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学術会議をつくる仕事
経験不要で住まいは
どこでもOKです

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「晴れの舞台」という言葉を聞くと、どんな場面が思い浮かぶでしょうか。

たとえば、結婚式で新郎新婦が誓いの言葉を言ったり、卒業式で卒業生総代が答辞を述べたり。主役が大勢の人前に立って舞台上で輝く瞬間を想像します。

どんな晴れの舞台でも、その一瞬ができるまでには陰で支える人たちの存在があるのだと思います。

「株式会社ハレ」はそんな晴れの舞台を支える、縁の下の力持ちのような会社です。でもハレがつくっているのは、ちょっと珍しいお医者さんたちの学術会議。

学術会議と聞くと難しそうに聞こえるかもしれませんが、お医者さんたちが自分の専門分野について研究してきたことを発表する場です。

ハレはまだ社員が二人だけの小さな会社ですが、協力会社さんとともに1000人を超える学術会議を運営することもあるのだとか。

今回はそんな二人と一緒に、会社の核となっていくクリエイティブディレクターと、業務アシスタントを募集します。

医療やイベントなどの専門的な知識がなくても大丈夫。必要なのは全国各地で行われる学術会議にどこでも行くことのできるフットワークの軽さと、お医者さんやスポンサーなどとやりとりができる基本的な社会人経験です。

しかも、学術会議の事前打ち合わせや開催当日以外はリモートワークでも良いそう。好きなところで暮らしながら、日本中を飛び回ることができる仕事です。

 

株式会社ハレは基本リモートワークのため、オフィスを持たない。代表の須藤さんと社員の古川さんのお二人に日本仕事百貨のオフィスに来ていただいて、お話を聞くことに。

代表の須藤さんは少し日焼けをしていて髭が生えていて、ワイルドな印象。一見、「お医者さんの学術会議」を陰で支えている方とは想像がつかない。

学生時代にバンドをやっていてイベントごとが好きだったという須藤さんは、得意なパソコンを活かしてSIerの会社に就職。

しばらくすると、「パソコンができる人」という条件つきのイベント業界の求人を見かけるようになる。イベント業界にもITの波が来ていることを感じた。

「得意なパソコンと興味のあったイベント、それらを掛け合わせた仕事ができるならと、イベント業界の会社に転職したんです」

その会社は音楽イベントから企業のセミナーや新商品の発表会など、広告代理店から依頼を受けてあらゆるイベントの企画や映像コンテンツをつくっていた。

はじめはイベント用の映像などを製作する仕事をしていたが、社内には須藤さんよりもはるかに機材に詳しい同僚が数多くいた。徐々に須藤さんは企画や営業など渉外的な仕事をするようになっていく。

「最初は有名なアーティストのイベントに関われることがうれしかったですね。そういう仕事は確かに社内で花形ではあったんですけど、アーティスト様様だったり昼も夜も働き詰めだったりで、『なんか違うな』って思ってきて」

そんな中、須藤さんはお医者さんたちの学術会議の仕事に携わることに。

「お医者さんたちがこれまで研究してきたことを発表する場だと聞いて、はじめは正直つまらなそうって思いました」

学術会議の仕事は社内では地味なイベントの一つとして捉えられていた。でも実際にやってみると花形の音楽フェスなどに比べてしっかりと利益を上げられて、営業成績にもつながることに気づく。

最初はそんな下心もありながら学術会議に進んで取り組んでいるうちに、学術会議への印象が変わっていく。

「自分が死んだ後の世界まで見据えて、本気で世の中の医療を良くしていこうとしているお医者さんたちがいるんですよね。その方たちの医学を発展させたいという熱い気持ちがすごすぎて」

普段は病院の勤務もあって忙しいのに、時間を見つけて研究をしたり学会に参加したり。たった一回の学術会議に魂を込めて取り組むお医者さんたちの姿に驚いた。

はじめはつまらなそうと思っていた学術会議だったけれど、お医者さんたちの晴れの舞台を支えることにだんだんとやりがいを感じるようになっていく。

「会議の内容は専門的すぎて、いまだに全然わからないんですけどね」と笑って話す。

医療系の学術会議の歴史は古く、今でも伝統やしきたりを重んじる世界。これまでのやり方を受け継いで、依頼された会議を滞りなく進めていった。

あるとき、看護師さんなどが集まって行われる「医療従事者を育てる学会」の企画を担当したときのこと。主催者の先生から思わぬ提案をされる。

「その先生は若手のころから学会に参加していて、いつか自分が取り仕切るときにはこうやりたいってイメージが固まっていたんですよね」

医療関係者だけの勉強会にとどめるのではなく、一般の人や子どもなども参加してもらって、幅広く世の中の人に医療で貢献したいという先生の思いがあった。

「会場にお祭りの屋台を入れたいなどの要望もあったんですけど、その会議には前例のないことで予算感もわからなかったし、その分の別の仕事も増えてしまう。結局、『これまでと同じが良いですよ』って淡々と進めちゃったんですね」

「会議は滞りなく終わったんですけど、その先生から帰り際に『夢とか野望って叶えるのが難しいですね』って言われて。これまでのやり方に縛られずに、先生がやりたかったことを少しでもやってあげたらよかったのかもしれないって思ったら申し訳なくて」

