求人 NEW

ローカルの最前線で
クリエイティブであるために
泥臭く進む

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

進学や就職、イベントや展示。地方と都会では、さまざまな機会の差が存在します。

どちらで暮らすのが幸せかは人それぞれだけど、自分らしい生き方を実現していくには、選択肢は多いほうがきっといい。

まずは働き方の選択肢を増やしたいと、北の大地でチャレンジしている人たちがいます。

株式会社トーチは、北海道札幌市に拠点を置く会社。主にメディアを活用した企画やブランドづくり、事業の立案、さまざまなコンテンツの制作や開発を行なっています。

設立してまだ2年で、社員も代表ひとり。多くのパートナーと協力しながら、クライアントワークや自社事業を手がけています。

今回募集するのは、主にクライアントワークに携わる企画・編集スタッフと、主にこれから取り組む水産加工などの自社事業に携わる事業開発スタッフ。

どちらも経験は問いません。地方と都会の間で生まれる課題に本気で取り組みたい、ローカルならではのキャリアアップをしたい。そんな人ならなら、ここでの仕事に共感できることがあると思います。

 

羽田空港から飛行機で新千歳空港へ。空港から快速エアポートと地下鉄南北線を乗り継いで1時間ほどで、北18条駅に到着。

トーチの事務所は、駅から歩いて2分ほどのカルビ丼の看板が目立つビルの3階にある。

階段を上がり、どの部屋だろうと迷っていると、代表の佐野さんが階段を駆け上がってきてくれた。どうやら下ですれ違ってしまったらしい。

「はるばるありがとうございます。事務所も最近借りたばかりで殺風景なんですが、どうぞ」

北海道の遠軽町(えんがるちょう)、いわゆるオホーツク地域出身の佐野さん。大阪大学を卒業し、博報堂で2年間営業職を経験。

その後は情報系の大学院(IAMAS)に入学し、卒業後は東京で大企業と連携して新規事業を立ち上げる会社で働いた。

「遠軽町というローカル出身でありつつ、都会でクリエイティブの最前線も経験してきました。今でこそ北海道に拠点を置いていますが、もともとあまり地元をいいまちだと思っていなくて、ネガティブな感情のほうが強かったんです」

「そう思ったきっかけが、大学4年生のとき。自分の父親が仕事を辞めて、再就職先を探していたんですが、求人票を見たら肉体労働ばかりで、賃金も安い。都会のコンビニでバイトしたほうがいいんじゃないかっていう仕事ばっかりで」

暮らす場所によって、選択肢の数と質が大きく異なる。

その現実に違和感を感じながら活動してきた佐野さん。

広告代理店時代のスキルを活かして、事業やブランドの立ち上げや企画、コピーライティング、スタートアップのプロジェクトリードなどを手がけるかたわら、地元に民泊を開設。ローカルでみずから事業をおこしていった。

そして2年前、拠点を札幌に移し、株式会社トーチを立ち上げる。

「トーチは『どこに住んでいても、つくってゆかいに暮らす』っていう言葉を掲げています。さっきの就職の話もそうだし、進学やクリエイティブな仕事、創作活動。おおよそのことは、地方より都会に住んでるほうが、チャンスやいろんな刺激を受ける機会が多いじゃないですか」

「だとすると、クリエイティブな人ややりがいのある仕事はみんな都会に集まってしまう。それってあんまり面白くないなと。好きな場所に住みながら、クリエイティブでやりがいのある仕事を続けられるようにするにはどうすればいいんだろうと考え続けてきた過程が、今につながっています」

都会的なクリエイティブの最前線から降りずに、ローカルな活動を展開していく。トーチを立ち上げたのも、まずは地元のオホーツク地域でその流れをつくっていきたいと思ったからなのだそう。

そのひとつの例が、佐野さんがNHK北海道とつくった「ローカルフレンズ」という企画。

「北海道ってすごく広大な一方で、テレビで流れる情報は札幌のことに偏りがちで。それはもったいないよねということで、NHK北海道と一緒に企画したのが『ローカルフレンズ』でした」

