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いつのまにか固まっていく
思考と身体
定期的に、ほぐしていこう 

週1日、始業前。

最近、近所のテニススクールに通い始めました。

日頃デスクワークで座りっぱなしだったので、運動しようと思ったのがきっかけです。朝の9時過ぎから1時間30分、走って打って走って打って。

全身が活発に動いている感じがしてとても気持ちがいいし、そこから仕事に入るといつもより集中しやすい。

心と体は密接につながっている。あらためてそのことを実感すると同時に、健康の大切さに気づきました。

今回の記事の舞台は、山形県上山市、蔵王坊平高原(ざおうぼうだいらこうげん)。

標高約1000mに位置し、四季折々で表情が変わる自然豊かな場所。近くには蔵王温泉もあり、冬に見られる樹氷を知っている人も多いのではないでしょうか。

また、ナショナルトレーニングセンターの高地トレーニング強化拠点に指定されている施設もあり、アスリートの合宿地としても有名です。

2020年7月にオープンした「高源ゆ」は、そんなアスリートたちの“ココロとカラダ”をリカバリーするためにつくられた温浴施設。

さらに、坊平の豊かな自然を利用して、企業向けのヘルスマネジメントプログラムにも取り組んでいます。

今回募集するのは、高源ゆのスタッフとして利用者対応をしつつ、プログラムの企画・運営、そして企業誘致など、事業を推進していく人。

人と話すのが好き。自然のなかで、関わる人も自分自身も健やかに働きたい。そんな人におすすめしたい仕事です。



東京駅から山形新幹線に乗って約2時間、かみのやま温泉駅で降りる。

車に乗り、曲がりくねった山道をのぼること30分ほど。蔵王国定公園内にある蔵王坊平アスリートヴィレッジ(BAV)に着いた。

高源ゆがあるのもこの敷地内。さっそく車を降りて、建物に近づいてみる。

周りの山々に溶け込むようなシンプルなデザインからは、木の温かみが感じられる。なにより空気が澄んでいて気持ちがいい。

施設のなかに入って少し待っていると、高源ゆを運営している株式会社置環(おきかん)の代表、桐生さんが現れた。

柔和な表情が印象的な方。

「置環の本業は、公共下水道処理施設の管理運営なんです。水をきれいに保つっていうことで仕事はなくならないんですけど、人口減少が進めば先細りの状態になってしまう。新たな仕事を見つけなきゃなんないねっていう意識はずっとありました」

もともと、国内外で活躍するアルペンスキー選手などのアスリート支援も行っていた置環。BAVは所属選手たちがよく利用していた施設だった。

8年ほど前のあるとき、選手たちにBAVについて感想を求めると、「温浴施設があれば最高なんですよね」という答えが返ってきた。

「いろいろ調べていくうちに、選手の心身をリカバリーできる施設って、実は国内に一つしかないと知って。アスリートからのニーズもある。同じものをつくるのは厳しいけれど、最低限のものはやってみましょうってことで高源ゆをつくることにしました」

そうして2年前に施設が完成。

温泉は肌にやさしいアルカリ性の泉質。サウナには県内初のセルフロウリュができるサウナ機を導入し、体への負担も少ないフィンランド式サウナが楽しめる。

施設内には栄養補給ができるプロテインサーバーに、疲労回復効果の高い酸素カプセルも設置。そのほかストレッチや補強トレーニングもできるスタジオに、ミーティングルームも完備している。

現在、利用者はナショナルチームや実業団、学生団体などの合宿がメイン。

またサウナブームも相まって、サウナー(サウナ愛好家)や土日祝日はカップル、ファミリーで混雑する日も多いのだとか。なかにはあまりの心地よさに、2年間で250回近くリピートしているお客さんもいるのだそう。

「着実に利用者が増えてきた一方で、事業は正直まだ自走化できてないんです。いまは置環の本業で補填しているけれど、ゆくゆくは高源ゆのみで事業を回していきたい」

そこで、より多くの人に施設を利用してもらえるようはじめたのが、ヘルスマネジメントプログラムだった。



具体的にどんな内容なのか。次に話を聞いたのは桐生社長の息子であり、サブマネージャーの貴法(たかのり)さん。

カイロプラクターとして整体の仕事を10年間、その後着物の卸営業を10年ほど勤め、高源ゆへ。現在は高源ゆの運営と、ヘルスマネジメントプログラムの推進に尽力している。

施設近くのペンションで一緒に昼食をとりながら話を聞いていく。

「高源ゆがある上山市は、もともとクアオルトって形で上山に住む人、訪れる人が元気に心と体がうるおう町を目指して活動してきたんですね」

クアオルトとは、ドイツ語で療養地という意味。自然の野山を歩いて治療する運動療法のことをクアオルト健康ウォーキングと呼び、ドイツでは心臓のリハビリや高血圧の治療法として取り入れられ、保険も適用されるそう。

上山市は、2008年からこのクアオルト事業を進めてきた。

現在市内には、日本で唯一、ドイツ・ミュンヘン大学から認定された8コースを含む約20コースを整備。高源ゆのある坊平にも3.6kmのコースがある。

「いまの時代って情報過多じゃないですか。通勤一つとっても、電車のなかでイヤホンしながら携帯を見てる。どうしても五感、本来人間が持っている能力を閉ざしやすい」

「そうすると、精神的にも身体的にも不健康になりやすいですよね。そういった不調が悪化する前に、リカバリーして予防していく。それを企業さんやアスリートの方の状態に合わせて、提供しているところなんです」

