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平面から立体まで
“つくりたい”に応える

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

いきなりですが、新しいことをはじめるとき、どんなことから取り組みますか。

たとえば、野球をするなら素振りをしたり、走り込んだり。絵を描くならデッサンをしたり、模写してみたり。

まずは基礎と呼ばれるものから取り組み、段々とレベルを上げていく。それを繰り返すことで、自分のできることが広がっていくのだと思います。

今回紹介するのは、まさにその過程をものづくりの世界で実践している人たちです。

光伸プランニングは、店舗のサイン・ディスプレイや、屋外広告などの制作をしている会社。

“一人でも多くの「つくりたい」に応える”をモットーに、さまざまなブランドのディスプレイ、街で見かけるビルボード、アーティストとコラボした作品制作まで、幅広いものづくりに取り組んできました。

創業から今年で41年。

今回は、制作施工を担当するスタッフを募集します。経験は問いません。

ものづくりが好き。つくることを基礎から学んで誰かの想いに応えたい、喜んでもらいたい。そんな人にとっては、魅力的な仕事です。


明治神宮前駅から、渋谷方面へ歩くこと約5分。

カフェやアパレルショップが立ち並ぶ通りの一角に、光伸プランニングのオフィス兼工房がある。

「こんにちは」と言いながら入り口の暖簾をくぐる。

中に入ったところで、代表の原さんが迎えてくれた。

「10年前に、先代の父から会社を引き継ぎました。当時は平面の仕事が多くて、屋外広告用のシートをインクジェットで出力して貼るとか、そういったご依頼がほとんどだったんです」

「最近は3次元的なものにも関わる機会が増えていますね。シートをつくって終わりじゃなくて、こういう『空間』をつくりたいんだけどっていう、大きなところからご相談いただくことが増えてきていて」

たとえば、アパレル企業の展示会で使う什器や、店舗ディスプレイ用の演出ツールや造作物。空間を構成する立体的な“モノ”の加工も手がけることで、仕事の幅を広げてきた。

「最近では企業だけじゃなく、個人で活動されているクリエーターや、学生の方がものづくりの相談に来ることもあるんです。より多くの人の『つくりたい』気持ちに応えられるのはうれしいのですが、どうしても一つひとつの制作に手間と時間がかかるので、今の体制だとすべて引き受けるのがむずかしい」

「制作スタッフも、経験を積むなかで営業をやってみたいとか、現場の施工にもっと力を入れたいとか、それぞれ次のステップに進もうとしているタイミングで。彼らを後押しするためにも、余白がほしいんです」

余白?

「案件が増えると、効率を求めないといけなくなってくる。でもそれだけだと、新しい発想って生まれづらいんですよね」

「僕たちの仕事って、相談されたことをあれこれ試しているうちに新しい発見が生まれることも多くて。今までとは違う方法で印刷したり、機械の使い方を変えてみたり、新しい素材を組み合わせたり。そういう余白が、ものづくりの幅を広げていくためには必要なんです」

工房には、機械や素材を使って自由に自分のつくりたいものをつくれる環境があるものの、今はなかなか時間をとれていないそう。

スタッフを増員することで、各メンバーが「制作+α」で、やりたいことに取り組めるようにしたいと、原さん。

一人ひとりが新しいチャレンジに踏み出しやすい環境になれば、光伸プランニング全体の技術は高まるし、それはより多くのひとの「つくりたい」に応えることにつながる。


実際にどんなふうに仕事をしていくのだろう。

教えてくれたのは、制作施工部のリーダーを務める野平さん。

「仕事の依頼が来ると、こんなふうにつくってほしいっていう指示書を営業スタッフが作成するので、それをもとに僕たち制作スタッフが手を動かしていきます」

「小さいお店のサインプレートや、ディスプレイで使う木工什器、高さ10メートルの屋外看板のシートカットまで、仕事はいろいろで。ときには現場に施工しにいくこともありますね」

前職では靴の販売をしていたという野平さん。最初は営業として入社したんだそう。

「1年間は交通広告の営業をしていたんですけど、制作の知識がなかったので、だんだんと限界を感じるようになってしまって。原さんといろいろ話して、一度制作を経験して幅を広げてみようということで、制作施工部になりました」

働いてみて、どうですか?

