求人 NEW

やりたいからやる
食から社会に
幸せの連鎖を生み出す

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「バターのいとこ」というお菓子を知っていますか。

バターがふわっと香る生地に、シャリッとした砂糖の食感が楽しいバタークリーム。中央にはスキムミルクをたっぷり使ったミルクジャム。

2018年に発売されて以来、栃木県那須町の新たな名物として全国で人気を集めています。

しかもこのお菓子、ただ美味しいだけじゃない。生産者を助けるお菓子なんです。

バターは牛乳からたった4%しかつくれない貴重なもの。残りの約90%はスキムミルクになります。

大手の乳業会社ならバターをつくる際、スキムミルクも加工して販売できる。けれど、小規模の酪農家は加工や販路の確保が難しく、安価で売るか廃棄するしかありませんでした。

スキムミルクも愛情をかけてつくった牛乳の一部。それを無駄にしたくないという思いから生まれたのが「バターのいとこ」です。

手掛けているのは、株式会社GOOD NEWS。

那須町を拠点に、食を通じた社会課題の解決に取り組んでいる会社です。

「バターのいとこ」を中心に、生産者が抱える課題に寄り添った商品の開発や販売など、さまざまな事業をしています。

今回は本社の企画部で商品の企画や広報、営業を担当する人を募集します。加えて、販売店や製造工場で働くスタッフも募集中です。

経験は問いません。一人ひとりが自分で考え、行動することが求められるからこそ、責任や難しさもある。一方で、人も会社も自然も、みんなの幸せが連鎖するための仕組みづくりに携われる。そんなやりがいを感じられる仕事だと思います。

 

那須塩原駅からバスに乗り込み、那須街道を走ること約20分。

森のなかに木造のデザインが印象的な建物を見えてきた。2022年、GOOD NEWSが「森との共生」をテーマに新たにオープンした商業施設「GOOD NEWS NEIGHBORS」。

ここでは、チーズやヨーグルトをつくるときに生まれる「ホエイ」と呼ばれる未利用食からつくった「ブラウンチーズ」を活用したハンバーガーが食べられるカフェや、切った髪の毛を堆肥にする理容室など。環境に配慮した事業を行っている店舗が軒を連ねる。

外には施設内で出た生ゴミを堆肥にするコンポストも。その堆肥を使った畑では、飲食店で使うハーブなどが育てられている。

環境への配慮が徹底されている商業施設。運営を手掛けるGOOD NEWSってどんな会社なんだろう。

施設の一角にある本社で、代表の宮本さんに話を聞く。

宮本さんは20歳のときに東京から那須に移住。当時はChusという会社を立ち上げて、マルシェの運営やレストランなど、食をテーマにさまざまな事業をしてきた。

「一貫しているのは、生産者を応援すること。あと僕たちは『大きな食卓』って呼んでいるんですけど、食を通して、生産者や地域の人、観光客など、いろんな人をつなげたいという思いを持っています」

バターのいとこは、生産者を応援するなかで生まれたプロジェクトの一つ。

「マルシェを運営していたときに、酪農家さんから『クラフトバターをつくりたいけど、スキムミルクが余って困っている』って話を聞いて。なにかできないかと考えたのが始まりでした」

味はもちろん、商品づくりの背景にあるストーリーが共感を呼び、全国で販売される人気商品に。今年は新たに10店舗を出店。従業員は店舗のスタッフを入れて約500名にのぼるという。

商品が売れると酪農家の収入にもつながるし、フードロスも解消できる。消費者も生産者もうれしいし、お菓子を目当てに観光客が来ることで地域の発展にもつながる「三方よし」の商品だ。

「バターのいとこができたおかげで、全国の人に那須や僕たちの思いを知ってもらえるようになったんです」

「これって、なんかいいニュースだなと思って」

いいニュースを広めていきたい。そんな思いを込めて、2020年に株式会社GOOD NEWSと社名を変えて、事業を広げてきた。

現在は、チーズをつくるときに余るホエイを使ったお菓子や、規格外の野菜が入ったカレーパンなど、商品の開発、販売もおこなっている。

商品をつくる過程にもこだわりがある。

バターのいとこの製造工場ではたらく300人のうち38人は障がいを持つスタッフ。

「障害者手帳を持っている方って、人口の7%もいるんです。那須の人口が2万人だとすると、1400人。その人たちがちゃんと働ける仕組みをつくれば、より生産性が上がるんじゃないかと思って」

「当事者の方にどうしたら働きやすいかインタビューをして、生産事業部では、1分単位のタイムカードをつくりました」

1分単位ですか!

「そう。製造の現場では、出勤時間も最短1分で大丈夫。来られるときに来てくれればいいんです。普通の工場は5分、15分刻みが多くて、すこしでも時間に遅れると遅刻になってしまう。でもこの仕組みなら、遅刻とか早退っていう概念もない」

「スタッフには心の障がいを持つ方が多いので、時間をプレッシャーに感じないようにしたいと思っています」

この仕組みは、子育て中のスタッフからも好評だったそう。

「この3年で1人、一般就労者になった人がいて。スタッフで賞状をつくって表彰したらすごく喜んでくれました」

「働くこと、稼ぐことの喜びを感じてもらえたらうれしいなと思います。今後も1年にひとりくらいは一般就労になる人が出てくるような仕組みをつくっていきたいですね」

障がいのある人にとっては活躍できる場になるし、会社の生産性も上がる。さらに、会社の利益が上がることで、まちにより多くの税金を払えるようになる。

「本来、企業ってソーシャルグットの役割を担うものだと思うんです。だから、企業があることがまちにとってプラスにならないといけない。そういう仕組みづくりをしてきたいです」

