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家事も育児もあるけれど
好きなこともやってみたい

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

自分の好きなこと、やりたいこと。

挑戦したいと思うけれど、家事や育児を考えると両立は難しそう。それに、一人で挑戦するのはやっぱり心細い。

「まちづくりって、女性がプレーヤーとして活躍している事例がまだまだ少ないと思っていて。そういう人たちが活躍できれば、まちがもっと元気になると思うんです」

そう話すのは、一般社団法人バリュー・リノベーションズ・さの(VRS)でマネージャーを務める石井さん。

VRSは、大阪府泉佐野市にある公民連携のまちづくり会社です。

空き家をリノベーションして地域コミュニティの拠点にしたり、店舗にして雇用をつくったり。また、泉佐野エリアを活性化するために、女性の社会進出や起業のサポートにも力を入れています。

今年の4月からは、商店街にある空き店舗をリノベーションした図書館の運営も始めています。

今回募集するのは、新しくできる公立図書館(出張所)の運営スタッフ。図書の配架に貸出・返却作業、利用者とのコミュニケーションといった基本的な業務に加えて、ワークショップやイベントなども企画してほしいとのこと。とくに必要な資格はありません。

何かに挑戦してみたいと思っている人、誰かの挑戦を応援したいと思う人。泉佐野のまちづくりをぜひ知ってください。



大阪駅から電車を乗り継いで1時間ほど。泉佐野駅で降りる。

まちは線路を挟んで海側と山側に分かれていて、今回の取材場所は海側、さの町場と呼ばれているエリア。

駅の周辺は、昔ながらの飲食店や八百屋さんなどの個人店が並んでいる。一歩道を逸れると、道幅も狭くなり迷路のよう。

木造家屋やトタン造りの家など、年季の入った建物が目に入る。きれいに並んでいるというより、ギュッとつまった感じが歩いていて面白い。

向かったのは、駅近くの小道にある“つむぎやAmenity”。お店前の看板には、メニューの写真と今月のスケジュールが書いてある。どうやら日替わりでお店が変わっているようだ。

「ここは、私たちが運営しているシェアスペースで、今年の2月にオープンしたばかりなんです」

そう教えてくれたのは、VRSでディレクターを務める西納(にしのう)さん。泉佐野市役所の職員でもある。

「今でこそ、徐々にまちの活気も戻ってきているんですけど、活動をはじめた3年前は、シャッターの閉まっているお店がもっと多かったんです」

「関西国際空港が近いので、コロナ前は外国人観光客の方もまちに来ていましたが、それはあくまで駅の反対側で。こちら側に足を運んでくれた人は、シャッターが閉まっている寂れた様子をみて、踵を返して帰ってしまう状況だったんです」

そうした状況を打開するために立ち上がったのが、バリュー・リノベーションズ・さの。

主な取り組みは二つ。空き家物件を活用した新規ビジネスの立ち上げサポートと、女性の社会進出や起業がしやすい環境を整えること。

「まちづくりをするにあたって、各地のいろいろな成功事例を見せてもらったんです。そこで一つわかったのが、女性がまちづくりのプレーヤーとして活躍している地域ってまだまだ少ないってことなんですね」

泉佐野市の情報を調べてみると、高齢化がとくに進んでいるわけでもないし、待機児童が多いわけでもない。ただ、全国に比べると女性の就業率が低かった。

「本当は何かしてみたいけど、なかなか新しい一歩を踏み出せずにいる。そんな女性がまだまだいるのかもしれない」

「そういう方に社会へ出てもらって、まちづくりに関わっていただけたら、まちはもっと元気になるんじゃないかと思ったんです」

組織が立ち上がってから、セミナーやワークショップを積極的に開いて啓発をおこなっていたものの、なかなか大きな成果にはつながらなかった。

「カフェをやってみたい、料理教室を開きたい、お菓子やパンの販売をしてみたい。そんなふうに、自分の得意なことを活かしてチャレンジしたいと思っている方は、集まっていたんです。ただ、その次につながっていなかったんですね」

講座に参加した人の多くは、子育てママや主婦。お店をやりたいと思っても、家事や育児の時間があるのでフルタイムでは働けない。場所を貸す側にとっても、稼働率が低い人にはなかなか貸せないという課題があった。

また、初期投資から企画・広報まで、すべて自分ひとりでやらないといけないのは、大きなハードルになる。社会進出や起業は、机上の空論になってしまっていた。

もっと気軽にはじめられるような場所はないか、と感じていた西納さん。ちょうどそのとき、駅前の空き物件を自由に使えることになった。

「女性たちの声は聞いていたので、それなら私たちがその場所をつくってしまおうと。物件をリノベーションして、場を運営していくことになりました」

そうして昨年できたのが、「SHARE BASE つむぎや」。

フリーランスで働く人が使えるシェアオフィスに、セミナーやワークショップなどで利用できるフリースペース。

飲食提供もできるようにキッチンの設備が整えられていて、つくったお惣菜やお菓子は、フリースペースをつかって提供・販売できる。

また、勤務時間の制約と収益性を両立させるため、日替わりでさまざまな店主がカフェや物販をおこなう仕組みになっているそう。

「今日はシフォンケーキ、明日は揚げ焼きパン、明後日はケーキみたいに、いろいろな方に出店いただいて。なかには自信をつけて、自分で場所を借りてお店を出された人もいるんです」

「最近では、私もやってみたいですってお声も増えてきました。ようやく、まちが変わってきたなという実感が湧いています」

地道な活動から少しずつ活気が出てきた、さの町場。

そして、まちの活性化のためのさらなるチャレンジが、衣料品店をリノベーションしてつくる図書館、「佐野まちライブラリー」だ。

「泉佐野市から、市民の読書率を上げたいという新たな要望をもらいまして。その一つとして、空き家をリノベーションした図書館運営という業務を受託することになったんです」

「公立図書館の出張所として気軽に本が読める場所でありながら、図書館っぽくない場所にしたいと思っていて」

図書館っぽくない?

