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地域と描いた夢を
“かたち”にする
続いていくまちづくり

地域活性やまちづくり。

さまざまな場所で聞かれるようになった言葉だけど、はたしてどれくらいの地域が“活性化”してきたのだろう。

一時的に盛り上がるイベントや、外部の援助なしでは維持できない大型施設。それって、本当に地域のために必要なもの?

大切なのは、それぞれの地域にある資源を活かすこと。そしてなにより、その地域に住む人たちの力で自走していける仕組みをつくることなんじゃないか。

株式会社NOTEは、そんな仕組みづくりを実践している会社だと思います。

兵庫・丹波篠山(ささやま)に本社を置き、全国でまちづくり事業を手掛けるNOTE。古民家再生を起点に、宿やレストランなど、それぞれの地域に合わせた産業も一緒に生み出しています。

今回は、全国各地でユニットプロデューサーとして働く人を募集します。地域住民とのコミュニケーションから産業のプランニングまで、幅広く地域に関わる仕事です。

まちづくりの経験はなくても大丈夫とのこと。都会で働いているけれど、今の暮らしに疑問を感じている。そんな人に合っている仕事だと思います。



新大阪駅から福知山線に乗り継ぎ、1時間弱でたどり着くのが篠山口駅。そこから車で10分ほど進むと、趣のある街並みが見えてくる。

ここ丹波篠山は、古来京都への交通の要として栄えてきた町。篠山城跡とその四方に残る城下町の一部にはかつての武家や商家が残っており、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。

町を散策したあと、少し奥まった場所にある事務所へ。ここで最初に話を聞いたのが、株式会社NOTEの母体である一般社団法人ノオトの代表、金野幸雄さん。

もともとは篠山市の副市長をしていた方で、2009年にノオトを立ち上げた。

ノオトが立ち上げ当初から行ってきたのは、古民家などの地元資源を活かした地域再生。

古民家は単純に再生・保存するだけだと、コスト面も含めてその後の維持管理が難しい。結果、先祖代々受け継いだ建物を残したくても、泣く泣く解体したり、売却したりせざるを得ないことが多々ある。

そこでノオトは古民家をリノベーションした上で、地域活性化に貢献する持続可能なビジネスの拠点として活用することで、歴史ある古民家を残す仕組みをつくってきた。

「ぼくらはマーケットや産業が確立された場所ではなくて、それらがない場所でリノベーションという手法を活用しながら、どうしたらいいかを考えていく。いわば、誰も見向きもしないところで仕事をするデベロッパーです」

「古民家再生、リノベーション、空き家活用っていうと他にやっているところはあるけど、マーケットや産業ごとつくっていくという意味で、ぼくらが目指しているものは結構違っていると思います」

丹波篠山市内にある一棟貸しの宿『集落丸山』は、NOTEの原点と言える場所。

たった12戸で構成される小さな集落ながら、家はどれも歴史ある立派な建物で、美しくも懐かしい里山の風景が残されている。当初は12戸のうち7戸が空き家で、住民も地域をどう維持していくか、危機感を持っていたそう。

そこでNOTEは地域住民と話し合いを重ね、空き家となっていた古民家を宿として活用することに。3戸を改修し、集落の暮らしを体験できる古民家の宿「集落丸山」として2009年にオープンした。

集落のNPOとNOTEが共同運営し、現地でのオペレーションはすべて村人が担当している。

古民家再生をきっかけに、一度外に出た古民家の所有者が集落に戻ってきたり、レストランをつくったことで都会からシェフが移住してきたり。人の営みが積み重ねられてきたこの古民家に、さまざまな人が魅力を感じて集まってきている。

「稼働率は3割を目指していて。少なく見えるでしょうけど、1泊4万円+ひとり5千円の料金なので、それぐらいの稼働率でもちゃんと継続して運営していけるんですよ」

交流人口が増加し、耕作放棄地もゼロになるなど、限界集落と呼ばれる農村でも観光ビジネスが成り立つことを証明した。

「やっぱり気持ちだけでは続かないので、ビジネスとして自走できることが重要で。たまに『あんたらまちづくりとかきれいごと言ってるけど、商売やないか』と言われるんです。でも『そうですよ、商売しないと続かないでしょう?』って」

「ぼくたちの本当の目的はいわゆる地域活性と変わらなくて。結局はまちや村を未来に残したいっていう、きれいごとなんです。そのきれいごとを実現していくためにどうすればいいか。それを本気で考えているからこそ、続けていけるものをつくりたい」

熱く語る金野さんの言葉の端々に、本気でまちづくりと向き合ってきた自信と情熱を感じる。



現在NOTEは、拠点のある丹波篠山だけでなく、北は北海道、南は九州まで、全国各地でまちづくり事業を進めている。

今回募集するのは、担当する地域の人々と協業し、事業計画の考案から運営のフォローまで一貫して担当するユニットプロデューサーと呼ばれる人たち。住んでいる場所もバラバラで、自分の担当する地域をそれぞれが責任を持って進めている。

