※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
「僕たちのリノベーションブランドは、入居者さまが本当に住みたいと思える空間をつくることを目指しているんです。それが結果的に会社とお客さまの強みにもなる。関わってくれた人と良い関係性を続けていきたいっていうのが、一番の想いですね」
REISM(リズム)株式会社は、不動産売買や賃貸物件のリノベーション、投資家向けの資産運用コンサルティングといった不動産事業を手がける会社です。
今回募集するのは、リノベーション事業部のデザイン担当。賃貸物件をデザインし、完成に向けてディレクションしていく仕事です。
空間づくりにおいて重要な役割ですが、デザインや建築の経験は問いません。いろんなものごとに興味のアンテナを張り、世の中に自分の思いを発信したい人には、きっと面白い仕事だと思います。
渋谷駅西口から歩くこと10分。REISMの本社はさくら坂を登った先にある。
リノベーション事業部は、本社からさらに2分ほど歩いたマンションの1室にオフィスを構えている。リノベーションされた室内はあたたかみがあって気持ちいい。
まず話を聞いたのは、リノベーション事業部長の挽地(ひきち)さん。
「REISMは今年で14年目を迎えました。代表はもともと別の不動産会社で、新築マンションに投資しませんか?っていう電話営業をしていたんです。でも当時は、不動産投資ってよくわからないから不安とか、損をしてしまうんじゃないか、っていうイメージが強かったみたいで」
不動産投資をもっと身近なものにしていきたい。そんな思いで立ち上げたのがREISMだったそう。
REISMは、いわゆる投資家と呼ばれる人たちに不動産投資を案内している。投資家はREISMを通じて不動産を購入し、物件のオーナーとして運用することで利益を得る。
「REISMに関わってくれた人と良い関係性を長く続けていきたいっていうのが、会社の一番の想いなんです。物件が安くて利回りがいいみたいな機能的な部分よりも、オーナーさまも入居者さまも安心できる住まいづくりを大切にしています」
オーナーにとって心配なのが、運用するなかで空室ができたり賃料が下落したりすること。REISMは、とことん住む人の目線に立ってリノベーションをすることで、物件の魅力を高め、稼働率が下がるリスクを抑えている。
「投資家をメインのお客さまにしている不動産投資会社なんですけど、『どんな部屋ならよろこんで住んでもらえるだろう』『ここで暮らす人はどんなライフスタイルを送りたいだろう』って考え抜いてリノベーションする。住む人にすごく寄り添った会社なんです」
「投資用のマンションを販売しながら、とことん入居者目線で物件をつくっている会社って、すごくめずらしいと思いますよ」
個性と実用性を両立させて、長く愛される部屋に仕立てよう、というのがREISMの考え方。
たとえば壁一面に本棚を設けた「Hondana」や、カフェ風のテイストに仕上げた「iCafe」など。機能性や雰囲気、テイストの異なる30種類以上のシリーズを展開している。
シンプルで普遍的というよりは、個性的で突き抜けたデザインが面白い。住んでいて楽しくなるような部屋だと思う。物件の人気も高く、入居が順番待ちの物件も多いそう。
「私たちは、入居者さまが住みこなしてくれるような部屋をつくりたいと思っていて」
住みこなす?
「ファッションだと着こなすって言うじゃないですか。不動産も同じように、自分の好きなものを引き立たせてくれるお部屋を選ぶとか、この部屋のテイストにはどんな家具が合うだろうって試せたらすごくいいよなって」
「自分の“好き”が広がっていくように、お部屋を選んでもらいたい。そういうものづくりが、結果的にオーナーさまも入居者さまも幸せにすると思っているんです。この想いに共感してくれる人だったら、すごくおもしろい環境だと思いますよ」
REISMの部屋づくりの核となる、デザイン担当。どんなふうに部屋をつくり上げていくのか、同じくリノベーション事業部でデザイン担当として働いている田原さんにも話を聞いてみる。
田原さんは来年の1月末に退職される予定だそう。今回募集する人は、田原さんの後任として働くことになる。
「新卒でREISMに入社しました。大学では美術史や外国のカルチャーについて学んで。デザインや建築の経験はなかったんですが、大学で学んでいたことがすごく生かされていると思いますね」
デザイン担当の主な仕事は、住む人のニーズを捉えながら新たな賃貸物件をどのシリーズでつくるかを考え、材料の品番や細かい施工内容を工務店に伝えること。
REISMでは既存のシリーズの物件を増やしつつ、新しいシリーズも積極的に企画している。田原さんも自分の興味関心を生かした提案をしているそう。
たとえば、エキゾチックな雰囲気が特徴の「Chaouen(シャウエン)」シリーズ。
「モロッコにシャウエンっていう名前のまちがあるんです。建物が真っ青な色で塗られていて、すごくきれいで。その街並みを再現した空間に仕上げたいと思って企画しました」
「色だけじゃなくて内装もモロッカンテイストにこだわったんですよ。モロッコのお部屋って、人がたくさん来てもいいようにサロンみたいなベンチスペースがあるんです。それをイメージして、ベンチのあるプランニングにしました」
情報を公開すると、すぐに入居者が決まった。モロッカンテイストが大好きな人で、頻繁に模様替えをしながら住みこなしているという。
