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一行のコピーもまちづくりも
真面目で自由な
「場」生むチームワーク

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「場」と聞いて思い浮かぶイメージはどんなものでしょうか。

空間や建築、あるいは人の集まりなどを想像する人が多いかもしれません。

ただ、人の存在やアイデアに触れ、何かしらの変化や行動を引き起こすものを場と捉えるならば、身のまわりには無数の場が転がっていることに気づきます。

たとえば、ひとつのまち、一軒のお店、ひとつの商品、Webサイト、一行の文章。

こうした一つひとつの場にとことんこだわり、よりよい未来をつくっていく会社がBAUM(バウム)です。

たとえば「丸の内朝大学」のようなまちづくりのための学びの場や、東京都美術館の企画展「おべんとう展」、発酵デザイナー小倉ヒラクさんの著書「発酵文化人類学」の装丁など。

バウムの考える場も、場づくりの手法も、本当に幅広いので、最初はどんな会社なのかイメージがつかないと思います。

ひとつの共通点として言えるのは、どんな場についてもとことん考え抜いているということ。そもそもなぜその場をつくるのか?にはじまり、場に関わる人がどうなってほしいか、そして、場を通じてどんな未来をつくっていきたいかということまで、深く追究していく。

今回は、そんなバウムのグラフィックデザイナーとプロジェクトマネージャーを募集します。同時にアルバイトとインターン、外部スタッフも募集中。

場生む仕事に興味がある方は、ぜひ続けて読んでください。

 

地下鉄銀座線の外苑前駅から7,8分ほど歩くと、ワタリウム美術館が見えてくる。その隣のビルの4階、エレベーターの扉が開くと、すぐ目の前がバウムのオフィスだ。

戸惑いつつなかにはいると、スタッフの方が挨拶をして迎えてくれた。片手にはメニューを持っていて、「何か飲みものはいかがですか?」と聞かれる。ホットコーヒーをお願いし、少し待つ間にオフィス内を見て回ることに。

社員みんなでDIYしてつくったという空間。

本棚には場にまつわる書籍が並び、部屋のあちこちには、過去に手がけてきたプロダクトが散りばめられている。デスクの使い方にもスタッフそれぞれの個性が表れていて面白い。

遊び心に満ちたオフィスだなあ。そんな印象を第一に受け取る。

そこへ代表の宇田川さんがやってきた。

話しはじめて、宇田川さん自身がこの遊び心の源泉なのだなと気づく。使い古された言葉ではなく、今この瞬間の感覚を、素直な言葉で語ってくれる方。

「場っていうのは、建築物や空間にはとどまらなくて。イベントやWebサイト、一行のコピーも、ぼくらにとっては場なんですね」

宇田川さんいわく、人と人が関わり、互いの関係性に影響を与えるものはすべて場とのこと。

オフィス空間はもちろん場だし、出会って交わした言葉も、名刺も、この日本仕事百貨というWebもすべて場ということになる。

だからこそ、バウムの仕事には垣根がない。紙でもWebでも、グラフィックでもプロダクトでも。場を生むことならなんでも仕事になりうる。

「基本的にはブランディングやデザインの依頼が多いんですが、それを楽しみながら拡張していくのがバウムの仕事の形です。どんな商いにも必ずいろんな人が関わるから、そこに向き合っていくといろんな方法が考えられる」

どういうことでしょう?

「たとえば、アメリカのコピーライターと共同でランニングシューズのブランディングをしたことがあります。彼の意見も踏まえながら、まちで走ってる人や専門店の人、酒場で会った人にもいろいろ聞いてみる。そうすると、その人たちの間につくるべき場としての言葉とかデザインが見えてくるんです」

つまり、つくりたい“場”に関わる人たちの声を拾うところから、アイデアが広がったり、ひとつの形として収束していったりするんですね。

「そうですね。最近だと、建築の前と後の仕事が面白いです。普通は建築ができた後から関わってブランドをつくっていくんですが、ぼくらはコンセプト段階から建築家と一緒に考えます」

ランニングシューズのことを考えるように、その建物を使う人、関わる人について考え、話を聞きにいく。そして、建物をつくった後に起こる人の行動や関係の変化までを考え、コンセプトやデザインをつくっていく。

「過去の仕事を見て、こんなこともできないですか?という相談もいただきます。新しい分野は一筋縄ではいかない。でも、相手も今までの慣例と違うことに挑戦したい気持ちで声をかけてくれるので、いい仕事になる可能性が高いです。依頼をいただいた人たちと一緒に楽しみながら、どういう社会の変化につながるかまでじっくり考えていくのがバウムのスタイルです」

ここで宇田川さんは、冷蔵庫から一本のボトルを取り出した。

長野県のりんご農家さんたちと一緒につくったハードサイダー「Son of the Smith(サノバスミス)」だ。

原料のグラニースミスというりんごは、鮮やかな緑色と爽やかな酸味が特徴の品種。りんごのお酒といえばシードルがよく知られていると思うけれど、サノバスミスはアメリカで親しまれているハードサイダーがもととなっている。

バウムは、商品コンセプトの立案から開発、パッケージデザインに至るまで、若手農家たちとともに1から築いてきた。

「彼らは、“何百年も先祖代々つくってきたりんご園を守るのもかっこいいけれど、見たことがないものをつくるのもかっこいいよね”という価値観を持った人たちでした」

そこで、この10年でハードサイダーが新たな産業になってきているアメリカ・オレゴン州とワシントン州への旅を企画。かっこいいりんご農家のあり方、多彩なサイダーのつくり方に触れたことで、いいものをつくりたいという想いはさらに加速していった。

