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緑豊かな森のなかで、美味しいものを食べる。ほっとひと息ついて、思わず笑顔になる。岐阜県恵那市にある「恵那 銀の森」は、自然を感じながら食とショッピングを楽しめる複合施設です。
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これらを運営しているのが「銀の森コーポレーション」です。
今回募集するのは、銀の森の商品をより多くの人に伝えていく広報。具体的には、店舗の販促企画を担当する人と、WEBデザインやSNSの運用を担う人を求めています。
自然が好き、食べることが好き。そんな人にぴったりの仕事だと思います。
JR恵那駅へは、名古屋駅から電車で1時間ほど。車窓から見える景色は、ビルの街並みから次第に山や田んぼへと変わっていく。
恵那駅からさらに車を走らせること5分、銀の森に到着した。
なかはたくさんの植物が生い茂っている。木陰で小川のせせらぎを眺めていると、暑さも少し和らぐ気がする。
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待ち合わせ場所の「銀の森ショップ」へたどり着くと、社長の渡邉さんが迎えてくれた。
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「今は6店舗運営しています。セレクトショップや食材の専門店、お食事処など、いろいろな形態のお店がありますね。洋菓子のお店『PATISSERIE GIN NO MORI』は、東京にポップアップストアを出店することもよくあるんですよ」
ヘーゼルナッツや木苺、ケシの実など、森でとれる木の実や果物をつかった焼き菓子を扱っている「PATISSERIE GIN NO MORI」。
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「銀の森の自然を商品でも味わってほしくて、森の恵みをイメージした食材をつかっています。どんぐり粉を入れると、ほろっとした食感の香ばしいクッキーになるんですよ」
クッキーボックスのなかには、全部で22種類ものクッキーが入っている。
大きさも形も違うクッキーが隙間なくぎっしりと詰まっていて、見た目も楽しい。
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「実は我々、9年前に銀の森をオープンさせる前は、おせちの専門会社だったんです。おせち料理は今でも手がけているんですよ」
たしかにそういわれると、クッキーボックスがおせちの重箱のようにも見えてくる。
おせち料理を詰める技術を持っていたからこそ、割れやすいクッキーを仕切りなく詰めることができたという。
「おせちは問屋に卸していたので、直接お客さんと顔を合わせる事業をしたい気持ちがずっとあったんですよね。そこから『自然のなかでゆっくりと、いろんなお店を楽しめる場所をつくりたい』と思うようになりました」
食の複合施設として、どんなお店を出そうか。渡邉さんは、おせちをつくる会社として日本の食文化を伝えることがしたいと考えた。
そこで、かまどで炊いた和惣菜や出汁の専門店「竈(おくど)」や、節句文化をコンセプトにした料亭「五節會(ごせちえ)」をオープン。
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「レストランを運営したことはないけど、お客さんが必要としているならやってみようって。知識や経験はゼロの状態ではじめたものがほとんどですね」
「どのお店でも、素材の味を引き出すことを基本にしています。だから素材選びにはすごくこだわっていて。私も含め、社員が実際に産地を訪れて、自分の目で見て味わった上で、素材を決めるようにしているんです」
つくるものが変わっても、大切にしたいことは同じ。おせちを専門にしていたころからの素材へのこだわりが、経験のない分野にも活きたんだと思う。
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「ゴルフ場の跡地に木々を植え、百年以上かけて森をつくっていく計画です。食の素材って、たどっていけばすべて森の恵みから生まれていると思うんですよ」
「銀の森も、もともと瓦礫置き場だった場所に木を植えるところからはじまりました。食に携わる会社として、これからも森を大切にする活動を続けていきたいですね」
今回の募集では、銀の森に込めた想いやたくさんの商品を、より多くの人に広めていける人を求めているそう。
その役割のひとつが、銀の森を訪れた人に対しておすすめ商品をわかりやすく紹介する、販促企画。
具体的な仕事内容を教えてくれたのは、田中さん。新しく入る人は、まずは田中さんのもとで業務を覚えていくことになる。
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たとえば、5月中旬から6月末は「涼味」のキャンペーン。出汁の専門店「竈(おくど)」では、冷たい料理に合うめんつゆを提案することになったそう。
「めんつゆを使ったレシピを店長と考えて、チーム内のデザイン担当者にレシピや料理が映えるPOPをつくってもらいました。キャンペーンがはじまったら、お客さんの動きも確認しています。売り場をちょっと変えるだけで、お客さんの流れがすごく変わったりするんですよ」
「毎日売り場の様子を見ながら、次の企画も並行して進めていて。どれだけ手に取ってもらえるかという、結果へのプレッシャーもあります。ただ、大事なのはお客さん目線。『これとこれをセットにしたらご夫婦で楽しめるかな』というように、お客さんの生活を想像しながら内容を考えるようにしています」
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「おせちを長年つくっていた会社として、食をつうじて日本文化を知ってほしいという想いがあって。たとえば、『初午(はつうま)の日』って知っていますか?」
初午…はじめて聞きました。何の日なんですか?
