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おいしく、正直に
八百屋で表現できること

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

販売の仕事は、ものの魅力を紹介する仕事なのだと思います。

つくり手の思いを伝えたり、POPやディスプレイを工夫したり、SNSで発信したり。魅力を伝えることで、買う体験はより楽しく、豊かに感じられる。

今回取材したアグリゲートのみなさんの話から、そんなことを感じました。

株式会社アグリゲートは、「未来に“おいしい”をつなぐインフラの創造」をミッションに掲げている会社。

産地と都市をつなぐ都市型八百屋「旬八青果店」を起点とした生産から販売までを一気通貫するSPF(=Specialty store retailer of private label food)事業、地域、地域商社、食品メーカーなどのブランディングやコンサルティングをするPR事業、食農業界の人材育成を支援するHR事業の3つの事業を軸に、持続可能な食と農業の仕組みづくりに取り組んでいます。

今回募集するのは、「旬八青果店」の店舗運営メンバー。野菜や果物だけでなく、加工品や肉や魚など、「旬」と「おいしさ」にこだわったものを販売しています。

入社後はまず販売スタッフとして店舗に入り、その後は店長として店舗でお客さんのニーズを汲み取り、販売につなげる商売力を身につける。その後、仕入れや産地での買い付けをするバイヤー、商品の開発、PRプランナーなど、多様なキャリアに進むこともできます。

トライアンドエラーをしながら、お客さんにも産地にとってもより良いあり方を一緒に模索していける人を探しています。

 

東京・品川。五反田駅を降り、スーツ姿の人が行き交う繁華街を5分ほど歩く。大きな通りに面したビルの1室にアグリゲートのオフィスがある。

通してもらったのは、ミーティングやワークスペースとして使っている場所。代表の左今さんは、いま長崎の雲仙市にいるということで、オンラインで話を聞く。

「今日の朝雲仙について、さっきまで雲仙地獄をまわってきたんですけど、めちゃくちゃ暑かったです」

雲仙にはどうして行かれたんですか?

「アグリゲートで、いま雲仙市のPRに関わらせてもらっていて。旬八青果店の大崎広小路店がコラボ店として、雲仙の野菜や果物、加工品を販売しているんです」

「雲仙から年間を通してものを仕入れることはできているけど、もっとほかにできることがあると思っていて。それで今回は自分で調べて行ってみて、この地域がどういうところなのか、個人としても体験しようと思っているんです」

雲仙にはこれまで何度も足を運んでいるけれど、いつもは自治体のアテンドで農家や企業を訪ねることがほとんど。自分だけで地域をまわる機会がなかったそう。

「地域の魅力を伝えるとき、自分がひとりの旅行者として楽しいことも不便なことも体験しないと、実感を持って発信できない。普段の買い物から、ふるさと納税、観光、ひいては移住まで、様々な形で雲仙に関わる人を増やすことができないかと考えているところです」

アグリゲートのベースには、左今さんの「都市と地方、それぞれの課題をビジネスの力で解決したい」という思いがある。そのきっかけとなったのは、大学時代、野宿しながらバイクで東京から熊本まで巡った旅だったという。

「地元が福岡市で、大学が東京だったんで、田舎とか地方っていうものをテレビでしか見たことがなくて。旅をして初めて田畑や農業の風景を見て、かごを担いで歩いているおばあちゃんがいて」

「ノスタルジーを感じるいい風景ではあるけど、このまま都市と地方が分断された状況のままだと、日本の農業が持続できないんじゃないかと思うようになったんです」

そこから農学部に編入し、農業分野のみのビジネスコンテストを主催するなど、農業で稼ぐことを考えるように。

「開催してみて感じたのが、参加してくれる学生の雰囲気が全然違うことでした」

同じ大学の学生でも、普通のビジネスコンテストに出ている人は、最新のテクノロジーを駆使した稼げるプランを出す一方で、左今さんが開催した農業分野のコンテストに参加する学生は、ビジネスとして成功する意欲が低かったり、農ビジネスでお金を稼ぐことに疑問を感じていたりする人が多かった。