「ゆくゆくは周りの農家さんも巻き込んで、ハードサイダーの文化を広めていきたい。そうすれば自分たちも楽しいし、子どもや孫の世代にはりんご農家のあり方も変わっていく。彼らとコミュニケーションをとるなかで、そんな想いが見えてきて。いいな、って思ったんですよね」

場をつくることで、自分たちが楽しい。商品を手に取る人もうれしい。そして、社会の課題を解決したり、ワクワクする未来にもつながっていく。

これって、近江商人の「三方良し」の考え方にも通じるものだと思う。

「ぼくらのつくる場は、すべて戦略的な場じゃなきゃいけないと思っていて」

戦略的な場。

「場づくりのイメージって、居場所とかコミュニティみたいなほうに偏っている気もします。それって下手をすると思考停止ワードになりかねない。しっかりとした短期・長期の戦略があってこそ、いい場になると思っていますし、結果的にいいブランドを構築することにつながります」

では、一緒に働きたい人ってどんな人でしょうか。

「何かひとつ得意分野がある人。良くも悪くも型がないというか、壮大でふわっとはじまる仕事も多いので、軸になる得意なことがないととても大変」

「文章を書くのが大好きですとか、おしゃべりがすごいんですとか、なんでもいいんです。ブランディングの仕事に寄与できる能力、特性があると思う人に応募してもらって、あとはその人と一緒に何ができるかを考えていきたいです」

 

そんな宇田川さんと一緒に働いているのが、デザイナーの國影さん。

6年勤めた大阪のデザイン事務所から2年ほど前に転職してきた方だ。

前職ではメーカーのカタログやパッケージなどのグラフィックを担当していたという。

「わたし、いつも疑問だったことがあって」

疑問?

「これは誰に向けてつくっているんだろう。届ける人たちの顔が本当に見えているのかな?って気持ちが常にありました」

デザインの仕事は続けたい。でも、もっと違う可能性もあるんじゃないか。

そう思っていたタイミングで、日本仕事百貨のバウムの記事に出会う。

「バウムのつくる場は、誰がそこに関わってどう変わるかっていう一連が見えるので、納得がいくというか。深いところまで掘っていく感じにグッときましたね」

実際に働いていて、どうですか。

「とくにプロジェクトのはじまりから関わる案件は、仕事の自由度が高いぶん、デザインの段階でも形にできるまでたくさん悩みます。テイストを変えていくつもの方向からつくってみたり。何度もジャブを打って、探り探りですね(笑)」

アウトプットだけを見ると、どれも軽やかで楽しげな印象を受けるデザインが多いのだけど、その裏にはしっかりとした戦略が根をはっている。

深く考え抜いたものを、いかにわかりやすい形で伝えるか。最初はとくに苦労するポイントかもしれない。

直近で印象に残っているのは、渋谷の複合施設開発の案件だそう。

「施設ができる前のコミュニケーション戦略から、開業後のツール制作やWebサイトの運営、ワークショップの企画まで。みんなの得意分野を活かしています。わたしはグラフィックデザインを担当していて、クライアントとの窓口など、業務の中心になっているのはあかねさん」

 

そう紹介されたのは、プロジェクトマネージャーの林さん。

「クリエイティブな人たちが住み、働く場所なので、その人たちが考えていること、日々起きていることを取材して伝えています。広場で開催されるイベントでは、わたしたちもブースを持ってまちの人たちと話したり、遊ばせてもらってますね」

人が交わる場を、メディアとリアルの両方でつくっていく。

そのプロセスには、さまざまな職能が必要になる。編集者、デザイナー、ファシリテーター、Webディレクター、ライターなど…。社内外のスタッフとチームを組み、仕事を進めていく。

「いろんな人が関わり、新しい試みが多く起こる場なので、すべて説明しようとすると複雑になりがちです。形にする際には直感的なわかりやすさを大事にしています」

たとえば國影さんとつくった施設案内の冊子は判型が変わっている。さまざまな才能が集まるこの施設のあり方を手触りで感じてもらう狙いがあるそうだ。

「そもそもこの会社に入ったのは、バウムのつくるものがわかりやすいなと感じたからで。壮大な課題を整理したり、抽象的なコンセプトをどう形にするか。ロジカルに考えながら、楽しく、わかりやすくアウトプットすることは常に心がけています」

林さんは、どんな人と一緒に働きたいですか。

「ドラマの『コードブルー』みたいなチーム感に憧れがあって()。小さな会社なので、一人ひとりさまざまなことを任せてもらえるのですが、ひとりで背負いこむというよりは、お互いの力をより伸ばせるように、チームとして一緒に仕事できる人がいいなと思います」

職能に応じて役割は分かれているものの、チームとしてかなり密接に関わりながら案件を進めていくことになる。

新しい人が入ることによって、このバウムという場もまた、大きく変化を遂げていくはずです。

場を生むことを通じ、自分をどう社会のなかで活かせるのか。

バウムの未来にワクワクしたなら、仲間に加わってください。

(2017/12/4 取材 2019/9/17 再募集 中川晃輔)

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