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ものづくりも、人も好き
大切な指輪づくりを、
一生の思い出に

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

手元や首回りを、そっと彩るジュエリー。

とくに結婚指輪は、二人がこれから先も一緒にいることを示すもの。

今回ご紹介するのは、そんなこの世に二つとない宝物を、お客さんと一緒につくりあげていく仕事です。

鎌倉彫金工房は、シルバーリングや結婚指輪、婚約指輪を手づくりできる体験型の工房です。

こちらで、インストラクターとしてお客さんの指輪づくりをサポートするスタッフを募集します。

ものづくりも、人も好き。こちらで働く人たちからは、そんな思いを強く感じました。

 

鎌倉駅の西口を出て、商店街を歩いていく。

たくさんの観光客で賑わう東口に比べて、こちらは爽やかで落ち着いた感じがする。

ゆっくり歩くこと5分ほど。鎌倉彫金工房の御成町店を見つけた。ちょうどお店を訪れたカップルに続いて、ゆっくりと木の扉を開く。

こちらで丁寧に迎えてくれたのは代表の嶋﨑さん。

挨拶を交わしたあと、周りのスタッフと冗談を交わして空気を軽くしてくれる。きっと飾らない人柄なんだろうな。

「昔から木でも何でも、ものを削ったり磨いたりすることが好きなんです。高校生のころ、ジュエリーの専門学校を知って。金属を削ったり磨いたりするのって面白そうだなと思ったのが、この道に進んだきっかけです」

卒業後は、京都の金属工芸工房に就職。今と同じような体験型の工房で働いたのち、技術を深めるためにジュエリーメーカーへ転職する。

「そこで働く中で、今後自分がどういうふうに生きていくか考えるタイミングがあって。もともと独立して何かをしたいという気持ちはふんわり持っていました。そのときに体験型の工房を思い出して、ああ、いい仕事だったなって思ったんです」

いい仕事。

「ものをつくるだけじゃなかったなって。もちろんものづくりは楽しいんですが、お客さまと一緒にものづくりをして、完成したものを喜んでくれる姿まで見届けられるのは、やっぱりすごくいいなと思っていて」

「それに、指輪を自分たちでつくったら、思い出と一緒に持って帰れる。喜んでもらえるサービスだなってあらためて感じたんです」

そうして鎌倉彫金工房として、7年前に開いたのがこのお店。評判は少しずつ広まり、今は2店舗を構えるまでに。

お店は完全予約制で、お客さんは事前にシルバーや10金のペアリングコース、そして婚約指輪・結婚指輪コースの中から選ぶシステム。

当日は、素材やデザインを選んだのち、2〜3時間かけてつくっていく。棒を熱して曲げるところから叩いて磨きあげるまで、スタッフはインストラクターとしてそばで支えていく。

「完成まで一通りお客さまにつくっていただきます。僕たちはそのお手伝いとして、つくり方を伝えて、一部の作業を引き受ける。ただ、なるべくお客さまに『自分がつくった指輪だ』って思ってもらえるような接客をしたいなと思っていて」

「お手伝いが過ぎてしまうと『つくってもらった指輪』になっちゃうんです。やっぱりそれでは思い出にはならないと思うので、指輪に触れる時間も、お客さまが9割、僕たちは残りの1割というような意識ですね」

スタッフは工程一つひとつをサポートしながら、時折指輪を受け取って仕上がりを手早くチェック。きれいに修正してすぐに戻し、最後にお客さんが磨きをかければそのまま持ち帰れるような仕上がりにしていく。

「ものづくりは、性格がすごく出ます。デザインを決めるのにどれくらい時間をかけるのか、じっくり作業をされるのか、手早く終わらせる方なのか。どういう方なのかを見極めて、お一人おひとりに合わせて進めていきます」

二人にとって大切な指輪を失敗するわけにはいかない。かといってスタッフが緊張してしまうとお客さんも不安になってしまうのだそう。

技術はもちろん、話し方や表情も含めて、この人になら自分たちの指輪を任せられる、という安心感を持ってもらうことが大切なのだとか。

「接客は、これが正解っていうのがないので本当に難しい。でも、一番大切なのはできるだけ親身になって寄り添うことかなって。自分の家族や友達に教えるように接客してね、とスタッフにもいつも伝えています」

お店を開いて丸7年。恋人としてシルバーリングをつくったカップルが、婚約指輪や結婚指輪をつくりにくる姿も何度となく目にした。

「そんなときは本当に、よかったなあってしみじみ思います。お客さまにも『やりました、コンプリートですね』なんて(笑)やっぱり一番うれしい瞬間です」

「一生に一回、お二人の人生の節目になる大切な指輪を一緒につくる。楽しかったです、ありがとうございましたってニコニコ帰っていただくのを見るたびに、いい仕事したなって思うんです」

 

続いて紹介してもらったスタッフの豊里さんは、はつらつとした笑顔が印象的な方。等身大の言葉で話をしてくれる。

小さなころからものづくりが好き。服飾系の短大を卒業したあとは、アパレルの営業職として働きながら、陶芸や絵など色々なものづくりのワークショップに参加していたそう。

「なかでも彫金が一番難しかったんです。ほかのものは簡単にできたけど、彫金はまだ先がある気がして。もっとやってみたい、仕事にもつながったらいいなと思いながら通っていました」