その気づきから、いろいろな業界を見てみようと、卒業後は人材会社に就職。

「営業の仕方とか勉強になることはあったんですけど、営業目標の数字のために仕事をすることに違和感を覚えてしまって」

仕事中心の生活から、コンビニ食や外食も増え、食に対し「不本意」なものを感じていた左今さん。東京は地方より食材の値段が高いにもかかわらず、どれも同じような味に思え、ただお腹を満たすために食べるという食生活に、食の楽しさや豊かさを感じることができなかった。

そこで2009年にアグリゲートを起業。農業法人の営業代行や、EC販売、スーパーの青果部門請負などを行い、2013年10月には旬八青果店を開業する。

「『この農家さんがつくった野菜がおいしいので、食べません?』っていうことをどれだけ営業しても罪悪感はまったくないし、自分もお客さまも幸せになれる。そんな仕事がちゃんと成り立って関わる人達がしっかり稼げるなら、食農の業界をいい方向に変えていけると思ったんです」

旬八青果店は「あなたにとってのおいしい青果を。」というバリューのもと食材を販売している青果店。

現在では都内に6つの店舗を展開している。

「『おいしさ』にこだわって、仕入れから販売まで一貫して行なっています。鮮度だけじゃなく、情報や価格も『おいしさ』の重要な要素だと考えていて」

「つくり手のことや調理方法を知るとよりおいしく感じるし、つくり手もお客さまも納得できる価格だとお互い気持ちいい。旬八青果店はそういう場所になることを目指しています」

 

続けて話を聞いたのが、青果を買い付けているバイヤーの敷根さん。

2017年にアグリゲートに入社。いまは月の三分の一は鹿児島の指宿市に滞在し、地域活性の事業も兼任している。催事に出店して地域の食材を販売することもあれば、畑に入ってお店に入荷するパッションフルーツを農家さんと一緒に収穫することもあるそう。

「もともと地域活性に興味があって。会社のなかで一番力を発揮できて、直接地域とコミュニケーションできるのがバイヤーの仕事だと思ったんです」

バイヤーの仕事は、商品を見定め、生産者や事業者、市場の元卸や仲卸と交渉して仕入れること。

「お店に何をどのくらい置くかを決めるのは店長の仕事ですが、発注を決めるときの情報や、予想仕入額や産地を発注の商品リストにまとめていくのは、僕らの仕事です」

敷根さんたちバイヤーチームは、毎日リストを更新する。そのリストに基づいて各店舗から注文が入り、それを元に買付けて、店舗に商品が送られる。

「送られた青果は店舗で値段がつけられます。相場は共有しつつ、裁量は店長にあって。店舗で味見できるものは味見して、相場より高めに出したり、味がいまいちだと感じたら安めに出したりと、お客さまが納得して買えるように、お店ごとに工夫して値段をつけてもらっています」

たとえば、トマトの味が薄いというフィードバックが店舗からあったとき。直接取引をしている生産者のものであれば生産者に、仲介者がいれば仲介をおこなう組合、元卸や仲卸などにバイヤーからそれを伝えることもあるそう。

「農家さんたちの多くは、他の産地の味と比べることってほとんどないんですよね。でも僕らは今の時期ならこのくらいの味、というある程度の指標を持っている。だからこそ、『比べるとこうです』というのを農家さんに伝えることもあるんです」

「それをするのも、『おいしさ』を追求したいからなんですよね。最終的にはお客さまに喜んでもらうのが一番なので」

旬八青果店は、地方の青果や肉魚、加工品を都会の消費者に紹介するメディアとしての側面もある。農家さんへのフィードバックは、お店の質を高め、産地のものを継続して食べてもらえる環境をつくっていくためにも必要なこと。

