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人にしかできないことって?
未来のオフィスから
見えてくる

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ…。

これらの機器が広まったのは、ここ30年くらいの出来事。技術革新が日々進むなかで、30年後の暮らしはどうなっていくのだろう。

「居心地のいい場所には、テクノロジーと“人”の両方が必要」。そんな想いをともにする人たちが、日々実験を続けている場所が東京・丸の内にあります。

point 0 marunouchi(ポイントゼロマルノウチ)は、大手企業を中心に20社以上が集まり、未来のオフィス空間づくりを追求しているコワーキングスペースです。

各社の最新技術やデータ、ノウハウを導入した設備のほか、新しいサービスやコラボレーションを生み出すための実証実験が日々おこなわれています。

今回募集するのは、コミュニティマネージャーと現場の責任者であるコミュニティリード。施設内のカフェスペースでコーヒーを淹れつつ、立ち話をしながら利用者同士をつないでいく仕事です。

人にしかできないことってなんだろう?最先端のオフィスに身をおくからこそ、見えてくることもありそうです。

 

東京駅から歩くこと3分。

point 0 marunouchiは、両側に街路樹が立ち並ぶ、丸の内仲通り沿いの一角にある。

ビルの4階にあがると、あちこちに植物が植えられている。窓の高さもちょうど街路樹の葉が茂っているあたりで、都会のど真ん中にいるのに緑豊かで落ち着く雰囲気。

窓際のベンチに腰掛けて、この場を管理運営している株式会社MYCITY代表の石田さんに話を聞く。

「point 0 marunouchiは、2019年にオープンしたコワーキングスペースです。ダイキン工業がはじめたプロジェクトの一環で、“未来のオフィス空間づくり”をテーマに、さまざまな企業が入居しています」

プロジェクトメンバーに名を連ねるのは、パナソニックやオカムラ、ライオン、TOTOといった企業。

施設の至るところに各社の最新テクノロジーやノウハウが活かされており、たとえば床下の空調は、人の密集具合によって風量を自動で調整することもできるらしい。

日々さまざまな実証実験もおこなわれていて、会議室では、発話量に合わせて空調や照明、香りが変わる実験を実施。

アサヒビールは実証実験として0.5~3%の軽い度数の酒を飲むことで、ひらめきや議論の活性化といった効果は生まれるか、という実験を行ってきた。

今は、次世代ビールサーバー開発の実証実験中で、この実験の一環としてビールを無償提供しており、緊急事態宣言中は酒類の提供を停止しているものの、コロナ禍以前は仕事終わりに交流を生むきっかけにもなっていた。

こうした実証実験を、この2年間で40件以上おこなってきたそう。

オフィス内の動線や仕事中の姿勢、室内の温湿度や内装デザイン、照明や音響など、さまざまなデータと利用者のフィードバックが新サービスの開発につながっている。

「とはいえ、あくまでもテクノロジーは手段なんですよ。最終目的は、心地いい空間を提供すること。そのために欠かせないのが“人”なんです」

「どれだけいい場所をつくっても、スタッフの応対が悪かったら、居心地悪いじゃないですか。テクノロジーで埋められない部分をつくっていくのが、コミュニティマネージャーの役割なのかなと思っています」

最先端のテクノロジーを集めた場所で、何よりも欠かせないのが人というのは、なんだか面白いですね。

「これまで運営してきて、一番大変だったのも人の部分なんですよ。特に、運営の責任者は、現場のことも見つつ、一歩引いた目線でスタッフをまとめたり判断したりすることが求められる。その両方をできる人がなかなか見つからない時期もあったりして」

「でも、スタッフ次第で場のカラーがすごく変わるのが、難しいし面白い。今の責任者の鈴木さんになってから、ここがよりあたたかみのある場所になったなと感じているんです」

 

続けて話を聞いた鈴木さん。「正直、テクノロジー自体に興味があるわけじゃないんですよね…」と、ちょっと意外な告白からスタートした。

「2年近くいるけど、やっぱりあんまり興味ないなって(笑)。でも、利用者さんが実験について楽しそうに話してるのを聞くのは好きなんです。なんでその実験をしているのかとか、なぜその会社に入ったのかとか、いろいろ知りたくなります」

鈴木さんは、利用者さん自身に興味があるんですね。

「ここの実証実験って、時にはそれぞれの社内でも本当に意味があるの?って意見もあるなかで、強い気持ちで取り組んでいるものが多くて。開発した方から『いいデータが取れるかわからないけど、まずは挑戦したい。ずっとやりたかったことがやっとできるんだよね』って聞かせてもらうと、力になりたいなって思います」

実証実験を運営面でサポートしていくのも、コミュニティマネージャーの仕事。

ほかの実験と重ならないよう設置場所の相談に乗ったり、実験が始まった後は利用者へ協力を呼びかけたり。実験に伴う広報やバックヤードの仕事も担っている。

施設の利用者には、自社オフィスではなく日常的にここへ通ってくる人も多いそう。

「実験担当の人以外にも、音響や空調、システムのサポートをしてくれる人とか、私たち運営側に近い立ち位置で、この場を使っている方も多いんです。それぞれの分野で場を守ってくれている利用者さんが多いのは、ほかの施設と違って面白いところかなと思います」