新しい学術会議に挑戦してみるのはどうだろうと須藤さんは考えた。

少しでも主催者の先生の声を聞くために、直接営業ができる部署の立ち上げなどを模索するも、これまで取引してくれていたお客様との関係もあり、実現できなかった。

そこで須藤さんは独立して学術会議のプロデュースを始めようと、2012年に株式会社ハレを一人で立ち上げる。

 

学術会議の運営はまずお医者さんからの依頼を受けて、過去の先行例を調べることからはじめる。参加予定の人数から会場を考えて日程や予算の調整をしたり、講演してもらう先生やスポンサーへの連絡をしたり。長いと一年半前から準備する会議もあるのだとか。

今では年間20〜30件ほどの学術会議の企画や運営をしているハレ。会議全体を取り仕切ることもあれば他の会社から依頼されて部分的に運営に関わることもあるが、コロナ禍で学術会議のあり方が変化し、新たな課題も生まれてきている。

「実際に会場に足を運ばなくてもオンラインで会議に参加できるようになると、例年よりも参加者が増えることもあります。参加者が増えれば参加費も増えるから数字的には成功なんですけど、それでいいのかなって思うんですよね」

須藤さんは会議の合間にロビーで話している先生たちの様子を見ていると、直接会う必要性を強く感じるのだとか。

「この先コロナ禍が落ち着いてもオンラインの参加はなくならないと思うので、オフラインとオンラインを掛け合わせて、どういう会議をつくっていこうか試行錯誤しているのが今は楽しいですね」

 

これまでは会場に集まることが当たり前だった学術会議のあり方が、コロナ禍によって新しいものに生まれ変わろうとしている。

「小さい会社だからこそ、チャレンジしやすいと思います」と須藤さん。

これから一緒に働く人もハレに新しい風を吹き込むような人が合っているみたい。

今回ハレに入ってもらう人は、主に広報物のデザインをしたり、機材やWEBシステムのコーディネートをしたりなど外部の人との窓口となってほしいとのこと。

「もう僕はこの業界が長いので、むしろイベント業界の経験がなくて新しい意見をくれるような仲間が増えたらうれしいですね」

 



まさに異業種からハレに入り、2年前から須藤さんを支えているのが古川さん。

古川さんは大学を卒業してから10年以上、車のディーラーで営業をしていた方。接客で人と関わるのが好きだったけれど、仕事を辞めていろいろな世界を見てみようと派遣のバイトをはじめる。そんなときに須藤さんが運営していた学術会議にスタッフとして参加する。

コミュニケーション力の高さが須藤さんの目にとまり、「一緒に働きませんか」と声をかけられて古川さんはハレに入社することに。

「医療系の知識は全然なかったです。でも営業時代に車を買いに来たお医者さんとお話して、自分の知らないことを知ることが楽しかったので、またそれができるかもしれないって思って」

しかし、古川さんが入社してすぐに新型コロナが流行し、予定していた学術会議は打ち合わせも含めて軒並みオンライン開催となった。

「経験もない上に、コロナ禍でわからないことも多くて、最初はうまくいかないこともありました。たとえば、こんな演出をしてみたいという要望に対して、どういう機材を組み合わせて、そのためにいくら必要なのか、すぐに提案できないとか」

「最近はオフラインでの開催に戻りつつありますが、まだまだもどかしいことがありますね」

お医者さんとの打ち合わせから、実際の会場に応じたマイクやスクリーンなどの機材の設定や、動線を考えた展示などを考えていく。オンラインも兼ねると参加する登壇者と現場の接続など、あらゆることを理解して提案をすることが求められる。

古川さんは事前の準備から当日の進行まで、須藤さんに教えてもらいながら今も学んでいる最中なのだとか。

「会議は1分1秒ずれないように滞りなく進めることが大切なので、『終わった!成功した!』みたいに派手な感じというよりも、『無事に終わってよかったね』って落ち着いて喜ぶ感じです(笑)」

とはいえ平均して月に2〜3件の学術会議を二人で運営しているハレ。さぞかし忙しいのではないでしょうか?

「来週は小倉で会議があるので、準備も含めて一週間現地に行きます。学術会議は春と秋に多いので、夏や冬はかなり余裕がありますね。会議がないと結構ゆったりできるんです」

基本はリモートワークで、二人が顔を合わせるのは月に1〜2回くらい。都内のコワーキングスペースを借りて打ち合わせをしたり、会議の前に現地入りして準備をしたり。

「普段はどこに住んでもらっても大丈夫です」と須藤さん。でも全国各地で会議があるから、一週間くらい家を空けても大丈夫な人が良い。

実際、須藤さんも今年の冬に3ヶ月だけ新潟にお試し移住をしていた。

「僕自身がいろんな場所に転々としていたいという願望があるんですよね。この間も古川と、『プリンターとWi-Fiがあればどこでも仕事できるよね』って話になって(笑)」





ハレのお二人と話していると、お医者さんたちの思いをしっかりと受け入れて新しいチャレンジも一緒に考えてくれそうな、やわらかくて温かい会社の雰囲気を感じました。

きっと一緒にお仕事をされるお医者さんたちは、気持ちよく晴れの舞台を迎えられるのだと思います。

晴れの舞台を裏で支える縁の下の力持ち。

興味のある人はぜひ一度話を聞いてみてください。

(2022/5/10取材 小河彩菜)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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