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軸はしっかり、心やわらかく
人と社会と
ちゃんと向き合う

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

時間がかかっても、目の前の人とじっくり向き合う。簡単に解決できない課題や意見の食い違いが生まれたら、とことん話し合う。

一つひとつの仕事に納得感を持って取り組むためには、大切なことだと思います。

決して簡単なことではありません。でも、模索しながらも日々そんな姿勢で仕事に取り組むのが「認定NPO法人市民セクターよこはま」で働くみなさんです。

福祉やまちづくり、環境問題など、地域のさまざまな課題に取り組む市民をサポートしている、市民セクターよこはま。情報発信やセミナーの開催、活動相談などに取り組んできました。

今回は、常勤職員を募集します。ゆくゆくはプロジェクト運営や相談業務を担うコーディネーターになることを目指して、事務や広報、総務など自分の適性にあわせた仕事からはじめていきます。

妥協することなく、正面から課題に向き合っていく。ここで働くみなさんの話は、きっと力をもらえるものだと思います。


横浜の中心部であるみなとみらいも近く、たくさんの人でにぎわうJR桜木町駅。商業施設やオフィスビルが並ぶ通りを歩いて5分ほどで、横浜市市民活動支援センターに到着する。

ここは、市民セクターよこはまが横浜市市民局と協力して運営を行っている場所。NPOやボランティア団体などによる公益的な市民活動を支援する拠点で、中には調べものをしている人やミーティング中の団体もちらほら。

打ち合わせスペースで、まずは事務局長の吉原さんにお話を聞いた。

お会いするのは、1年半前の取材以来。「おひさしぶりです」と、変わらず温かい雰囲気で話をはじめてくれた。

もともと横浜市のボランティアセンターのスタッフとして、草の根で活動する市民を長年見てきた吉原さん。

20年前、それらの市民活動団体のネットワークづくりを支援する研究会を立ち上げた。これが市民セクターよこはまの母体となっている。

「横浜には、自分たちの課題に自分たちで取り組む、主体的な市民がたくさんいるんです」

「そういう人たちの声を集めて、行政や企業のようなさまざまな主体との協働を進めることで、もっと多くの人が生きやすくなる仕組みをつくりたい。そう思ったことがきっかけでした」

NPO法人や地域コミュニティの活動支援、政策提言、企業と連携した研究開発など、幅広い事業に取り組んできた。

横浜市から11年間運営を任されているこの市民活動支援センターも、吉原さんたちの活動の柱のひとつ。

これから活動をスタートする人の相談に乗ったり、今後の活動のヒントになるようなセミナーを開催したり。市民活動を支援する拠点として、数多くの団体と向き合ってきた。

「ただ、ここの運営事業は2020年の3月末に終了してしまうんです」

えっ、そうなんですか?

「これまでの市民活動支援センターの機能の一部は、6月から横浜市庁舎に開設する『市民協働推進センター』に引き継がれます。市民セクターよこはまは、そちらの運営への参画が内定しています」

横浜市市民協働推進センターは、「横浜をよりよくしたい」という想いを持つ市民にひらかれる施設。

活動のサポートや相談対応などの役割は現在のセンターから継続しつつ、行政や企業、研究機関などとつながるきっかけの場になるという。

「今の日本の状況ってすごく厳しいと思っていて。人口がどんどん減っていくから、行政も企業も家庭でも、基本的には担い手不足なんです。それぞれのできることが少しずつ小さくなって、まちの元気がなくなる可能性がある」

「だからこれからは、組織の垣根を超えて強みを持ち寄って、地域と社会をより良くするための“協働”を生み出していきましょうと」

たとえば、NPO・企業・行政の三者が連携してプロジェクトを進められるようにサポートしたり、市民の声をサービスに活かしたい企業に該当しそうな人たちを紹介したり。

ヒアリングを行って、マッチする人や団体との間をつなぎ、それぞれの協働に伴走していく。そんなコーディネーターの役割を、市民セクターよこはまが担っていく。

「今までも私たちは、いろんな自治体や企業、NPOと一緒に活動をしてきました。自分たちだけで社会を変えるのはむずかしくても、人と人がつながることでよりダイナミックな展開を期待できると思うんです」


今までの活動で、つながることによる力を実感してきたから、新しいセンターでも自信を持って協働を進めることができる。

これまで、どんなふうに多様な人たちと向き合ってきたのか。入職10年目の薄井さんの話から感じ取ることができた。

「僕たちは活動の柱となる横浜市との協働に加えて、自分たちでも多くの事業を企画運営してきました。そのひとつが、『地域づくり大学校』という事業です」

地域づくり大学校は自治会で活動する住民がフィールドワークなどを通じて、フラットな立場で自分たちの地域について考えていく取り組み。

現在、区役所と連携して市内3区で全6回の講座を開催。住民たちが主体的に地域の課題を見つけ、最終的にどんなアクションを起こしていきたいか、プランを作成して発表するまでをコーディネートしている。

泉区や西区など、8年以上継続的にパートナーとして活動している区役所もあるという。

「地区や年度によっても、毎回内容を変えています。転入者の多い区なら、若い人たちも参加しやすいような雰囲気にしたり、すでに積極的に活動をしている人がいる区なら、参考になりそうな地域に話を聞きに行ってみたり」

