求人 NEW

アート、ファッション、音楽
食を軸に
神戸ブランドをつくる

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

アート、ファッション、音楽、料理。

それらすべてがノンジャンルで混ざり合う空間、カフェバー「TOOTH TOOTH(トゥーストゥース)」

自分たちがカッコいいと思う空間をつくりたい。そんな思いから、1986年に神戸で生まれました。

株式会社ポトマックは、「食」を中心にさまざまな事業を展開するクリエイティブカンパニーです。

「TOOTH TOOTH」をはじめ、スヌーピーでお馴染みの「PEANUTS」をテーマにしたカフェやホテル、本格派ティースタンド「THE ALLEY(ジ アレイ)」など。全国約100店舗の企画・運営をしています。

飲食店・ホテル運営のほかにも、イベント制作、商業施設のプロデュース、音楽の制作配信など。その活動は多岐に渡ります。

昨年には「TOOTH TOOTH MART STORE」というECサイトを開設。「ハレノニチジョウ」をコンセプトに、ライフスタイルも提案しています。

そして、今年の秋にはTOOTH TOOTH MART STOREをリアル店舗としてオープン。物販・小売事業は、はじめての挑戦になるため、手探りで進めている状況。

今回は、新店舗に関わるふたつの職種を募集します。

ひとつは、年間の販売計画を考えて、どんな時期にどんな商品をつくって売り出していくのか、全体を取り仕切るMD(マーチャンダイザー)。もう一つは、お店やECサイトで販売するケーキやチョコレートなど、新たな洋菓子商品を生み出す商品開発スタッフ。

どちらも、先陣を切って進めていけるような人を求めています。あわせて、新規事業を生み出す事業開発スタッフも募集します。

 

新神戸駅から地下鉄に乗り換えて一駅、三宮駅で降りる。

神戸といえば、異国情緒あふれる街並みが魅力の港町。

江戸時代から明治時代にかけて、イギリス、ドイツ、アメリカなどの居留地となっていた背景から、今でもさまざまな国の様式の建造物が残っている。

街並みを楽しみつつ、ポトマックの本社へ。

海に向かってメリケンロードをまっすぐ進むと、大きな魚のモニュメントとTOOTH TOOTHのお店が見えてきた。

住所はここであっているはずだけど、オフィスはどこだろう。辺りを探していたら、モニュメントとお店の間に入り口を発見。

なんだか秘密基地みたい。

中に入ってすぐ目に入ったのは、高い天井に広々としたロビー。ソファにテーブル、照明と、大きなサイズのインテリアが並ぶ。海外ドラマに出てくるような開放的でおしゃれな空間。

ソファに座って待っていると、「隣座っていいですか?」と代表の金指(かなさし)さんが気さくに声をかけてくれた。

アートやファッション、音楽などサブカルチャーが大好きとのことで、取材中もいろいろな固有名詞が飛び交う。

「若いときは、アパレル企業に勤めていて。当時はバブル後期かな。この時期ぐらいから、ファッションが佳境の時代に入りました。裏原文化とか、ソフトトラッドとか細分化されはじめて」

「同時に、音楽の要素が表現されたファッションが人気を集めていったんだよね。好きなアーティストの音楽を聴いて、その人のファッションを真似て、ライフスタイルも変えていくような感じ」

ショップ店員を経験したのち、服のデザインを任せられることになった金指さん。社長と一緒に全国を回っていたときに、東京を訪れる機会があった。

「ちょうど東京ではカフェバーのブームが来てたんです。カフェもランチもできて、お酒も飲める。みんなシャンパン飲みながら、ムール貝とか食べててさ。内装もコンクリート打ちっぱなしとかね。自分たちがかっこいいと思うデザインを実践しているんですよ」

「それを見て僕は、カフェバーはただ飲み食いするだけの場所じゃなくて、ファッションなんだと思ったんです」

ファッション?

