求人 NEW

ありあまるモノの中から
逸品を選び抜く
目利きのための百貨店

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

ものづくりの仕事を取材しに行くと、つい、その製品を買って帰りたくなる。

それは、つくり手の思いをたっぷり聞いて、つくっている現場を見て、そのものに対する気分が高まってくるからだと思います。

いいなと思ったものを手に入れるだけでなく、帰ってから、そのストーリーを誰かに話すのも楽しみだなあと、ホクホクしながら持ち帰る。

藤巻百貨店は、思わず人に語りたくなるようなストーリーのある品々を集めた、ウェブ上の百貨店。バイヤーが日本各地のつくり手を訪ねて選んだ「日本の逸品」だけを紹介しています。

サイトを見ていると、百貨店のバイヤーさんと直接話をしているような、ものを選ぶときは「ここを見て!」と、目利きのコツを教わっているような。コンテンツのつくり方にも、独自のこだわりがあります。

直接手にとることはできないけれど、どこか臨場感がある。

今回は、そんなお店とお客さんをつなぐ、カスタマーサポートのスタッフを募集します。ほかにもこのサイトを運営していくディレクターや、動画コマースなど新規事業の担当者、バックオフィススタッフなど、いくつかの職種で募集中とのこと。

会社の考え方に興味がわいたら、まずはコンタクトをとってみてください。



藤巻百貨店を運営している株式会社caramoは、この秋、オフィスを渋谷に加え、新たに青海に執務スペースを増やした。

新橋からゆりかもめに乗って、ぐるりとお台場湾岸方面へ。

テレコムセンター駅で降りると、脇を通り過ぎるのは物流専用の大きなトラックばかりで、歩行者はほとんどいない。

少し不安になりながら地図が示す場所に到着する。

門をくぐってビルのなかへ。

エレベーターで2階に着くと通路の奥に、外とは違って落ち着いて作業しやすそうな事務所があらわれた。奥には商品撮影用のスペースもあるみたい。

広い室内はフリーアドレス制らしく、スタッフもなんだかのびのび作業しているように見える。



まずは中村さんのデスクを挟んで、取材をはじめることに。

「もともとは、渋谷にある親会社のトランスコスモス社と同じビルに入っていたんですけど、コロナで世の中は激変して、経済的にも、新しい日常についてもどうあるべきかを考えさせられました」

「新たな取り組みとしてテレワークをやってみて、感触が良かったので、サービス向上しつつ働き方を変えるなら今かなと思って。それで、以前から使っている倉庫物流センターの事務所棟のなかに、執務スペースを設けることにしたんです」

メールやチャット、オンライン会議などのシステムを使えば、業務のほとんどはどんな場所でも進めていける。

ECサイトとして、アフターサービスの質を高めていくために、倉庫物流センターのすぐそばに拠点を移すことを決めた。

「まあ渋谷と比べるとちょっと交通の不便さを感じますけど、今は週2出勤が基本。あとはテレワークなので、そんなに負担はないと思います。それにここは思った以上に良い環境で、仕事にも集中できますよ」

週の半分をテレワークにすることで、スタッフのワークライフバランスを見直す狙いもある。

この春からの半年は、世の中のライフスタイルにも大きな変化があった。

お客さんのニーズに、何か影響はありましたか?

「藤巻百貨店はもともとファッションアイテムがメインなんですが、この半年はキッチン周りのアイテムがよく売れますね。みんな家にいる時間が長くなって、せっかくなら質のいいものを使って暮らしたいっていうふうに、意識が変わってきたんじゃないかと思います」

たとえば…と中村さんが見せてくれたのは、表面に独特の凹凸を持つコーヒーポット。

「これ、鎚起(ついき)銅器っていう伝統工芸品なんですけど、一枚の銅板をカンカン叩いて立体的なかたちをつくっている。使うほどにだんだん味が出てくるので、一生モノとして使えますよ」

サイトに掲載されている写真はすべて撮り下ろし。職人さんの工房やメーカーを直接訪ねて取材した、制作工程や道具も見られる。

商品の正面、側面、ヒョイと外した蓋の裏側まで紹介されている。

たしかに、お店で触っていると、何気なくこういうところ見るなあ…。

「この注ぎ口の細さも、お客さんによろこばれているポイントだと思います」

いかに細いお湯が注げるかという機能性や、伝統工芸技法による製作過程なども、テキストで細かく紹介されている。

商品説明というよりは、読みものみたいですね。

「そうですね。ただ、メディアをつくっているのか、商売をしているのかを見失ってはいけないと思うんです」

「こういう商品を扱うとき、ついクールでおしゃれなサイトにしたくなるけど、それだけでは、お客様に魅力が伝わらないことが多い。ちゃんと自分ごととして商品の魅力を感じてもらうために、親近感のある表現も必要だと思います」

普段の伝え方でも特に大切にしているのは、リアリティ。

実際に手にとって使っているシーンを想像できる写真やコンテンツを考えていく。

「たとえばグラス単体で紹介すると『もの』なんですけど、こうやって泡の立つビールを注ぐと『こと』になる。一枚の写真でどうやってストーリーを伝えるかっていうことですね」