その区で暮らす人々が抱える課題やニーズ、講座のターゲットなど、地域住民や区役所の担当者と毎年対話を重ねていく。

これまで培ってきた経験や新たに学んだこと、対話によって生まれたアイデアを総動員して、プログラムをつくるという。

「『昨年と同じように』という心持ちではやりません。本質を常に問い続けるっていうんですかね。例年通りのほうが楽なのかもしれないけど、それだと単なる下請けになってしまいますから。本当に地域のためになるものをつくっていきたいと思っています」

「時間がかかることもあります。でも僕らって本質的に何が大事かっていうことについては本当に妥協しないし、安易に長いものに巻かれるってことをしない。相手に合わせて柔軟に動きつつも、本質に近づけるための提案に労力は惜しみません」

立場も年齢もさまざまな人と関わるこの仕事。一人ひとりと真剣に向き合うには、相手に寄り添いながらも、自分たちの軸をしっかりと持つ必要があるんだと思う。


「NPOだからゆるく働ける、なんてことは全然ないですよ」

そう話すのは、前回の日本仕事百貨の記事をきっかけに入職した染谷さん。働きはじめておよそ1年が経ったところだそう。

「決められた時間のなかで優先順位をつけて、仕事のスケジュールを組み立てて、わからなければ相談して。そういう仕事の基本的な進め方は、一般企業と変わらないと思います」

「むしろ少人数の組織だからマルチタスクだし、細かな指示をもらえるわけでもない。自分で自分の仕事をマネジメントしていく大変さと面白さがあるんじゃないかな」

前職では約5年間、公益財団法人で事務や広報の仕事をしていた染谷さん。

今は月に70件近くある相談案件の進捗を管理したり、メールマガジンや情報誌での発信を行ったりと、将来的には相談対応ができることを目指して仕事を任されている。

新しく加わる人も、これまでの経歴や得意分野を活かせる仕事から徐々に取り組んでいくことになるそう。

「以前は、たとえ私個人が腑に落ちていない仕事でも、組織を円滑に運営するためには指示に従うものだと思っていました」

市民セクターよこはまで働きはじめてから、お互いが納得できるまで話し合いを続ける様子にまず驚いたそう。

「いろいろなところと協働してプロジェクトを行うなかで、相手の考えを理解し尊重するのはもちろんだけれど、自分たちにとって大切な、軸となるようなことは譲らない。その姿勢を見ていて自分が解放されていく感じがありましたね」

気になることを諦めなくていい安心感が後押ししているのか、染谷さんは「ほかの人が手がまわらない部分に気がついてくれて助かる」と、その仕事ぶりをみなさんに評価されていた。

自分の適性と想いにフィットする仕事だから、自分らしく働けているんだろうな。


最後に、入職6年になる関尾さんに話を聞いた。

長年市民からの相談に対応し、団体の立ち上げや運営方法の相談、法人格の取得サポートなど、たくさんの案件に関わってきたそう。

「ひとつの相談に1~2時間かかることもあって。それは、聞かれたことに単に答えるだけではなく、ご本人の中でもまだ形になっていない、表に出てきていない本当の想いやニーズを見つけようとしているからだと思うんです」

どういうことでしょう?

「たとえば『こんな活動がしたいので、申請できる助成金を教えてください』っていう質問を受けたとします。そこで助成金のことだけを答えるのでは、本質は見えてこない。言葉の背景にある真のニーズ、その活動をやりたい理由を深めていくんです」

あるとき相談に訪れた女性は、『誰でも自由に訪れることができる、多世代交流の場をつくりたい』と話していた。

「子ども」や「高齢者」のようにターゲットを定めたほうが取り組みやすいのに、なぜ多世代なのか。掘り下げていくと、女性は不登校の子どもを持つ母親だということがわかった。

「不登校の子どもを持つ親御さん、集まりましょう」と発信しても、実際に参加するにはハードルが高い。だから「多世代交流で、誰でも自由に集まれる場」にして、同じような立場の人と出会えたら、と考えたという。

そんな会話のなかで、相談者自身も自分の考えが明確になっていく。

「そこではじめて、『そういう人たちが訪れやすい場はどんなところだろう?』『自分はどんな場所なら行きたいと思うだろう?』というスタートに立つことができるんです。私たちはこれを、問答って呼んでいるんですよ」

問答。

「よっぽど強い想いがないと、わざわざ相談には来ませんから。だからこそ、なんで来られたんだろう、何を変えていきたいんだろうって深掘りしていくことで、相談者さん自身が自分の核にある想いに気づいて、取り組むべき真の課題や目指す姿が見えてくるんです」

課題が明確になった後は、ほかの団体とつないだり、講座や助成金を紹介したり。相談者が主体的に動くためのベースとなる情報を提供しつつ、コーディネートを進めていくという。

相手とじっくり向き合い、核となる想いや本当のニーズを見極めようとする。

どんな事業にも一貫している、市民セクターよこはまの姿勢だと思う。

社会課題やそれに向き合う人たちと、日々本気で関わっていくこの仕事。

決して楽ではないけれど、目の前の人とじっくり向き合えるぶん、手応えも大きいはず。

大切なことに妥協することなく仕事をしていきたいという人が、ここで力を発揮してくれたらいいなと思いました。

(2019/1/28 取材 増田早紀)
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