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働きながらまちづくりを学ぶ
秘書は勉強の虫がいい

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

たとえば家を建てようとしたとき。

土地や建物の権利、法律のことなど、土地を得るためには不動産の知識が必要だし、建物を設計するうえでは建築の知識も不可欠。さまざまな専門知識が関わっているため、ひとりで考えるのはむずかしい。

建築と不動産、両方の知識を持つことで、お客さんにより良い住まいを提案する。創造系不動産は、建築の専門家で構成されている、珍しい不動産コンサルティングの会社です。

それぞれの専門性を活かした事業を展開するかたわら、横断的な知識とスキルを持った人材を増やそうと、建築士を対象に不動産の基礎知識が学べる塾を開くなど、教育事業にも力を入れてきました。

その活動は多くの人に注目され、2022年4月からは、代表の高橋寿太郎さんが神奈川大学の建築学部の教授に就任することに。

今回は、スケジュール管理や大学での授業補助など、さまざまな面で高橋さんをサポートする秘書兼助手を募集します。

単純に秘書としての業務を担うだけではなく、創造系不動産が展開するまちづくり事業の補助に入ったり、大学でのカリキュラムづくりに参加したり。働きながら建築や不動産、まちづくりを学ぶことができる環境です。



日本仕事百貨のオフィスがある清澄白河から、大江戸線に乗って隣に一駅の森下駅で降りる。

この日は台風の影響で、あいにくの大雨。傘が飛ばされないように、しっかりと握りながら住宅街を5分ほど歩くと、3階建ての白いビルが見えてきた。

1階はカフェで、事務所は2階にある。階段をのぼり扉をノックすると、代表の高橋さんが迎えてくれた。

「こんにちは。天気がよくないなか、お越しいただいてありがとうございます」

落ち着いたトーンの声で、物腰柔らかな印象。今日は台風の影響で高橋さん以外のスタッフはテレワークなのだとか。早速、話を伺った。

「もともとは建築家を目指していて、7年ほど設計事務所で働いていました。そのまま独立するかどうか迷っていたときに、一度別の世界も見てみたいなと。そこで不動産会社に転職したんです」

建物をつくる世界から、売る世界へ。

素人から見ると、建築と不動産は似ている業種に思えるけれど、実は明確に専門性が分かれていて、お互いにどんな仕事をしているかわからない、というのが業界の普通なのだそう。

高橋さんも、建築の知識やスキルを持っている一方で、不動産に関する知識はなく、営業してもまったく売ることができなかった。

「建築士の資格は持っているから、プライドだけは高くて。どうしたらうまくいくだろうと悩んでいたときに、建築家時代の知り合いに営業したらどうだろう、と思いついたんです」

「『僕はいま、不動産会社にいます。何か役に立てることありませんか?』って。ご用聞きみたいなもんですね。でも建築から不動産に行った身としては、どうしても恥ずかしさがあって。それでも頑張ってピンポン押して訪ねてみたら、『仕事、ありますよ』って言ってもらえたんです」

仕事の内容は、家を建てるための土地探し。友人から家を建てたいと相談を受けたものの、土地が見つからずに困っていたそう。

「普通、土地を探したい人って不動産屋に行くんですが、その方はいきなり建築家を訪ねていて。その話を聞いたときに、建築家の仕事のなかにも、不動産屋が役に立てることがあるんだって、驚きました」

「不動産と建築、それぞれ異なる専門家がお客さんの隣にいて、土地から一緒に探す。そうすると、理想の暮らしを実現するためにはどんな家が必要で、その家を建てるためにはどんな土地が必要か、一貫して考えることができる。これは面白いなって」

結果、そのお客さんはイメージ通りの家を建てることができ、仕事をくれた建築家も喜んでくれたそう。

これをきっかけに、知り合いの建築家を訪ね、不動産に関する困りごとを解決していった高橋さん。建築家のあいだで評判が広まり、気づけば社内の営業成績でトップになっていた。

「建築士の資格を持っている人って、日本に100万人以上いるんですよ。弁護士4万人、公認会計士2万人と比べても、すごい数ですよね」

「その人たちのもとに来る不動産のスキルが必要な仕事を、建築と不動産のあいだにいる僕たちがサポートする。この仕事が広がることで、お客さんは理想通りの暮らしを実現しやすくなる。これはチャンスだと思って、独立して創造系不動産を立ち上げました」

立ち上げから11年。創造系不動産が手がけているのは、建築家と一緒に土地を探すというシンプルなこと。

お客さんへのヒアリングからライフプランを作成し、どんな暮らしをしたいのかを言語化する。そして、それを実現するための土地と建物を建築家と一緒に探し、形にする。

建物が完成したあとも、契約やキャッシュフローのサポートまで関わるため、最初から最後までお客さんに寄り添った提案ができる。

「建築と不動産のあいだを追究することで、お客さんに喜んでもらう。そしてその先の目標として、僕とおなじように建築と不動産のあいだで活躍する人を増やしたいと思っていて。創業当初から、いろいろな教育事業にも取り組んできました」

建築士向けに経営やマネジメントを学んでもらう「あいだけん(建築と経営のあいだ研究所)」を主催したり、建築と不動産にまつわる教科書的な書籍を出版したり。

建築と不動産のあいだを自分たちだけの領域にするのではなく、より多くの人が足を踏み入れられる環境をつくってきた。

そんなときにやって来たのが、神奈川大学で来年から新設される建築学部の教授への就任依頼。

「最初は丁重に断ったんですよ(笑)。教育には力を入れてきたけど、あくまでプロの建築士向けだと考えていたので。でも話を聞くうちに、学生のうちから建築と不動産のあいだを学ぶことができたら、もっと根っこの部分から業界を改革できるかもしれないと思うようになって。それで引き受けることにしたんです」

