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「よりよく生きる」を
自分の手でかたちに
サルビアという活動体

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「サルビアの活動のおおもとにあるのって、『よりよく生きたい』って思いなんですよ。僕らのつくった靴下が気持ちいいとか、うちのスタジオを使ってよかったとか。サルビアに関わることで、その人の暮らしが少しよくなっていたらうれしいなと思うんです」

サルビアのみなさんと過ごす時間は穏やかで、居心地がよくて、いつまででもそこにいられそうな気持ちになりました。

靴下やハンカチなど主に服飾雑貨をつくり、届けてきた「salvia」。日本の伝統工芸や地場産業とコラボレーションしながら、丁寧にものづくりを続けてきました。

個人の雑貨屋さんを応援する活動をしたり、季刊冊子でつくり手の想いや暮らしのアイデアを伝えたり。昨年は、お客さんとのコミュニケーションの場として、東京・蔵前に小さなお店をオープンしました。

ものや暮らしにまつわる活動を続けて20年。サルビアがこれから力を入れようとしているのが、「場」をつくること。

今回は、7年前から運営するスタジオ「salvia cobaco(サルビア コバコ)」で、日々の運営業務と、この場をさらに活用するための企画をしてくれる人を探しています。

どんな場所に育てていくかは、入る人次第。まずは、サルビアの人たちがどんな想いで仕事をしているか、知ってください。



ものづくりのまちとして知られる、台東区の蔵前。

約束の時間には少し早かったので、少しあたりを散歩することに。あちこちに小さなコーヒーショップや雑貨店があるこのまち。隅田川に架かる橋の上に立つと、風は冷たいけれど、気持ちがいい。

サルビアの拠点は、この川沿いにある。

駅から歩いて5分ほどの静かな通りに、ひっそりと佇むお店を見つけた。月の半分ほどオープンする、サルビアの直営店だ。

同じビルの2階にあるスタジオにおじゃますると、スタッフのみなさんが待っていてくれた。

まず話を聞いたのは、代表取締役の団さん。サルビアをはじめ、複数の会社の経営に関わっている。

サルビアが立ち上がったのは2000年。デザイナーのセキユリヲさん個人の活動からはじまり、日本国内の工場や職人さんたちと一緒に洋服や小物をつくってきた。

掲げるテーマは、「古きよきをあたらしく」。

「伝統的なものづくりの技術に、自分たちのデザインを掛け算することで、新しい視点で世の中に伝えていきたい。ファンを増やして、つくり手さんの技術を守りたいという思いでずっと活動してきたんです」

「僕が出ていくと、サルビアのイメージと違ってよく驚かれますよ(笑)。社内でも男子一人でがんばっています」

今回募集するのは、スタジオcobacoの運営スタッフ。

長年ものづくりをしてきたサルビアが、どうしてスタジオをはじめたんだろう。

「cobacoをはじめたのは、2015年です。当時、それまでと比べて服飾雑貨の動きが減っていました。ものを多く買うよりも、今持っているものを大切に使いたいと考える人が増えてきたからだと思います」

「現状維持をするだけではなく、いつもおもしろい出会いや発見が生まれる状態にしておきたくて。そのために、サルビアで何か新たな動きができないかと思いはじめました」

手狭になってきた事務所をビルの3階から1階に移したタイミングで、空いた3階のスペースでレンタルスタジオをはじめることになったそう。

「スタジオをやるのは目的ではなかったんです。この場所をうまく活用して、誰かがよりよく生きるために使ってもらえたらいいんじゃないかって。まずは場所を知ってもらう必要があるから、誰にでも伝わりやすいスタジオという形を選びました」

スタジオ運営の方法を誰も知らないなかで形にしてきたcobacoも、現在は2フロアに拡大し、軌道に乗ってきた。

「次のステップとして、この場所を通じて、蔵前のまちに新しい価値をもたらすような取り組みをしていきたくて。新しく入る人に、cobacoをさらに発展させてほしいと思っています」

現在、スタジオの予約が入るのは、月の3分の1ほど。それ以外の期間で新たな取り組みをしていきたいという。

これまでにも、ワークショップやマルシェの会場として活用したことはある。そうしたイベントをどんどん企画していくのもひとつの方法だし、公民館のように日常的に地域に開放してもおもしろいかもしれない。

現場の裁量が大きいので、企画を考えて実現するまで、自分の力で進めていくことになる。

「新しく入る人には、僕らのアイデアにとらわれずに、自由に考えてほしいですね。できることは少なくていいので、そのかわりに、やりたいことをたくさん持ってここに来てほしいです」

「経験がなくても『こうありたい』っていうイメージさえ持っていれば、それに向かって動くことができる。時間はかかってもいいから、ほかの真似ごとじゃない新しいものをつくっていってほしいと思っています」



今回入る人は、日々スタジオを運営しながら、新たな企画を考えていく。

谷掛(たにかけ)さんは、cobacoがはじまったときからの運営担当者。新しく入る人は、谷掛さんと協力して仕事をすることになる。

「10年以上前、お手伝いスタッフとしてサルビアに関わりはじめました。手作業で靴下のタグ付けをしたり、梱包作業をしたり。だんだんと事務仕事も任されるようになって、8年前に正式に入社しました」

