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先輩の背中を見て学べ。
仕事の現場でよく言われてきたことかもしれませんが、細かい所作や考え方など、言葉にしづらいことを他人と共有することは、とても難しく感じます。
経験・勘・根性で語られがちな「営業」の仕事も、そのひとつかもしれません。
成果に差が出てしまう属人的な営業活動や現場教育に真剣に向き合い、自らが考え動ける営業組織づくりを支援しているのが、株式会社マーケットヴィヴィッド。
主にボードゲームを使った企業向けの営業研修プログラムを提供している会社です。
営業ゲームと呼ばれるボードゲームを通して、目標達成に向けたPDCAサイクルを回し、組織全体での共通認識をつくり、言語化する。それによって、効果的に営業教育ができる仕組みをつくっています。
今回は営業部、企画部、業務部、それぞれのアシスタントを募集します。
最初はアルバイトとして入社。それぞれのライフステージに合わせて、アルバイトとして働き続けることも、正社員を目指すこともできます。営業の成長に伴走し、共に喜び支える仕事です。
8年生まで大学を留年した人。東大を卒業して就職するも、すぐに主婦になったお母さん。舞台俳優の活動をしながら働く人。それに元陸上自衛官や外国で教師をしていた人など。
個性も性格もバラバラな人たちが同じ方向を見て働けているのは、営業ゲームを通して得た仕事をする上での大事な考え方を共有できているからなのだと思います。
地下鉄の東銀座駅から徒歩6分ほど。昭和通りから少し脇に入ったビルのなかに、マーケットヴィヴィッドのオフィスがある。
オフィスに入ってすぐ、代表の藤井さんがハツラツとした様子で出迎えてくれた。
挨拶をして、さっそく会社の事業について話してくれる。
「営業職やマネジメント層向けに、ボードゲームなどのゲームを使った研修プログラムを提供しています。目標を達成するためにPDCAをどう回していくか、ゲームを通して擬似体験できるようになっているんです」
ゲームの形式は、モノポリーのような感じ。サイコロの目に応じて駒を進めながら、止まったマスごとにイベントが発生する。
たとえば、とカードを1枚見せてくれた。
「『重要キーマンが異動』と書かれていますよね。これが出ると、進めていた案件がなくなっちゃう。じゃあどうしようかって考えていく、っていうのがゲームの主な流れです。プレイヤーは複数の顧客・案件を同時に持っている状態なので、俯瞰した視点で仕事をしないといけない」
「1ゲームで4、5人がプレイできて、弊社のスタッフがファシリテートします。ゲームとフィードバックで、大体1日くらいかかりますね。ゲームを通して、営業のノウハウをマーケティング理論のように体系的に学べます」
藤井さんはもともとリクルートで営業を担当し、その後上司が経営する別会社に転職。そのときはじめて管理職になり、部下を持つ立場になった。
「自分のキャリアのなかで一番苦労したのが、営業の仕方を部下に教えるときでした。営業って、経験と勘と根性みたいな職種で、とにかく先輩の背中を見て覚えろって自分は育てられてきたんです。でも、それをどう伝えたらいいかわからなくて」
「同時に、この課題を感じているのは自分だけじゃないはずだと思ったんです。使命感を感じた、っていうのかな。そこから営業の仕事の体系化や見える化に取り組みました」
案件管理はどうするのが効率いいのか。目標達成のためにはどんな思考で物事を進めたらいいのか。
伝えたいことを整理していくと、今度はただ理屈だけを伝えても伝わらないという壁にぶつかった。
「役員のなかに、全日空グループからアメリカの小学校教師に転職した者がいまして。小学生に日本の文化を教えるという授業をやっていたんですよ。話だけだと生徒たちは全然聞いてくれないから、みんなで紙相撲をやってみたそうなんです」
紙相撲というゲームを通して相撲のことを知ることができるし、なによりやっていて楽しい。この「楽しい」というのが鍵だと、藤井さんは考えた。
どんなゲームで営業の仕事を伝えるか。
コピー用紙にゲームの構想を書くところからはじまり、4年かけてボードゲームの形にしてきた。
「入ったスタッフには、部署関係なくみんなにプレイしてもらっています。実は、いま働いているスタッフは、もともと知り合いだった人とか、アルバイトから社員になった人がほとんどで」
「今回アルバイトを募集しているのも、まずはお互いを知る期間が必要だよねという意図からなんですよ。どんな事業をしているのか、それはどんな思いで取り組んでいるのか。共感してくれる人と一緒に働きたい。だからまずは、飛び込んできてほしいなって思います」
続いて話を聞いたのは、営業の内田さん。アルバイトから社員になって3年目になる方で、営業ゲームのファシリテーションや、お客さんへの事前ヒアリングなどを担当している。
大学に7年半通っていたそうで、留年が確定した大学4年生のときに、サークルの先輩に誘われてアルバイトを始めた。
「働くことがすごく好きで、居酒屋と塾の講師のバイトを頑張りすぎました。最高で27連勤したりしてましたね」
