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自分だけでは解決できないことも、人の力を借りるとうまくいくことって結構ある。「もっと早く相談すればよかった」なんて思うことも。相談に乗ったり、力になってくれそうな人を紹介したり。コミュニケーションの媒介となってコミュニティをつくっていくような役割は、これからもっと求められていくのかもしれません。
宿泊施設「MUJI HOTEL GINZA」や子ども向け職業体験施設「キッザニア東京」、はたまた学生寮やホテル+シェアハウスの複合施設まで。さまざまな施設を、企画・設計・運営まで一貫して手がけているのが、UDS株式会社です。
今回は、事業の一つであるコワーキングスペースの企画運営・営業に携わる人を募集します。
単純に場所を管理するのではなく、利用者のことを知り、よりよい関係づくりのお手伝いをする役割です。あわせて、各施設の契約や事務処理を担当するバックオフィス担当も募集します。
取材に向かったのは、UDSが運営するコワーキングスペース「INBOUND LEAGUE(インバウンドリーグ)」。新宿三丁目駅から歩いて約5分ほどの場所にある。
1階はカフェとフリースペース。2階から上は、ラウンジや個人ブース、貸しオフィスなどがあって、7階はシェアハウスになっているみたい。
案内されたのは、8階にあるテラス付きの和室スペース。
ここで、事業企画部のゼネラルマネジャーを務める三浦さんに話を聞かせてもらう。INBOUND LEAGUEをはじめ、さまざまな施設の企画から関わっている方だ。
「UDSの前身は、1992年に創業した都市デザインシステムという会社なんです。コーポラティブハウスの企画コーディネイト事業から始まったんですが、その後自社で設計部門を持ったり、デザインホテルの開発運営などの新規事業も始めたりして」
その後、2009年のリーマンショックを経て経営形態が変化し、社名もUDSとなって再スタート。事業の幅はさらに広がっていった。
「リーマンショック直後は、新築よりも遊休不動産をどう活用するかっていう案件が多かったんです。建物を活かすにはどうすればいいか、知恵を絞って企画を考えて、設計もする。運営も、前例もなくやってくれるところが見つからないなら自分たちでやっちゃおう、みたいな。そのときの流れが、企画から設計、運営まで手がける今のスタイルにつながっています」
幅広い事業で培ったノウハウを活かして、新しいチャレンジを続けているUDS。
たとえば「ホテル アンテルーム 京都」は、アートとカルチャーをテーマにした複合施設。もともと学生寮だった建物を活用し、ふらりと泊まれるホテルとシェアハウスが一体となっている。
また、運営していた学生寮に住む学生たちに食事を提供したことから学生食堂の事業が立ち上がったり、学生食堂とシェアハウス事業を組み合わせて学生レジデンスを開いたり。
最近では、高校生や大学生、社会人が入居してそれぞれの経験から学び合う居住型教育施設「SHIMOKITA COLLEGE(シモキタカレッジ)」を企画・設計・運営している。
つながっていないように見えて、ちゃんとつながっているんですね。
「外の人からは、いろいろなことに手を出す飽きっぽい会社に見えるかもしれないんですが(笑)。企画している僕たちからすると、既存の事業で培ったノウハウを編集的に組み合わせることで、常に新しい価値を生んでいきたいと思っているんです」
「INBOUND LEAGUEも、新宿という外国人観光客が集まる土地柄を活かしながら、コワーキングスペースとシェアハウスを組み合わせて、インバウンド事業者をワンストップでサポートできる複合施設をつくろうというアイデアから始まった場所で。新しいことに面白がってチャレンジするUDSの雰囲気にも、興味を持ってくれたらうれしいですね」
UDSでは「LEAGUE」というブランド名で東京に3ヶ所のコワーキングスペースを運営している。
なかでも今回募集するINBOUND LEAGUEは、名前の通り「インバウンド」をテーマにしているそう。
どんな場所なのか、LEAGUEのマネージャーである松尾さんに続けて話を聞いてみる。
「LEAGUEでは、単純に仕事場所を貸し出すだけじゃなくて、利用者同士がつながるコミュニティづくりを大切にしています」
「いいコミュニティづくりに必要なのは、『テーマ』と『人』なんです。インバウンドっていうテーマと、利用してくれている事業者さん同士を橋渡しするコーディネイター。それがINBOUND LEAGUEの強みだと思います」
INBOUND LEAGUEには、オフィスを構える人もいれば、個人でラウンジを利用する人もいる。
利用者の事業内容も多種多様。大まかに言うと、全体の6割ほどがインバウンド事業に関わっている企業とのこと。
「インバウンドって狭い領域に聞こえるかもしれませんが、実はすごく幅が広くて。たとえば訪日客向けのホテル事業もあれば、日本の情報を外国人に提供するメディアもある。あとは旅行会社やガイド業、自転車やキックボードなどのレンタルモビリティサービスなんかもあります」
「細かい事業内容はちがっていても、インバウンドというテーマを共通で持っている人が多いから、情報共有や連携もしやすい。それは会員さんのメリットになっているんです」
とくにこの1年は、コロナ禍もあってインバウンド業界は厳しい状況が続いている。
さまざまな情報が行き交い、めまぐるしく状況も変わってゆくなかで、情報共有できるコミュニティが安心感につながったそう。
