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ボーダーレスに
みんなで分けっこできる
優しいお菓子

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「アレルギーや食事制限のある人、どんな人でも一緒に同じものを分けあって食べられる。境界のないお菓子をつくりたいんですよね」

そう話すのは、禾(のぎ)代表の中條さん。

禾は、お米を使った体に優しいお菓子の会社です。

3大アレルゲンと言われる卵・牛乳・小麦粉や、体に負担のかかる上白糖や動物性の油脂は使用せず、多くの人が一緒に分けあえるお菓子を全国の取扱店に届けています。
            
今回は、禾で営業と製造をおこなうスタッフの募集です。将来的に、会社を一緒に育てていけるような人を求めています。



香川県の高松駅から、電車で30分かけ讃岐津田駅へ。

無人の小さな駅を出て、広い空のもと歩くこと10分ほど。保育園をリノベーションしてつくられた禾の事務所が見えてきた。

中に入り声をかけると、代表の中條(ちゅうじょう)さんは工場で作業中とのこと。少し玄関で待つことに。

廊下には、商品名の書かれたダンボールが天井ぎりぎりまで積まれている。仕事を終えたパートタイムのお母さんたちは、通りかかるたびに「こんにちは」と挨拶してくれた。

しばらくして、奥から「お待たせしました」と現れたのが代表の中條さん。「いい浜辺があるんで、そこで話しません?」ということで、挨拶もそこそこに車で移動する。

数分走らせると、静かな海が広がっていた。

「いいところでしょう。ここでコーヒー飲みながら長居してしまって、よく社員に怒られているんですよ(笑)」

さざなみが聞こえる松林を歩きながら、あらためて禾について教えてもらう。

食生活の乱れから体を壊した経験があるという中條さん。穀物や野菜中心のマクロビオティックという食事法を学び、2009年にカフェをオープンしたのが禾の始まりだった。

お客さんのなかには食物アレルギーを持つ人も多く、さまざまな声を聞くようになったそう。

「カフェで売っていたお菓子を食べた子が、『これなら、美味しいからお友達と食べられる!』ってうれしそうに話してくれたことがあって。卵やバターの入っていないお菓子は『まずい』って言われるから、友達から隠して食べていたそうなんです」

「アレルギーのある子って、自分はみんなとは違うっていう思いがある。受け入れてもらえないお菓子に、自分を投影しているんじゃないかな。だからこそ、みんなが美味しいって言ってくれる価値って、もう我々には想像もつかないものなんだろうなって」

カフェを始めて半年が経ったとき、東日本大地震が発生。ニュースを見ながら「アレルギーがある人は何を食べてるんだろう」と思った中條さんは、卵・牛乳不使用のお菓子を被災地に送った。

「そしたら『小麦粉も入っていないクッキーはないですか』って問い合わせをもらって。調べてみると、当時はあまり世の中になかったんですね。必要としている人がいるならつくろうと思って、カフェを閉じてお菓子づくりの事業を始めることにしました」

卵や牛乳だけでなく、小麦粉も使わないクッキーづくりは、想像以上に大変だったそう。

「難しかったですね。最初はもう、冷めたお餅みたいにカッチカチになりました。食感を軽くして、クッキーらしいサクサク感を出すのがすごく大変で」

「相当試作しましたよ。材料や組み合わせ、配合をちょっとずつ変えてみて。『これはどう? ダメか〜』って。専門的な知識もなかったので、行き当たりばったりでしたね」

半年におよぶ試行錯誤の末、程よく優しい甘みとホロホロした食感の、米粉のクッキーが完成した。

「小麦粉やバターを使っているものとは、どうしても味や食感はちょっと違うんだけど、これはこれで美味しい。アレルギーや食事制限のある人はもちろんだけど、そうじゃない人も普通に美味しく食べてもらえるものをつくりたいと思っています」

発売から10年が経った今では、約20種類のお菓子を、全国120ほどのお店に卸している。

年に一度は新商品を出していて、昨年からは無印良品のOEM生産もおこなったんだとか。

「新商品は大体みんなで決めていますね。誰かの思いつきで始まって、じゃあつくってみようかって。食べながら、これいいねって話してつくっています」

たとえば、「おとなの玄米ポリッポリ」という商品。塩辛いものを食べたくなった中條さんが、いつもの生地に塩を入れて焼いてみたのが始まりだった。

「ポリッポリは、本当は商品化したくなかったんですよ(笑)。今でこそ機械を入れていますけど、最初は伸ばす工程も全部手作業で。製造工程がすごく大変だったんです」

「うちの機械って、ほとんど特注品なんです。一般的な機械だと生地がパキパキ折れちゃうんですよね。事業者さんと相談しながらつくってもらうので、機械を増やすのもなかなか難しくて」

主には機械で製造しているものの、商品によっては手作業もまだまだ多いんだとか。

「クッキーを型抜きする作業とかね。人手が足りないので、私もよく工場に入っているんです。大変ですけど、体力はつくから大丈夫ですよ。製造スタッフも男性は一人だけで、あとは全員女性ですから。従業員15名ちょっとのベンチャーですから、なんでもやってみる気概がある人でないと難しいかもしれません」