「でも私は工房にこもってものづくりをする、という感じでもなくて。人と接することが好きなので、ものづくりと接客、両方できたら一番いいなと思っていたときにここを知って、まさに!と思いました」

入社後は、練習としてひたすらシルバーリングをつくる日々。一本の棒からリングをつくり出し、完成したらまた内側を磨く。一本のリングがペラペラになるまで、何度も練習した。

そうして数ヶ月間の練習ののち、接客に入っていく。まずはシルバーリングからはじめて、回数を重ねたところでウエディング用のプラチナや18金のリングへ。

ロールプレイングは積み重ねてきたものの、最初は不安で仕方なかったそう。

「本当に今の私で大丈夫かな、お客さまがつくったものを理想の形に持っていけるかなって。自分の伝え方次第でお客さまの指輪が変わってしまう可能性もあるし、ウエディングに至っては一生ものですから。もうドキドキでした」

「すごく不安だったんですけど、先輩たちが、まずはあなたが楽しめばお客さまも楽しんでくれるんじゃないかな、って言ってくれて。気が楽になったのを覚えています」

接客では、基本的な作業工程や説明以外に決められたマニュアルはない。そのためスタッフごとに雰囲気やスタイルが違うのだそう。

「私はグイグイいくのが苦手なので、最初の指輪選びもまずはそっと見守っています。きっとじっくりご覧になりたいでしょうから。もし何か迷っていそうだったら声かけを、という感じです」

事前にホームページを見てデザインを決めていたものの、実際にサンプルを指にはめてみると「何かが違う気がする」と悩む人も少なくない。

「私から『こちらのほうがいいですよ』とは言えないので、素材やデザインの特徴を伝えて、その反応を見ながらアドバイスします。ずっと付けていたいという方だったら、18金は硫黄成分が含まれる温泉に反応して変色するので、プラチナのほうがいいかもしれませんね、という具合に」

「ただ、18金は色が変わりやすいけど硬いので安心ですよ、とかプラスのことも伝えるようにしていて。マイナスな気持ちで終わるのはもったいないので、納得していただけるまで悩んでもらいたいですね」

接客は、午前と午後の3時間ずつ、1回につき2組を同時に担当する。

どのお客さんもスムーズに作業できるように、手元はもちろん、店内も見渡しながら準備や段取りを進めていく。

自分の伝え方や進め方次第で、お客さんの満足度も変わってくる。これまで500組近くを接客してきた豊里さんも、常に緊張感はあるそう。

「やっぱり一生ものなので、絶対に失敗できません。私は心配性なのか、今回の接客はどうだったかな、大丈夫だったかなっていう思いはいつもありますね」

すると「ついこの間、うれしい出来事があって」と話してくれた。

「接客に入りはじめてすぐのころ、あるカップルを担当させていただいたんです。槌目のシルバーリングを選ばれて、じっくり作業する女性を優しく見守っている男性が印象的で。最後に『また2年後に来ると思います』って言ってくださったんです」

そして先日、その言葉通り、今度は結婚指輪をつくりに来店してくれたのだそう。

「またあのお姉さんに接客してもらえたらいいねって思いながら来たんですよ、今回も楽しかったですって言ってもらえて。ああ、自分の接客は間違っていなかったんだ、よかったんだって思いました」

「ほかにも、サプライズでつくった婚約指輪でプロポーズが成功して、二人で結婚指輪をつくりに来ましたって方もいました。そうしたお話を聞くと、やっぱりうれしいなあとすごく思いますね」

 

最後に話をした新入社員の二見さんは、落ち着いた雰囲気。ファッションや飲食の仕事を経て、3ヶ月前にやってきた。

今は接客デビューに向けて、事務作業や見学対応などをしながら指輪づくりの練習に励む日々だそう。

「毎日、本当にわからないことだらけです。指輪一つつくるにしても、完成したと思って先輩に見せたら、自分では気づかなかった傷や曇りを教えてもらったり。どの作業でついた傷なのかもわからないので、一つひとつ聞く、もう一度やってみる、の繰り返しです」

「傷一つ取ってもそんな具合なので、奥が深いんだなって感じます。だからこそ上手くなりたい。まずは自分がきちんと指輪をつくれないと、お客さまと一緒につくることなんてできませんから」

目標は、溶接から磨きまで指輪一つあたり30分で完成させること。このハードルを越えれば接客が見えてくるものの、壁はなかなか高い。

「早くうまくなりたいです。でも、ただ技術が上達すればいいという仕事ではないとも思っていて」

どういうことでしょう。

「ただきれいな指輪がほしければ、それこそ既製品があります。お客さまは、指輪と体験を求めていらっしゃっていると思うんです。ある意味、いかに楽しんでもらえるかが、すごくきれいに指輪をつくること以上に大事なんじゃないかな、と思う自分もいて」

言葉遣いや立ち居振る舞い。この仕事は、その場の雰囲気も楽しんでもらうエンターテイメントでもあるのだと思う。

「スタッフのこだわりじゃなくて、お客さまの『こういう指輪をつくりたい』という思いを実現する仕事です。技術でも気持ちでも、その希望を叶えようと思って働くことが一番だと思うんです」

「まだまだなんですけどね」と汚れた手を見ながら、未来を見据えてしっかりと言葉を選ぶ二見さん。

二人の大切な指輪を、一生の思い出とともに届ける。その意志さえあれば、道は広がっていく仕事だと感じました。

(2018/07/20 取材、2019/06/28 更新 遠藤真利奈)

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