「一般のスーパーだと、『ブロッコリー』とか品目名でしか流通していません。だからおいしいブロッコリーに出会って、また食べたいと思って同じ店で買っても、おいしいとは限らないんですよね」

「産地としても継続して出荷できるし、お店としても安定してお客さまにおいしいものを提供できる。お店での接客やPOPで産地や生産者さんの名前を出したり、雲仙市のように特定の地域とのコラボをしてお客さまにわかる形で見せたりすることも、地域のPRの一環として取り組んでいます」

つくり手の顔や産地が見える息の長い関係をつくる。そのことがお客さんもお店も、産地にも良い循環ができていく。バイヤーはその下地をつくるような役割なのだと思う。

 

最後に話を聞いたのは、赤坂店の富山さん。アグリゲートにはインターンとして入社。社員になったあとは事業企画と販売や製造を経験し、2021年の8月から店長を務めている。

「子どものころに見たテレビ番組で農業に興味を持って。知り合いの畑を手伝うこともあったので、自然と食農業界に興味を持つようになったんです」

「それで新しい店舗がオープンするときに、イベントで左今さんのトークセッションがあって。本気で日本の農業をより良いものにしていきたいっていう左今さんの想いを聞いて、自分もその事業に参加したいって思ったのが入社のきっかけでした」

旬八青果店の運営は店長の裁量が大きい。売り場のつくり方や、仕入れるものの種類、量、期間など。お店ごとに店長の色が出ている。

「赤坂店では、特に青果の品揃えを良くすることと、変わり種の品種を入れることにも力を入れています。最近だとナスを6種類くらい置いたりして。そんなに種類豊富にしなくても売上げはたつんですけど、そういうのがあった方がお客さまも自分も楽しめるじゃないですか」

届いた商品の検品や商品の品出し、袋詰め、青果の鮮度チェック、レジ打ちや接客など。販売スタッフの仕事は多い。加えて発注以外の仕事は、アルバイトと社員関係なくおこなっているそう。

「お客さまに喜んでいただく一方で、事業としてはきちんと儲けも出さないと、続けることができません。なので旬八青果店では、システム化とデータ分析にも力を入れていて」

「店長は日々ダッシュボードをチェックしながら、今日の売上や品目別の粗利なども把握して、店舗が適正な利益を出せているかも気にしています。なので、社員は数字への興味やこだわりも大事になってきますね」

最近の取り組みとして紹介してくれたのが、スキルチェックシート。

挨拶をきちんとするなど、社会人としての基本的な所作から、レジ打ち、袋詰めなど店舗運営に関わる作業、店舗の利益を考えて行動できるか、人を育成できるかといったマネジメントに関わるところまで、細分化された項目をチェックしていく。

「アルバイトさんも社員も同じ業務スキルだったら、同じように給与が上がらないとおかしいよねってことで、何ができたら昇給っていうのがわかりやすくなるように、スキルチェックシートを活用しています」

過去には、やる気があっても何を頑張るかの軸がわからず、離れていく人もいた。会社として評価や業務を明確にすることで、みんなが同じ方向に進めるようになってきた。

「会社のベースにあるのが、旬八青果店です。業務を通じて青果流通の全体を学べるので、野菜や果物が好きで食や農業に興味がある方、将来自分で事業やお店をやってみたい方など、色んな方にぜひきてほしいですね。社内SNSで旬八の商品を使った料理をアルバイトさん含め、みんなで投稿しあっているので、料理を好きな人もきっと楽しいと思います」

「お店の販売の仕事からいろいろなキャリアに挑戦できる環境もつくっているところです。自分たちでつくっていける余白がたくさんあるので、そういうのを楽しめる人だとうれしいです」

 

野菜が好きな人も、農業に興味がある人も。気になる人は、ぜひお店を訪れてみてください。

日本中のおいしいものを都会から発信することで、誰かの食が豊かになる。そんな仕事だと思います。

(2022/7/26 取材 荻谷有花)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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