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話好きの夜は更けて
彼らのいる場所が
旅の目的地

「眠っている場合ではない」

ワイズアウルホステルズは、そんなふうに私たちに語りかけます。

睡眠をとるだけのリーズナブルな宿ではなく、ホステルのなかにこそ旅の楽しみをつくりたい。

いろんな国の旅行者で囲むテーブル、地元のスタッフが教える穴場、近隣の住人と酌み交わすお酒、言葉を超える音楽のリズムやメロディ…。

そこで出会った人と人の関わりがコンテンツとなってにぎわいを生み出していく。

シェアハウスなどコミュニティスペースづくりの発想をベースに生まれたホステル。

今回は新たに出店する、札幌と京都のホステルで働く人を募集します。



東京・八丁堀。

地下鉄の駅から地上に出るとすぐ、壁にダイナミックなペイントを施したビルが目に入る。

時刻は19:00。建物の正面には提灯とサインの明かりが灯り、街の中で不思議な存在感を示している。

ペインティングと反対側の側面には暖簾が下がっていて、どうやら居酒屋になっているらしい。

ちらほらと宿泊客が戻ってきているフロントのそばには、フクロウもいる。

あれこれ気になりつつ、まずは少し落ち着いた雰囲気の6階ラウンジで話を聞かせてもらうことに。

「あの子はうちの女将でハチっていう名前なんですよ。以前泊まっていたお客さんが、ハチを見てラウンジにこの絵を描いてくれて」

そんなふうに建物を紹介してくれたのは、株式会社ワイズアウル副代表の前川さん。

ワイズアウルはもともと、シェアスペースのプロデュースを多く手がける株式会社シェアカンパニーの一事業として発足した。

シェアというテーマのなかで大切にしてきたのは、建物のデザインというハード面だけでなく、ソフト面であるオペレーション。

「ホステルという業態をスタートさせるときも、人が集まる、にぎわいを生む場所をつくりたくて。ゲスト以外の人も一緒に楽しめるコンテンツを盛り込むことから企画がスタートしたんです」

建物の中にはカフェやバーなどの飲食スペース、地下にはサウンドバーもあって、宿泊以外が目的のお客さんも交わりながら時間を過ごせる仕掛けがある。

バーのイベントを楽しみに来る人もいるし、居酒屋フクロウには仕事帰りのサラリーマンが集まっている。

八丁堀でスタートしたホステル事業は、3周年を迎えた。

その間渋谷に2号店ができ、今年末には京都・札幌、来春にはとうきょうスカイツリー近くと、出店の予定が続いているそう。

「今後もっといろんな地域に展開していきたいんですが、そのためには担い手が必要で。今回の募集では、将来的にマネージャーとして活躍できる場をつくっていきたいと思っているんです」

最初は、フロントや清掃など一通りの仕事を覚えるための研修からスタート。

マネージャーを目指す人はさらに、売上管理やマーケティング、スタッフの教育、イベントなどの賑わいの企画なども含めて、場づくりを考えていく。

今後、広い地域に展開していけば、エリアマネージャーやプロデューサーとして新しいホステル、ホテル出店に向けた建物のプランニングなどの企画に携わる道もある。将来自分自身でホステルやゲストハウスを経営したい人は、経営のノウハウも学ぶことができる。

その都度、自分たちで考えていく大変さはあっても、意欲があれば成長に見合ったチャレンジをさせてもらえる。チャンスは多い環境だと思う。

「マネージャーを目指す意欲に加えてもうひとつ希望を言うと、今回は札幌や京都のまちに土地勘のある人が来てくれたらうれしいなと思っていて。ゲストにとっては、その土地で暮らす人との交流も旅の魅力になると思うんですよね」

「これからいろんな地域に店舗が増えていったら、周りの環境によって建物やサービスなどアウトプットする形は少しずつ変わるかもしれません。一方で『ワイズアウルらしさ』みたいなものは守りたいなと思うんです」



「ワイズアウルらしさ」と聞いて思い出したのは、HPに掲載されていた一文。

“眠っている場合ではない
東京を体感せよ
昼夜問わず感度を高めよ
それが旅のあるべき姿だろ“

一般的な宿泊施設にある「おもてなし」の発想とは少し違う提案。ここでいうワイズアウルらしさって、どんな過ごし方なんだろう。

その疑問に答えてくれたのは、統括マネージャーの延藤(のぶとう)さん。

「お客さまを楽しませてあげるっていうより、まずスタッフ自身が楽しんで、ゲストが自然と仲間に入ってきたくなるような空気感をつくりたい。仕事だからじゃなくて、自分で考えて楽しいと思ったことを実践していってほしいんです」

