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健やかに
花とクリエイティブ

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“意外とお客さまのそばにいる、花屋です”

取材後、もらってきた冊子に目を通していて、そんな一文が目に入った。

ECに特化して生花のアレンジメントや観葉植物などを販売している、フラワーキッチン。ハードワークになりがちな花業界のなかで、働きやすさと商品のクオリティを両立しながら、事業を展開してきました。

今回は、運営会社のグリーンインダストリ―株式会社で、クリエイティブ部門のスタッフを募集します。

事業が軌道に乗ってきた今、自分たちの想いや取り組みのアウトプットに力を入れているところ。サイトやSNSでの発信、広報PR、ライティングなど、「伝える」仕事の経験がある人に、新しい視点でブランドを伝えていってほしいそう。

発信次第で、もっと花を身近に感じる人を増やしていくことができるかもしれません。

会社の現在地と、これから目指す方向について、じっくりと話を聞いてきました。

 

フラワーキッチンの自由が丘店は、東急東横線の自由が丘駅から歩いて10分ほどの場所にある。

オーガニックショップに、個性的な子ども服のお店、料理道具屋さん。駅から少し離れた場所にも、こだわりを感じられる個人経営のお店が並んでいて、楽しい気分になる。

教えてもらった住所を頼りに、お店に到着。

通りに面した店舗の裏手側、たくさんの植物に囲まれた一軒家がオフィスになっている。

リノベーションされた空間のところどころに観葉植物が置かれていて、居心地がいい。

まず話を聞いたのは、代表の木村さん。穏やかな雰囲気で、一つひとつ言葉を置くように話す方。

「今、敷地内にオリーブファームをつくろうとしていて。小さい場所なんですけど、苗で仕入れたオリーブを植え替えて、より元気に育ててから出荷しようと。オリーブを剪定したり、草取りをしたりが最近の日課ですね」

「学生時代から花が好きで、もともとは生産者として花を育てたかったんです。ただ、土地もノウハウもない自分が急にはじめても、市場で売れるわけがないから、まずは売る場所をつくろうと思いました」

そんな想いを抱きながら、海外の食品工場や居酒屋の店長などを経験。経営に必要な数字管理や組織運営を学んだのち、2000年にグリーンインダストリーを立ち上げる。

自由が丘に花屋をオープンしたものの、なかなかうまくいかなかった。

「花屋って、浜辺に砂の城をつくるような仕事なんです。朝早くから夜遅くまで、いつ来るかわからないお客さまのために、常に花をきれいに整える。丁寧に手をかけても、傷んでしまえばまた0に戻る。波が来ては流されて、みたいな毎日の繰り返しでした」

仕方ないとは思いながらも、その現状をどうにかしたいという想いもあった。

そんななか、東日本大地震が発生。休業や閉店を選ぶ同業者も多く、これからどうしていこうか、木村さんはスタッフと何度も話し合った。

一方で、パソコンを見ると、数年前から細々とはじめていたインターネット販売に注文が入るように。合計数十件にも及んだそう。

「注文に応えるために、店にあった花を出荷して、また花を仕入れて。シャッターは半分閉まっているのに、営業ができたんですよね」

「続々注文が入ってくる状況を見て、これでいいのか、と。ちょうど働き方も変えなければと思っていたところでしたから。ちゃんとしたクオリティで届けられる体制を整えて、ECでやっていこうと思ったんです」

リアル店舗は少しずつ縮小し、ECに特化。分業体制で各々のオペレーションが効率化されていくと、9時〜18時の勤務が当たり前になった。

今では、楽天市場の花・観葉植物ジャンルで、2年連続年間ベストショップに選ばれるほど。

生花のブーケやアレンジメント、観葉植物をはじめ、お菓子とのセット商品などが定番。旬のグリーンの定期便「グリーンブーケ」や、オリジナルの剪定ハサミなど、ほかにはない商品も人気だそう。

基盤が固まったこれからは、アウトプットに力を注いでいきたい。

「商品にも自信があるし、一定の売上も出ているし、自由が丘のこの場所もある。ある程度、持っているものは持っていると思うんですけど、それを活かして表現することがまだまだ得意じゃなくて」

「成果は出ているけど、単にものをたくさん売ればいい時代は、もう終わってきていると思うんです。ここからまた差別化するために、自分たちのことを編集して、しっかり表現していく必要があると感じています」

オンライン上での発信を強化するとともに、リアルな場でのコミュニケーションにも、再び取り組む予定。

オリーブファームでのイベントや、店舗でのワークショップ、ポップアップショップなども、小さな規模からはじめていきたい。

「外部の専門家に任せれば早いのかもしれないけれど、それだと失敗できないじゃないですか。急にガラッと変えるというよりは、トライアンドエラーしながら、自分たちの力で積み重ねていきたいと思っているんです」

 

これまでも、一つひとつ積み重ねながら会社は歩んできた。

社内には大きく分けて3つのセクションがある。生花のブーケやアレンジメントを日々製作するプロダクション、受注業務やカスタマーサポートを担うシステム、そして、今回入る人が所属するクリエイティブ。

WebやSNSでの発信や、商品企画、ブランディングなどを担うクリエイティブセクションのマネージャーが、入社8年目の武田さん。今回入る人も、武田さんと一緒に動くことが多くなる。

「対外的に発信する前に、まずは社内を整えなければいけないと、この数年はインナーブランディングに力を入れてきて。自分たちで感覚的に理解していた、『フラワーキッチンらしさ』を一つひとつ言葉にしてきました」

新たに掲げたブランドメッセージは、『花暮らし 自由に 自然に 自分らしく』。

花暮らしって、どういう意味なんでしょう?

