声をかけてくれたのは、代表の佐野さん。落ち着いた立ち振る舞いとは裏腹に、ラリードライバーとして世界選手権にも出場した経験を持つ。

浦和興産は、もともと佐野さんのお父さんが立ち上げた会社。当初は原材料の保管など、下請けの仕事がほとんどだった。

「僕は最初、倉庫の仕事が嫌でしょうがなかった。たぶん普通の人が倉庫に感じるものと同じです。仕事に興味がなかったし、入りづらい世界だと感じました」

転機が訪れたのは30歳を過ぎたころ。モータースポーツの関係者から、部品を保管してくれないかと声をかけられた。大事なものだからこそ、顔が見える相手に預けたい。佐野さんを信頼しての依頼だった。

「そのときに、あぁ好きなことが仕事になるんだと思って。もう40年近く前のことだけど、それがこの会社の文化になっています。自分たちの興味関心のあるものがちゃんと集まってくる」

なぜ集まるのかといえば、お客さんと愛情深い関わり合いを続けているから。

例として、ベビーカーを製造・販売する会社とのエピソードを話してくれた。

「そこではすでに別の倉庫会社で商品を保管していたんです。だけど社長さんは、ある不満を抱えていました」

それは我が子のように愛着のある商品を、埃っぽくて、働いている人も無関心な倉庫に置いておきたくない、というもの。

浦和興産では、ベビーカーを実際に購入し使ってみることで、興味関心や愛着を持つ。その結果、お客さんの展示会に同行してベビーカーを組み立てることや、まったく経験のなかった倉庫でのファミリーセールまで企画・開催してしまった。

その熱意が届き、浦和興産の倉庫を使っていただけることになったそう。

「普通の倉庫会社なら、中身が何かなんて関係ない。ただの段ボールにしか見えないでしょう。でも僕らがやりたいのは、その先に踏み込んだことなんです」

まずお客さんの要望を聞き、ノーとは言わずに寄り添って考えるところからサービスを展開していく。そこに決まったルールや手段は存在しない。

「あるスポーツメーカーを担当している社員は、上から下まで、大体がそのメーカーのブランドで揃えてるくらい、愛が強い(笑)イベントも一緒になって楽しんでいて。自然とそういう形が取れているので、いいなって思うんですよね」

こんな関わり方をしているから、社員の肩書きは「営業コンシェルジュ」。

関わる人たちと誠実に向き合いながら、仕事を生んでいく。その姿勢は聞いていても気持ちがいい。

一方で、どうしてそこまで突き詰めてやろうと思ったのだろう。

「世の中、何かの価値を全部お金ではかるようなところがあるでしょう。もちろん会社だから、利益を上げて、生産性を上げて、生活の糧にするっていう部分は大切だけど、仕事が闇雲にお金を稼ぐためのものにはなってほしくないなと思っています」

「うまく表現できないけれど…毎日のことだから、自分のなかで工夫して面白く豊かにしないと、人生そのものも豊かにならないんじゃないかな」

無駄は省いて効率的に。そんなビジネスライクな働き方は、大きな利益を生むのかもしれない。

だけど打算的に自分のことだけ考えていると、結局は自分の首を絞めていくような気がするし、何よりちっとも楽しくないと思う。佐野さんは、お客さんにも自分自身にも正直な人だ。

一緒に働いている人は、どんなふうに感じているんだろう。

お話を伺ったのは、社長秘書や総務・経理など本部業務を担う高田さんです。

「社長は優しいだけではないんです。会議では叱ることもあるし、注意もします。でもちょっと怖い存在のはずなのに、社員がすごくよく社長室に来るんですよ」

「それを見て、なんだか保健室みたいだなって」

保健室?

「困ったらちょっと寄りたくなる場所。そんな雰囲気が面白い会社だと思います」

そんな関係性が築けている理由は、業務以外での関わり合いが大きいのではないか、と高田さんは話します。

たとえば、週2日30分をかけて朝に行われる勉強会。佐野さんがピックアップした題材を元に自由に意見を交換する。

先日はDVDで60年代の日本の様子を見ながら、感じたことを話したそう。題材は絵などアートが用いられるときもあるのだとか。

「社員も様々な年代の人がいるから、それぞれ注目するポイントも意見も違います。聞いていてとても面白いです」

浦和興産では、業務スキルや能力の向上だけではなく、教養や人間力を大切にしている。その理由を、佐野さんはこんなふうに話していた。

「毎日、業務でもいろいろな判断を迫られるんです。そのときに『なぜこうなっているのだろう?』と背景を考えず、過去の歴史も知らないと、判断が通り一遍のものになってしまう。アートのような多様な世界に触れると、いろいろなものの理解につながると思うんです」