現在は上山市と、さまざまな地域の課題に取り組んできた事業プロデュース会社さとゆめと一緒に事業を進めているそう。

たとえば、専任ガイドと一緒に森のなかを歩いて鳥の声や木々の揺れる音に耳を澄ましたり、沢の水に裸足で入ってみたり、野草や木の実を食べてみたり。

ほかにも貴法さん自ら行う姿勢矯正ストレッチや、理学療法士の資格を持ったヨガインストラクターによる森ヨガなど、内容はさまざま。

さらに、近隣のペンションオーナーによるピザづくり体験や蜜蝋キャンドルづくり、森を活かしたチームビルディングのレクリエーションなど、地域の方が企画実施しているプログラムもある。

現在はプログラムのブラッシュアップと並行して、企業への営業活動を進めている真っ最中。

「上山市と協力して、『社員の健康やチームビルディングなど、何かお困りごとありませんか?』って、企業さんにアンケートを送って。反応があったお客さまもいて、実際にプログラムを提供したんです」

どんな企業さんだったんですか?

「塗装屋さんですね。コロナ禍もあってなかなか社内のコミュニケーションが図れない。また、従業員に腰痛とか体の不調が気になる方が多いんですよねっていう内容で」

先方から希望があったのは、体力テストを兼ねたチームビルディング。

そこで、反復横跳びや上体起こし、握力測定などの基本種目に加え、プランクも提案。一定の姿勢をキープするエクササイズで、誰が一番長くキープできるかというゲーム性を持たせた。

体力テストの後には脳トレエクササイズなど、社員同士がコミュニケーションをとりつつ、身体を動かせるようなプログラムを企画して運営した。

「プログラムの後は高源ゆの温泉で疲れをとってもらって、お風呂上がりには僕が姿勢矯正ストレッチを指導する。クライアントさんの満足した顔をみると、やっぱりうれしいですよ」

企業への営業からヒアリング、会場調整やガイドの手配、現地での案内など。プログラムにまつわる調整ごとのほとんどを、現在は貴法さん一人でやっている状況。

新しく加わる人には貴法さんと一緒に、ヘルスマネジメントプログラムに関わる業務を担ってもらいたい。

「とくに特別なスキルは必要ないんですけど、クライアントさんはもちろん、ガイドさん、近隣のペンションの方や高源ゆの利用者さん。とにかく多くの方と接するので、人と話すことに億劫さがない人がいいですね」

いまは県内の企業からの依頼が多いけれど、徐々にエリアを広げて利用者を増やしていきたいとのこと。

クライアントの課題に合わせてプログラムを組み替えたり、貴法さんのようにスキルや資格があれば自らお客さんにサービスを提供したりすることもできる。

やることはたくさんあるけれど、自分が提供したサービスで目の前の人に喜んでもらえるのは、やりがいも大きいと思う。



貴法さんのようにさまざまな活動に取り組んでいるのが、今年の4月に入社したばかりの宇野さん。高源ゆのスタッフとして働きながら、ヨガプログラムも提供している。

この日はちょうどヨガ教室を開いているとのことで、施設近くの広場で見学させてもらった。

芝生の上にヨガマットをひいて瞑想したり、身体をひねったり。ゆったりとした時間が流れていて、見ているこちらも引きこまれる。

30分ほどして、ひと汗かいた宇野さんから、あらためて話を聞く。

プログラム、おつかれさまでした。

「ありがとうございます。わたし、山を見るだけで元気になるくらい山が好きなんです。こんな山に囲まれた場所でするヨガはとても気持ちいいですね。おいしい空気もそうだし、季節ごとに変わる景色も素敵だな〜って思ってます」

もともと理学療法士として働いていた宇野さん。

フルタイムで働くよりも、もう少し時間に余裕をもって自分の好きなヨガの活動に時間を使いたいと思うように。そんなときに、クアオルト健康ウォーキングのガイド養成講座に参加していた貴法さんと出会い、高源ゆで働くことになった。

「最初は週3日ぐらいって考えてたんですけど、気づいたら週4、5日働いて、週末は県外でヨガ教室を開いてます」

おいそがしそうですね。

「ほんとはもっとゆるりとしている予定だったんですけどね(笑)。でも、高源ゆで働くうちに、ここでしかできないヨガをじっくり追求したいと思うようになって」

「施設の掃除とか接客とか、求められていることをやりつつですが、すごく私のことを尊重してくれているように感じていて。家族には『優しすぎるし、騙されてるんじゃないか』って言われます(笑)。これから大変なことも出てくると思うんですけど、働きやすい環境だなと思います」

最後に、貴法さんの言葉を紹介します。

「ココロとカラダの豊かさを提供しましょうっていうのが高源ゆのビジョン。働くスタッフの心も体も豊かじゃないと、お客さまにも伝わるじゃないですか」

「うちにはアスリート社員もいて。宇野さんも、彼らも、できるだけ好きなことをしてもらえるよう応援したい。それを叶えるためにも、ヘルスマネジメントプログラムはどんどん力を入れていきたいですね」



ココロとカラダのリカバリーを目指す高源ゆ、坊平の豊かな自然を活かしたヘルスマネジメントプログラム。

提供しているサービスもそうだけれど、働く人、一人ひとりが気持ちよく過ごせるよう考えられてきたんだと思う。

高源ゆのみなさんの話を聞いて、健康には働く環境の気持ちよさも大事なんだと感じました。

(2022/05/20取材 杉本丞)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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