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人と自然がつながる公園から
まちを元気にする

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

森を歩いて木の実を拾ったり、虫採りをしたり。

自然に触れる楽しみを知ると、見慣れた景色も少し違って見えてくるように思います。

今回紹介するのは、自然公園というフィールドを活かして地域の魅力を伝えている人たちです。

三重県伊賀市にある三重県上野森林公園。

この場所は、県内にある二つの自然公園の管理やまちづくり事業に取り組むNPO法人ECCOMが運営しています。

地域にある自然資源を活かすことで、地域全体が元気になっていくように。事業の枠にとらわれず、日々チャレンジを続けている団体です。

今回は、公園管理や自然体験プログラムの企画運営を担当するスタッフを募集します。

(取材はオンラインで行いました。写真は提供いただいたものを使用しています)



ECCOMの拠点があるのは、三重県の北部にある菰野町(こものちょう)。事務局長の内山さんが事務所からオンラインでつないでくれた。

ECCOMが設立されたのは、2007年のこと。

「この近くに御在所岳という山があるんです。その山の上に、日本カモシカセンターっていう、ニホンカモシカの飼育・研究を行う施設があったんですが、2006年に閉園してしまって」

「動物園、博物館としての本来の機能とともに、地域の観光の拠点にもなっていた場所なので、使われなくなってしまうのはもったいないと。そういったこともあり、閉園のタイミングでECCOMを立ち上げました」

カモシカセンターの跡地を自然学校にリニューアルして、自然体験ツアーといったイベントを企画するなど、試行錯誤しながら事業の幅を広げていった。

10年前からは、県の自然公園である「三重県民の森」の運営管理事業を受託。公園の維持や管理はもちろん、訪れた人に楽しんでもらえるような環境づくりに取り組んでいる。

「ECCOMが管理している公園では、体験プログラムをたくさん企画するようにしています。これまではちょっと散歩に来るだけだった人にも、自然ってこんな楽しみ方ができるんだって、プログラムを通して知ってもらいたいんです」

体験プログラムは、ほぼ毎週末に開催。公園内にある落ち葉などを使ったクラフトや、昆虫の観察会など、主に子ども向けの内容を企画している。

公園の利用者数も、ECCOMが運営に関わりはじめてから5割以上増えているとのこと。今後も、まだまだできることはたくさんあると話す内山さん。

「こんなことしたら面白いんじゃないかって、自分で考えて行動できるのが大事だと思います。ベースにその感覚があれば、現場でいろんなアイデアを形にできる環境だと思いますよ」



今回募集する人は、ECCOMが管理する二つの公園のうち、三重県上野森林公園の配属になる。

大阪と名古屋の中間に位置する伊賀市にあって、広さは約52ヘクタール。森林エリアのほか、芝生や湿地、ため池もあり、さまざまな種類の自然を観察できるそう。

若い木々が多く、うっそうとした深い森林というよりは、適度に光が差す気持ちのいい場所なのだとか。

上野森林公園でおこなっている体験プログラムについて、入社4年目の菊地さんが詳しく教えてくれた。

「大学では美術の勉強をしていたんですが、昔から昆虫とかに興味があって。自然に関わる仕事ができたらいいなと思っていろいろと調べていたときに『三重県 自然』って検索したら、ここが一番上に出てきたんですよ。それがきっかけで働き始めました」

普段は、自然体験プログラムの運営や来園者への案内対応、SNSでの情報発信など、幅広く担当している。花壇の手入れといった日常的な外作業は行う一方で、草刈りなどの大きな作業は専門のスタッフがいるため、人手が必要なときに手伝うくらいなのだとか。

仕事のなかで大きな軸になっているのが、年間を通して100回以上開催している自然体験プログラムの企画運営。日々移り変わる自然に合わせて、スタッフそれぞれがアイデアを出し、プログラムを企画している。

「たとえば冬は、森に落ちている松ぼっくりや木の実を集めてクリスマスリースをつくるプログラムを企画しています。私自身、散歩しながら森に落ちているものを集めるのが好きで。集めると人に見せたくなるんですよ。それを体験してもらったら楽しいだろうなと思って、最近は毎年恒例の企画になっています」

イベントの参加者は、小学生くらいまでの親子連れが中心。リースをつくりながら、自然素材の美しさや面白さに気づいてもらえるようなプログラムを目指している。

「最近は地域の人が『これ使って』って松ぼっくりや蔓などの材料を持ってきてくれるんです。参加してくれる人だけじゃなく、普段から公園に来てくれる人とのつながりがあってこそ、企画も成り立っているなって思います」

公園を訪れる人も、スタッフに対して気軽に話しかけてくれるそう。「あそこの花がもう咲いていたよ」と、スタッフも気づいていなかった情報を教わることもある。

「自分たちから積極的に挨拶をしたり、常連さんの顔を覚えたりすることは大切です。先輩はもちろんですが、来園者の方にたくさん教えてもらって、自分も公園のことをより深く知ることができていると思います」

「なので、和やかに人と付き合っていけるような人がいいのかなと。あとは自然に興味を持って、こうしてみよう!って行動できる人だったらうれしいですね。一緒に新しい企画をつくっていける人だといいなと思います」



