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北海道一筋
ぶれないドーナッツ屋の挑戦

北海道の魅力を伝えたい。

東京で暮らす道産子が、そんな思いではじめたHIGUMA Doughnuts(ヒグマドーナッツ)。

北海道産の材料にこだわった、まちのドーナッツ屋さんです。

11年前、代表の春日井さんが自宅キッチンで試行錯誤を続け、できあがったドーナッツ。フェスなどのイベント出店からはじまり、学芸大学や表参道など4店舗に拡大。

今年は新しく、京都や海外にも出店予定です。

さらに、ドーナッツ以外にも北海道を拠点とした観光事業などにも取り組む予定だそう。

今回募集するのは、店舗運営スタッフと製造管理や新商品開発の担当者の2職種。飲食店で働いた経験や、パンづくり・お菓子づくりの経験がある人は大歓迎ですが、未経験でも大丈夫。

ドーナッツ事業にとどまらず、北海道を盛り上げる様々な事業にも関わっていける。道産子はもちろん、北海道が好き、食が好きな人に知ってもらいたい仕事です。

 

東急東横線の学芸大学駅。

改札を出ると、昔ながらの賑やかな商店街が広がる。

エスニック料理のお店や家具屋さんなど。個性的なお店がたくさんあり、歩いているだけでも楽しい。

駅から歩いて3分ほど。あっという間に、ヒグマドーナッツに到着した。

迎えてくれたのは、代表の春日井さん。

ドーナッツをくわえたヒグマの、ロゴパーカーが可愛らしい。

「よかったら、まずはドーナッツを食べてみてください」

そう言って、揚げたてを出してくれた。

いただいたのは、定番のプレーン味。

牛乳、バター、小麦、砂糖。北海道産の材料にこだわったドーナッツは、ふわっと軽い食べ心地で、やさしい甘さが口に広がる。

素朴で、なんだか落ち着く味。

「おいしいです」と言うと、とてもうれしそうに笑う春日井さん。

「そうでしょう。いろんなトッピングもあるけど、常連さんからはプレーンが一番人気なんですよ」

春日井さんは、大学進学を機に上京。カナダ留学などを経て、友人とデザイン会社を設立。経営者としての日々を過ごしていた。

慌ただしい日常のなかでも、頭の片隅にはいつもふるさとの北海道があったそう。

高齢化や景気の悪化など。ふるさとの暗いニュースを聞くたびに、何もできないモヤモヤがつのっていった。

「切り口はなんでも良くて。北海道のために、自分ができることをしたかった」

そこで考えたのが、もともと好きだった「食」を通じて北海道の魅力を伝える店をつくること。

「ここに北海道のことを考えているやつがいるってわかるように、一つの旗を立てようと思って。北海道の素材を使った超おいしいドーナッツをつくることにしました」

お菓子づくりはまったくの素人。料理サイトを見たり、パン屋さんにつくり方を教わったりしながら納得のいくドーナッツを完成させた。

どうして、「ヒグマ」なんでしょう。

「北海道を一言で表せる言葉を考えていて。ああ、ヒグマがいいなって」

「食物連鎖のトップのヒグマが生活できる自然環境を守れれば、僕たち人間も自然の恩恵を受けられる。そんな環境を守りたいという思いもあって、ヒグマドーナッツと名付けました」

はじめは店舗を持たず、フェスなどのイベントに出店。徐々に人気に火がつき、2016年に学芸大学に店舗を構える。

その後も、表参道にCoffee Wrightsとコラボした店舗を開店。池袋や、富士急ハイランドなど次々と店舗を拡大していった。

ドーナッツ以外にも、北海道産のお肉をつかったハンバーガーやソーセージなどを販売。アーティストのback numberとコラボカフェを開催するなど、事業の幅を広げている。

「ありがたいことに、いろいろなところから出店依頼やコラボ依頼をいただいていて。でも、全部を受けているわけじゃないんです」

「会社が大きくなれば、北海道の生産者さんからたくさんの仕入れができるし、北海道のことをもっと知ってもらえる。一方で、ただ大きくなればいいとは思ってなくて。規模を広げながらも、自分たちらしくあり続けられる。そんな規模感を模索していきたいと思っています」

自分たちらしくある、ですか。

「生活の一部になれるっていうのかな。スタッフとお客さんの顔が見えて、自然と会話が生まれるような店でありたくて。『あの店があるから、このまちのことが好き』って思ってもらえるようになれば最高だな」

「だからうちでは、『いらっしゃいませ』じゃなくって『こんにちは』と声をかけるようにしています。お客さんと店員じゃなくて、人と人として関わりたいから」

人と人として関わる。そんな雰囲気があるからか、ヒグマドーナッツのスタッフとお客さんの間には、自然と会話が生まれることが多い。

「お子さんと一緒にきてくれる人も多くて。『今日は、プールのテストに受かったからご褒美でドーナッツを食べにきたんです』とか、『宿題終わったからそのご褒美です』とかって教えてくれるんです」

店内の壁には、子どもたちが描いたイラストや手紙がたくさん。まちに溶け込んで、愛されているお店なんだなあ。

今後はどうしていきたいですか。

「もともと北海道の魅力を伝えるためにはじめたお店。ドーナッツ以外にもいろんなことに挑戦していきたいと思っています」

「まずは2、3年以内に北海道にお店をつくりたい。ほかにも、農業をして原材料を育てたり、肉の加工工場をつくってソーセージとかハンバーガーのパテをつくったり。自分たちで企画から製造、加工までを一体化できるようにしたくて」

さらには、北海道中の素敵な生産者さんが作った野菜や加工品を販売する店やレストラン。食事を楽しんだあとに宿泊できる宿や、北海道の魅力を体感できるアウトドアツアーなど、北海道をもっと知って楽しんでもらえる場をつくりたいと考えているそう。