たとえば、十勝で会社員をしながら音楽フェスを開催している人など、地域にはローカルで活躍している面白い人たちがいる

テレビ側が一方的に取材をするのではなく、その面白い人たち=ローカルフレンズの案内で地域を紹介してもらおうという企画だ。

最初はNHK側もどんな番組になるか緊張を抱えながらの企画だったけれど、地域で関係性を築いてきたローカルフレンズに地域を紹介してもらうことで、一段と深い話が聞けると好評に。現在も「ローカルフレンズ滞在記」という名前で番組は続いている。

「今はディレクターさんが1ヶ月地域に滞在して、週に一本ニュースを出す、という形でやってます。地域の人からの反響もすごくいいし、取材者と地域との関係性が変わってきているのが良いなと思っていて」

「都会から来た人が地域の人を取材するって、ちょっと上から目線みたいなところがあるじゃないですか。でも実際は、現地の人のほうが地域について知ってることは当然多いし、学ぶべきことも多い。この企画を通して、ローカルをリスペクトする感情が生まれることで、大袈裟に言うと都会と地方の分断をうまく超えるような企画になったのかなと思っています」

ほかには、地域の事業者のクラウドファンディングの企画、ライティング、デザインなどを担当したり、地方企業のDXを手がける企業のオウンドメディアの立ち上げをサポートしたり。

自社事業としては、オンラインの本屋さん「トーチ書店」や、理念である“どこに住んでいても、つくってゆかいに暮らす”を実践している人たちを紹介するメディア「トーチライト」など。北海道内を中心に、ひとり広告代理店のような形で、さまざまな仕事をしている佐野さん。

まずは自分のまわりから、ローカルでもクリエイティブの最前線の仕事をする選択肢が生まれるようにしていきたい。

今回新しく人を募集するのも、その仕組みづくりの一環。

「実は地元のオホーツク地方で民泊以外の事業も動かしていきたいと思って、事業承継させてくれるところを探していたんです。それで見つけたのが水産加工の会社で」

「おじいさんとおばあさんが営む小さなところで、小分けの砂抜きしじみパックをつくったり、ホッケの塩麹漬けパックをつくったりしている工場です。ここの事業を引き継ぐには、札幌と工場のある網走を行ったり来たりしないといけない。そこへ向けて、新たに仲間を募集したいんです」

求めているのは、主に札幌を拠点にクライアントワークを手がける企画・編集スタッフと、基本網走に滞在して仕事をする事業開発スタッフ。

前者は、まずは佐野さんのもとで企画や編集のノウハウを学び、最終的には主担当として各案件を進めていくことになる。

後者の事業開発担当は、既存の民泊事業や、網走で始まる水産加工業の推進、商品企画などに取り組んでいく。

どちらも経験は問わないけれど、後者に関しては食品加工の経験があればありがたいとのこと。

編集の仕事では、わかりやすく読みやすく伝えることを大事にしているため、未経験でもまっさらな視点がかえって活きるかもしれない。

「ローカルではまだなかなか理解されないことも多いのですが、クライアントワークに関しては、『発注者』と『お客さん』ではなく、一緒にプロジェクトを推進するメンバーとして課題に対等に取り組めることに、大きな意味があると思っています」

「なのでいろいろご相談はいただくのですが、いまはトーチとしてお手伝いする意味のある仕事だけをお受けしていて。そのぶん、お手伝いするプロジェクトはすべて本気です。共感する相手がやりたいことを実現するために、手段にとらわれずにやるのが好きな人が合っていると思います。これまでクライアントワークを経験してきたような方も歓迎ですし、そうでなくても新しいチャレンジに抵抗がない人だったら、面白く働けると思いますよ」