公園管理と聞くと、掃除や手入れなどのイメージがあったけれど、ここでは人と人のコミュニケーションをより大切にしている。

「最近、インフォメーション窓口のあるコテージの前にトランポリンとハンモックを置いたんですよ」と話してくれたのは、所長の神名(しんめい)さん。

「気持ちのいい場所なんですが、素通りするだけの場所になっていたので立ち寄ってもらえるきっかけになればいいなと思って。ちょっとした工夫なんですが、小さい子どもさんがそこで遊んで、お母さんはハンモックに揺られて。子どもの賑やかな声が響くようになりました」

公園では、人へのサービスが行き届いていなかったり、ランドスケープの配慮がなかったりなど、利用者が心地よく過ごせるところまで手が回せていない場所もある。上野森林公園では、スタッフ対応やランドスケープの面で、ホスピタリティを大切にした公園でありたいと考えているそう。

「公園の利用者は、地元やお隣の名張市に住んでいる方が多いです。地域に根ざした施設だからこそ、私たちも『ようこそ来てくださいました』って、お迎えしたいと思っています。

インフォメーション窓口では、体験プログラムの受付や園内の案内対応などをしている。今はスタッフの人数が少ないこともあって毎日は難しいけれど、利用者の安心感のためにも、行けば必ず誰かがいるという状況をつくろうとしているところだ。

また、併設された展示室では、園内の見どころを紹介。よく来てくれる方にも何かしら新しい発見を楽しんでもらえるよう、月に一回のペースで内容を入れ替えているんだとか。

今回募集する人は自然体験プログラムの企画運営だけでなく、窓口対応や展示の企画作成など、幅広く関わることになる。少数精鋭で運営しているぶん、一つの仕事だけをするというよりは、いろんな仕事に関わることが求められる環境だと思う。

現在は所長として、スタッフのマネジメントやプログラムの企画、施設全体の管理業務に携わっている神名さん。

もともとは北海道のビジターセンターでレンジャーとして、また埼玉の自然公園ではネイチャーツアーガイドとして働いていたそう。

「ビジターセンターでは子ども向けの環境教育を担当していたのですが、自然のなかで遊んだことのない子も、だんだんと自分なりの楽しみ方を発見していくのがすごく印象に残っていて」

最初は湿地のぬかるみにはまって動けなくなっていた子が、そうこうしているうちに、はまらない場所を見つけて歩き方を覚えて行ったり。体験しながら学んでいく子どもたちの姿を、間近で見続けてきた。

「子どもが自然のなかで遊べるようになると、学校の先生とか親御さんとか、まわりにいる大人の価値観も変わるんですよ」

価値観が変わる?

「うちの子は外が苦手だと思ってたけど、実はそうじゃないんだとか、身近にある自然でこんなに遊べるんだとか。子どもだけじゃなくて、大人も自然の楽しさを再発見する、といいますか」

「地元が田舎の人ほど、山が多くていやとか、もっと街がいいとか、身近にある自然に誇りを持っていないことが意外と多いと思います。でもその魅力をちゃんと伝えることができたら、もっとまちは元気になるんじゃないかなと思うんです」

日本仕事百貨でECCOMの募集を見つけたのは、ちょうど埼玉でのツアー事業がひと段落ついたとき。人も自然も元気になるような活動をしていることに惹かれて応募した。

「ユニークな自然体験プログラムを企画実施することや、さっきのハンモックみたいに、公園に来てくれている人によろこんでいただけるような仕掛けや仕組みを提供していくことは、順調に取り組めていると思います」

「他にも、自然を生かしたまちづくりの視点から、地域で活動する自然をキーワードにした団体と連携する話を進めています。それぞれ活動内容が異なるので難しい部分もあるんですが、これから試行錯誤するなかで良い塩梅の関わり方を見つけていけたらと思っているところです」

たとえば、伊賀市には20代から30代くらいの市民が集まった「伊賀市若者会議」というまちづくり団体があるそう。役場の人にも入ってもらいながら、この公園を使って一緒にできることを相談しているところだ。

「私は移住者の会に入っているのですが、そこで知り合った方に公園の体験プログラムの講師に来てもらったこともありました。新しく来てくれる人も、積極的にまちの人と関係性をつくっていってほしいですね。外から来た人でも、受け入れてくれる土壌はあるなと感じています」

調べてみると、伊賀市は三重県のなかでも移住者がもっとも多いエリアなのだそう。専任の移住コンシェルジュがいて、移住者へのサポートも充実しているという。

自然公園という資源をまちづくりに活かしたり、外でつくった人脈から公園のプログラムが広がったり。

人と自然、人と人。そして、まちと自然がつながるような場所だと思う。これからも、その関係性はどんどん豊かになっていくはず。

「公園って、お金をかけなくても小さな工夫で楽しみをいっぱい提供することができる場所だと思うんです。まちも巻き込みながら、どうやったら来てくれる人によろこんでもらえるだろうって考えることが好きな人だったら、やりがいのある仕事だと思いますよ」



自分が面白いと感じることや好きなもの。どんなふうに伝えたら楽しんでもらえるだろう。

まずは自分が自然を楽しんでみる。そこから生まれてくる気持ちを、素直に活かせる場所だと思いました。

(2021/2/24 オンライン取材 稲本琢仙)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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