新しく入る人は、まずは基本の店舗業務を覚えるところから。ゆくゆくは、新しい事業にも積極的に関わっていってほしい。

「今は、いろんな事業を展開させていく時期。“北海道”や“食”っていうテーマで、やりたいことがある人、関わりたいひとは超ウェルカム! 一緒に面白いことをやっていきたいです」

 

横で楽しそうに春日井さんの話を聞いていたのは、入社6年目になる若山さん。

「北海道に拠点をつくる事業も、すごく楽しみにしています。私は北海道と食が大好きなので、それに関わることはなんでもやっていきたいと思っていて」

札幌出身の若山さん。転職先を探していたときに、日本仕事百貨でヒグマドーナッツと出会った。

今は東高円寺にあるセントラルキッチンで責任者を担当。各店舗で使用するドーナッツ生地の生産管理や新商品の開発などに携わっている。

「普段は製造がメインのセントラルキッチンでも、ドーナッツを販売する日があって。販売日には、ほんとにたくさんの方が来てくださるんです」

「『次はいつ販売するの?』ってわざわざ聞きに来てくれる近所の方もいて。わたしたちのドーナッツを、たくさんの人が楽しみに待っていてくれる。本当に幸せだなと思います」

新しく入る人は、若山さんと一緒にセントラルキッチンの運営や、新商品の開発を担当することになる。将来的には、責任者として若山さんの業務を引き継いでもらいたい。

「ドーナッツの種類も増やしたいし、手土産用の焼き菓子とか新商品の開発もしたい。でも今は正直、そこまで手が回っていなくて」

「お菓子やパンづくりの経験がある人が入ってくれたらうれしい。お客さんに喜んでもらえる商品を一緒につくっていきたいです」

アパレルの販売員や、学校事務、美容スタッフなど、数年ごとに転職を繰り返していた若山さん。ここでの仕事が続いているのはなぜなんでしょう。

「会社と一緒に自分もステップアップできるのが楽しいんです。会社がいろんなことに挑戦しているから、次々に新しい仕事が出てくる」

会社のルールづくりもその一つ。

入社当初はヒグマドーナッツも店舗ができたばかり。規模が大きくなる一方で、従業員のシフト管理や、休憩時間の確保などの仕組みが整っていなかった。

「当時の働き方に、私自身がストレスを感じてしまっていて。転職も考えたけれど、ここで働くことは好きだったから続けたくって。だから自分が変えていこう、と思いました」

21時までだった店舗の営業時間を、19時までに短縮。休みを考慮した上でのシフトづくりをするなど、ルールを整えていった。

代表の春日井さんも、もともとはドーナッツづくりの素人。経験がないところからお店を大きくしていった歴史があるから、社員も経験に関係なく、新しいことを任せてもらえる風土がある。

「未経験でも、声をあげればいろんなことに挑戦させてもらえる。トライアンドエラーの日々だけど、やりたいと言ったことを任せてもらえる環境はとてもありがたいと思います」

 

室蘭出身の春日井さんに、札幌出身の若山さん。「道産子以外も、活躍してくれています」と紹介してくれたのが、佐藤さん。

6年間アルバイトをして、もっと本格的に関わってみたいと、昨年社員になった。

「僕は山形出身で、実はまだ北海道に行ったことないんです (笑)。今年こそは行ってみたいなと思っています」

バイトのきっかけは、友達からの紹介。

「カフェで働きたいと思っていたときに、学芸大学に住んでいる友達から、ヒグマドーナッツってお店があるよって教えてもらいました」

「お店にいったら『いらっしゃいませ』じゃなくて『こんにちは』って声をかけてもらって、このお店面白いなって」

バリスタの学校に通いながら、カフェでバイトをしていた佐藤さん。マニュアル通りの接客に疑問を感じていたときに、ヒグマドーナッツと出会って働きはじめた。

最初は学芸大学のお店で経験を積み、その後は都内のさまざまな店舗を経験。

「仕事はすごく楽しいですよ。最近だと表参道店に立つことが多くて。土地柄的にいろんな国のお客さんが多いから、その国の言葉を調べて「ありがとうございます」って声をかけています」

「たった一言だけど、すごく喜んでくれて。そういうのを見るとうれしいし、やってよかったなって思います」

社員になってからは、コーヒーの仕入れも任されるようになった。

「学芸大学店では、2ヶ月に1回コーヒーの豆を変えて提供しているんです。北海道や東京のコーヒー屋さんから美味しい豆を選んでいます。もともとコーヒーが好きなので、好きなことを仕事に活かせているのはうれしいですね」

楽しそうに仕事の話をしてくれる佐藤さん。

年に1回、代表の春日井さんの家に集まってバーベキューをしたり、商売繁盛を祈願して酉の市に行ったり。職場の同僚と割り切り切らない、あたたかい関係性がある。

佐藤さんは、どんな人と働きたいですか?

「自分にないものを持っている人が来てくれたらうれしいです。たとえば、前職で営業や事務など、僕が経験したことのない仕事をしている人とか。得意なことを活かせる場所なので、どんどん声を上げていってほしいと思います」

 

取材を通じて、「北海道の魅力を伝える」という強い想いと「まちに馴染むお店」というブレない軸を感じました。

コラボや、新店舗のオープンに新事業。次々に面白いことに挑戦しているヒグマドーナッツ。

興味が湧いたら、まずはお店に足を運んでみてください。

お店での会話や、ドーナッツの味など。心に響く何かがあれば、ここでの仕事はたのしいものになると思います。

(2024/03/25 取材 高井瞳 )

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