「マーケットヴィヴィッドのことはまったく知らなかったんですけど、営業ゲームをやってみて、これは面白いなと。営業のことで悩んでいる人にもっと知ってもらいたいと僕自身も強く思って、入社することを決めました」
最初はアルバイトとして、研修を受けた受講生が書いたワークシートを文字起こししたり、グラフにまとめたりなど、社員のアシスタントとしていろいろな仕事を経験。
「研修が終わったあと、企業と受講者に提出するレポートがあるんですが、その内容をブラッシュアップするプロジェクトを社員と一緒に進めたことがありました」
「当時はアルバイトだったんですが、自分の意見もちゃんと取り入れてもらって。アルバイトっていう肩書きに関係なく、役割をもらえたことはすごくうれしかったですね」
基本的に、仕事内容に関しては社員とアルバイトの垣根はないそう。アルバイトでも責任ある仕事や、ゴールを自分で設定する仕事を任せられることもある。
隣で聞いていた営業の古川さんも、うんうんと頷いている。前職はweb媒体の営業職で、マーケットヴィヴィッドを担当していた。
「最初、代表と話したときのことはすごく覚えてます。思いが強すぎて、暑苦しいなって(笑)。あとは、営業研修のイメージがなかなか湧かなくて、どんな仕事をしてるんだろうって疑問に思ってましたね」
趣味で演劇活動をしていた古川さん。舞台に誘われることが多くなり、期限を決めて自分のやりたいことをやろうと、会社員を辞めてお芝居の世界に入った。
「お芝居だけだと食べていけないので、いろいろなアルバイトをしました。その一つがマーケットヴィヴィッドだったんです。この舞台で自分の納得できる芝居ができたらやめようと思っていたときに、社員にならないかって声をかけられて」
古川さんはフロント営業を担当している。
営業研修を提供する会社の営業だから、お客さんからの期待値は高そうですね。
「そうなんですよ。でも、そこまで気張らず、自分のできる範囲で精一杯、誠意は伝わるように心がけて日々取り組んでいますね」
「受講者のみなさんに育てていただいていると感じていて。うちの研修ってただやって終わりじゃなく、半年や1年あけてもう一度お会いするんです。そうすると、受講者のみなさんがすごく成長されているんですよ。その姿を見ることができるのは、もう本当にうれしくって」
今までの研修で印象に残っている人はいますか?
「40代の方で、上司によく怒られているって話してくれた方がいらっしゃって。研修でも理解に時間がかかって大変だったんです。ただ、その方の姿勢がすごく素直で真面目で、最後までやり通す方で」
「2年後くらいにお会いしたときには昇進されていて、今はもう5年くらい経つんですけど、支店の次長になっていました。そんなふうに、人の成長に関わることができると、すごく印象に残りますね」
最後に話を聞いたのが、アルバイトで業務部の加藤さん。業務部は主に事務作業を担っている部署なのだそう。
結婚後家庭に入り、お子さんが大きくなったタイミングで仕事を探し、マーケットヴィヴィッドを見つけた。
「翻訳や通訳のバイトを少しやっていたくらいで、職歴というものがほぼなくて。マーケットヴィヴィッドの募集にあった『未経験OK』という言葉に惹かれました」
マーケットヴィヴィッドに入る少し前、2ヶ月だけ別の会社でパートとして働いたそう。チャット中心のコミュニケーションと、パワーポイントやエクセルができて当たり前という空気に馴染めなかった。
「ここは本当に親切に教えてくれる会社だなって印象です。お仕事をいただいても、なんのソフトを使ってどう編集をしたらいいかわからなくて。ここは手取り足取り教えてくれて、質問もしやすい雰囲気なので本当に助かっています」
面接に時間をかけたり、ランチのときにお互いのことを話したり。真剣な議論もくだらない話含めた雑談もできる関係性が醸成されている。
「人間関係はいらない、仕事だけして帰りたいという人には合わないかもしれませんね」
「今はだいたい週に2.5日働いていて、それぞれの方の個性に合った仕事を割り振ってもらっています。わたしは、受講者さんの行動計画やワークシートのチェックを担当しています」
受講者の手書きの文字を読み解いて、書かれた内容にコメントを入れる。翻訳や通訳の仕事をしていた加藤さんの「言葉」を扱うスキルを見込んでの采配。
「自分の携わったことが実際の研修に活かされているとうれしいし、同時に『中途半端なことはできないな』と、いい意味で責任を感じて、それがやりがいにもなっています」
「アルバイトと社員さんが同じテーブルで働いて、やりたいと言えばアルバイトでもいろいろなことを任せてもらえます。役職とかは関係なく、尊重して真剣に向き合ってくれる。そういうところはわたしに合っているのかなと思ってます」
お話を聞いていると、アルバイトと社員で、働き方による差はほとんどないように感じました。それぞれが、自分の役割をまっとうして、共通認識を持ちながらともに働く人を尊重する。
他人の成長に伴走する仕事のなかで、自分自身も成長できる環境だと思います。
(2022/3/29 取材 荻谷有花)
※撮影時はマスクを外していただきました。