求人 NEW

コンセプトからアートまで
空間丸ごと
ディレクション

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

天井まで本がディスプレイされた書店、巨大な植栽が中央に据えられたオフィス、室内と庭がひと続きに感じられる邸宅。

株式会社アイケイジーのホームページには、目をひく物件の写真が並んでいます。

むずかしい仕事が多そうですね、と率直に伝えると、代表の池貝さんはこう話していました。

「一人ではむずかしくても、みんなでやるからできるんです。ハードルが高そうに見えるかもしれないけど、新卒でも歓迎です」

コンセプト立案から内装・インテリアの設計、植栽やアートの選定、アフターフォローまで、トータルで空間をディレクションするアイケイジー。

特徴的なのは、どんな案件も社員全員で取り組むこと。長い時間をかけてお客さんとじっくり関わりながら、一つひとつの空間をつくり上げています。

今回募集するのは、一連のプロジェクトのなかで企画や広報を中心に担う人。グラフィックデザインの基礎知識は必要ですが、それ以外のスキルや経験は問いません。適正や得意分野に応じて仕事内容が決まる、フレキシブルな環境です。

あわせて、設計担当も募集します。担うのは、商業・オフィスをはじめとする内装設計から、戸建て住宅の建築設計まで、多岐にわたる設計業務。一つひとつオーダーメイドの設計を楽しみながら、プロジェクトの担当者としてマネジメントができる人を求めています。

 

恵比寿駅から歩いて3分ほどの、飲食店やオフィスが立ち並ぶエリア。多くの人で賑わう通りに面したビルの、5階と6階にアイケイジーのオフィスが入っている。

ミーティングルームで待っていてくれたのは、代表の池貝さん。柔らかく、穏やかな語り口の方。

大手設計事務所を経験したのち、2006年にアイケイジーを設立した池貝さん。

キャリアのはじめから今に至るまで、空間全体のデザインに携わり続けてきたという。

「個人邸のお仕事をしていると、引き渡しのときに家具があると助かるとか、アートを自分で探すのは大変だとか、どんな食器がいいかわからないとか、さまざまな要望をいただくようになって。住環境の仕事をするなら、トータルにやるべきだと思うようになりました」

「すごく手間はかかるのですが、建物の付加価値をあげて、お客さまにより満足していただくために重要なことだと思っています」

内装の設計はもちろん、家具や什器もデザイン・選定し、一貫性のある空間をつくりだす。

照明やランドスケープのディレクションもするし、クライアントと一緒にアートを選びにいくことも。アフターフォローも担うので、引き渡し後も空間にまつわるすべての窓口となる。

「ここまでトータルでやる会社は、すごくめずらしいと思います。効率を重視して分業するのが世の中の主流だと思いますが、わたしたちはそれをしません。外部の人たちの力も借りながら、社員全員で一つひとつのプロジェクトに当たっています」

今回募集するのは、広報やグラフィックデザインを主に担う人と、設計を担当する人。

一言で言い表すのはなかなかむずかしい仕事みたい。

「広報・グラフィック担当の方に関わってほしいのは、プロジェクトの最初と最後の部分です。最初というのは、コンセプトを考えるところ。コンセプトが全員に浸透していないと一貫性のある空間をつくれないので、特に大事にしていて。みんなで取り組んでいます」

クライアントから要望を聞き、それをどう空間で表現していくか、全員でアイデアを出し合う。

それをもとに、図面を作成。設計担当は、アートの位置まで反映させて、空間全体を把握した設計をするという。

内装が決まったら、インテリアやアート、備品の選定へ。広報・グラフィック担当は、ここから再びプロジェクトに関わることになる。

そして最後に任される大事な仕事が、完成後のアウトプット。

竣工写真撮影のコーディネートやSNSでの発信、クライアントに渡す完成報告の冊子の作成、作品集となる会社案内のディレクションなどを中心となって進めてもらいたい。

「視覚的に瞬間的に、人に伝えることがすごく大事だと思っていて。空間のコンセプトを言葉で長く説明するよりも、たとえばインスタグラムで、グラフィックひとつで説得力のある発信をするほうが効果的だと思います」

仕事内容は多岐に渡るので、まずはできることからはじめてもらえれば大丈夫。

その上で求めているのは、コンセプトをしっかりと理解し、それを適切にグラフィックで表現できる力。

受け身の姿勢ではなく、世の中に新しい空間を生み出すチームの一員、という気概を持っていてほしい。

「わたしたちの仕事って、コーディネーターではダメなんです。クライアントの要望のほとんどが、今までに見たことないものがほしいとか、世の中への新しい提案みたいなものなので。既存のおしゃれなものの組み合わせでは、応えることはできません」

「0から何かを生み出すような、アーティストっぽい気質の人がいいかなって。スキルや経験は少なくても、オリジナリティのある人が好きですね」

 

社員は現在7名。年間で竣工するのは3件ほどだというから、一つひとつにじっくり取り組んでいることがわかる。

どうやって仕事が進んでいくのか、設計担当の加藤さんに話を聞いた。ベテランスタッフのひとりで、入社後いろいろな相談に乗ってくれそう。

例として教えてくれたのは、2019年に竣工した中国・深圳(しんせん)にある「Yan | 前檐 /深圳湾万象城店」。

現地のデベロッパーが計画していた大型商業施設の1フロアに、自社運営の書店をつくるプロジェクトだった。

クライアントはわざわざ日本を訪れて、アイケイジーなら自分たちのやりたいことを実現できそうだと、声をかけてくれたという。

「クライアントからのお題は『東洋』でした。深圳って平均年齢が30代の若い街で、目新しいお店がどんどん建って、西洋のものに目が向きがちだと。でもこのお店は、自分たちの文化の良さを再認識できる場所にしたいと、想いを伝えてくれました」

