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誠実に、丁寧に
モノと人の
来し方行く末

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「人がモノを売るときって、引越しや結婚など人生の岐路であることが多いんです。思い出が詰まったモノを、まかせてもいいなって思ってもらえるような、そんな人でありたいと思っています」

東京・世田谷にあるリサイクルショップ、くらしのくら。

不要になったモノを引き取るのではなく、大切にされてきたモノを適正な価格で買い取り、次の使い手に届ける。品物の買い取りから、店頭・インターネットでの販売までワンストップで手がけるお店です。

今回募集するのは、家具などの買い取りを担当するバイヤー。買い取り依頼のあったお客さんのもとへ足を運び、品物の査定から運搬、その後の販売まで関わる仕事です。



駒沢大学駅からバスに乗り5分。深沢不動前というバス停から歩いてすぐのところにあるのが、くらしのくら。

お店に入ると、家具や骨董品、貴金属、着物など、さまざまなモノが並んでいる。

モノの種類は多いけど雑多な印象はなく、それぞれがよく見えるように整えられている。アンティークショップのような雰囲気に近いのかもしれない。

まわりを見渡していると、「こんにちは」とおだやかな笑顔で声をかけてくれたのが、代表の高木さん。

くらしのくらは、お客さんの声を大切にする地域密着型で成長してきたお店。アンティークショップのような雰囲気は、訪れるお客さんの雰囲気に合わせた品揃えの結果だという。

「世田谷という土地柄もあって、お店を続けていくうちに質の良いモノが入ってくるようになったんです。お客さまからも、『もっと質の高いモノを置かなきゃだめよ』という助言をいただいて、ブランド食器やアンティークの家具など、扱う品物が変化していきました」

今でも、「こういうモノがほしい」というお客さんの声はノートにまとめ、買い取りのときに「これを探している人がいたから買い取ろう」という形で参考にしているそう。

そしてお客さんの声とともにもう一つ大切にしているのが、スタッフ一人ひとりの感性を生かすこと。

「値段がわかりやすいモノだけを売りたくないと思っていて。買い取りの相場では値段がつけられないようなモノでも、それぞれのセンスで『これはいい!』と思ったモノは買おうっていうのが、お店のポリシーとしてあるんです」

「たとえば雑貨を買い取るときも、有名なブランドではないけど見た目や素材が良い、じゃあ買い取ろう!みたいな。一人ひとりのセンスや感覚を生かしたほうがおもしろいモノが集まるし、仕事も楽しいと思うので」

はじめはお父さんの手伝いというかたちでお店に入った高木さん。次第に、リサイクルショップのおもしろさに惹かれていったのだそう。

「買い取りを通していろんな種類のモノに触れることができるし、自分で値段をつけて売ることもできる。そしてなによりお客さまが喜んでくれる。そのサイクルがすごくたのしくて。前職を辞めて、こっちの仕事をするようになったんです」

たしかに、買い取りにも販売にも自分の感覚を生かせるし、年代もジャンルも幅広い商品に出会うことができるのは、リサイクルショップならではのことかもしれない。

今回募集するバイヤー担当は、主に客先に出向いて、品物を査定し買い取ってくるのが仕事。査定がメインではあるけれど、家具の運び出しもする必要があるため体力も必要になる。どんな人が向いているでしょう?

「うーん…明るくて元気で素直な人かな。もちろん運転や体力というのも大事なんですが、やっぱり人と関わることが大前提にあるので。思い出の詰まった品物を、この人にならまかせてもいいなって思ってもらえることが一番なんです」

「人とモノ両方が好きで、一つひとつのコミュニケーションを誠実に重ねていってもらえれば、自然とお客さまの気持ちに寄り添っていけるし、それが信頼につながっていくんだと思います」



次に話を聞いた大橋さんは、まさに誠実に仕事に向き合っている人。くらしのくらの店長を務めつつ、バイヤーとして家具などの出張買い取りも担当している。

「最初に買い取りをしたとき、ものすごく緊張しちゃって。年配の方もよく依頼をくださるので、変に背伸びをしても見透かされちゃうんです。だからとにかく誠実に丁寧に話すことを心がけてきました」

「そうすると、お客さまも納得してくれる。どうしてその値段になるのかまで納得してもらうことが重要なんだなって、買い取りの仕事をしてきてすごく感じますね」

大橋さんはもともと別の会社で営業の仕事をしていたそう。休日にリサイクルショップや骨董店に行くのが好きで、いつか仕事としてチャレンジしてみたいと思っていた。

ひとつのきっかけになったのが、2011年に起きた東日本大震災。普通の生活が突然奪われてしまう現実を目の当たりにし、生きているうちにやりたいことをやろうと思うように。

何が一番好きなんだろうと考えたときに出てきたのが、リサイクルショップの仕事だった。

「くらしのくらは、最初ホームページを見て存在を知ったんです。質の良いモノがたくさんあるのと、モノを丁寧に扱っているのが印象的でした」

「有名ブランドの家具のように、高い価値がわかりやすいモノだけではなくて、製造元はわからないけどつくりや素材が良いとか、職人さんの丁寧な手仕事を感じられるモノを発見していくのが大事です。このお店ではそういった質の良いモノとよく出会えるんですよ」