「cobacoの担当は、ある日突然団さんに頼まれました。驚きましたが、私がやるしかないかなぁという感じで引き受けました。『思っていたよりもいろんなことを任されるな』というのは、サルビアに入ってみんなが感じることだと思います(笑)」

cobacoの何よりの魅力は、隅田川を望むロケーション。映画やドラマ、CMなどの撮影に使われることが多いという。

内覧対応から予約受付、当日の対応まで、谷掛さんは一連の仕事を担っている。

特に映画やドラマの撮影では、多くの人が長期間出入りするので、近隣に気を配ることが大切なんだそう。

「スタジオがあることで住みづらくなったと思われないように。ご近所さんには事前に撮影について伝えておくことで多少賑やかでも理解してくれます。夜間利用の依頼はお断りしたり、撮影が続かないよう調整したりもしています」

「利用が増えすぎると負担になってしまうので、闇雲に受けることはしませんね。自分の暮らしともバランスをちゃんととれるように、無理せず続けていくことを心がけています」

一方、スタジオがあることで、地域に新たな動きも生まれている。

撮影があることで近隣の飲食店やお弁当屋さんの利用が増えたり、控え室としてホテルの稼働率が上がったり。

機材置き場が足りないと感じた谷掛さんが、お向かいのビルの大家さんに働きかけて、空いていたガレージを貸してもらえるようにもなった。

地域のなかに溶け込んだスタジオになるように。

事務的に仕事をこなすのではなく、住民と利用者とのクッションになるような柔軟な動きが求められる。特に今後、イベントの機会を増やしていくなら、その意識がますます大事になってくると思う。

サルビアは、実務スタッフ4人という小さな組織。ものづくり部門、場づくり部門と大まかに担当は分かれているものの、日々お互いの仕事をサポートし合っている。

「ほかのスタッフにスタジオの対応をしてもらうこともあるし、運営で悩む部分は相談します。逆にわたしが販売や発送作業をすることもあって、どの仕事もみんなで協力しながらやっている感じ。わたしはそれが楽しいんですよね」



入社4年目でものづくり部門担当の曽志崎(そしざき)さんも、さまざまなプロジェクトに関わっている。

どんなふうにcobacoを広げていけそうか、曽志崎さんの仕事は参考になると思う。

「新卒ではIT企業で働いていました。もうちょっと生活に密着したことを仕事にしたいと思っていたときに、日本仕事百貨でサルビアの記事を見つけて。丁寧にものづくりをして届けていることが伝わってきて、素敵だなと思いました」

入社時のポジションは、発送や検品などを担う商品管理。ところが前任者の退職を機に、入社2年目でMDを任されることになった。

「商品開発はまったくの未経験でした。サルビアの仕事は、基本的に誰かに教えてもらうものじゃなくて、自分でやり方を探していくスタイルです。何かつくりたいものが浮かんだときも、協力してくれそうなパートナーを探すところからはじめます」

たとえば、昨年のクリスマスに販売したオーナメントクッキー。これまで食品をほとんど販売してこなかったサルビアでは、挑戦的な取り組みだった。

お菓子をつくってみたいという思いはずっとあったものの、つくり手が見つからず実現できなかったという曽志崎さん。

お菓子屋さんを運営する社会福祉法人の方と知り合ったことから、満を持して企画を立ち上げた。デザインは社内で相談し、試作にも立ち会い、最後にパッキングするところまで、一つひとつ形にしていった。

「どんな反響があるか心配もありましたけど、販売してみたらたくさんの方に楽しんでもらえました。法人の方たちも、新しい世界が広がるきっかけになったことを喜んでくれて、気持ちいい仕事ができたなって」

話を聞きながら、「時間はかかってもいいから、ほかの真似ごとじゃない新しいものをつくっていってほしい」という団さんの言葉を思い出す。

前例がないことは、何から手をつけていいかわからないし、結果も見えづらい。大変なこともきっと多いだろうけど、楽しんで取り組めるのは、やっぱり自分のやりたいという気持ちが原点にあるからだと思う。

ほかにも曽志崎さんは、会員制のコミュニティ「サルビアこころみるかい」の運営を担当。

40人ほどの会員とともに職人さんを訪ねるツアーやワークショップを企画・運営するなど、一人ではむずかしいことにみんなで取り組む場をつくっている。

今年は、会員との活動がきっかけで生まれた蜜蝋ラップを商品化する計画も動いているそう。

「場を使う機会も多いコミュニティなので、新しく入る人も、こころみるかいに関わってくれたらうれしいです。もちろん、やりたいことがあればそれ以外でも、どんどん取り組んでほしいと思っています」



最後に、団さんはこんなふうに話していました。

「仕事と暮らしを切り分けて考えすぎる人は、サルビアにはあまり向いていないかもしれませんね」

「自分たちの掲げるビジョンは、まず自分たちで体現していきたいので。サルビアで活動することで、自分の暮らしがよりよくなりそうだと感じられた方に、ぜひ応募してもらえたらと思います」

サルビアのみなさんは、自分たちのことを「活動体」、取り組みの数々を「活動」と呼びます。

地に足をつけて、よりよい自分であるための小さな挑戦を続ける。それがサルビアの人たちにとっての活動なんだと思います。

サルビアのあり方に共感できたなら、やりたいことをたくさん携えて、ぜひ一歩を踏み出してみてください。

(2022/1/27取材 増田早紀)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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