賃貸でここまで特徴のある部屋をつくることって、珍しいように感じます。
「お店ならまだしも、賃貸のお部屋でここまで突き抜けたデザインにすることってまずないと思います(笑)。でも住みたいと思ってくれる人がいるだろうっていう確信みたいなものはあって」
「前に中央線沿いに住んでいたんですが、なぜかエスニック系のショップがたくさんあったんですよ。そういうお店って、流行に左右されずにずっと残っているなって、前からほんのり思っていて。それだったら、モロッカンテイストのような異国風に振り切ったデザインも、興味を持ってくれる人がいるって思ったんです」
デザイン担当は、現場のチェックや打ち合わせで外出することが多いそう。新たにデザインする物件周辺の雰囲気や、行き交う人の様子もよく観察するようにしているという。
「あとは、新しいシリーズを企画するときにターゲットが訪れそうなお店に行ってみたり、カフェに入ってお客さんの雰囲気を観察したり。いろんなアンテナを張って情報収集することを心がけてますね」
デザインのアイデアは、日常のあらゆるところに転がっている。それらを拾い上げる感性や、住まいづくりにつなげていく想像力が大切なのかもしれない。
ほかにも、物件の周辺でおもしろそうなお店を見つけたら、賃貸の部署を通じて入居者さんに紹介したり、物件を紹介する文章やコピーを考えたり。担当する業務は幅広い。
「これだけシリーズがあると、自分が個人的に好きなテイストと入居者さんの好きなものって当然ちがうじゃないですか。そのちがいを理解したうえで、たとえばアウトドアブランドの小物を使っている人だったら、アウトドア用品を収納しやすいスペースのある部屋だったらよろこんでくれるかなとか」
「そうやって人間観察をして、ちょっとしたことから想像を膨らませていくような。その想像を実際に新しいシリーズとして形にできちゃう環境なので、楽しく想像してどんどんチャレンジしたい人だったら、すごく楽しいと思います」
デザイン担当は基本的に図面を細かく作成して指示することもないそう。完成イメージを絵や写真を使いながら工務店と共有し、一緒につくっていくことが必要になるため、専門のアプリケーションというよりはイラストレーターなどが使えるといいかもしれない。
建築の知識も、工事の様子を観察したり、工務店とやりとりしたりするなかで積極的に学んでいけば大丈夫とのこと。自分から動いて吸収していく姿勢が大切になると思う。
最後に話を聞いたのが、リノベーション事業部で施工管理担当をしている石ヶ森さん。
リノベーションはデザイン担当と施工管理担当が一緒になって進めていくため、今回募集する人は石ヶ森さんと一緒に動く場面が多くなる。
具体的にはどんなふうに進めていくのでしょう。
「物件が決まったら、まずはふたりで現地を見に行きます。物件があるエリアの雰囲気も踏まえて、どのシリーズにするかを考えるところからですね。そのあとは住みやすさを第一に、部屋の状態や広さを踏まえて、僕が間取りをプランニングしていきます」
プランができたら、デザイン担当の田原さんが材料の品番を選んだり、塗装方法を工務店に指示したりと、デザインを施工に落とし込んでいく。
「工事が始まったら、基本的に僕が現場を見て細かいところを微調整していきます。どうしてもコストと予算の問題があるので、予算からオーバーしてしまうときは『ここを削ったらどうかな?』っていうふうに、田原と話し合って決めていくこともあります」
「お互いに譲れないポイントがあるんですよ(笑)。そこはお互い真摯に話し合って、『じゃあ代わりにここを別の材料にしたらどうかな』って落とし所を見つけていく。しっかりコミュニケーションをとるのが大切ですね」
リノベーション事業部では、だいたい年に80件ほどの施工を手がけている。
最初の1ヶ月でプランニングと見積もり、1ヶ月半で工事、残りの半月で募集作業というのが、案件ごとの大まかな流れ。
複数の案件が同時に進んでいくため、スピード感をもって進めつつ、一つひとつを丁寧に仕上げていく気持ちも大切になると思う。
石ヶ森さんは、どんな人と一緒に働きたいですか?
「人柄はどんな人でもいいなと思っていて。それよりも、一つひとつの仕事をしっかりやりきる人がいいかなと思うんです。一生懸命仕事に取り組むとか、遅刻をしないとか。細かいですけど、そういう部分が真面目な人だといいなって」
デザインや間取りを決めていくのは石ヶ森さんたちだけど、実際に手を動かしてつくっていくのは職人さんになる。マメさは、職人さんと信頼関係を築いていくうえでも重要なこと。
最後に、部長の挽地さんがこんなことを話してくれました。
「うちのデザイン担当は、着こなし上手みたいな人がいいと思ってるんです。たとえば、よくあるブランドの服だけど、『そのデニムにそのベルト合わせるんだ』みたいな。最初はえぇー!?って思うけど、なんか合ってるじゃん、ってなっちゃうような感じ」
「そういうのがREISMっぽいものづくりなのかなと思うんです。不動産は何十年先もその場所にあるものなので、今までREISMが築いてきたベースの部分はしっかり引き継ぎながらも、そこにひとスパイス加えるような。そういう人が来てくれたらうれしいですね」
REISMの雰囲気を大事にしながら、新しいチャレンジも積み重ねていく。
自分だったらこんな部屋に住みたいな、こんな暮らし方をしてみたいな。そんなふうに考えたことがある人だったら、アイデアを形にできる面白い環境だと思います。
(2019/10/30 取材 稲本琢仙)