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命をかけて、かっこよく
信念を極める職人の生き方

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「僕にとって、仕事は命をかけた遊びなんです。一生懸命楽しんで、かっこよく仕事をする。それが誰かの役に立って、お金をいただく。自分が楽しめないと、意味ないじゃないですか」

そう話してくれたのは、ティープラスターの水口さん。

有限会社ティープラスターは空間の設計や施工、家具づくりに加えて、飲食店やシェアスペース「レインボー倉庫」の運営などを行う会社です。

今回募集するのは設計施工担当として素材を活かした空間をつくっていく人、そして家具製作を担う人。

ものづくりの経験は問いません。大切なのはここでの生き方に共感し、自分の仕事を極めていく覚悟があるかどうかだと思います。
  

ティープラスターの本社があるのは神奈川県横浜市。

横浜市営地下鉄ブルーラインの吉野町駅から歩いて15分ほど。長い坂を登った高台に広がる住宅街の手前に、大きな倉庫のような建物が見える。

たくさんの道具が並ぶ工房とカフェレストラン、そしてシェアスペースが併設された3階建ての施設。

中に入ると、代表の水口さんが声をかけてくれた。

「空間も家具も、全部自分たちでつくったんですよ。まずは建物のなかを案内しますね」

雑誌のPOPEYEと古着が好きな青年時代を経て整備士に。その後空間をつくることに関心を持ち、左官職人として修行を重ねた。

内装工事、設計、家具制作などだんだんと仕事の幅が広がり、今では10名ほどのスタッフと仲間の職人さんとともに働いている。

「目の前にいる人の役に立ったり、世の中がちょっとでもよくなったらいいなっていうのはベースの考え方であって。それに加えて、どうせやるながら楽しく仕事をしたいし、かっこいいと思える自分でいたい。そうしているうちに、仕事が広がってきました」

話をしながら工房を抜け、眺めのいいテラスから町を一望する。地上の3フロアに加えて地下1階まで、道具や部材、家具などがところせましと並ぶ空間を進んでいくと、なんだか秘密基地に遊びに来たような感覚になる。

木材を切ったり、金属を加工したり、部材を組み立てたり。

あちこちでスタッフが作業をしていて、近くを通ると手を止めて気持ちよく挨拶をしてくれる。日中は現場に出ている人も多く、それぞれ役割を分担しながら仕事を進めているそうだ。

「僕も含め、ほぼ全員が職人です」

そう話す水口さんも、家具をつくったり空間の設計施工をしたりと、現場で働く時間が多いという。

たとえば店舗やオフィス、住居の設計施工をする仕事は、人の紹介からはじまることがほとんどなんだそう。

どんなふうに空間を考えていくのか聞いてみる。

「デザインは任せてもらうことが多いんです。条件や想いを聞いてその空間を眺めていると、絵が浮かんでくるというか。素材はこれがいい、色はこうしたいほうがいいっていう、ティープラスターらしさのあるビジュアルが見えてくるんですよね」

ティープラスターらしさ、ですか。

「空間も家具も、できるだけ長く使ってもらいたいと思っています。今あるものを無駄にせず、手を加え形を変えて、メンテナンスしていけば味が出ていくようなものにしたいんです」

空間のデザインはさまざまなものの、古材や古い建具などを利用することも多い。素材をどう活かすかを大切にしながら、空間ができていくそうだ。

いい空間をつくるための技術や感覚を身につけるには、とにかく考える時間を増やすことが大切だという。

ご飯を食べに行っても、遊びに行っても、その空間にある素材や色など、さまざまなことを観察する。水口さんは四六時中、仕事のことを考えているそう。

「好きでしょうがないんですよね。若いスタッフに、社長みたいにはなれませんって言われたこともありました。見た目だけの、ファッションで入ってくる人には続かない仕事です」
  
重いものを運んだり、同じ作業を繰り返すようなこともある。つくる過程は地道な仕事の積み重ねで、一人前になるまでに少なくとも3年は時間が必要とのこと。

「日々、よく考えろって言うんです。壁を塗るっていう単純な作業でも、どこに材料を置いて、脚立をどう持って、どう手を動かすか考える。すべての流れを想像することがスピードとか精度につながるから。それくらい突き詰めろって」

