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はじめる?半浴半X
社長の隣で
ぽかぽかする生きかたを

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「おふろの再生を通じて、地域をぽかぽか沸かせたい」

そう話すのは、株式会社Kii companyの代表・宮本昌樹さん。

27歳で日本各地で温浴施設の再生に取り組むONDOホールディングスへ転職。その後、社内ベンチャー第一号として起業します。

2017年には、三重県四日市市で民間のスーパー銭湯を「天然温泉 おふろcafé 湯守座」にリブランディング。2024年、三重県いなべ市の市営温泉を2号店の「いなべ阿下喜(あげき)ベース」へ生まれ変わらせます。

「Kii company」という社名は、三重・奈良・和歌山県からなる紀伊半島に由来。和歌山県出身である宮本さんのルーツも込められています。

地域活性には、経済がきちんと回る仕組みが欠かせません。

経営のむずかしくなった温浴施設が再生すると、地域に仕事が生まれる。そこで働く人も、利用する人も、みんないきいきとしてくる。ひいては、地元を選ぶわかものや移住者も増えていき、エリアの価値が向上していく。

そうして一人ひとりがぽかぽかすると、湯守座も、まちも、よりぽかぽか沸いてくる。

今回募集するのは、ここで「半浴半X」な働きかたをする仲間です。

募集するポジションは、支配人・マネジャー職。一号店「天然温泉 おふろcafé 湯守座」の温浴部門を担当します。店舗運営を行いつつ、新規プロジェクト「X」もじわじわはじめていく仕事です。

社会人経験のある人が望ましいですが、職歴は問いません。地縁も問いません。県外出身のメンバーも活躍しています。「おもしろそう!」と思った人は、まずは読んでみてください。

 

四日市の第一印象は、住みやすそう。名古屋駅から近鉄特急に乗り、24分で近鉄四日市駅に到着した。

三重県で最大のターミナル駅だという。駅構内では学生がシュークリーム片手に歩いていたり、直結の近鉄百貨店の紙袋を下げる人がいたり、カフェにはスーツ姿の人がいたり。人口30万人ほどの四日市市は、“移住”というより“引っ越し”感覚で飛びこめそう。

近鉄四日市駅から湯守座までは、路線バスで15分ほど。最寄りのバス停「生桑町」が読めずにいると、運転手さんが「いくわちょう〜」と教えてくれて助かった。

 

湯守座は「浮世デイトリップ」がコンセプトの温浴施設。イベントも定期的に開催し、大衆演劇のステージがあったり、レストランもいろんなフェアをやっている。

到着すると、島貫(しまぬき)さんが迎えてくれた。

事前のオンラインミーティングから、取材後のやりとりまで、終始気持ちよく対応してくださった人。新卒入社2年目だという。

「出身は山形で、東京の大学を卒業して就職しました。湯守座には大きく飲食部門と温浴部門があって、ぼくは温浴部門のジュニアマネジャーとして働いています」

今回募集するマネジャーの後輩にあたるポジション。就職して約500日目の今、どんな仕事を?

「パートやアルバイトを含むスタッフさんのシフトや勤怠管理を行いつつ、フロントの様子をみて接客もします。日々の店舗運営に追われることもある。入浴中のお客さんがのぼせれば、速やかなケアが必要になる。設備トラブルで、取引先の手配も。最近は採用活動も。お客さんを気持ちよく迎える“守り”の仕事をベースに、“攻め”の仕事もしています」

攻め、というと?

「四日市はもちろんのこと、名古屋圏からも『行ってみたい』と思っていただくための店舗づくりと広報です」

島貫さんは、月に一度は代表の宮本さんとともに、会社のメンバーと視察旅行に出かけている。

7月に大阪の新世界に行った際の写真を見せてもらう。

「大衆演劇を観て、サウナに入り、ボディケアを受けました。夜は横丁を巡りながら、いろいろと話しましたね」

「『湯守座のステージのキャストを見直してみたい』とか『湯守座の館内パネルに富嶽三十六景を描いてはどうだろう』とか『今は中期経営計画を書いているけれど、10年後の温浴施設ってどういうもの?』とか」

ここで島貫さんは、自身が感じている「もどかしさ」についても話してくれた。

「視察で見たものをもっと店舗に活かしたいんです。訪れたお客さんがより季節を感じられる装飾を考えぬき、ときにはスタッフのみんなでつくりこみたい」

「だけど、まだまだ経験が足りなくて。アウトプットに時間がかかってしまい、結果として企画がルーティンになってしまうこともあります。ほんとうは夏の風鈴一つ、韓国フェアのメニュー一つ、小さくアップデートしていきたいです」

進みたい方向が見えているなかで、ともに走っていける仲間と出会いたい。

ここまで話を聞いて新鮮に感じたことがある。

それは、入社2年目から視察旅行に参加し、社長とともに中期経営計画についても話していること。そういうものは、経営層が行うのだと思っていた。

年次や役職で区切るのではなく、関心のある人たちで法人の未来を考えていく姿勢。なぜだろうか。

社長の宮本さんに話を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「だって、ぽかぽかしないじゃないですか」