知見やスキルは、佐野さんと一緒に案件を進めながら身につけていくことになる。

ローカルならではの課題に本気で取り組みたいと思う人にとっては、挑戦しがいのある仕事だと思う。

「時間はかかるかもしれないですけど、自分のやりたいことと重なっているなら、スキルはついてくると思っています。プロジェクトをまとめて推進していく力は身につくと思うし、ゆくゆくは自分と関わりのある地域で起業したいとか、自分で新しい事業や活動を起こす人たちに関わり続けたいとか。そんな人には良い経験になると思います」

網走の水産加工については、佐野さんもどんなふうに事業を進めていくか考えているところ。

商品はあるので、まずは既存のものを食品衛生などの面で問題ない形で引き継いでいき、ゆくゆくは新しい販路の開拓や商品開発などにも取り組んでいきたい。

 

どんなふうに働くことになるのだろう。現在大学院生で、トーチでインターンとして働いている浅嶋さんの話が参考になるかもしれない。

「佐野さんとはオホーツク地域のイベントで最初に知り合いました。研究室の活動で、地域の農家さんとか、地域にガッツリ入って活動している人には会ったことがあったんですが、佐野さんのように俯瞰した視点で地域のことを考えている人に出会うのは初めてで」

「自分の住みたい場所で自分のやりたいことができるって、すごく難しいけどすごく大事なことなんだと。一緒になにかできたら面白そうだと思って、インターンとして参加することにしたんです」

現在はSNSの更新や月一回のニュースレターの作成、自社ネットショップの運営など、幅広い業務を手伝っている。

「地域のいろんなプレイヤーを知ることができるのは、働いていてとてもよかったなと思うところです。いろんな刺激をもらってます」

たとえば、と話してくれたのが、トーチの事務所から歩いて2分ほどの場所で、ゲストハウスと書店と生活困窮者を受け入れるシェルターを運営している神(じん)さん。以前トーチでクラウドファンディングのサポートをしたことがある。

「シェルターの運営って、ナイーブな部分もきっとあるじゃないですか。それを義務感とかじゃなく、楽しそうにやっているのが神さんのすごいところだなと思っていて。本当に好きでやっていることが伝わってくるんです」

「そういう人の周りには良い人たちが集まってくるし、そのつながりでまた新しいものが生まれたりする。その過程を見られる立場っていうのは、本当にありがたいなと思っています」

 

せっかくなので、事務所から移動して神さんのところへ。話を聞かせてもらった。

佐野さんとはどういう知り合いなんでしょう?

「最初はゆるっとだよね? 共通の知り合いがいて、そのなかで佐野くんと会った感じ。北海道各地のプレイヤーの間では、佐野くんは有名だったんだよ」

「僕がコロナ禍をきっかけにシェルターを始めて、それを維持する資金を得るために本屋をしようかと考えたとき、まっさきに佐野くんに力を貸してもらおうと思って」

本屋を開業する資金調達のため、クラウドファンディングを活用することに。

ページ全体のプロデュースから、リターンの企画、文章の編集、コピーライティングまで佐野さんが担当し、ページを仕上げていった。

文章は、神さんの率直で分け隔てない人柄が表れるように。そして伝わりやすいように。

ページを公開してから24時間で目標金額を突破し、最終的に目標額の488%、約730万円の支援が集まった。

「シェルターってすごくナイーブなことだから。その感覚を理解してくれて、なおかつ、世の中の生きづらさとかにも関心があるっていうのが、佐野くんの強みなのかなと。アウトプットに込められた熱ももちろんあるしね」

「だからトーチに新しく加わる人も、ローカルに対する熱さとともに、広く世の中にある課題への関心を持っている人だったらいいんじゃないかな」

 

都会と地方。その差はなくなっているようで、実際に地方に暮らすと見えない壁がたくさんあることに気づきます。

それでも、ローカルの可能性を諦めない。一緒にチャレンジしたいという方を待っています。

(2022/5/20 取材 稲本琢仙)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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