高橋さんが担当するのは、建築学部のなかでも、とくに「人とまちの関係性」について学ぶ「まち再生コース」。これまで高橋さんが経験してきた事例をもとに、新しいまちのあり方を研究していくコースだ。

今回募集する人には、主に高橋さんが大学で授業をするにあたって発生する業務をサポートしてもらいたい。

たとえば、教務係とのやりとりや、授業運営の補助、カリキュラム作成など、助手のような立ち位置でかかわってほしいそう。加えて、社内外とのスケジュール調整や打ち合わせへの同席など、秘書的な業務も担っていく。

「学生のみんなとのコミュニケーションも任せていきたいと思っています。僕が社長業をしながらなので、学生一人ひとりとじっくり話すことが難しいかもしれない。より学生に近い立場で相談相手にもなってもらえたらうれしいですね」

「実は、僕自身もまちづくりのことをいまから学ぶんですよ。だから今後のカリキュラムも、こんな授業にしたらどうだろうって、一緒に話し合い学び合いながらつくっていきたくて。だから勉強するのが好きな人だといいかもしれないです」

来年度の学部開設に向けて、今は授業計画を練りつつ、大学院生への授業もすでに始まっているそう。

教授同士の情報共有や、教務係とのコミュニケーションなど、すでに大学での仕事が発生しているけれど、なかなか細々としたことまでは手が回っていない状態。

細かいところまで気を回してくれる性格の人がいいでしょうか?

「そうですね。仕事はマルチタスクになると思うので、一つのことにこだわりすぎてしまうと大変かもしれないです。楽観的で、効率よく物事を進められる人がいいんじゃないかな」

建築や不動産の経験はどうでしょう?

「どちらの知識もないほうがいいですね。ないけど、興味はあるっていうのかな。授業はまちづくりの話がメインになるから、将来まちづくりに関わるためにいま勉強したいとか、そういう人だと面白く働けるんじゃないかと思います」

「僕ってかなりの本の虫なんですよ。地域にいきなり飛び込んで開拓もしますが、まず理論を頭の中で整理して、その上で現場での学びも取り入れていきたい。だから、おなじようにガリ勉な人だと心強いですね」

高橋さん自身も、どんなふうに仕事を任せていくか、まだ明確なイメージが固まっていないという。

現在は社内の秘書業務を担当している人がいるので、まずはその人から大学やセミナーの仕事を引き継ぐところからスタートするのがいいと思う。高橋さんとコミュニケーションを重ねるなかで、自分にできそうだと思ったことを積極的に引き受けていくような人がいいかもしれない。



次に話を聞いたのは、今年の4月まで創造系不動産で働いていた野々垣さん。高橋さんのもとで建築と不動産のあいだの仕事を5年以上学び、春から地元の愛知県で独立した。

働きながら一歩ずつ学び、まさに自分でできることを広げていった人だと思う。

創造系不動産の仕事で印象に残っていることを聞いてみると、高橋さんが講師としてかかわっていた「建築サバイバル塾」について話してくれた。

建築サバイバル塾とは、建築士向けに経営やマネジメント、法務や事業収支などの知識やノウハウを教える塾のこと。野々垣さんは運営側として、授業の司会を担当することになった。

「司会といっても、休憩時間をお知らせするとか、質問を集めるとか。言われたことだけをやっていたら成り立つような役割で。でも高橋からよく言われていたのが、相手の立場に立ってとことん考えろ、ということでした」

相手の立場で考える。

「たとえば、塾の参加者。本当は息子と遊びたいけど、自分のスキルアップのために何万円ものお金と貴重な休日の時間を使って、今ここに来ている。自分がその立場だったら、どんなふうに接してほしいか。司会としてどうあるべきか」

「塾に限らず、いろんなお客さんや仕事仲間と接するときに、相手の立場でどう感じるかをちゃんと考えないといけないよねって。これは独立した今も、仕事をする上ですごく活きていますね」

相手の立場を考えることで、機械的に仕事をこなすのではなく、自分の頭で考え主体的に動こうとする意思が生まれる。

主体的に動くことで、相手にとってより良い対応ができるし、自分の頭で考えて動いた過程と結果は、記憶にも残りやすい。

「言われたことや、与えられた環境。それに対して自分がどう意味づけするかによって、ここでの仕事の密度は全然変わると思います。言われた仕事だけやっていたら、いろんな学びの機会を逃してしまうので」

「建築や不動産、まちづくり。どんなことでもいいので、愛と好奇心を持って面白がれる人だったら、すごく楽しい場所だと思いますよ」

代表の高橋さんも、「僕がこれまで学んで得たものを独り占めするより、みんなにシェアしたい。そのほうが全員でレベルアップできていいじゃないですか」と話していた。

ここでの仕事は、その人の意識次第で、常に新しい学びが得られる環境なのだと思う。

働きながら学ぶ。両立するにはそれなりの努力も必要になると思うけど、高橋さんの隣で共に学べるのは心強いはず。

その環境を、ぜひ楽しんでほしいと思います。

(2021/10/01 取材 杉本丞)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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