月に一度、全員が丹波篠山に集合し、ミーティングが行われているそう。それぞれの進捗報告や連絡事項の共有、案件で困っていることがあればその相談など、普段会えないぶん、ミーティングの場で直接コミュニケーションを交わしている。

取材に伺った日は、ちょうどミーティングが行われる日。全国各地から集まったNOTEの仲間たちがそれぞれの状況を報告し、意見を交わしあっていた。

現場ではどんなことをしているのだろう。丹波篠山エリアを担当している玉垣綾子さんに話を聞いてみる。

もともと大阪で働いていた玉垣さん。都会のど真ん中で働く生活に疑問を持ち、昔から興味のあったまちづくりをキーワードに仕事を探しているときに見つけたのが、NOTEだったという。

「NOTEを見つけたときに、ここのほかに行くところなんてないって思ったくらい、惹かれたんですよ」

「まちづくりって民間の力だけではできないし、行政も権力や派閥によって動きづらいことが多い。NOTEはまさにその間をつなぐような存在です。しかも地域が自走できる仕組みまでつくるというところが、本質的でおもしろいと思いました」

依頼の多くは、自治体や地域住民からのもの。地域を面として捉えるために、1棟ではなく複数棟まとめての古民家再生を手がけているという。

地域に暮らす人としっかりコミュニケーションを交わしながら、古民家など歴史的建造物を活用したまちづくりを進めていく。

「地域を歩いて古民家の所有者さんに会ったり、自治会長さんと話したり。足を使って歩き回る地道な時間も多いです」

「私はよく井戸端会議しているところに『おじちゃん、おじちゃん!』っていう感じで入っていきます(笑)。やり方はそれぞれですが、まずは地域の人との信頼関係をつくることが一番大切ですね」

事業計画を立て、物件も揃ったら、ファンドの投資や銀行からの借り入れを行う。活動費や改修費を確保するために、行政の補助金を申請することもあるそう。

その後は工務店とやりとりして工事を進めたり、宿やレストランを運営するテナントをマッチングしたり。営業開始後も、オペレーションや新しい企画についての相談を受けるなど、継続的に関わっていく。

やることがすごく幅広いですね。

「同じように進められる案件っていうのはひとつもないので、そういう意味では大変ですね。状況を把握して、今何をすべきかと考える力が重要だと思います」

すると玉垣さん、「一度怒られたことがありまして…」と言って、あるエピソードを話してくれた。

「先方への連絡ミスをしてしまったことがあって。そのとき言われたのが、『一緒に仕事をしている工務店や地域で関わってくれている人。その人たちの未来を守るために動かなあかん』って」

「地域の人との信頼関係はすごく重要です。これはNOTEのみんなが思っていることだと思います」

地域の未来を背負って仕事をする。責任があるぶん、やりがいも大きいと思う。



仕事内容を聞いていくと、地域住民や行政、企業。さまざまな立場の人たちとコミュニケーションをとり、なおかつ資金調達の手続きや提案書作成など、細々とした事務作業も多い。

話を聞きながら、どんな人が向いているのだろう?と考えていたら、株式会社NOTEの代表である藤原岳史さんが答えてくれた。

「ぼくらは地域に光を当てて、ちゃんと持続可能な状態で事業を続けていけるような仕組みをつくる人たちでありたいんです。それをおもしろいと思ってくれる人がいいんじゃないかな」

どんな経験があったらいいでしょう?

「まちづくりの経験はなくてもいいと思っていて。たとえば建築とか不動産、ファイナンスとか。都市部でバリバリ働いて身につけたスキルって、地方ではすごく貴重なんですよ」

「都会だと競合がいっぱいいるけど、地方だとそれも少ない。必要とされる環境で実践していくことで、より成長していける部分も大きいと思います」

今回入社する人はまず、既存エリアのサポートからはじめていくそう。ある程度の経験を積んだ上で、自分自身の担当地域を持つことになる。

「たとえば、都市部で働き続けて豊かな暮らしができるんだろうかと思っている人。もしくは、実家に帰るたびに昔あった商店がなくなったり、近所のおばあちゃんが亡くなって家が壊されたりしていて、自分のふるさともなくなっていくのかもしれないという危機感を抱いている人」

「日常のなかでそういったことを感じながら暮らしている人だったら、ここでの仕事は相性がいいと思うし、やりがいを感じることができるんじゃないかな」



藤原さんの話を聞きながら、自分のふるさとのことをふと思い返していました。

見るたびに変わっていく風景。それも発展ではなく、衰退という形で変化していくまち。それは日本のあらゆる場所で起こっている現実なのだと思います。

理屈じゃ言えないけれど、残ってほしい、残していきたい。NOTEのみなさんの話を聞いて、そんなきれいごとを、自信を持って言っていいんだと感じました。

なにか心の中に思い浮かべる風景があるなら、ぜひ仲間になってほしいです。

(2019/7/2 取材 稲本琢仙)

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