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解は自分でつくっていくもの
一緒に机を囲んで
どうする?キッチン事業部

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

この会社を取材しながら、最初に連想したのは「三人寄れば文殊の知恵」という言葉。

一人よりも二人、二人よりも三人のほうが、いいアイデアが生まれる。ただ、人が集まりさえすればいいかというと、必ずしもそうではないはず。

それぞれが自分の頭で考え、足りないところを補い合いながら柔軟に働く。だからこそ、仕事がうまく進んだり、いいアイデアが生まれたりする。

そんなことをあらためて感じた取材でした。

株式会社ゲットイットは、IT事業部とキッチン事業部の2つを軸として国内外に事業を展開している会社です。

IT事業部では、サーバーやネットワーク機器といった業務用の中古IT機器の売買やレンタル、修理などを行う。

キッチン事業部では、主にヨーロッパのメーカーの代理店となってキッチン用品を輸入し、日本国内やアジアの小売店に卸しています。

扱っている商品はフィンランドの老舗メーカーOPA社の鍋や、Cutipolのカトラリーなどデザイン性も品質も高いものが多いものの、まだまだその魅力を伝えきれていないのだとか。
そこで今回、キッチン事業部でマーケティング業務を担当する人を募集することになりました。

具体的には、既存のお客さんとの商談、市場リサーチ、商品プロモーションやキャンペーンの企画など多岐にわたります。

過去にマーケティングや営業、企画などに関わったことのある人なら、経験を生かして働いていけると思います。


ゲットイットのオフィスは、築地駅からも新富町駅からも歩いて5分ほどの場所にある。大通りから一本入った路地に、オフィスの入ったビルを見つけた。

エレベーターで4階に上がり、ドアを開けるとまず目に飛び込んでくるのはサーフボードと鮮やかな水色の壁。

「堅苦しい感じじゃなくて、働きやすい環境にするにはどうしたらいいだろうって。ここに引っ越してきたときに結構こだわってつくったんですよ」

あたりを見回している私に、そう声をかけてくれたのは代表の廣田さん。

廣田さんは、弱冠20歳でゲットイットを設立した。

「大学時代に小遣い稼ぎで始めたんです。秋葉原で中古のパソコンを買ってきて、使えるようにしてから販売する。売上がどんどん上がって、仕事にできるレベルまできたので法人化して」

ネットを介した売買をしていたら、あるお客さんから自分もネット通販を始めたいのでサポートしてほしいという依頼が舞い込んだ。

サイトづくりや商品の仕入れを手伝うなかで、廣田さんは海外の商品にも目を向けるようになる。

「ツテも何もなかったけれど、海外から自分が直接輸入できたら面白いんじゃないかなと思って」

面白い?

「間に入る人や会社が多いと、そのぶんしがらみもあって。そういうものに従いながらビジネスするの、俺はあんまり好きじゃなくて。自由に商売したいし、商品を買うお客さまが望んでいることに応えるためにも、直にやりとりしたいと思ったんです」

展示会に足を運んで直談判したり、現地のエージェントを見つけてつないでもらえるように交渉したり。何度も袖にされながら、少しずつ取引先のメーカーを増やしてきた。

うまくいかないかもしれない、という不安はなかったですか?

「学生の頃に起業したから上司にお伺いをたてたことがないし、自分がやりたいと思ったことは自分でやっていて。他を知らないから、それが普通だと思っていたんですよね」

「でも、そうやって働くほうが楽しいと思うから。今一緒に働くみんなにもそう話しているし、この社風に共感して入ってくれる人も増えてきました」

廣田さんは、「できないかも」と不安に思うよりも、どうすればできるのかを考え動き出す人。とても柔軟だから、一見結びつかないITとキッチンが社内に同居しているのもなんだかわかる気がする。


そんなゲットイットの中で、キッチン事業部は具体的にどんな仕事をしているのか。事業部長の田口さんにもお話を伺う。

「輸入に関しては、商品を切らすことなく仕入れるためにメーカーとしっかりコミュニケーションをとるようにしています。海外との取引が多いので、輸送の途中で問題が起きていないか確認したり、納期に間に合うように調整したりと、常に緊張感がありますね」

「国内に商品が届いたあとに卸す小売店さまは、だいたい150社くらい。注文頻度はお店によってバラバラなので、要望に合わせて受発注をしていきます。商品に関するお問い合わせやお取引のご要望を伺うことも重要な仕事です」

“事業部長”という肩書きに少し緊張していたけれど、田口さんは気さくに話してくれる。

実はもともと総務の担当としてゲットイットで働いていたので、キッチン用品には不案内だったそう。今でも、初めて参加した展示会のことをよく覚えているという。

「商品知識もゼロから勉強して。あたふたして大変でしたけど、いろいろな方と会話しながら取引が決まっていくのは面白かったですね。仕入れた商品がどれほど売れたのか、明確な結果となってわかるのでやりがいになっています」

キッチン事業部は田口さんを含めて4名と少数精鋭。そのなかで、それぞれのスタッフが互いに得意なこと、不得意なことや仕事の進捗具合を共有し、補い合ってきた。

たとえばメールはキッチン事業部共有のアドレスを使い、常に全員がチェックできるようになっている。田口さんが不在の場合も、各スタッフが優先順位を考えながら柔軟に対応しているそう。