マニュアルに沿った接客だけでなく、その人だからできること。スタッフの感性がホステルの個性になり、旅のコンテンツにもなる。

話を聞いていたラウンジには、それぞれのスタッフがおすすめの飲食店をまとめたファイルが置いてある。

日本人にとってはごく当たり前のファストフード店も、旅行者にとっては日本ならではの体験。飾らないスタッフの本音が、旅の楽しみにつながっている。

「私も旅先では現地の人が勧めてくれた店に行くようにしていて。ガイドブックに載っている観光名所に行かなくても、食べて飲んで、人と喋ったら満足かな」

海外で生活していたこともあるという延藤さんのほかにも、ワイズアウルにはもともとバックパッカーだったというスタッフも多い。



現在は八丁堀店のマネージャーで、これからできる札幌店でマネージャーを務めることになる奥津さんもそのひとり。

「高校を中退してからお金を貯めて、アメリカの西海岸へ留学したんです。海外生活の最後にロードトリップでいろんなところを回っていました」

見ず知らずの人にも気さくに話しかける、西海岸の朗らかな人たち。

帰国後にこの仕事を選んだのも、その経験が大きく影響しているという。

「海外からここへ来るゲストを見ていても、やっぱりホステルを選ぶ人は話好きな人が多いのかなって思います。日本人はいきなり海外の人と話すことにハードルを感じやすいので、まずはスタッフがゲストと仲良くなって、橋渡しができたらいいなと思って」

業務に必要な英語は、日常会話レベルで大丈夫。知識はなくても、まず笑顔で話してみてほしいと奥津さんは言う。

スタッフが企画したイベントでは、お客さんと一緒にたこ焼きやちゃんこ鍋など日本の食を楽しむこともある。

まずは、定期的に行なわれている「カードゲームナイト」などで場の雰囲気を掴んでみるといいかもしれない。

「最初は誰も正解がわからなくて、本当に手探りでしたね。いまでも日々のオペレーションは少しずつ改良しながら進めています。みんなで意見を言い合えたからこそ、できたこともあると思うんです」

「僕は今マネージャーという立場になって、なるべく現場のスタッフが何かを言い出しにくい状況をつくらないようしたくて。たとえ理にかなっていないようなことでも、思っていることを言ってくれたほうが百倍うれしいです」

奥津さんが新しくマネージャーになる札幌店はまだ工事中。空間の雰囲気はまだわからないけど、まとめようとしているチームをイメージすると、聞いている私もなんだかホッとする。



もう一方の京都店でマネージャーになる細田さんも、チームへの思いを話してくれた。

「スタッフはみんな個性が強いし、たまにケンカすることもあるんです。ただ僕はこの3年間、人が原因で辞めたいって思ったことはなくて。ここがどういう理念を持った会社だからっていうよりは、このメンバーだったからやってこられたような気がするんです」

細田さんはもともと、新卒で地元の企業に就職。働く環境への違和感から仕事を辞め、バックパッカーとして長い旅に出た経験を持っている。その期間なんと3年半。

「あんまりせかせかしたくなくて。全然観光地じゃない、バスの乗り換え地点みたいな場所で何泊もしながらまわっていたんです」

「そういうところには、『沈没宿』って呼ばれるいい宿があるんですよ。Wi-Fiがあって、ホットシャワーが使えて、安い。エジブトのダハブは本当によくて、ひとつの場所で2ヶ月くらい過ごしました。そのうち通りを歩いていると『今日何食べるの?』と声をかけられるようになって」

アジア、ヨーロッパ、中南米を旅してきた細田さん。場所が変わっても印象に残っているのは、そこで出会う人との関わりのこと。

チェックインのときフロントにいたスタッフとそのまま飲みに出かけることになったり、旅人同士で夜な夜なお互いの人生の話を聞いたり。

「東南アジアとかだと、ホステルのスタッフも従業員っていう距離感じゃなくて、あくまで個人として付き合っている感じ。日本で働いていた自分にとってはすごく新鮮で、『そんな生き方あるの?』みたいな」

自分の暮らしと仕事がひとつながりに。そんなふうに生きる人との出会いを経て、細田さんはワイズアウルでの仕事をはじめた。

同じホステルの仕事とはいえ、日本と海外では事情が異なる点もある。

事務作業や数字の管理も、日々の運営には欠かせない。

朝のフロント業務が終わると、チェックインの時間までに清掃業務。さらに、ゲストと一緒に目的地までの行き方を調べるコンシェルジュのような役割など、仕事は幅広い。

「海外のイメージそのままっていうわけにはいかないけど、人と出会う新鮮さっていうのはやっぱりホステルの良さだなと思います」

先日もメキシコから来たお客さんに誘われて、ちょっと昼までのつもりが夜まで街歩きに付き合うことになったという。

「そのときちょうど夜勤明けで、体はしんどかったんですけど全然ストレスではなかった。海外から来た人とごく自然に遊べて、彼らが楽しんで帰ってくれる。それがうれしいというか」

そのときのゲストからは、今でもときどき「今度はメキシコに遊びにきてくれよ」という連絡が来るのだそう。

お客さんに接することを、サービスという枠のなかだけで考えていたら、得られない価値もあるのかもしれない。

「新しくホステルができる京都には、祭りとか伝統工芸とかいろいろ面白いものがある。自分たちがまちとのつなぎ役になって、ローカルな楽しみを体験してもらえたらいいなと思っています」



細田さんの旅の話を聞いているとき、最初に話を聞いた前川さんがこんなことを話してくれました。

「私、最近になって世界一周に行ってみたいと思うようになって。この仕事って、ゲストもスタッフも旅人で、日々感化されているんだと思う。年齢を重ねても生き方や価値観に変化があるっていうのは、いいことだよね」

「一周なら、3ヶ月でいけますよ」と細田さんが言うと、話題はまたそれぞれの旅のことに。

時刻は22:00。

もうちょっと旅の話を聞きたいなという温かい余韻を感じながら、明かりの灯るホステルを後にしました。

(2019/7/8 取材 高橋佑香子)

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