「いろいろ経験した後に、商品開発やPR、営業や製造とかって、その人が向いているものを担当してもらえたらと思います。最終的には、会社を引っ張っていくメンバーの一人になってもらえたらなと思っていて。禾の商品をこれから先もつくり続けていくために、一緒に考えてくれる脳みそになってほしいですね」



禾では、どんな仕事をしている人がいるんだろう。

会社に戻り、まずは営業担当の久保さんに話を聞かせてもらう。

「もともとはうどん屋で営業をしていて。体調を崩して転職を考えていたときに、知り合いから紹介してもらったんです。前職では小麦を使った食品を扱っていたし、アレルギーのことはまったく分からないまま入社して」

久保さんの主な仕事内容は、新規営業や既存のお客さんへの対応。営業の際は、禾の想いを伝えることを大切にしているそう。

「アレルギーをお持ちの方に、商品の感想や要望を直接聞ける機会があったんです。そのときに『自分が食べれるお菓子はなかなか売っていないから、どこでも買えるようにしてほしい』という声をいただいて」

「アレルギー対応のお菓子が、どこでも普通に並んでいる状態にしたいですよね。僕はアレルギーをなくす手助けはできないので。だったら、少しでも寄り添えるものを、ちゃんと近くに届けたいなと思っているんです」

アレルギーの人も安心して食べられるように。禾では、原材料の調達から徹底している。そこも久保さんの担当なんだとか。

「小麦粉が微量でも入らないように、仕入れの段階から混入にはすごく注意しています。新しい原料が必要になったら、安心して調達できる先を見つけるために、色々とメーカーさんあたって。アレルギーに意識のあるメーカーさんばかりではないので、なかなか大変ですね」

「ほかにも、製造スケジュールの作成や管理、人手が足りないときは工場に入ることもありますよ。社員が少ないので、雑務のウエイトも高いですし、こんなことまでするの?っていうことも多いと思います。最近は、会社の後ろにある畑の作業とかもしてますね」

畑で、何か原料をつくっているんですか?

「いや、みんなで食べるための(笑)。みんなでサツマイモを植えて、収穫して。製造の人は時間差で仕事をしているので、一緒に何かやれることがあったら楽しいよなと思って。今年はキュウリやオクラを植えたいなと考えているんです」



お話を聞いていると、皆さんが楽しく働いている様子が浮かんでくる。

「仕事ってこんなに楽しくていいんや、って気持ちになれたんです」と話してくれたのは、営業事務を担当している入社2年目の梶原(かじはら)さん。

「銀行の営業をしていたけど、自分がもっと心から勧められる商品を扱いたいなと思って。禾のことは入社するまで知らなかったんですけど、食べたら『え、美味しいやん』ってびっくりしたんです。一気に全部食べちゃって、付いていたチャックもいらんくらいでしたね」

「働いていると、お手紙をいただけることも多いんです。『食事制限のある息子が、美味しい!ってバクバク食べてくれました』とかって。禾のお菓子でハッピーになってくれる人がいるんやなって、実感しながら仕事できるのが楽しいんです」

梶原さんの好きな商品をたずねると、次から次へとたくさんの商品を教えてくれた。友達にお勧めすることも多いんだとか。

心から勧められる商品を扱いたい。そんな気持ちにぴったりの仕事を、梶原さんはここで見つけたんだなと感じる。

商品の受発注を主に担当しているほか、InstagramなどSNSの発信もおこなっている梶原さん。

昨年には、原料となる甘酒をつくっているお店を取材したそう。

「SNSで甘酒クッキーのことを発信しようって決まったときに、甘酒ってどうやってつくられてるんか知りたいなと思って。社長や久保に相談したら『良いやん、行っておいでよ』って、その場ですぐ電話してくれました」

「やりたいことも伝えやすいし、意見を大切にしてくれているなって思います。この前は商品リニューアルに向けて、数種類ある味のなかからどれを残すか、決めさせてもらったんですよ」

人数が少ないからこそ、一人ひとりの意見に重みがあるし、何かあったときはみんなで助け合うことが大切。

梶原さんも「これまでに数々の失敗をフォローしてもらった」という。

「在庫のない商品の発注をかけてしまったり、送り先を間違えたり…。そういうときも一緒に対応をしてくれて、『会社としてどうにかせないかん問題やけん、気にせんでいいよ』って言ってもらったんです。そういう環境はすごくありがたいなと思っています」

「社長には、一度だけかなり怒られたことがあって。クレームを受けた報告が遅くなってしまったときに『お客さんにとって、もしそれが大きな問題だったら大変なことだから』って言われました。お客さまのことを一番に考えて対応する姿勢が大事なんだなとよく感じます」



どんな人も受け入れるお菓子をつくりたい。その優しさは、仕事の姿勢にも通じているように思います。

禾では、働く人自身も、体と心に優しい仕事ができるような気がしました。

(2021/3/29 取材 鈴木花菜)
※撮影時はマスクを外していただきました。
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