仕事の範囲が決まっているわけではなく、相談しながらどんどん広げていくイメージ。自分で考え動くことが求められる職場だ。


そんなふうに自分の頭で考え、仕事をつくってきたのが武さんです。

「受発注業務やお客さまからの問い合わせ対応、倉庫スタッフへの梱包依頼は、基本の業務として全員ができるようにしています。でも、それ以外は自分で考えていく姿勢が必要ですね」

たとえば、武さんは自分なりに考えて営業活動を始めたのだそう。新卒で経験がないなか、手探りのスタート。参考にしたのは身近にいたIT事業部の営業さんたちだった。

「どんな話をしているのか、聞き耳を立てて。『最近あの件どうなっていますか?』とか『数年前に注文いただいたのですが、改めてご挨拶に伺ってもいいですか』と電話をして、お客さまから話を聞くきっかけをつくっていて。話すのは苦手だけど、聞くことなら自分にもできるかなと思ったんです」

ルート営業のやり方なども教えてもらいながら、取引の多い店舗を定期的にまわるようにしたり、お店の状況を見ながらフェアの開催を提案したりと、卸先とのコミュニケーションを積極的に取るようにしたという。

その甲斐あって、取引を拡大する店舗が増えたのだとか。

「武さんにはつい話しちゃうな、と信頼していただけたのはすごく嬉しかったです。だけど、定期的にデータを集めて分析したり、新たな商品を紹介したりすることまではまだまだ手が回っていなくて」

新しく入る人は、まず受発注の基本的な仕事を覚えるところから。その後は、武さんのように何が必要か考えながら、マーケティングの観点で事業部を盛り上げてほしい。

良い商品を扱っているから、現時点でも引き合いは多く事業は安定している。一方で、広報活動も手探りで、ブランドの良さは十分に伝え切れていないと感じているそう。

売れ筋商品だけでなく、市場の動向にも目を向けながら新たな商品を発掘したいし、広報にもより一層力を入れていきたい。年間を見通した戦略を立てて、動いていきたいと考えているところ。

「少しでも経験がある人なら、効率良く進めていけると思います。マーケティングの経験がなくても、食器が好きな人やお店で物を仕入れたり売ったりした経験がある人なら、どういうものが求められているのか想像してみることもできるんじゃないかな」

実は武さん、過去に留学の経験もあったスウェーデンへの移住を目指して、ゲットイットを退職することになった。

武さんが抜けるとキッチン事業部は3名体制になる。少ない人数で働くことに窮屈さや不安を感じる人もいるかもしれない。

すると、「そこは心配しなくても大丈夫だと思いますよ」と武さん。

「ゲットイットでは部署の垣根を越えた活動も多いです」

IT事業部の人と一緒にお昼を食べたり、語学部やバドミントン部などの部活動を有志で実施したり。

社内のことはみんなで決めようという風土もある。武さんは、賞与の分配の仕方を考えるチームに参加しているのだとか。

「私は学生のころ、社会人は自分の本心を隠して働かないといけないっていうイメージがあったんです。でもここでは全然そんなことなくて、ありのままの自分を出せました。それが楽しく働けた理由なのかなと思います」

「どうしたらもっと良くなるだろうって、みんなでよく話すんです。年功序列も関係なく、意見にはちゃんとまわりが耳を傾けて後押ししてくれます。だから気負わずに来てほしいですね」


武さんの話を隣で「うん、うん」と聞いていたのが黒川さん。

取材中も、話が脇道に逸れるとさりげなく引き戻してくれる。やわらかな雰囲気の中にも、冷静に状況を把握している様子が感じられます。

これまではパートタイムとして、コールセンターや事務、対面接客などさまざまな仕事をしてきたという。

「ただ、働く時間が限られている中でできることはたかが知れているし、慣れてくると発展性がなくなっちゃって。同じパートでも、自分が楽しいことで、変化のある毎日になったらいいなと思って仕事を探していたんです」

パートや正社員の垣根なく型にはまらない働き方ができることが、この会社の良さだと感じているそう。

黒川さんはお客さんから信頼してもらえるように、かつ、一緒に働く人たちが働きやすくなるような仕組みづくりを進めている。

「たとえば、お客さまが増えると当然管理する伝票も増えていきますよね。それを人が目視でチェックするのは大変だし、残業が増えちゃうのも困るので。月末に処理するときのルールを決めたり、社内SEの人に管理するためのシステムをつくってもらったりしました」

「人数が少ないからこそ、誰かだけに負担がかかることや業務が進まなくなることは避けたいんです。今回入ってくれる方はもちろん、みんなが働きやすくなっていけばいいなと思っています」


自由度の高い仕事には、自分に任されているからこそ相応の責任が伴うもの。

だけどいろんな仕事に関わっていきたいと思う人なら、きっと楽しく働ける場所だと思います。

この雰囲気が心地いいと感じた人は、自分ならキッチン事業部でどんな仕事をしていくか、一緒に考えてみてほしいです。

(2019/2/1 取材 並木仁美)
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