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みんなが自由であるために
通販業界に
道をつくる人たち

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

子どものころ、母と一緒に通販のカタログを眺めるのが好きだった。

一人暮らしをはじめたとき、傘立てや洗濯かごなど生活雑貨を通販で買った。

最近、オンライン配信のライブチケットをインターネットで買った。

お店に行かなくても、商品が買える。通信販売は、物心ついたころからずっと当たり前の存在でした。

もしかしたら知らないうちに、どこかで私もJADMAのお世話になっていたのかもしれません。

JADMAの正式名称は、公益社団法人日本通信販売協会。

“公益”という法人格が示すように、みんなが安心して通販を利用できる仕組みを整えている団体です。今回はここで事務局員として働く人を募集します。

事業者が正しくルールを理解できるようセミナーを開催したり、消費者のための個別の相談窓口を開設したり。中立的な立場で、通販業界の健全な発展を目指しています。

マスメディアの進化とともに変化し続ける通販の業界では、新しい課題や事例が生まれてくる。手探りでも、つねに改善点を探して進んでいく気持ちが必要だと思います。



JADMAのオフィスは東京・日本橋にある。

メトロ銀座線の三越前駅から地上に出て、5分ほど歩く。首都高の下をくぐる大きな横断歩道を渡って、路地に入るとすぐに目的のビルが見えてきた。

エレベーターで2階に上がると、ワンフロア全体がJADMAの事務局。

広々としたデスクスペースのほか、さまざまな通販カタログが並べられた書架、奥にはミーティングスペースなどもあるようだ。

迎えてくれたのは、専務理事の万場(まんば)さん。

「なんだか緊張するなあ…」と言いながら、にっこりとした笑顔につられて、リラックスした雰囲気に。

「通信販売」という言葉の響きを聞くとつい、分厚い紙のカタログをめくっていたころのことを思い浮かべますが、考えてみればインターネットでの買い物も通販ですよね。

「通信販売っていうのは、無店舗販売のことですから幅広いですよ。大きな括りで言えばお蕎麦屋さんの出前も通販の一種です。日本の通信販売の歴史は意外と古くて、明治時代にはその原型がありました」

「アメリカに留学した人がシアーズ・ローバックっていう企業から学んで取り入れて、最初はトウモロコシなんかの種苗を扱っていた。そのスタイルを百貨店が応用するようになって、地方の人も都市部の流行や生活文化を楽しめるようにカタログ販売をはじめたんですよ」

わあ。これは、おもしろい資料ですね。カタログのデザインも凝っていて。

「なかなかいいでしょう、当時の生活文化が偲ばれる。ほら。ここに、当時の取引条件が書いてありますよ」

本当だ、「代金引換小包便にて」って書いてある。今とあんまり変わらないところもあるんですね。

この当時、きっと通販を利用していたのはごく一部の富裕層。ユーザーが限られていた分、お互いの信頼で成り立っている面もあったと思う。

通販が一般に浸透しはじめたのは、昭和40年代ごろ。新聞雑誌、テレビなどマスメディアを媒介した広告が拡大し、家庭向けの宅配サービスが発達した時代でもある。

「当時は本当に玉石混交でね。品質が悪いものを送って返品を受け付けないとか、消費者をだますような悪い事業者もたくさんいた。そこで、消費者の保護と、業界の健全な発展のため1983年に発足したのがこのJADMAという団体です」

事業者が法律などのルールを正しく理解するための勉強会やセミナーを行ったり、消費者が賢く買い物できるよう、講習会を開催したり。ときには個別に相談を受けることもある。

協会の趣旨に賛同する会員は現在432社。万場さんたちのところには、通販業界の「今」を感じる声が多く集まってくる。

「コロナ禍で売り上げが伸びた企業であっても、注文をスムーズに動かすための物流や人材の確保、流通過程での安全性をどう担保していくかなど、課題も多い。悩みを共有して、一緒に答えを探る場を設けるのもこの協会の役割です」

最近は、通販業界に参入する事業者の規模もさまざま。商品さえあれば、個人がネットでお店を開くこともできるし、地場産品が一躍全国区で注目されることもある。

新しい可能性が開かれれば、新しいエラーや問題も起きてくる。それを補う形で法律の整備も進んでいく。

「ちょうどこの春、経済産業省から、Amazonや楽天、Yahoo!などインターネット上の大手のモールの透明性と公正性の向上を図るための法案ができて。我々はその委託事業として、モールに出店している事業者の声を聞くことになりました」

「まだはじまったばかりなので、どんな相談が来るかわからないけど、事業者さんの悩みとか、契約条件を改善したいとか、そういう声を受け止めて一緒に考える。そういう役割はまさに公益社団法人ならではだと思いますね」

