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焚き火を囲んで、原点回帰
ベースキャンプから
地域を冒険する

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山や川、そして海。自然に囲まれて過ごす時間って、なんとなく肩の力が抜けて心が軽やかになるような気がします。

VRなどの技術発展によって擬似的に体験できることの幅は広がったけれど、やっぱり実際に足を運んでその場所の空気を吸うことには、特別な魅力がある。

それは、どれだけテクノロジーが進化しても変わらないことなのかもしれません。

今回紹介するのは、キャンプというかたちでその体験を多くの人に届け、地域に新たな人の流れを生み出していく仕事です。



株式会社Recampは、日本各地でキャンプ場の開発や運営を手がける会社。
地方にある未活用不動産を使って合宿所やキャンプ場を運営してきたR.projectと、国内最大のキャンプ場予約サイト「なっぷ」を運営するスペースキーが連携して、今年の4月に立ち上がりました。
現在運営しているのは、千葉や山梨など計4ヶ所のキャンプ場。今後は運営が困難になったキャンプ場や、自治体が管理している都市公園を活用して、さらに数を増やしていく予定だそう。

今回募集するのは、各地のキャンプ場の運営マネージャーと運営スタッフです。

会社としてこれからどんどん成長していくフェーズ。キャンプやアウトドアに限らない、さまざまな経験が生きる環境だと思います。



取材に訪れたのは、渋谷・道玄坂にある株式会社スペースキーのオフィス。Recampはまだ立ち上げたばかりということもあり、ミーティングなどはR.projectやスペースキーのオフィスを使っているそう。
まず話を聞いたのは、R.projectとRecamp、ふたつの会社の代表を務める丹埜倫(たんのろん)さん。


「R.projectはすでに14年目になる会社なんです。地方で眠っている有休施設を活用して、合宿所として活用する事業を行ってきました。地方って自然や文化、いろいろな魅力があるのにも関わらず、都会と比べて過小評価されていると思っていて」
「その魅力や価値を再発見することで、地方に新しい人の流れを生むことができたら面白いんじゃないかと思ったのが、事業を始めるきっかけでした」

当初は合宿所の運営のみからスタート。あるとき、キャンプ場を併設した施設を運営することになったのをきっかけに、少しずつ幅が広がっていったそう。

ここ6年ほどの間、アウトドア人気の高まりも相まって、キャンプ場事業は合宿事業と並ぶほどに成長してきた。

そこでさらなる事業展開のために、国内最大のキャンプ場予約サイト「なっぷ」を運営するスペースキーと協力して、新会社を設立することになったのが今年の4月。

現在は、R.projectが運営していた場所も含め、4ヶ所のキャンプ場をRecampが運営している。


それぞれのキャンプ場ごとに個性がありつつ、共通しているのは、地域活性につながる場所づくりを目指していること。

「キャンプ場内だけじゃなく、周辺地域も巻き込んだ活動をしていきたいと思っていて。よく言っているのが、地域のベースキャンプでありたいということなんです」

地域のベースキャンプ?

「ベースキャンプって登山でよく使う表現なんですよ。一旦キャンプを張り、そこから山を登っていくための場所。ひとつの拠点ではあるけれど、最終目的地ではないというか」

「キャンプ場から地域に繰り出して冒険するなかで、自然や文化資源を楽しむ。運営する側も、キャンプ場内を整えるだけじゃなくて、地域という広いフィールドに目を向けていろんなチャレンジをしていきたいと思っているんです」

たとえば、キャンプ場の近隣でカヌーツアーを開催している組織と提携して、カヌー体験を組み込んだ宿泊プランをつくったり、インストラクターの人を呼んでヨガ教室を開催したり。



キャンプ場だからこそ、周辺の自然を利用したアクティビティとは相性が良いし、地域に開かれた場として今よりもっと気軽に活用してもらえる可能性はある。

プログラムの開発や場所の提供以外にも、魚やジビエといった地元の食材をキャンプ場で提供することも考えているそう。キャンプ場内から地域へと視野を広げたら、できることはまだまだたくさんあるように感じる。



「うちは現場の裁量が大きいので、マネージャーもスタッフも、それぞれが自立して考えていってほしいと思っていて。まだまだ未成熟なぶん、それぞれが改善点を見つけて動いてくれたことが、すぐに反映されていく環境だと思います」

状況を見て、必要だと思ったことはどんどん提案できる人だといいかもしれない。

その人自身も、キャンプ好きなほうがいいでしょうか。

「もちろん好きという気持ちは大事なんですが、お客さまがいる宿泊業という意識は忘れないようにしてほしくて。僕も自然のなかでキャンプするのは好きなんですよ。特に焚き火が大好きで、Recampを立ち上げるときも社名を『焚き火』にしようかなと考えたくらい(笑)」
「『Recamp』という名前には、キャンプ場や地域の魅力を再発見する意味に加えて、焚き火を囲んでいるときって素直な気持ちに戻れるよね、っていう意味も込めているんです」
たしかに焚き火を囲んでいると、素面じゃ言えないような恥ずかしい話もしてしまう。みんなでいながらつい独り言がぽろっと漏れてしまうような、不思議な力があるような気がします。



