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やるならとことん
泥臭く、人間らしく
ともに走るコンサルタント

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「計画を立てるのも大事です。でも本当に大事なのは、“計画通りにいかないところ”を、いかに修正していくかなんですよね」

そう話すのは、株式会社さとゆめで働く俣野(またの)さん。

さとゆめは、全国各地のプロジェクトに携わってきたコンサルティング会社です。その地域ならではの商品開発やアンテナショップの運営、自治体の総合計画づくりやまち全体をホテルに見立てた地域点在型の宿泊事業など。多岐にわたる事業に取り組んできました。

その過程で大事にしてきたのが、伴走するということ。コンサルティングの世界では、計画ができたら手を離れていくプロジェクトも多いそうですが、その後も関わり続けるのがさとゆめのスタイルです。たとえば商品パッケージをつくって終わりではなく、販路まで一緒に開拓していく。宿を立ち上げたらその運営にも関わっていく。

そのぶんリスクもあるし労力もかかるけれど、納得感を持って働ける。積み重ねた信頼が、次の仕事へとつながる。そんな循環が生まれているようです。

今回は、東京本社を拠点としながら、リモートワークで働くコンサルタントを募集します。

コンサルティングの仕事にあまり馴染みのない人、縁遠く感じている人も。さとゆめの人たちに出会ったら、少しイメージが変わるかもしれません。

 

長野駅からしなの鉄道に乗って北へ。

山間を走る電車にのんびり揺られること30分ほどで、黒姫駅に到着した。

渡り廊下の窓からは、立派な山々が見える。正面にあるのが新潟の妙高山で、左が黒姫山。

ここ信濃町は、かつてスキーで賑わったまち。近くには野尻湖もあって、観光で訪れる人がたくさんいた。

ただ、90年代の後半になるとスキーブームが去り、廃業するペンションが目立つように。新たな産業をおこそう、という機運が高まったのは2000年のこと。

そうして2002年、「癒しの森事業」がはじまった。観光・レジャーのまちから、保養のまちへ。森のなかで行うさまざまなセラピープログラムを通じて癒しを提供することで、都会で働く人とのつながりをつくろうという取り組みだ。

この事業に長年携わってきたのが、さとゆめ長野支社長の浅原さん。今回は浅原さんの右腕となる人を募集したい。

もともと信濃町役場に勤めていた浅原さんは、2016年に退職してさとゆめへ。その後も癒しの森事業には関わり続けていて、40社以上と提携し、年間6000人が参加するプログラムへと成長させてきた。

「もう20年近く関わっていることになるのかな。最近は林野庁の仕事であちこち回っていて。月曜から金曜まで、ほとんど出張です」

国土の3分の2を森林が占める日本。森林セラピーの拠点は全国に広がりつつある。

浅原さんは信濃町での経験を生かし、その立ち上げや運営に関わっている。

森林ガイドの人財育成もすれば、まちのコンセプトも考える。各分野のプロと協力してWebサイトやパンフレット、プロモーションビデオもつくる。「既存のプログラムでは物足りない」という声があれば、企業ごとに要望を聞いてオリジナルのプログラムを提案する。

コンサルタントと聞いてイメージするよりも、実運営に深く入り込んでいる印象。そのスタンスが“伴走型コンサルティング”なのかもしれない。

「パッケージデザインの依頼だったのに、気づいたらその商品を流通させるにはどうすればいいか?ということまで考えていたり、まちの5年間の総合計画づくりに関わるうちに、自分たちで宿を運営することになったり。そういうことがよくあります」

依頼者にも、地域の人にとっても、そこまでやってくれるんだ、という本気が伝わりますよね。

「コンサルっておもしろいんです。プレイヤー気質も持ちつつ、主役になっちゃいけない。地域にどっぷり浸かりすぎてもいけなくて。たとえば森林セラピーなら、都会のニーズも知らなきゃいけない。そのあたりのバランスは絶妙で、むずかしいところですよね」

大変そうですけど、そこがやっぱり、おもしろいんですか。

「おもしろい。ぼくは軍師みたいなものだと思っていて。成功してもほめられないけど、失敗したら責められる。なぜがんばれるかといったら、住民や自治体の方が喜ぶ姿を見れるからだと思います。それを自分の喜びとして感じられる人がいいですね」

完全に裏方ではないし、最前線に立つわけでもない。とても絶妙なバランスのなかに、さとゆめのみなさんは自分たちのポジションを見出しているように感じる。

今年から、さとゆめは事業領域ごとに3つのチームに分かれて動いている。

浅原さんのチームは、森林セラピーをはじめとした健康経営系のプロジェクトが主な担当。まちの総合計画の策定や人財育成、企業との関係性構築など、抽象的で長期的な取り組みも多い。

「道の駅や古民家ホテルを運営しているチームは『3年以内に黒字化しないと』っていうような厳しさがあるけれど、うちのチームは長期にわたって事業や取り組みが残るようにデザインしていかないといけない。まちの施策の柱のうち、大きな一本を任されるような仕事も多いですね」

その一方で、地域産品のプロモーションに関わることもあるという。

たとえば最近では、千葉県産の新品種のお米「粒すけ」のPRや、日本酒発祥の地と言われる兵庫県宍粟市で甘酒をつくるプロジェクトなども動きはじめている。

ゆるやかなチーム分けなので、横断的なプロジェクトもある。伴走するうちに新しい仕事が生まれたり、依頼が舞い込んだりするので、柔軟にそれを受け止めつつ対応していける人がいい。