行政には届きにくい小さな声もすくい上げ、ルールや市場が健全に機能するよう整えていく。

お話を聞いていると、法律に接する場面が多いような印象もあります。知識や経験が必要なのでしょうか。

「いやいや。自分が専門家である必要はないですよ。適切な人に相談して、一緒に解決していけばいい。コミュニケーションが好きなゼネラリストみたいな感じかな。だから、いろんなことに好奇心を持てる人のほうがいいんですよ」

「通販の業界自体が、新しいもの好きだからね。メディアのイノベーションに乗っかりながら、どんどん新しい手法を開拓してきた。うちの協会も結構早い段階でウェブサイトをつくって。たどたどしくても、まずはやってみようっていうチャレンジ精神はずっとある気がします」

ITや法律などに詳しくなくても、やってみようと思える人のほうが馴染みやすいのかもしれない。



「次のスタッフが来るまで、どうぞ」と、万場さんが置いていってくれたのは、昔の通販カタログの図版をまとめた分厚い本。

パラパラとめくってみると、誇大広告に対する注意喚起のチラシや、現代ではありえない商品など、いろいろ載っていておもしろい。ちょっと借りて帰りたいな。

そんな気持ちに共感してくれたのが、スタッフの宮崎さん。

3年前に掲載された日本仕事百貨の募集記事を読んで、「これは自分の仕事だ!」と直感したのだそう。

「公益性の高い団体で、イベントの運営などをしているっていうふうに紹介されていて。僕はもともと法律の勉強をしていたし、前職ではイベント運営をやっていたので、ぴったりだと思いました」

JADMAが開催するイベントは、テーマによって規模もさまざま。ホテルの会場をセッティングしたり、登壇者の選定や調整をしたり。大きなイベントをやり終えたときには達成感があるという。

JADMAは、役員も入れてわずか10名。みんなでいろんな役割を分担していく。

宮崎さんが一昨年から担当しているのが、入会を希望する事業者の審査。

必要書類の案内など事務的な定型業務だけでなく、希望者がJADMAの基準をクリアして入会できるよう、書類の作成をサポートしたり、アドバイスしたり。

「事業者の発行するカタログや広告の内容が基準に沿うものかどうか、法律に照らして確認する作業もあります。化粧品や食品など、扱うものによって参照する法律も変わるので、判断が難しくて。ときには過去の事例を調べたりしながら考えることもありますね」

協会の発足当時から比べると、会員数は4倍以上。

JADMAが業界のなかで頼りにされていることを実感する一方で、今は、個人単位でもECに参入できる時代。団体に所属せずに活動する人は、ますます増えていく気もする。

変わっていく市場のなかで、JADMAはどんな役割を求められるだろう。

「すごく難しい問いですね…。たとえば、通販に関わる法律やルールはたくさんあるんですが、実際の現場とどうしてもズレが生じて、規制がかかりすぎることもあると思うんです」

「自治的にモラルを維持できれば、必要以上に規制されることもなく業界が活性化していく。その間を取り持つのがJADMAなのかなと思います」

ルールをわかりやすく伝え、広めることは、業界の自由を守ることにもつながる。

既存のルールに則るだけでなく、もっといい方法はないかと柔軟な発想で考えていく姿勢も大切だと思う。

「すごくカタい名前の団体なんですけど、中身はすごく柔軟だと思います。入局当時、あんまりマニュアルがないことにちょっと驚いたくらい。向かうべき方向性はみんなで共有しながら、そこに至る道は自分でつくっていくような感じですね」



宮崎さんの言葉を受けて、話を続けてくれたのは入局6年目になる永田さん。前職ではクレジットカード会社でカスタマーサポートをしていたそう。

「ここでは、自分で業務の効率化やブラッシュアップする方法を考えていく機会が多いので、臨機応変さは必要かもしれません」

コロナ禍はまさに、いろんな面でブラッシュアップを求められることが多かった。

オンラインセミナーをはじめるための設備投資や、職員の労務手続きのデジタル化など。JADMAは比較的早い段階で着手していたそう。

「こうしたほうがいいんじゃないかっていう提案には寛容な組織だと思います。私は普段経理や労務なども担当しているので、これを機に電子印鑑を導入したり、理事会の出欠をオンラインベースにしたり、いろいろ提案してみようと思っていて」

もともと経理担当として入局したものの、今は、理事会の運営なども兼務している永田さん。いろんな仕事に挑戦できることにやりがいを感じるという。

「やってみる?って、声をかけていただけるのはうれしいです。いろいろやらせてもらえる一方で、仕事のスケジュールはそれぞれの裁量で管理できるので、残業になることはあまりないです。ちゃんとプライベートの時間があるっていうことも、モチベーションにつながっている気がしますね」

誰かと競争するよりは、みんなで一緒に前に進んでいく道をつくるような仕事。

話を聞いていると、そんなイメージが湧いてきました。

自分の働きを数字で評価されなくても、自分からルールや業務の改善点を見つけ、工夫していく。そんなモチベーションを持って働きたいという人にはぴったりの仕事かもしれません。

(2021/4/12 取材 高橋佑香子)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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