宮本さん一人で視察に行って、現場に指示するだけでは、店舗がぽかぽかしない。一緒に行って、見て、聞いて、感じとったことを、みんなでお店に活かしていく。

だから、2号店の「いなべ阿下喜ベース」立ち上げにあたっては、顔となるサウナを知るため、社員とともにフィンランドへ視察旅行に行ったこともある。

「人はインプットしないと、アウトプットできません」

「そして、視察旅行を通じてインプットしたものを、すなおにアウトプットしていくとお店はどんどんよくなっていくものだと考えています」

宮本さんは、努力の人だと思う。はじめから、すぐにアウトプットできたわけじゃない。27歳で転職して、31歳で起業して。いろいろな経験をしながら、できることを積み重ねていった。

今、どんな風景を眺めているのか。

「2024年に2店舗目をオープンしてから、ぐんと問い合わせが増えています。“会社”として認識してもらえるようになったんですね。できることが増えています」

「中期経営計画を立てています。起業してからの8年間で育てた“事業のタネ”も活かしつつ、新規プロジェクトが立ち上がっていけたら」

湯守座に隣接する空きテナント物件で入居者を募った際には、鍼灸整骨、学習塾などさまざまな問い合わせがあった。

「たとえば美容針やパーソナルストレッチ。ほかのビジネスと温浴施設を組み合わせることで、1×1=5にもなるのでは?って」

それはすなわち、10年後の温浴業界をぽかぽかと沸かせていくことでもある。

「湯守座は、大衆演劇の文化を受け継ぐ全国的にもレアな温浴施設。ビジネスモデルの掛け算に挑戦し続ける存在でありたいんです」

「日本全体では、温浴施設が日々閉業している事実があって。温浴施設をより儲けられて、誰もが続けていきたくなるビジネスにしたいんです」

「儲かる」は大事なキーワード。同時に宮本さんは、温浴施設を「大きな鍋」のように考えている。アートも、エンタメも、ケアも、まちづくりも、育児も、防災も、なんでも受け入れられる大きな鍋。

2025年、関東の大学生たちが授業の一環として湯守座を訪問する機会があった。彼らが着目したのは、スタッフのミーティングルームとして利用していた湯守座の2階部分。

この場所を、ワーキングスペースとして使いたいと相談してくれた。

そうして湯守座がいろいろな掛け算をしていくなかで、現場のオペレーションはきちんとしつつ、ゆるやかに新規プロジェクトを育てていく「半浴半X」の人を募集したい。

新規プロジェクトには、いろいろな可能性が考えられそう。

宮本さん自身、これまでの8年間は新しいことへのチャレンジの連続。「半浴半X」は自身のテーマでもある。2024年からは、温浴施設の経営に関することなどを紹介するYoutubeにも取り組んでいる。島貫さんは、いつか学童をやりたいと考えている。

「一人ひとりが店舗運営をしつつ、新規プロジェクトを育てていく。二つの肩書きを持つハイブリッドキャリアの職場になりたいんです」

「マニュアルを守ることも大事ですが、『新しい価値をつくりたい』という気持ちの人と出会いたいです」

これまで採用活動を行ってきて、感じていることもある。チェーン店などでの店舗運営をイメージして応募すると、ギャップが生まれやすい。むしろ、店舗運営や接客業の経験がない人が飛び込んでもおもしろいかもしれない。

面接の場で、たまらず宮本さんが「どうしてうちに応募してくれたんですか?」と聞きたくなるくらいの異業種の人も歓迎。

 

最後に紹介したいのは、2024年に転職した岡田さん。もともと農業関係の仕事を営んできた。現在は2号店の「いなべ阿下喜(あげき)ベース」でミドルマネジャーをしている。

はたらくきっかけは、地元にある。

「地元が好きだったので、同級生が外に出て、まちが高齢化して、さびしいなって。地域活性に関わりたかったんです」

地元に残って、働いて、暮らして。それだってきっと地域の役には立っているけれど、あらためて地域活性ってどういうことだろう。いろいろな思いをめぐらすなか、日本仕事百貨で募集記事を見つけた。

「農業をするにしても、おふろを運営するにしても、地域を沸かせるためにはビジネス的な力は必要。自分のスキルを高めたかったし、まちを持続させるための取り組みをしてみたかったんです」

入社後は湯守座で研修を重ね、2024年4月からいなべ阿下喜ベースで働いている。

肩を並べて仕事をする同僚や先輩が、自分では気づかなかった長所を見つけてくれる。その上で、「今度こんなことをしていきたいのだけど、岡田さんはどう?」「ひょっとしてこういう仕事も向いているんじゃない」と、声をかけてくれる。もちろん自分から手を挙げてみることだってある。

「はじめてのことばかりですけど、ミドルマネジャーの須藤さんもいるし、まわりには相談できる人がいるから安心してチャレンジできます」

そうしたなか、岡田さんがはじめたい半浴半Xもある。

「サウナでは、ハーブを使っています。今は購入しているハーブを、今後は自分たちで栽培してみたくて」

 

一人ひとりのXが、これからのKiicompanyを育てていきます。

あなたは、どんなXをはじめますか?

(2025/8/19 取材 大越はじめ)

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