「最初はわからないことだらけで。器具や素材の名前もそうだし、業界でよく使われる言葉の意味がわからなくて、すごく苦戦しましたね」

たとえば、「ふかし」と「伸ばし」という言葉。

どちらも同じ意味で使われている言葉で、壁や床に貼るシートを出力する際、実際のサイズからさらに余白をとって、大きく出力することなのだとか。

「現場で貼ろうとしたときに、図面と大きさが違うっていうことが、わりとあって。そういうときに、ぴったりの大きさで持っていくと現場で対応できないので、少し大きめに出力するようにしているんです」

「貼るときも、ぴったり合わせて貼ろうとするより、大きめで貼って余った箇所を切るようにすれば、作業も簡単だし仕上がりもきれいになる。制作のちょっとした工夫が、現場で大きな差になるんです」

作業の名前以外にも、素材や道具など、未経験の人にとっては馴染みのない言葉も多いと思う。

一つひとつの作業やものに対して、なぜそう呼ぶのか、日々疑問を持ちながら実際に身体を動かしていくと、自然と覚えていけそうだ。

最近、野平さんたちが担当したのが、洋菓子店のウィンドウディスプレイ。

お店の前を通る人が小窓を覗くと、中に入っている金平糖やケーキが見える仕組み。壁面に、40cm×40cmほどの立方体を埋め込むようにつくられている。

「実はこのディスプレイも僕たちがつくったもので。モーターとマグネットが入っていて、小窓の中で動くようになっているんです」

そんな工夫もしているんですね。大変なところはありましたか?

「大きなウィンドウに吊られた箱は、位置が全部決められていて、それを1つ1つ社内で仕込むのがすごく大変でした。それを実際に現場で吊るのも、また一苦労で。高さ5mくらいの天井から吊るすときに、それぞれの距離感がうまくとれるようにしたり、回転しないように固定したり。細かい調整が多かったので苦労しましたね」

「店舗のディスプレイだと、基本的に営業時間外に施工するので、作業時間がタイトなことが多くて。だから、現場で吊る場所や順番を考えていたら、いくら時間があっても足りない。しっかり準備して、チームのみんなで共有することが大事ですね」

今つくっているものは、現場で設置するときにどんな作業が必要になるのか。その作業に必要な時間はどれくらいで、どんなリスクが考えられるのか。

ものをつくって終わり、ではなく、その先のことまで想像して準備をすることが求められる仕事なのだと思う。

この仕事には、どんな人が向いていると思いますか?

「やっぱりつくるのが好きな人だと思います。たとえば指示書通りにうまくつくれないっていうときも、根本にものづくりが好きっていう気持ちがあれば、もう一回やってみようって前向きな気持ちになれると思うので」

「僕も技術面についてはまったくの素人だったので、未経験でも歓迎です。やる気がある人だったら僕たちがしっかり教えられるので、そこは安心してもらえたらと思います」


野平さんと同じように、ものづくりに強い思いを持って働いているのが、制作スタッフの小林さん。

「完成したときの達成感はいいですよ」と、笑顔で話してくれた。

小さいときから工作をしたり絵を描いたりすることが好きだったそう。前職では土木関係の設計を担当していた。

「決められた図面を描いて、報告書をつくって終わり、みたいな仕事で。もっと手先や身体を動かして、自分でものをつくりたいなと思っていたときに、この会社を見つけました」

「応募して選考が進むなかで、体験入社の日があったんです。そのとき、一緒に仕事をしながらいろいろ教えてもらったのが楽しかったんですよ。自分で切って貼って、体と手を動かして目の前のものが形づくられていくのが、すごく面白くて」

入社してみて、どうでしたか?

「やっぱり、自分はものをつくるのがすごい好きなんだなって、再確認したような気持ちですね。やりたいことをやらせてもらっているなっていう感じです」

「それに、社内の雰囲気もすごくラフで。ちょっとした仕事の話から発展して、わいわい雑談したり、昼ごはんを一つの作業台で食べたり。肩肘を張らずに話せる雰囲気はあるんじゃないかなと思います。現場でシビアな仕事をしているからこそ、良いチームワークができているのかもしれませんね」

入社してから4年。段々仕事にも慣れてきたタイミングで、小林さんが次に目指しているのは営業の仕事なのだとか。

「代表の原さんと話すなかで、依頼されたものをつくるだけじゃなくて、こういうものもつくれますよって、自分から提案できる仕事をしてみたいと思うようになったんです。それで、今後は営業も経験できたらいいなと思ってます」

まずはしっかりとものづくりの基礎を学ぶことが必要だけれど、その積み重ねのなかで、自分はどんなふうにものづくりと関わりたいのか、言葉になっていなかった思いが浮き上がることもあるかもしれない。


取材終わりに、原さんがこんな話をしてくれた。

「やりたいことがある人は応援するし、模索している人には目の前のことに集中できる環境をつくってあげたいと思っていて。以前から定期的に社員一人一人と話す時間をつくっているので、ざっくばらんに話すなかで、その人が活きるステージをお互いに探すことを心がけてます」

一人でも多くの「つくりたい」に応える。それは技術だけでなく、人と向き合う姿勢を大事にする社風も大きく関係していると思います。

しっかりとした基礎と余白と対話。

取材を終えて、光伸プランニングのものづくりの根底には、この3つの要素があるように感じました。それぞれがバランスよく作用することで、新しい挑戦を後押しする雰囲気が生まれているのかもしれません。

(2021/11/9 取材 杉本丞)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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