「要領がよくないとできない仕事だと思います。1時間かかりそうな仕事を10分で切り上げるとか、新幹線のなかで企画書をあげるとか(笑)」

 

「理想は“まってぃー”みたいな人だね」と紹介されたのが、コンサルタントの俣野さん。この日は高知県に出張中だそうで、ZOOMをつないで話を聞かせてもらった。

もともとコンサルティング業界で働いていた俣野さん。

調査・計画のあとは、地域の人に「がんばってください」と手渡す。そんなスタンスに疑問があったという。

「仕事で関わった地域に2年後に行ってみたら、計画なんて忘れ去られていたりとか、地域の人から『あなたたち、やりもしないのによくそんな偉そうなことが言えるね』みたいに言われて、何も言えなかったりとか。たしかにそうなんですよね。リスクをとっていないから、失敗しても自分のお金はなくならないし、傷つくわけでもない」

もやもやしながらも、コンサルティングという仕事には可能性を感じていた。少し視点やスタンスを変えれば、やっぱりおもしろい仕事なんじゃないか。

そんななかで、さとゆめの掲げる“伴走型コンサルティング”という言葉に出会う。すぐに連絡をとって、2年ほどフリーランスで関わり、今年から正社員に。

代表の嶋田さんのもと、道の駅や古民家ホテルなど場づくりを中心とした産業振興チームの一員として活躍している。

今回募集する人は、事業立ち上げやマネジメントの経験がある人を求めるとのことですが、俣野さんはそのあたり、どう思いますか。

「一言で“経験”といってもさまざまですし、プロジェクトの難易度によって、担当する領域も変わるんです。ぼく自身、予算やタスクなどの管理は自分で行うことが多いですが、計画や事業の方向づけっていう部分では、社内外のメンバーと相談しながら決めていくことが多くて」

計画や事業の方向づけ、というと?

「たとえば『癒しの森事業』というシンプルな言葉ひとつとっても、導き出すまでにはたくさんの情報や経験値が必要だったと思うんです。地域にどのような資源があるか、地元の方々の想い、顧客のニーズなど。さまざまな情報を集めて編集し、まちの進むべき道筋を見出し、提案する。そういった難易度の高い領域については、なるべくいろんな立場のメンバーの視点を取り入れることを意識しています」

事業は計画通りに進まないことばかり。メンバーの離脱もあれば、予想通りの反響が得られないこともある。今年のコロナ禍のように、前提から大きく覆されるようなことだって、またいつ起きるかわからない。

だからこそ、海が荒れたときも灯台の光が頼りになるように、方向を示す言葉や考え方が必要になる。と同時に、現場にも入り込み、地域の人と一緒に汗をかく。

両方に力を注ぐことで、さとゆめへの信頼が厚いものになっていく。

こうしたスタンスは、地域と関わるうえで理想的なかたちだと思う。でも実際のところ、かなり大変そう。

すっきりした顔をしているけれど、「今日は明け方から働いています」と俣野さん。

「タフな仕事ではありますよね。その代わり、いつ・どこで仕事してもいいですし、嶋田さんも『ちゃんと働いてるか』ってことは一切言わないので。自由と引き換えに責任があるというか」

裁量労働制で、現在は基本的にリモートワーク。とはいえコロナ禍の今後次第では、出社の機会を増やしていくことも考えているため、東京本社に通える人を採用したい。

話を聞く限り、働き方の裁量はかなり個人に委ねられているようなので、セルフマネジメントも大事な要素のひとつかもしれない。

 

「のびのび働かせてもらっています」

そう話すのは、長野支社のスタッフ小菅(こすが)さん。

「浅原さんはだいたい出張にでているので、長野支社は基本わたしひとりで(笑)。セラピープログラムに同行するときとか、仕事で森のなかを歩けるのも楽しいです」

小菅さんは癒しの森事業の事務局のほか、委託を受けて黒姫駅や情報センターの運営事務を担っている。

会計や総務、人事のように裏方の仕事も多い。今回募集する人と業務内容は違うものの、同じチームの一員として関わる場面も出てくると思う。

そんな小菅さんから見て、さとゆめのメンバーってどんな人たちですか?

「森林セラピーのトレーナーさんとかお客さん、役場の方に対しても、その人がどうしたいのか、何を思っているのか。汲み取ろうとするから、人をよく見るんですよね」

「人間って気持ちで動くじゃないですか。論理的にこうっていうのも大事なんですけど、気持ちを汲んで一緒にやっていくっていう関係づくりを、すごく大事にしているかなって思います」

「うちの現場は楽しいですよ」と浅原さん。

「仲間みたいになって一緒に仕事しているから。もちろん裏側には大変な部分もあるんですけど、楽しいです」

取材後、森林セラピーに関わる医師の方とのランチミーティングに同席させてもらった。お邪魔じゃないですか?と聞いたら、「全然大丈夫ですよ」とのこと。

ごはんを食べて会話しながら、ポンポンとやるべきことが決まっていく。リズム感が心地いいし、きっとほかのプロジェクトでも、波長の合う人たちと仕事ができているんだろうな。

ロマンとそろばん。自由と責任。理性と感情。

いずれかを諦めたり、押し殺したりせずに、思いきり挑戦できる環境だと思います。

(2020/10/28 取材 中川晃輔)

※撮影時にはマスクを外していただいております。

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