「仕事を楽しめるようになるには時間もかかるけど、本気でやってみたいと思うやつは、一人前の職人になれるように育てます」

水口さんの言葉には迷いがなくて、強い自信がある。

それは、積み重ねてきた時間や努力から生まれてきているように感じる。

「ものづくりなんて失敗の連続ですよ。現場も家具も、つくってる最中は苦しいんです。だけど出来上がって、お客さんが喜んでくれたら最高じゃないですか」

「最後まで諦めないことで次の仕事につながったり、やりたいことが生まれてきます。僕、夢はないけど、やりたいと思ったことは今すぐやりたいんです」

思いついたことはすぐに挑戦してみる。

その試行錯誤が、今の仕事を形づくってきた。

「左官で壁をつくっているうちに、自分の左官に合う木はこういう木だとか、その空間に似合う家具を考えるようになって。そうやって家具をつくるようになりました」

家具の製作には、主に無垢材を使用している。

空間に合わせてデザインや素材を考えていくうちに、木に対しての関心が強くなってきたそうだ。

「もっといいものって探しているうちに、木材にとりつかれました。すごくおもしろいんです」

「木って木目が全部違って、ひとつとして同じものはないんですよね。色も形も、全部違って生命力がある。人間の力じゃつくりだせない、自然のストーリーが生んだかっこよさがあるんですよ」
  

昨年の11月に入社した鈴木さんも、家具づくりを担当しているひとり。

前職は調理の仕事をしていたそうだ。

「家がすごく近所なんです。毎日通勤でこの前を通って、かっこいい場所ができていくのを見ていて。ある日、ティープラスターって看板が外に出ているのを見て調べたら、すごくかっこいいものをつくってるところだとわかって」

経験があるわけではなかったものの、まずは連絡をしてみたという鈴木さん。

1年前には、まさか自分がここで家具をつくっているとは思ってもみなかったそう。

「みんな気持ちのいい人たちです。偉ぶる人はいないし、くだらない話をしながらお互いの作業を手伝って。愚痴言ってるなら、できることしようって。そういう感じあって、いいですよ」

「想像と違ったことはあります。空間をつくるにも、解体からゴミ捨てまで地道な仕事は多いですね。今は木材と樹脂を使ったテーブルをつくってるんですけど、いろんなことを試しては失敗している最中です」

個性的な形をしていて、そのままでは使いづらい木材を活かしたテーブルづくり。

木材をよく見てデザインを考え、植物性の樹脂を流し込む。その後はひたすら表面の研磨作業を続け、天板にしていくそうだ。

「最初は80番っていう粗いヤスリを使うんですけど、それでずっとずっと磨いて、最終的には3000番っていうところまで。途中で80番の傷が残ってるのを見つけたら、そこまで戻ってやり直すんです」

地道な作業ですね。

「そうですね。完璧にできたら最後にオイルを塗るんですけど。木が浮いてくるっていうか、かっこいいんですよ。そこは毎回感動します」

「社長もこうしようってアイディアがある人なので、最初は教えてもらった通りにつくってました。最近は、たとえば木じゃなくて金属を入れてみるとか、自分で試してみたいことも増えてきて。木も個性があって、まだまだわからないことばっかりですけどね」

「天然素材や自然に近いのものを扱うことが多いんです。うちで施工や家具の仕事をしていると、木の密度とか、鉄のこととか、素材や自然のことを学ばないとできないことも出てくるんですよ」

そう話してくれたのは、創業当時からここで働いている磯貝さん。

働きはじめたころは、水口さんと一緒に左官の現場へ行き仕事をしていた。

「すごくハードな世界でした。辛い時期もあったんですけど、姿勢とか考え方を水口に教えてもらいながら、いろんな仕事をつくってきた感覚があります」

「ものをつくることも、会社をつくることも、自分ががんばったら結果がダイレクトに見えるんです。だからもっとよくしたいって、常に思うようになりました」

これまで水口さんと二人三脚で地道な仕事に取り組み、新しい仕事をつくってきた。

今は会社全体のサポート役や、シェアスペース「レインボー倉庫」の運営など、さまざまな役割を担っている磯貝さん。

ここで職人として働くにはどんな心構えをしているといいか教えてもらう。

「最初は一人前になれるか、不安になるかもしれません。でも1つひとつ考えて取り組んでいけば、自ずと自分のやることが見えてくるというか。自分を成長させたいと思うならとてもよい環境だと思います」

最後に、水口さんの言葉を紹介します。

「僕らも命を削って仕事をしています。自分に素直であるっていうか、信念を持つっていうのかな。自分がかっこいいと思うことを選択し続けてきました」

「ものづくりをしているから、手を抜けばすぐわかるし、仕事が形に残るんです。こうしたほうがかっこいいと思ったら、それを貫く。大変だけど、すごく大事なことだと思うんです」

自分が納得のいくところまで、仕事を極めていく。

自分がどう生きていきたいかわかっているからこそ、ここで働く人たちの話は清々しいのかもしれません。

ピンとくるものがあれば、ぜひ横浜に会いに行ってみてください。ここでの生き方と肌が合うか、自分で確かめてみるのがいいと思います。

(2019/8/5 取材 中嶋希実)

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