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【西粟倉10の生き方:その9】
挑戦できる村だから
観光で生きる術を磨く

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

珍しい食べ物や、歴史的な名跡、雄大な自然。

日本には、「一度は旅してみたい」と思う観光地がたくさんあります。

では、「もう一度行きたい」と思う旅先はどんな場所だろう。好奇心を満たすためではなく、その場所での思い出をなぞるように、足を運ぶ場所。

それは人が生き生きと暮らし、働いている場所だと思います。

今回紹介するのは、その場にいる人の力を生かし、地域の「観光力」を鍛える仕事。

岡山県・西粟倉村の宿泊施設や道の駅など、複数の観光施設を運営する「株式会社あわくらグリーンリゾート」で、現場での接客から売上管理などの店舗運営、新規事業企画まで3つの職種で募集します。


向かったのは、鳥取自動車道・西粟倉ICのすぐそばにある、道の駅あわくらんど。

新鮮な柑橘類の並ぶ店先から建物の中に入ると、お土産を扱う売店、その奥にはレストランがある。木工の雑貨など、地元でつくられた製品が並ぶ一方で、鳥取のお土産や四国の果物など、ほかの地域の品物も目立つ。

この道の駅をはじめ、株式会社あわくらグリーンリゾートの運営する施設は、もともと村の直営だった。

平成25年に指定管理者制度に基づいて法人運営に移行した。今回の求人について話を聞いたのは、あわくらグリーンリゾートの人事部長である木暮さん。

木暮さんは日本人材機構の仕事も兼務しているため、この日は東京・日本橋の事務所からfacetimeで答えてくれた。

「法人として運営していくからには、村の基幹産業になるように成長させていきたいと思っています。温泉と宿泊施設と道の駅、日本の観光の定番コンテンツがここにはすでにある。それをどう生かしていくかを、これから入る人と一緒に考えていきたいんです」

もともと西粟倉は、街道筋で人の往来が盛んな村。関西や鳥取から1時間程度でアクセスできることから、道の駅には頻繁に観光バスが出入りしている。

ただ、お客さんの多くはどこかへ向かう途中に食事やトイレ休憩などをすませるだけで、村での滞在時間は1時間程度で終わってしまうことが多い。

どうすれば、西粟倉を「目的地」にしてもらえるだろう。

「ここって実は、わかりやすい特産品がないんですよ。だからこそ工夫が必要だと思うんです」

たとえばレストランで新しいメニューを考えたり、フェアを企画したり。観光のモデルコースを提案することもできるかもしれないですね。

「ええ。でももっと西粟倉でしかできないことをやったほうがいい。僕はいろんな地域の観光事業に関わっているんですけど、西粟倉ほど役場が協力的で、スピーディに物事を決められる自治体ってまず見たことがないんですよ」

「それに、村内で挑戦しているベンチャー企業さんと協働すればここにしかない観光のかたちがつくれる。この1500人の村で一から観光事業つくっていけたら、ほかのどの地域でも通用する力を身につけられると思います」

ハキハキと強い意志を持って言葉を発する木暮さん。先に進もうとするその勢いに少し圧倒されてしまうほど。

歴史的な名跡や特産品に頼らず、人の力で観光を動かす。簡単ではないかもしれないけど、やりがいがありそうだ。


では実際に、西粟倉にしかない観光のかたちはどうやってつくっていけばいいんだろう。

道の駅やレストラン、宿泊施設など、それぞれの施設では主に地元のパート・アルバイトスタッフが中心。

現場についての思いを話してくれたのは、運営本部長の櫻井さん。

「どの施設も少ない人数で運営しているので、どこかに専属ということではなくて、忙しいときは施設間でお手伝いに行くこともあります。私としては店長候補としてオペレーションのことを一緒に考えてくれる人も見つかるといいなと思います」

「手が足りないからといって、作業マンが欲しいわけではないんです。現場に溶け込みながら、効率とか合理性のことを考えていってほしい。企画や営業など、店舗以外の場所で働く人でも、現場のことを理解する姿勢が大切で。新しいことをはじめるにはまずそこからですね」

老朽化した施設のリニューアルや、集客のための広報など、新しく着手すべきことはたくさんある。

新鮮な気持ちでこの村の魅力に気付くことができる「外からの視点」と、これまで現場を守ってきた人たちと思いを共有しながら働く一体感。新しくこの仕事をはじめる人には、そのふたつのバランス感覚が求められると思う。

誰でも何でも主役になれる可能性のあるこの小さな村で、観光に取り組む。答えのない仕事でもあるので、迷ったり悩んだりすることもあるかもしれない。

ただ、答えはきっと村の中にある。

あわくらグリーンリゾートで同僚になる人だけでなく、この村で挑戦を続けるローカルベンチャーの仲間たち、長く西粟倉で暮らしてきた人たち。

何もないと言われた村で、豊かな時間を見つけた彼らに、まずは話を聞いてみるといいと思います。

教科書通りの観光ルートを当てはめるのではなく、地域に溶け込み、この村らしい観光のあり方を見つける。

お互いに顔の見える、手の届く距離間で協力しあえる村だから、試せることがあると思います。

(2019/2/5 取材 高橋佑香子)

※株式会社あわくらグリーンリゾートも参加する、西粟倉村内の企業の合同説明会「小さな村のしごとフェス」が3/21に、大阪・心斎橋のW CAFEで開催されます。

日本仕事百貨では、イベントに参加する9つの企業を紹介しています。いろんな仕事があるので、西粟倉のことが気になったら、まずは読んでみてください。

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