快適なオフィス空間を提供する人・使う人というよりは、“未来のオフィス空間づくり”を一緒に目指す仲間、という感覚なのかもしれない。

「ビジネスありきではなく、人と人が出会えるきっかけを提供したいと思っていて。その先で『じゃあ一緒に仕事したいですね』ってなっていったらいいなと思っているんです」

オフラインのイベントや、夕方にビールサーバーの前で飲みながら話す時間など。何気ない出会いのきっかけをつくることが、今はなかなか難しい。

そこで、1月から週に一度、YouTubeでラジオ配信を始めたんだとか。

「このテーマで話すならあの人も呼ぼう!って、よくゲストに利用者さんを呼んでいます。サッカー好きな利用者さんに集まってもらって、応援しているチームについて語ってもらったこともありました」

「そこで初めてつながった人たちが、後日『あのときはどうも』って会話しているのが聞こえたり、『この前のラジオ聴いたよ』って言ってもらえたりすると、やってよかったなって思います」

オープン初期から、この場に携わってきた鈴木さん。1年ほどスタッフとして働いたのち、責任者に抜擢された。

「責任者になってからは、悩むことも多かったですね。正解や求められているもの、自分に何ができているのか、分からなくなったときもありました。そんなときも利用者さんたちの存在にいつも救われていて」

「『鈴木さんがいるから、私はここに来てるんだよ』って言ってくれる方もいて。コーヒー片手に話す時間が気持ちの切り替えになって、そのあと仕事に向かえるんだよって」

コミュニティーマネージャーも利用者も、互いの存在が助けになっているんだと思う。

どうやったらそんな関係性を築いていけるんでしょう?

「利用者さんと関わるタイミングは気にしているかもしれません。同じ方でも、話したい気分かどうかって差があるなと思っていて。タイプも、かっちりしたおじさまからラフな方までさまざまです。目の前の人にとってどんなコミュニケーションが心地いいか、考えて接し方を変えている気がします」

「予約のキャンセル方法とか、どんな小さなことでも『こうしたら喜んでもらえるかも』と思ったら、ヒアリングしつつすぐに反映するようにしていて。私がいるあいだは、利用者さん一人ひとりを大事にしていきたいなって思っているんです」

実は鈴木さん、新たな挑戦のために、引き継ぎを終え次第point 0 marunouchiを卒業するそう。今回は後任となる責任者も募集している。

「責任者も、日常的にやっていることはみんなと変わらなくて。マネジメント業務はプラスされるけど、利用者さんと関わることが一番大切な役割だと思います。あとはこの場所をどうブラッシュアップしていくのか、常に考えていく立場なのかなと」

「日々変わっていく場、その時々の利用者さんにあわせて、目指す空間を自分たちで形にしていく。答えが分からないまま動くのが苦だっていう人だと、しんどいかもしれません。自分の目で見たものを信じて、それを正解にしていってほしいですね」

 

現在、社員として働いているコミュニティマネージャーは鈴木さんに加えて2人。そのうちの一人、佐々木さんにも話を聞いた。

「ここに来る前は、ホステルで働いていました。宿泊者さん同士の交流に関われるのが楽しくて。ここも、カフェを通じて交流が生まれている様子に惹かれたんです」

カフェの監修やスタッフ育成は、スペシャルティコーヒーの専門店「BERTH COFFEE」によるもの。

「コーヒーを淹れる練習をしたり、豆の挽き目を変えてみたり、かなり本格的にバリスタをやっていて。この前は、BERTH COFFEEのカフェマネージャーさんと一緒にオリジナルブレンドも考えたんです。どのくらいの苦味や香りが利用者さんの好みかなって想像しながら配合したんですよ」

「豆によって、こんなに酸味やコク、香りが違うんだなって。ここで働くようになってから、もっとコーヒーが好きになりましたね。今日も利用者さんが、『ここのコーヒーを知ったらほかのお店では飲めなくなっちゃうよね』って言ってくれたんです」

4月から働き始めた佐々木さん。今は、コーヒーを買いにきた利用者さんに話しかけるところから、日々コミュニケーションを積み重ねている。

「好きなコーヒーを聞いてみたり、新メニューを紹介したり。ほかにも『その時計素敵ですね』って、服装や身につけているものをきっかけに声をかけることもあって。コーヒーを提供する以上のコミュニケーションをもっととれたらいいなって、日々距離感を探っています」

「みなさんと仲良くなるために、名前を覚えたいのですが…毎日いろんな方が利用してくれているので、なかなか難しいですね。この方はどの会社だっけ?って、まだよく悩みます。あとは、想像していた以上に細々とした業務がたくさんあって」

カフェのシーズナルメニューの考案や在庫管理、メルマガの作成やSNS配信、イベントレポートの作成や契約手続き、受付業務や見学対応など。

心地よく利用してもらうために、できることはたくさんある。

「利用者さんがどのようにこの場所で過ごしているか、密かに観察しています。オフラインのイベントも、世の中が落ち着いたらいろいろやっていきたい。人やコーヒー、コミュニティが好きっていう人と一緒に働けたらうれしいです」

 

仕草や表情を観察したり、日々コミュニケーションをとったり。一人ひとりにあわせた心地いい時間をつくるためには、まずはいろいろ試してみることから始まるはず。

ここで働く人自身も、未来のオフィスづくりに向かって日々実験を重ねるひとりなのだと思いました。

(2021/7/1 取材 鈴木花菜)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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