「そうなんですよ(笑)。その感覚って、人が原点に帰っていくようなものなんじゃないかって思うんです。自覚すらしていない、遠い記憶とつながるような。Recampにはそんな想いも込めているんです」

まるで焚き火の輪が広がっていくように、新しい仲間もぽつりぽつりと増えている。今年の7月から山梨地区のエリアマネージャーとして仲間に加わった三枝(さえぐさ)さんもそのひとり。



今回募集するマネージャーは、三枝さんをはじめとするエリアマネージャーのもと、ひとつのキャンプ場の管理運営を担っていくことになる。

「もともと山梨出身で、地元が田舎だったんです。でも、なんとなく田舎出身っていうのが恥ずかしくて」

「あるとき、1年くらいバックパックだけ背負ってインドとかを旅したんですが、まったく都会ではないような場所を巡るなかで、田舎って本当はすごく魅力があるんじゃないかって再認識するようになって」



日本に戻ってからもその思いは強く、田舎の魅力を伝えるような仕事をしたいと、キャンプ場を運営する会社に就職。そこで13年ほど働いたのち、Recampにやってきたそう。
「単純にキャンプ場を運営するだけじゃなくて、地域のベースキャンプを目指しているというところに一番惹かれたんです。それって、自分が行きたいキャンプ場でもあるなぁと思って」

「キャンプ場内だけで楽しむんじゃなくて、キャンプ場に滞在しながら周辺のアクティビティや観光も楽しめる。そんな場所をつくっていきたいと思って入社を決めました」

マネージャーの仕事は、スタッフの管理とキャンプ場の業務全般。チェックイン・チェックアウトの対応や、レンタル品の貸し出し、炊事棟やトイレなどの掃除、夜間の見回りなど、やることは多岐にわたる。

それ以外にも、場内の草刈りや落ち葉の掃除など、自然を相手にしているぶん、日々のメンテナンスが大切。



立ち上げから間もないこともあり、現場では基本的な仕組みやルールが整っていないことも多い。今はそれをひとつずつ改善している最中だという。

「たとえば、予約リストやレンタル品の管理といったフロント周りも、今は紙に書いて管理している部分があるんです。特にレンタル品なんかは、追加の依頼が来たときにデータ上と実際の数でズレが生じてしまうとよくない」

「IT分野に強いスペースキーさんのアドバイスをもらいながら、少しずつ改善しています。事務的な業務の手間を減らすことで、接客や場内の整備といったことにかけられる時間を少しでも増やせたらいいなと思っています」



地道な業務改善に加え、マネージャーとして大切な仕事がスタッフとのコミュニケーション。

「最近スタッフが『炊事場にハンドソープを置いたほうがお客さまはよろこぶんじゃないか』って提案してくれたんですよ」

たしかにキャンプ場って、手洗い用のハンドソープを置いているところは少ない気がします。

「もちろんお客さまにとってはあったほうがいいんですよ。でもハンドソープを置くことだけでも、いろんな考え方があって。仕事的には補充する手間が増えるし、環境に負荷をかけてしまうかもしれない」

「キャンプに来ているんだから、水で洗うだけでいいだろうっていう意見も出たり…(笑)。お客さま目線はもちろん、スタッフの業務量、環境への負荷、いくつもの視点から考えつつ、コミュニケーションをするなかでベストを探っていくことがマネージャーには求められると思います」

話し合いの結果、ハンドソープは設置することに。複数の視点を持ちながら、スタッフが気持ちよくチャレンジできるよう、環境を整えていくことが大切になる。

「もちろん大変なこともありますが、なにより楽しいんですよね。それはたぶん、Recampで働いているみんなが同じ方向を向いているからだと思うんです」
同じ方向、ですか。

「たとえば、少し前に台風15号が来たとき、千葉にあるキャンプ場が大きな被害を受けたんです。翌週末の3連休までに復旧を目指そうしたんですが、現地に行ったとき『これは間に合わないな…』って思ってしまうくらいひどい状態で」

「それでも、代表も含め社員みんながワッと集まって、力を合わせて復旧作業をしたんですよ。倒れた木をチェーンソーで細かく切って運んだり、テントサイト一面に落ちていた枝を撤去したり。みんなで少しずつきれいにして、翌週末にはテントが張れる状態にまで復旧できたのは、感無量でしたね」



地域のベースキャンプになるような、新しい場所をつくっていきたい。その想いが会社をひとつにして、困難な場面や新たなチャレンジにも、みんなで立ち向かう原動力となっているのだと思う。

「とにかく僕が伝えたいのは、おもしろいっすよ!っていうことなんです。まだまだ整っていない部分も多くて、『え、こんなことも決まってないの?』っていうこともあるかもしれません」

「問題があったら自分で提案して解決することができる会社なので。自分がレベルアップしていることが実感できるからこそ、大変なんだけど楽しいんだと思うんです。あ、実は俺やれるじゃんって」

まだまだ始まったばかりのRecamp。これからつくり上げていくからこそ、自分も成長しながら進んでいくことができるのだと思います。
(2019/9/19 取材 稲本琢仙)
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