東洋の良さやその暮らしのあり方を見つめ直そうと、「東方生活」というコンセプトで空間を設計。書棚の合間に東洋の宝石をディスプレイするミックステナントのかたちとなった。

「サインや照明も含め、すべて日本のチームで取り組みました。わたしたちも月に2回くらい現地に出向いて現場監理をして。使える材料もやり方も違うので大変だったけど、そこまでやらせてもらえたのはいい勉強になりました」

日本の設計会社が海外の案件に取り組む場合は、基本設計のみ行って、それ以降は現地の設計事務所に任せることも多い。アイケイジーのように監理まで担うケースは稀なのだそう。

それも、コンセプトを一貫して表現できる空間をつくりたいから。

「最初の段階でコンセプトブックも作成して、クライアントにお渡ししました。設計中はもちろん、完成後にその空間で働くスタッフが入れ替わっても、施設がどんなコンセプトでつくられたのかわかった上で仕事をしてもらえたら、と思っています」

今回入る人には、こういった冊子の作成も担ってもらいたい。

現在担当しているのが、矢部さん。1月から休職期間に入ってしまうので、新しく入る人は矢部さんの後任となる。

「ぎゅっと好きなことをやってから、また戻ってきたいなって。充電期間としての、前向きな休職です」

「これはわたしがつくりました。ちょっと恥ずかしいけど…」と紹介してくれたのは、壁にディスプレイされている昔の年賀状。当時のスタッフの顔がコラージュされていて、くすっと笑ってしまう。

「こういうものもそうですけど、社内の記録用の冊子とか提案書はわたしがつくっていて。クライアントにお渡しする正式なものは、外部のグラフィックデザイナーと取り組むけれど、そこに使う素材はすべてわたしが用意します」

写真を撮影するときは、備品を選定したり、カメラマンに事前に空間イメージを伝えたり。

もちろん池貝さんと相談して最終決定するものの、コンセプトを表現するためのディレクションはほとんど一任されている。

「自分ができることは少なくても、こちらのコンセプトをしっかり伝えながら、外部の人たちとうまくコミュニケーションをとることができれば、一緒にいいものをつくっていけると思います」

もともとはアートが専門の矢部さん。住宅に入れるアートの制作やキュレーションに関わってほしいと、友人の池貝さんに誘われたのが入社のきっかけだった。

「空間に入れるアートを全部監修するって、ほかではそうそうできない経験です。なかでも二子玉川の蔦屋家電が、はじめて全部を担当した案件で、印象に残っています」

本棚に置かれたオブジェから壁のペイント、細かなサインまで、随所にアートが散りばめられた空間。アーティストの作品のほか、矢部さんが自作したものもあるという。

「コンセプトから一緒につくっているので、アートや備品を選ぶときでも『このコンセプトならこういうものがいいよね』って、一段深く考えることができている気がします」

「前例のない空間づくりは、はじめて取り組む仕事ばかりです。でもみんながそれぞれ工夫して知恵を絞って、チームでつくるので、できあがったときの喜びはすごくあります」

やっぱり、最後に形になるときはうれしいですか?

「そうですね。いろんな苦労を乗り越えながら、完成して、お客さんに喜んでもらって…。文化祭みたいな感じですよね」

隣で聞いていたおふたりも頷いている。

「仕事がどれも文化祭みたいな。みんなで練習して劇をやったとか、協力して何かつくったとか。仕上がったときは、その当日を迎えた気分で、それぞれ余韻に浸っています」と、池貝さん。

「みんなで集まってやるときはそうだけど、図面描くのとか、現場管理とかは締め切りもあるし大変すぎるから、文化祭ではないかも」と、加藤さん。

オフィスにお邪魔すると、文化祭という言葉に納得。

2日後に控えたクライアントへのプレゼンに向けて、カーペットと家具の組み合わせを検討している人がいたり、若手スタッフ2人のアイディアに加藤さんがアドバイスをしていたり。

たしかに、みんなで一丸となってひとつのものに向かっている感じがする。

最後に、再び池貝さん。

「性別も年齢も違うみんなでコラボレーションすると、全然違う意見が交わされて、結果的に誰の案でもないものに落ち着くのがいいんです」

新人でも、どんどん意見を言うことが求められる環境。正解はないし、それをみんなで揉んでいくなかで、いいものが仕上がっていく。

入っていきなりはむずかしいかもしれないけれど、その空気のなかに身を置くことで、吸収できることがあると思う。

「ここだけの特別なものをつくってほしいっていう依頼ばかりだから、いつもお客さまの期待値は高くて。ことさら人を喜ばせないといけない仕事ばかりです。経験はなくてもいいから、情熱を持って一生懸命やってほしいと思います」

生み出される空間の印象と、なかで働く人たちの等身大の姿に、いい意味でギャップのある会社だと感じました。

一つひとつ、手間と情熱をかけてつくられた空間だから、人の心を動かすのかもしれません。

(2021/12/7取材 増田早紀)
※取材時はマスクを外していただきました。

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