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胸を張って正直に
女の子の人生を
応援する

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

主人公が幸せになる映画を観たり。お気に入りのアクセサリーをつけたり。何気なくしたことで「ありがとう」と言ってもらえたり。

ふとしたことで、うれしくて少し背筋が伸びるようなことがあります。

ひとつひとつは小さい出来事でも、積み重なっていくことで、自分のことが好きになれるような気がする。

une nana cool(ウンナナクール)は、女性用の下着をつくっているブランドです。

綿を使った着心地のいいものや、かわいらしいプリントをしたものなど。カジュアルに身につけることができる下着を製造・販売しています。今回は全国にある直営店で販売スタッフとして働く人を募集することになりました。

ブランドのテーマは「女の子の人生を応援する」。

下着を販売するというよりも、女性のさまざまな生き方を応援するような仕事だと思います。

 

少し肌寒くなってきた10月末。

お気に入りのストールを巻いて、東京・麹町にあるワコールビルへ。

ウンナナクールは大手下着メーカー、ワコールの子会社として17年前に生まれた。代表の塚本さんはワコール創業者のお孫さんと聞き、少し緊張しつつ会議室へ。

「やりたいことがあれば、ほかの仕事をしてもいいっていう家だったんですけどね。大学のころにあまりにもフラフラしていたもので、むしろ入れてもらえて助かったくらいです」

話をしてみると「気さくなお兄さん」という印象の塚本さん。

百貨店での販売や商品管理をした後ワコールに転職。ブランドづくりなどさまざまな経験を経て、2017年にウンナナクールの代表に就任した。

「別の部署を担当していたころは、憧れのブランドでした。ちょっと変わった下着屋さんのイメージがしっかりつくられていて、かっこよかったんですよね」

女性用の下着というとレースやリボン、花柄があしらわれているイメージが強い。カジュアルな服を着る人にとっては、好みと違ってもあるものの中から選ばざるを得ないこともある。

ウンナナクールの商品は、そんな人でも身につけたいと思える、カジュアルなデザインのものが多い。

「セクシーとかエレガントとか、いわゆる下着のイメージで商品をつくっていません。ほかの人にどう見られるかよりも、つけ心地がよかったり、自分が納得できるバストメイクができればいいんじゃないのって。それがデザインのベースになっています」

塚本さんが代表になってからは、ブランドのロゴや店舗のイメージを刷新。きっかけは、お客さんに聞いたアンケートの結果だったそう。

「どんなときにうちの商品を買うかと聞いたら『必要なとき』という答えが返ってきたんです。ファッションというより、日用品なんですよね。日用品っていいものを探して買うというより、知っているものの中から選ぶじゃないですか」

「自分たちの考えを商品や店頭でいくら表現しても、待ちの姿勢では選択肢のひとつにすら入らない。より認知してもらうために、伝えていくことに力を入れるようになりました」

商品のデザインを打ち出していくというよりも、ブランドの姿勢を伝え、共感してもらうことを大切にする。

あらためてコンセプトを見つめ直したとき、くっきりしてきたのは「女の子の人生を応援する」というブランドのミッションだった。

「昔話に出てくる憧れの女の子って、白馬の王子様に見初められてしあわせにしてもらう。でも現代の女性は、自分の仕事や趣味を実現することに喜びを感じている人もいる」

「自分のためにきれいになりたいと思う人が、元気がでるような商品をつくりたい。そんな想いを小説家の川上未映子さんに言葉にしてもらいました」

「このテキストをつくったとき、僕、偉そうにも芥川賞作家に書き直しをお願いした部分があって。女の子のしあわせは誰かのためにきれいになることだと書かれたあとに『それは間違っている』って続いていたんです」

今は「それをしあわせと思う女の子も、もちろんいます。」と書かれていますね。

「僕らはどんな生き方も否定しません。でも流行りやほかの人の目を気にせず、自分が本当に好きなものを身に着けていたい。そういう人を応援するブランドでありたいと思っています」

今は下着というかたちになっているものの、将来的にはものに限らず、さまざまな方法で姿勢を表現していきたいと考えているそう。

いずれは店舗でイベントをしたり、今ある下着やパジャマ以外の商品をつくることもあるかもしれない。

 

「女の子の人生を応援する」というコンセプトは、今、実際の売り場でどう表現されているんだろう。

話を聞かせてくれたのは、町田東急ツインズの店舗で店長をしている田中さん。

「小学校のころから使ってくれて、成長に合わせて一緒に下着を選ぶとか。腹巻きを買ってくれた妊婦さんが元気な赤ちゃんを産んで会いに来てくれたりもするんです」

「女の子の暮らしにちょっとずつ携わっているんですよね。これをつけてがんばって!って思って働いていた気持ちが、コンセプトの言葉になった印象があります」

田中さんがウンナナクールで働くことになったのは大学生のころ。アルバイトをしていた友だちに紹介されたことがきっかけだったそう。

「それまで自分のサイズもよくわからなかったし、恥ずかしくて下着のお店に行くのも億劫だったんです。正しいサイズを教えてもらって、こんなにも心地いいものなのかってびっくりしました」