きちんと自分で考え、広い視野で判断ができるように。社員一人ひとりの感度を上げられるように始めたこと。

仕事だけに集中したいという人には難しい職場かもしれない。逆に自分の知見を広げながら、仕事にも活かしていきたいと思える人なら、きっと楽しく働けると思う。

もう一つ、この会社の特徴として高田さんが教えてくれたのは、社員の仕事と暮らしをどちらも大切にしようというあり方。

たとえば、現在本部の仕事をしているのは、高田さんを含めた3名の女性。それぞれに子育てや家庭の事情に合わせて、勤務形態も勤務日数もバラバラだ。お昼で帰る人もいれば、週4日15時まで働いて帰る人もいる。

柔軟に連携しながら、時間内に与えられた仕事を全うできるよう工夫しているそうだ。

「いろんなライフスタイルがあるんですけど、仕事も暮らしもどちらも充実できるような働き方をみんなでつくりあげていけたらと思います」

社内の仕組みも、なければ妥協せずに自分たちでつくる。そんな姿勢はお客さんの満足にも、一緒に働く人のやりがいにもつながっている。

営業コンシェルジュとして働く嶋田さんと大俣さんも、まさにそんな取り組みを実践している人たち。

二人は、ある荷主さんに関わる業務を、ワークシェアリングしようとしています。

ワークシェアリングと聞くと、“今ある業務を分担して担当者の仕事の負担を減らす”という意味合いを強く感じるかもしれない。

もちろんそういった側面もあるけれど、浦和興産では単純に業務のマニュアルを引き継ぐようなものではないみたい。

まずは嶋田さんに、具体的にどういうことをしているのか教えてもらう。

「たとえば倉庫で物を管理するときに、ラベル表示ひとつにしてもなぜその表示になったのか、その過程まで共有するようにしています」

一見非効率に見えても、実は在庫を確認するためにとても重要な作業かもしれない。本質を確認せずに目の前のことだけに集中すると、せっかく仕事をシェアしても失敗する可能性がある。

「きちんと認識を合わせた上で、シールの貼り方や時間の使い方を変えてみる。小さくて地道なことではありますが、毎日少しずつ手応えを感じています」

社内のいたるところで、ワークシェアリングが行われている浦和興産。その結果、なんと残業はゼロになり、定時の17時半に帰れるようになったのだとか。

一方で、「新しく入る人にも、自分たちでつくっていくという気持ちを持ってほしい」と話すのは、大俣さん。

「ワークライフバランスをちゃんとしよう、と考えている会社だけどすごく福利厚生が整っているとか、ぬるま湯に浸かって仕事ができるというわけではなくて」

「資源も時間も限られているなかで、自分たちで効率を良くしたり、休めるような環境をつくったりする。だから一人ひとりのウエイトがすごく大きい会社だと思います」

すっかり浦和興産に馴染んでいる様子の大俣さんは、前回の日本仕事百貨の募集で入った人。実はまだ、入社して1年が経とうとしているところ。

どうしてここで働くことに?

「単純に給料とか待遇がいいということじゃなく、面白い仕事がしたいと思っていたんです。ただ、パン屋さんとか、一つの仕事だけを続ける働き方じゃなく、いろんなところで社会と関わりたいと思っていました」

もとは外食チェーンの会社でスポーツバーの店長などを経て、商品開発や経営企画に関わっていた。倉庫業には縁遠くとも、浦和興産には強い縁を感じたそう。

「私は自転車もアートも好きで。しかも単純にものを扱っているわけじゃなく、枠を超えていろんなことに挑戦しているのが魅力的でした」

入社後も、そのイメージは変わっていない。むしろ経験はなくても、自分の得意分野を生かした活躍の場が見つけられると感じている。

「私のメインの仕事は営業ですが、自社の採用ページを立ち上げるプロジェクトがあって。文章を書くことや企画が好きなので、ページ構成を考えたり、主導的に参加させてもらいました。直接倉庫に関わること以外にも、いろんな経験ができると思います」

今週は、社員のみなさんと初めての自転車レースに参加するそう。「ドキドキします」と楽しそうに話してくれた。

仕事も暮らしも、ごく自然に地続きのこととして捉えている。だからこそ人任せにするのではなく、誰もが自分ごととして働く社内には、健やかな空気が感じられました。

取材を終えると、すでにあたりは暗くなり、まもなく定時の17時半。本当にみなさん片付けを始め、「おつかれさまでした」と順々に帰っていく。

もし納得して働いていきたい方がいれば、ぜひ応募してみてください。

大変なこともあるだろうけど、それ以上にうれしい機会もたくさんあると思います。

(2018/3/8 取材 並木仁美)

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