「たとえば…」と大橋さんが教えてくれたのが、店内に並んでいた棚。有名なブランドやアンティーク家具というわけではなかったけど、雰囲気が気に入り、買い取った品物。

「これはぜひお店に置きたい!って思うモノがあれば、置けちゃうんですよ。自分の直感で選んだモノでも、それを気に入ってくれるお客さまはいるんです。ぼくがお買い取りをした棚も、2週間くらいで買い手が見つかって、今リザーブ状態なんですよ」

「もちろん、なかにはブランド物のようなわかりやすく良いモノもありますが、スタッフそれぞれの好みも大事にしてもらっている。だから好みとかこだわりがある人だったら、ここでの仕事はおもしろく感じるんじゃないかな」

大橋さんは今、お店の店長として商品の入れ替えや接客などをしながら、バイヤーとして出張買い取りに出ている。

バイヤーは基本的に車でお客さんのもとに向かい、査定をする。場所は都内だけでなく、神奈川や千葉、埼玉まで行くこともあるそう。

買い取りが決まると、品物を梱包して運び出し、店舗に戻ってクリーニング、値付けというのが一連の流れ。家具買い取りは特に、力仕事も必要になってくる。

「タンスなど重い物を運ぶこともあるので、引っ越し業者のような仕事をすることもあります。品物だけじゃなく、お家を傷つけないように運ばないといけないので、気を遣いますね」

「最近だと、桐のタンスを細い螺旋状の階段で降ろす作業をしました。ふたりで持つんですが、重いし階段を曲がるのが大変で…(笑)。汗だくになって運んだんですが、桐に汗が付かないよう気をつけながら搬出しました」

経験はなくても、常にモノと触れる環境なので、自然と見る目がついてくるらしい。先輩と一緒に査定に行き、持ち帰ったモノを「これはつくりがこうだから…」とおさらいしていくなかでひとつずつ覚えていけば、未経験の人でも仕事ができるようになるので心配はいらないとのこと。

「買い取りに伺ったときに、遺品整理の現場に立ち会うこともあって。品物を整理しながらお話を聞いて、お客さまの気持ちに寄り添うことが一番大切ですね」

「誠実に丁寧に査定してお客さまに説明すると、やっぱり喜んでもらえるんです。『また次に誰かが使ってくれるのがうれしい』って話してくれる人もいて、そう言ってもらえると僕もすごくうれしかったし、心に残っていますね」

話を聞いていると、お客さんに寄り添うコミュニケーション力や、品物を運ぶ体力…いろいろな要素が大切になる。ハードではあるけど、なかなか得られない経験に触れられる現場なのだと思う。



大橋さんをはじめとするバイヤーが買い取ってきたモノが、どんなふうに新たな道に進んでいくのか。お店で販売をしている仲田さんにも話を聞いてみる。

仲田さんは前職で接客の仕事をしていて、2年前に日本仕事百貨の記事をきっかけに入社した。

「以前からモノを売る仕事はしていたんですが、会社の決めたモノを決められた値段で売るというのがほとんどで。自分が良いと思ったモノを買い取って、値段まで決めて売ることができる仕事があるんだ!と思って、応募しました」

入社後は店舗での接客と、持ち込みの買い取りへの対応を担当している。社員10名という少人数で運営している会社のため、事務作業や出張買い取りなど、担当以外の仕事に関わることも多いそう。

「事務作業を通して会社のことを知れたり、買い取りを通していろんなお客さまの声を聞くことができたり。学べることはたくさんあるので、いろいろ経験できてラッキーっていう気持ちで考えられる人がいいかもしれないですね」

仕事のなかで大切にしているのが、お客さんとのコミュニケーション。日々いろんな人が行き交うお店で、それぞれの気持ちに寄り添いながら丁寧に話すことを心がけている。

「自分の感性で買い取ったモノが売れたときもうれしいですが、これはあのお客さまが好きそうだから大丈夫とか。そうやってお客さまを想像して買い取ったモノが、想像通り気に入ってもらえたときは、本当にうれしいですね」

するとここで、仲田さんが印象に残っているふたりの常連さんの話をしてくれた。

「おふたりとも、ヨーロッパに長く住んだ経験のある女性の方で。ひとりはよく品物を持ち込んでくださって、もうひとりはよく買いに来てくださる人なんですが、直接ふたりがお店で会ったことはなくて」

「あるとき、おひとりがイギリス製の端切れ布のようなものを持ってきてくれたことがあって。通常は端切れって買い取りするのが難しいんですが、それを見た瞬間、『あの方が絶対好きだ!』って思って。他の人だったら買い取っていないかもしれないんですが、責任を持って売ると決めて、買い取ったんです」

すると後日、仲田さんが想像したとおりに、もう一人の常連さんが『すごくかわいい!』と言って、その布を購入していったそう。

「よかった!って(笑)。お客さまとのコミュニケーションを丁寧にしていたおかげで好みを想像することができたし、自分の感覚も信じることができたのかなと思います」

さらにその後、ふたりの常連さんは偶然お店で出会ったそう。最初は仲田さんも交えて話していたのが、次第にふたりだけでずっと話し込むほど、意気投合していった。

その様子を仲田さんは、とてもうれしそうに語ってくれました。

いろいろな縁が紡がれ、つながっていく。

その土台には、誠実に丁寧にコミュニケーションを交わし、ときには汗も流しながら、人とモノの過去と未来に向き合うバイヤーの人たちの存在があるのだと思います。

(2019/7/18 取材 稲本琢仙)

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