画面を隔てながらも、商品を手に取るように感じられることで、気分が高まっていく。

多くのECサイトが、いかに他社より安く売るかという発想で競合するなか、藤巻百貨店は商品の魅力をしっかり伝え「少し高くても、それだけの価値がある」と感じてくれるファンを着実に増やしてきた。

「自分の感性に響くものなら、定価でも買いたいと思うんですよね。さっきのポットでも、コーヒー淹れながら『美味しさの秘訣は、ここの伝統工芸技法がね…』って人に言えたら、楽しいじゃないですか」

「僕は普段から万年筆を使うんですけど、気に入った筆記具があると、気分が高まって集中できる。ちょっと字もきれいに書ける気がするし。そういう楽しさが分かるって大事なことだと思います」

日常生活に対して、少し能動的になれるような。

使い手の気持ちに作用して、暮らしの時間を前向きに変えていくものが、本当の「いいもの」なのかもしれない。

世の中にある無数の選択肢のなかから、どう「いいもの」を選び出すか。それは中村さんたちの目利きの仕事でもあり、お客さんに対して藤巻百貨店が投げかけるテーマでもある。

もともと、「もの余り時代の、もの選び」というコンセプトで藤巻百貨店を企画したのは、カリスマバイヤーとして伊勢丹のショップなどを手がけてきた藤巻幸大さんだった。

「生前、藤巻さんはメディアにも多く出ていて、一般的にはカリスマバイヤーっていうイメージが強いと思うんですけど、ご本人を知っている人たちは『電話魔だった』とか『いろんな人を紹介してくれる人だった』とか、明るい人柄のことをよく思い出して話すんです」

「あと藤巻さんは何でも『直当たり』だった。それは僕らも同じで、ものづくりの現場は必ず見に行きます。職人さんはいいものをつくっていても、自分からアピールしないので、こっちから探すしかない。だから、行くといいものが見つかりますよ」

そんな関係づくりからつながって、最近は仕入れだけでなく、いくつかのメーカーのECサイトの運営も受託して行っている。

「どんな職種でも、まずはうちのノウハウを身につけないとできない仕事なので。経験の有無にかかわらず、一から覚えて、ゆくゆくはマネージャーやリーダーを目指していきたいっていう意欲のある人のほうが馴染みやすいと思います」



実際にサイトの運営に携わっている人たちは、どんなことを考えているんだろう。

マーケティングを担当している野中さんにも話を聞かせてもらった。

野中さんは、現在入社5年目。間もなく2度目の産休に入る予定だという。

これまでコンテンツの編集やメルマガ担当、プレスリリースの発行など、いろいろな役割を兼務しながら、仕事を続けてきた。

「ページをつくっていく過程にはかなり泥臭い面もあるんです。あと、中村さんはいつも、ちょっと難しめな数値目標を出してくるところがあって。たとえば、それまで月間の新規顧客数が数千人くらいだったところを、『今の10倍になるように何か考えて』とか」

自分のなかにあるステレオタイプで「お客さんはこういうものだ」と決めつけてしまうと、先に進めない。

レビューのコメントだけでなく、その日の天気、お客さんの年代、決め手になったテキストなど、いろんな視点から分析する。

「藤巻百貨店は本当にいいものだけを集めた、知る人ぞ知るサービス。まずは、このお店のお客さんやサービスのこと、ノウハウをよく理解したうえで、少しずつ自分なりの工夫を重ねていくことが大切だと思います」



取材から約3ヶ月。新たに募集することになったカスタマーサポートの仕事について、営業管理部責任者の小出さんにオンラインで話を聞かせてもらった。

「カスタマーサポートの仕事って、商品の受注処理などの事務仕事を正確に回していく部分もありますが、商品について電話で質問を受けるなど、お客さんとの接点になる大事な役割でもあるんです」

説明書を読み上げるように情報を伝えるのではなく、自分の言葉で、いかに商品について語れるか。

サイトで商品を見たときのワクワクする気持ちを、自宅で受け取る瞬間まで感じてもらえるように。ギフトラッピングの要望があれば、細かくヒアリングして、丁寧に届けていく。

「あとは伝統工芸品とかだと、職人さんが1点1点つくっていて、発送までに時間がかかることもある。そういうときに、ただ納期を伝えるか、その理由も含めて丁寧にご案内するかで、買い物という体験価値は大きく変わってくると思うんですよ」

修理の要望など、今はまだ個別に対応せざるをえないサービスも、今後はシステム化を進めていきたいところ。これから入る人には、その基盤づくりを担ってほしい。

「私は前職でECサイトを構築するサービスをしており、これまで400社くらいECサイトを見てきたんですが、藤巻百貨店ってECの理想形みたいなものなんですよ。ものの価値をきちんと伝えて、ファンをつくり、定価で買ってもらう。お客さんとの信頼で成り立っているお店なんですよね」

顔が見えないECの仕組みのなかで、どうやって、お客さんと心を通わせていくか。

まずは、暮らしを彩る「逸品」への興味や愛着が、手がかりになるような気がします。

(2020/10/1 取材、2021/1/21 更新 高橋佑香子)
※撮影時にはマスクを外していただいております。

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