「年があけた最初の午の日は、農耕の神様である稲荷神を祭る日なんだそうです。稲荷神社の神の使いはキツネ。そこから、油揚げや稲荷寿司を食べて、豊作や商売繁盛を祈願するっていう風習が生まれたんです。銀の森では、1日限定で稲荷寿司をつくったんですよ」
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「新しくきてくれる人も、日本文化にまつわるイベントをどんどん企画してほしいですね。季節限定商品の販促方法も一緒に考えていきたいと思っています。銀の森に興味を持って、楽しんで仕事をしてくれる人がきてくれたらうれしいです」
銀の森のイベントや商品をより多くの人に知ってもらうためには、WEBサイトやSNSでの発信も重要になる。
現在その担当をしているのが、入社8年目の石松さん。
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「メルマガ作成や取材対応など、幅広く広報業務を担当しています。WEBやSNSにも携わっているんですが、なかなか手がまわせていなくて。専任の人がきてくれたら、できることがたくさんあるなと思っているんです」
たとえば、銀の森全体のWEBサイトだけでなく各店舗のサイトをつくり、キャンペーンにあわせて更新していきたい、と石松さん。
「チームで考えたアイデアを形にしてほしいなと思っています。あとは、WEB上の細かい修正や更新作業をお願いしたくて。趣味程度で大丈夫なので、WordPressとIllustrator、Photoshopを使用したことのある人がいいですね」
「SNSに関しては、内容からすべてお任せしたいと思っていて。長年働いている私たちではなかなか気づけない、銀の森のよさや面白さを、新しい人の目線で見つけていってほしいです」
どんな写真を撮影し、どんな文章を添えて発信するか。更新頻度も含め、自分で考えて運用していく力が必要になる。
「商品は実際に食べて、自分の言葉で感想を紹介するようにしています。新商品がでると、開発チームが試作品を持ってきてくれるんですよ。あとは、お客さんからヒントをもらうことも多いですね」
お客さんから?
「たとえば、『ここのモンブランは、クリームのなめらかさがいいんだよね』ってお客さんが話しているのを聞いて、この商品の美味しさはそこがポイントなのかって気づいたことがあって。工場長につくりかたを聞きにいったことがあるんです」
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何気ない言葉に、魅力を伝えるヒントが隠れている。まずはお店を訪れるお客さんと向き合うことが大事なのかもしれない。
「事務所を出ればすぐに店舗があるので、お客さんと会う機会も多いです。電話に対応したり、催事で売り場に立ったりすることもよくあります。デスクワークだけでなく、お客さんとも関わりたいって人のほうがいいかもしれないですね」
「SNSのコメントや感想のお手紙をもらえることもあって。銀の森には、紹介したい商品や届けたい想いがまだまだたくさんあるので、広報の仕事を通じて多くの人に銀の森のことを知ってもらいたいです」
取材がひと段落し、石松さんにお店のなかを案内してもらいました。
「このどら焼きがすごく好きで…」と、一つひとつの商品をおすすめしてくれる石松さん。ご自身も銀の森のファンのひとりなんだな、ということがよく伝わってきました。
美味しいものが好きで、それをたくさんの人に知ってもらいたい。
そんな想いのある人には、たまらない仕事だと思います。
(2020/08/31 取材 鈴木花菜)
※撮影時にはマスクを外していただいております。