就職活動でほかの会社を受けたものの、そのままウンナナクールに入社することに。

決め手になったのは、働く人たちのカジュアルな空気感だったそう。

「あだ名で呼び合うような関係が、私には合っているなって。自分の好きな下着を身につけることが、洋服やネイルを楽しむように自然になっていたことも、続けようと思った理由です」

はじめて身につけるブラジャーを探しに来る人から、定期的に下着を一式買い換える人まで。お店にはさまざまなお客さんがやってくる。

「下着を選ぶって、人によってはすごく繊細でプライベートなことだったりします。恥ずかしくて試着が言い出せない方も多いんです。何を探しているのか、目線や動きをよく観察してからお声がけするようにしています」

言葉づかいや仕草にも気をつけながら話かける。

試着をすることやスタッフにサイズを聞かれることに抵抗がある人もいるから、相手をみながら関わり方を変えていく必要がある。たとえば購入時にサイズを確認するときも声には出さず、ラベルを一緒に見てもらうようにしているそうだ。

「私もそうだったように、恥ずかしさから自分のサイズを知らないまま選んでいる人も少なくありません。ぴったりのものを見つけてもらうために、比較的長くコミュニケーションをとることになります。ご案内するには、商品の知識を覚える努力も必要です」

ブラジャーはサイズだけでも21種類。それに加えて形や素材、デザインなどによってつけ心地が変わってくる。

「試着をして形をあわせて、ストラップの位置を調整して。自分のサイズが見つかったとき、お客さまがすごくキラキラした顔をするんです。清々しいというか、自分のことを知ることができたっていう感じなのかもしれませんね」

商品のカジュアルな印象から、20代くらいの女性が身につけるブランドだというイメージを持つ人が多い。実際には親子3代で使ってくれているお客さんもいるんだとか。

「洋服は外に身につけるもので、年齢とともに似合うものも変わってきますよね。下着は見えないから、いつまでも好きなものを身につけていられる。働く側としても、続けていきやすい仕事だと思います」

販売の仕事では、ブランドのイメージに合わせて年齢が制限されてしまうようなこともある。ウンナナクールでは、さまざまな年齢のスタッフが働いているそうだ。

「女の子をかわいくして、女の子の毎日を楽しくできる。それでもコスメフロアで働く美容部員のように、憧れの仕事にはまだなっていないように感じていて。今はスタッフの教育にも関わっていて、もっとがんばらないとって思っているところです」

働いているスタッフには、もともとブランドが好きで集まってきた人が多いそう。

ルミネ有楽町の副店長を務める小河さんもその1人。前職は、信用金庫の営業として働いていた。

「人と接するのが好きで、営業職で入社しました。実際にお客さまのライフプランを立てていると、うちの信用金庫よりも他行のほうが適しているんじゃないかと思うこともあって。それでも自分の会社の商品をオススメしないといけないことに、ギャップを感じはじめたんです」

次の仕事を考えていたときに、目にとまったのがウンナナクール。身近なブランドだったこともあり、軽い気持ちで働きはじめたんだそう。

「どんどん新しい商品が入ってくるので、レイアウトも常に変わっていきます。最初は色の並び順や見てもらいやすい置き方のコツがなかなかつかめなくて。自分のセンスのなさに落ち込んでいた時期もありました」

「お客さまにとって似合う色や形のものを見つける仕事です。洋服は少し大きくても着れることがありますが、下着は合う合わないがはっきりあって。うちの店で似合うものがなければ、ほかのブランドを薦めることもあるんです」

せっかく来てくれたお客さんに、別のブランドを薦める。なんだかもったいない気もします。

「私たちから見て似合っていると思っても、お客さま自身がつけ心地のよさを感じていないこともあります。身体のことなので、無理やり買ってもらっても意味がないんですよね」

ほかのブランドで買いものをしたあと「いいものが買えました」と報告しに来てくれる人もいるんだそう。

「不思議ですよね。デートに行くときはもっと華やかなもの、家でゆっくりする日にはうちのものをつけるとか。そのときどきにフィットしたものを選んでもらえたらいいなと思っています」

胸を張って、目の前の人と正直に関わる。

そんな日々を積み重ねていくことで、相手の人生を少し鮮やかにするような仕事なんだと思います。

(2018/10/31 取材 中嶋希実)

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