GOODNEWSで働く人は、どんな人がいいんでしょう。

「ひとつは社会課題の解決につながる商品づくりに共感してくれる人。あとは、理想の状態を自分でつくっていける人かな」

理想の状態を自分でつくる。

「たとえば、今後は週休3日制を導入したいと思っていて。1日はそれぞれが自由に生産者のところで勉強したり、美味しいご飯を食べに行ったり。自分の内省に関わる時間にしてほしいと思っています」

「週休3日って聞いたら、誰だってうれしいと思うんです。でも僕が思うのは、そういう環境を与えてもらうんじゃなくて、自分でつくるんだって思える人に来てほしい」

週休3日を実現するためには、これまで5日間かけていた仕事を、4日でこなさなくてはいけなくなる。そのために何ができるか、どういう働き方をすればいいか。

柔軟で合理的な発想で仕組みづくりをしている会社だからこそ、主体的に考えて行動することがスタッフにも求められるのだろうな。

 

今回募集するのは、企画部で働くスタッフ。

新商品や店舗の開発、営業、広報など携われる仕事は幅広い。具体的な仕事の内容は、新しく入る人の希望や、これまでの経験に応じて考えていきたいとのこと。

一緒に働くのはどんな人なんだろう。企画部の部長をしている澤田さんに話を聞く。

「半年前から開発を担当している新商品が、もうすぐ完成しそうなんです」

今は、ブラウンチーズを活用した新商品を開発中。

新商品の開発に加え、ポップアップ事業なども担当している澤田さん。催事などを経験するなかで、新商品の重要性を感じることが多かった。

「ほかの出店者さんをみていると、商品にいろんな種類があって。やっぱりそっちのほうが見ていて楽しいだろうし、長く買い続けてもらうことにもつながる」

「いろんな人にブラウンチーズを知ってもらいたいと思ったときに、新商品をつくるのが自分の使命だなと思うようになったんです」

新商品の開発がしたいと手を挙げ、発売日の設定からデザインの依頼、材料の確保、どんな味にするかなど、プロジェクトを主導した。

「自由度が高いし、マニュアルもない。考える力を培えるし、すごく成長できる環境だと思います。経験のない仕事を急に振られても、調べればやり方はわかる。そんな経験の積み重ねが自分の成長につながっていると思うんです」

「新しく来てくれる人も『やったことない、どうしよう』じゃなくって、『これができれば自分の成長につながるな』って、前向きに考えられる人がいい。やりたいと思うことを最後まで責任を持って形にしようとする姿勢が大事だと思います」

 

そんな会社の環境に魅力を感じているのが、入社1年目の上田さん。

「この会社って、自分で仕事を獲得して自分でやる、みたいな文化が強くて。そういう仕事のスタイルが自分には合っていると思うので、今の生活が好きだなって思います」

上田さんも澤田さんと同じく企画部所属。オンラインショップの管理や、デジタルマーケティング、企画など、手広く担当している。

最近ではGOOD NEWS NEIGHBORSのテナントを巻き込んだ母の日ギフトの企画を提案したそう。

「これまではテナントさんが個別にイベントをやっていることが多くって。後になってからこんな商品を出していたんだって知ることがあったんです。これをまとめて情報発信できたら、施設全体の賑わいにつながると思って」

それぞれのテナントに、母の日に予定している商品やイベントの内容を取材。記事の執筆や商品の撮影も自分で担当し、自社のホームページで公開した。

「ここではゼロから自分で仕事をつくっていくことも多くて。やりたいと言えば担当できるし、先輩もサポートしてくれる。いかに自分が腰をあげられるかってところが大事だと思います」

上田さんはほかにも、製造工場と店舗のコミュニケーションを円滑にするプロジェクトのリーダーを担当するなど、計4つのプロジェクトに入っている。

1年目でこれだけいろんな仕事が任せてもらえるってすごい。でも、そのぶん仕事が多くて大変ではないですか?

「正直いそがしいです(笑)。遅くまで働くこともある。ただ、自分はこういうふうに主体的に働ける職場が合っているなと思うし、楽しいですね」

やらされているんじゃなくて、自分がやりたいからやる。

主体的に働ける人にとっては、挑戦できる場がたくさんある環境だと思う。

上田さんは、どんな人と働きたいですか。

「自分で仕事を掴みにいく働き方が求められるけど、働いている人たちはみんなガツガツしているわけではなくて。ちゃんと意見を聞いてくれる会社だと思うんです」

確かに、取材をしたみなさんはよく笑う自然体な人ばかり。いそがしそうだけど、ピリピリしていない。和やかな雰囲気が印象的だった。

「将来やりたいことが決まってなくても、この会社なら、自分発信でいろんなことに挑戦できる。最初はできなくても、挑戦している人は周りにいっぱいいるので、そこから気付いたり、学べたりすることはいっぱいあると思います」

 

最後に、代表の宮本さんの言葉を紹介します。

「僕たちの仕事って、クリスマスのプレゼント交換に似ているなと思うんです。人間にも、環境にも、みんなにプレゼントが回るような仕組みを考える。それができれば、会社の売り上げにもつながる。僕はそう信じて疑わないんです」

隣の人にそっとプレゼントを回すように。

肩肘張らずに自然体で社会課題の解決に取り組む。そんな会社だと思いました。

(2023/12/7 取材 高井瞳)

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