また、会員であれば、UDSが運営する施設でのサービスの実証実験が可能なんだとか。
「たとえば、いま1階の入り口には電動自転車と電動キックボードが置いてあります。シェアリングサービスを展開する会社さんが、旅行者やシェアハウスに住む外国人に使ってもらってフィードバックをもらいたいということで、実証実験をしました。今は実証実験を終えて、サービス設置と事業拡大支援まで行っています」
「INBOUND LEAGUEで成功したら、UDSの別施設に展開することもできるし、実績を積み重ねることで事業の信用にもつながる。事業者さんにとっては、事業拡大のチャンスがある場所だと思います」
そしてもう一つ、INBOUND LEAGUEの強みになっているのが、人と人とのつながり。
常駐するコーディネイターが会員同士を紹介することで、困りごとの解決や新しいサービスが生まれるきっかけをつくっている。
「日本人ってシャイな人が多いので、第三者的に働きかける人が重要だと思っていて。誰がどんな事業をしていて、どんなことに関心があるのか。それを知った上で、人をつなぐコーディネイターの存在が肝なんです」
「今回募集する人には、内側のコミュニティづくりに加えて、利用者を増やすための営業にも力を入れてほしいと思っています。新しい方の視点を加えることで、一緒にINBOUND LEAGUEをよりよい場所にしていきたいです」
SNSでの発信や、スペースの新たな活用方法の提案など、できることはたくさんある。とくに不動産営業や法人向け営業の経験を持つ人であれば、より自分を活かせる環境だと思う。
続けて、「コミュニティづくりに関しては、ぜひこの人に聞いてください!」と紹介してくれたのが、LEAGUE銀座の責任者を務める大島さん。
もともとは、地元で中学校の教員をしていたという。どうしてLEAGUEで働くことになったんでしょう。
「生徒と話すときに、夢とか進路の話になることがあって。私自身、明確な夢を持たずに過ごしてきた自覚があったので、生徒の糧になることを話せているのだろうかって、不安になったんです」
「一度自分を見つめ直す時間を持とうと思って、退職していろんな仕事をしました。LEAGUEも最初はアルバイトで入ったんですが、たくさんの人に出会えるのと、一緒に働く人もいろんなチャレンジをしているのを感じて、面白いなと。それで入社することに決めたんです」
最初は、コワーキングスペースそのものについてほとんど知らない状態だった。業務はもちろん、まずは会員さんとたくさん会話をしたそう。
「私、すっごく人に興味があって。『なんでこの仕事しているんですか?』とか、『ブロックチェーンってあやしくないんですか?』とか(笑)。いま考えると失礼だったなあって思うことも、いっぱい聞いていましたね」
「それもみんなちゃんと答えてくれるし、『子どもが生まれたんだよ』とか、仕事以外のプライベートのことも話してくれたり。みなさんのことがどんどん好きになって、応援したいって思うようになりました」
仕事だけの関係でもなく、プライベートな友達でもない。その中間にあるような、ゆるやかな関係性。
利用者同士だけでなく、スタッフとの関係性も心地よいものにしていくことが、コミュニティづくりには欠かせないという。
「入居前に、どうしてLEAGUEを選んだのか、LEAGUEでどんな人に出会いたいかを、丁寧にヒアリングします。その内容をもとに会員さんをおつなぎすることもあるし、私の感覚で引き合わせることもありますね」
たとえば、どんなときでしょう?
「そうですね…最近だと、石川県で加賀棒茶の製造・販売を行う会社さんと、あるライターさんを引き合わせたことがありました。『もっと若者が手に取りやすい商品デザインにしたい』って悩みを聞いたときに、会員のライターさんがぱっと浮かんで」
「デザインには直接つながらないかもしれないですが、若者のトレンドにも詳しい方で、年齢も近くて雰囲気も合いそうだなと。それで、お茶の試飲イベントを開いたときに、ご紹介したんです」
ふたりは意気投合。その後も継続的に情報交換をしていて、今後ビジネスにつながる関わりしろが生まれた。
「お茶屋さんも、またあの人に会いたいって言ってくださって。そんな人が増えたら、ふとした会話からいいアイデアにつながるかもしれないし、LEAGUEに来る楽しみにもなると思うんです」
サービスをPRしたい人にYouTubeで活動している人を紹介して、PR動画の制作につながったことも。人と人のつながりから新しい価値が生まれはじめている。
「日々の仕事は、来客対応や荷物の受け取り、併設するカフェメニューの提供など、フロント業務も多いです。そういった仕事でも、人が好きで好奇心があるというのは大事な要素だと思っていて」
「たとえば、届いた荷物をそのまま置いておくんじゃなく、『届いてましたよ』って一言、声をかけてあげる。心地よく過ごしてもらうために必要な細かい気遣いって、その人に興味を持って、なにかしてあげたいという気持ちがあってこそできるものだと思うんです。だから、人が好きで好奇心がある人がいいんじゃないかな」
人と人との出会いから、新しい価値が生まれる。そのきっかけづくりからその後まで、間近で体験できるのがLEAGUEの面白さのように感じました。
人と会うと、ついついいろんな質問をしてしまう。そんなふうに、興味を持って人と接するのが好きな人には、とても合っている仕事だと思います。
(2021/4/27 取材 稲本琢仙)
※撮影時はマスクを外していただきました。