「社長も言っていたように、花屋の仕事って楽しそうに見えて、ハードな働き方が当たり前なんです。でも私たちは、自分たちの暮らしも大切にしながら、ちゃんと売上を上げて、楽しんで花屋を続けていきたい。そのバランスを常に考えながら、会社をつくり上げてきました」

「『花暮らし』という言葉は、そんな自分たちらしさを表しています。健やかに花屋をやっています、ということを対外的にもちゃんと伝えていきたいし、その姿勢を自分たちも確立したいと思っています」

花屋で働く人は、女性が多い。ECをうまく活用することで、ライフステージが変わっても、長く続けられる仕事にしていけたらと考えている。

自身も、3歳のお子さんを育てている武田さん。

「朝保育園に預けて、自転車で走ってきて、ばーっと仕事して、6時に帰って迎えに行く、みたいな毎日です。会社には長く働いている人も多くて、結婚から産休、復職まで全部見守ってくれている先輩もいっぱいいますね。働きやすい環境づくりを社長がすごく大事にしているからこそだと思います」

「でもそれが実現できるのは、『目の前の作業を5分で終わらせよう』とか、みんなが一秒一秒必死に働いているからこそ。決してまったりとは働いていないので、新しく入る方にもそこはちゃんと理解してもらいたいですね」

今回入る人は、花業界の経験はなくてもいい。社内にも、アパレルや美容業界など、異業種から転職してきた人は多いそう。

「正直、発信を強化したいと言っても、具体的に何をやるかまだ見えていない部分もあって。YouTubeなのかSNSなのか、Webのコラムなのか、リアルな場なのか…。どこから手をつけるのか、探っている状況なんです」

たとえばアパレルや雑貨など、ECが浸透している業界の経験者なら、前職で見てきたものを取り入れられそう。広報やPR、メディア運営などの経験を活かせる場面も多いと思う。

「それぞれの得意を活かす会社なので。まずはチームに入って、会社のあり方を理解した上で、自分にできる部分から取り組んでもらう、というのが一番いいかなと思っています」

どんな人柄だと、会社にフィットしそうでしょうか?

「柔軟性は大事ですね。まずやってみる、っていうトライがすごく多い会社なので」

「特に今回は0―1の仕事がすごく多いポジションなので、それが苦手だとつらいと思います。完璧は全然求めていなくて、30%でいいからまず表現してほしい。やってみて、そこから次に進んでみる、という感覚が大事かなと思います」

 

「会社の考え方や方向性を理解して、自分にできることをやってくれています」と武田さんに紹介されたのが、同じくクリエイティブセクションで働く三浦さん。

今は、自由が丘店から車で5分ほどの玉川店を拠点に、観葉植物の商品企画、メンテナンス、入出荷全般をリーダーとして担っている。

「もともとは寿司屋で働いていました。そこに毎週活けにくるお花屋さんがいて。毎回変わるお花を見て面白いなと思って、この業界に興味を持ったんです。花の専門学校に通ってから、中目黒の花屋で働いて、3年前に転職してきました」

社員の半数ほどがアルバイトスタッフということもあり、正社員で入社し、経験もあった三浦さんは、すぐに店舗運営を任された。

「個人の花屋にはなかったチーム感がありますね。出荷計画も話し合って決めるし、ほかの店舗の手伝いにもよく行きます」

昨年からは、インナーブランディングで定めたクレドに基づいて、チームごとに毎月目標設定をするように。3ヶ月に一度の社員総会でその成果をプレゼンし、表彰も行っている。

「たとえば玉川店だと、今の時期の課題は、商品に虫が発生していたというクレームが多いこと。そのクレームをなくすことを目標を掲げて、産地を変えたり、出荷前のメンテナンスに時間を使ったりしました」

「この取り組みをきっかけに、チームとして着実に成長できている感覚がすごくあります」

なんでもまずやってみる社風は、三浦さんにとってはどうですか?

「自分自身が、何でもやってみる性格なんです。ダメだったらまた相談すればいいや、って感覚もあって。この前は社長と雑談するなかで、お店の外にウッドデッキをつくることになりました。うまくこの会社にハマってるのかな、とは思います」

 

「これじゃなきゃ、って決まっていることがあまりない会社で。アメーバみたいって言われることもあるんですよ」と、代表の木村さん。

「いろいろやってみて、都度いいほうを選びながら進んでいく。何か成し遂げたいことがあるわけではなくて。ずっと花屋を続けながら、一つずつ積み重ねて、10年後にもっといい形になればいいなって思っています」

目の前の必要なことに一つひとつ向き合いながら。フラワーキッチンは、働く人たちも、お客さんにも心地いい花屋のあり方をつくってきました。

木村さんたちの考え方・働き方に共感できたら。この花屋さんを、世の中に広めていく力になってほしいです。

(2022/8/1取材 増田早紀)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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