「ただ本が読めるだけじゃなく、ビジネスの創業支援につなげられる場所にできたらと考えています」

「取り扱う本の内容も、まちづくりやビジネスに関する本を充実させようと思っていて。さらには、起業を考えている人に向けたセミナーやワークショップも開けるといいのかなと」

今回募集するのは、公立図書館出張所の運営スタッフ。具体的に、どんな仕事をするんでしょうか。

「基本的には、図書館で配架している本の貸出し、返却。それにともなう、利用者とのコミュニケーションが中心です。基本の業務はあまり重くないと思うので、空いた時間を使って何かご自身でもアイディアを出してもらいたいと思っていて」

「たとえば、常連の利用者さんがいて、こういう本しか読まないっていうのはわかっていてもあえて違うジャンルの本を提案してみる。『こういうところが〇〇さんにピッタリだと思うんです』みたいに、自分から提案してもらえるといいんじゃないかと考えています」



「些細なことでも、自分の好きなことや強みを活かせる場所になればいいなと思っていて」

そう話すのは、VRSでマネージャーを務める石井さん。新しく入る人の応援役ともいえる、頼もしい存在だ。

「たとえば、片付けが上手な人だったら本をわかりやすいように並べてみるとか。人を集めて盛り上げるのが得意な人だったら、イベントやワークショップを開いてもらうのもいいかもしれないですね」

「挑戦してみて、スタッフ自身も自分の可能性を広げていってもらえるといいのかなって。やってみないと分からないことって、たくさんあると思うんです。自分のできる範囲からはじめてもらえたらと思います」

佐野まちライブラリー内での仕事だけにとどまらず、VRSが主催しているセミナーやワークショップなどにもぜひ参加してほしい。何かはじめたいと思ったらぜひサポートしたい、とのこと。

VRSができたときから、女性の活躍推進を実現するためセミナーやワークショップなど、積極的に企画してきた石井さん。担当している講座の一つが、なりわいテーブル。

講座は、全5回の体験型。「自分の好きなことで、小さいビジネスをつくる」をテーマに、まずは自分のやりたいことを深ぼるところからはじめる。ワークショップ形式で、ほかの参加者と意見を交わすなかで、やりたいことをビジネスプランにまとめていくもの。

最後の講座ではそれぞれがプレゼン形式で発表し、講座を受けた人全員で実際にマーケットを開く。講座の卒業生がつむぎやに出店することも多いのだとか。

「講座を受けても、つむぎやに出店するにはもう一歩踏み出す勇気が必要で。でも、皆さん素敵な方たちばかりなので、出店までしてほしいなという思いで講座を続けてきました」

「やっぱり自分の好きなことをやってイキイキしている出店者さんを見ると、頑張ってきてよかったなって思いますね」

最後に話を聞いた有地さんは、まさに一歩目を踏み出して挑戦をはじめたばかりの方。

つむぎやAmenityで発酵食品を製造・販売する日替わり店主をつとめており、お子さんと一緒に取材に来てくれた。

「もともとは、病院で8年ほど管理栄養士として働いていました。子どもが生まれたのをきっかけに職場を変えて、フルタイムで栄養士の仕事を続けていたんです。でもだんだんと仕事と育児の両立が大変になってきたので、育休を取ることにして」

「いまもつむぎやの近くに住んでいるんですけど、たまたま目の前を通ったときにワークショップのチラシを見たんですよね。発酵食品に興味があって、それを活かしてなにかしてみたいと思っていたので、『よし、やってみよう』と。それが去年の11月ぐらいで。ほんと最近ですね(笑)」

実際にチャレンジしてみてどうでしたか?

「一人で始めるには自信もなくて、不安もあったんですけど、同じような気持ちで参加している方や石井さんが相談に乗ってくれて」

お店には初期設備が整っているし、出店してからもSNSによる広報などをVRSがサポートしてくれるので、働きやすいとのこと。

「コロナの影響で、人との付き合いも少なくなっていたので、いろんな人と関われるのが楽しくて。仕事も、材料から買って、献立も決めて、ゼロから自分でつくる。お客さんの反応を直接見ることができるのも新鮮で、とても面白いです」

「このあいだ、娘にも言われたんです。『すごいママ楽しんで仕事してて、楽しそうだね~』って。子どもたちにも伝わっているんだって思いました(笑)」



自分の好きや得意を活かして挑戦してみたい。このまちには、一歩先をいく先輩もいれば、これから何かをはじめたいと思っている同志もたくさんいます。

バリュー・リノベーションズ・さのが、みんなと一緒につくる新たな図書館。新しい一歩を踏み出すには、ぴったりな場所だと思いました。

(2022/03/26 取材 杉本丞)
※撮影時は、マスクを外していただきました。

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