「もっと言えばクリエイティブな自己表現。食を中心に、器、インテリア、内装、店内にかける音楽、制服、アート。サブカルと飲食を組み合わせて表現すると、めちゃめちゃクリエイティブでかっこいいんだって思って。それがきっかけで自分もやってみることにしたんです」

そうして、1986年にオープンしたのがカフェバー「TOOTH TOOTH」

10坪ほどのお店で、自分がかっこいいと思う空間をつくっていった金指さん。はじめは、お客さんも少なかったけれど、徐々にサブカル好きの人たちで賑わうように。

その後も、ジャズバーやフォトギャラリーを開業するなど、自己表現の場を増やしていった。

そんなときに起こったのが、1995年の阪神淡路大震災。

経営していたお店はすべて倒壊。唯一残ったのが、TOOTH TOOTHのお店だった。

「そのときはカフェバーじゃなくて、ありあわせの材料で定食屋みたいなことをやっていたんです。生きていくためにできることをしようってことで。そしたらある日、老夫婦が来てくださって。僕たちのつくった定食を食べて、『ありがとう』って泣くんですよ」

「この温かい感じ、胃袋を満たす感じは格別だなって。『食』は、お腹を満たすだけじゃなくて、心も満たすんだって、そのときにはじめて理解したんです」

クリエイティブの魅力と、食の持つ力に気づいた金指さん。このふたつを組み合わせていこうと方針を決め、さまざまなお店を立ち上げていった。今では45個のブランドで、全国約100店舗の企画・運営を担うほどに。

今回新しく出すお店は、物販・小売というTOOTH TOOTHブランドの新業態。

その世界観を知れたらと、実は取材前に洋菓子屋「PATISSERIE TOOTH TOOTH」へ足を運んでいた。

1階ではケーキなどの洋菓子を販売していて、2階がカフェになっている。

カフェでケーキを食べていると、心地のいい音楽が流れてくる。昔の海外映画を想起するようなどこか懐かしい雰囲気が印象的だった。

どんな意図でお店をつくっているんだろう。

「1番はノンジャンル。『食』って、やっぱり五感で感じるもの。ボサノバがかかって、クラシックもかかってロックもかかって。ジャンルは違うものでいいと思うんです。それが聞く人にとって気持ちいいと感じてもらえるどうか」

「僕自身はTOOTH TOOTHスタンダードって呼んでいるんですけど、上質でインテリジェンスがあって、気持ちが豊かになる。そういうものを流していきたいと思っています」

続けて教えてくれたのが、提供している料理の話。

ポトマックが手がける料理の根っこには、フランス料理がある。それは、昔から一緒に仕事をしてきた総料理長がフレンチ出身だからなのだそう。

TOOTH TOOTHで提供しているケーキも、パリジェンヌたちがタルトを食べる様子に感化されて、細長い形のケーキにしているとのこと。

洋菓子の商品開発に携わる人は、そういった文化も加味しながら新しい感性でものをつくっていってほしい、と金指さん。

「パリっていうエッセンスはあるんですけど、その上にいろいろと要素を加えているんです。僕自身の趣味志向とか、おしゃれでかっこいいと思うものとか。重なっていくイメージ。で、それって実は神戸というまちと同じなんですよ。貿易港だった歴史から、いろんな国の文化が養分になっていて」

「震災をきっかけに建物は失われてしまったけれど、その養分は残っています。なのでTOOTH TOOTHっていうのは、いわば神戸ブランド。いろんな世界観のエッセンスが混ざっていることを大事にしたいんです」

 

今回新しくオープンする「TOOTH TOOTH MART STORE」も、その神戸ブランドのDNAを引き継ぎつつ、新しい価値を生み出してくものになる。

プロジェクトの背景について教えてくれたのは、MDチームの森野さん。新しく加わる人にとって一緒のチームで働くことになる方で、明るく穏やかなトーンが心地いい。

「関西出身で。学生のときから、ポトマックが運営するカフェに通っていたんです。ちょうど20年前ぐらい。出している料理はもちろんなんですけど、内装、音楽、働くスタッフさん、すべてが心地よくて」

「飲食業界で働くつもりはなかったんですけど、こんな五感を刺激するところで働いてみたいなというのがスタートでした」

はじめはお店のサービススタッフとして入り、店舗責任者、エリアマネージャー、新店舗の立ち上げなどに携わったのち、今回の新規事業の担当に。

あらためて、どんなお店になるんでしょうか。

「『食+ライフスタイル』を新たに提案していきたいという思いがベースにあります。今まではお客さんに来ていただいて、お店の空間を楽しんでもらうことが一番大きかったんですが、それをおうちでも再現できるようにしたいと思っていて」

「TOOTH TOOTHの世界観や食の楽しさを感じていただける仕掛けをつくっていきます」

お店の機能としては、物販ブースとイートインができるカフェスペースのふたつ。

昨年からはじめたオンラインストアで販売している商品を、リアル店舗でも販売していく。

今はケーキやパスタ、ローストビーフなど、お店で出している商品をパッケージ化して販売しているけれど、今後はコンセプトに合わせた商品開発を積極的に進めていきたい。

たとえば、石鹸やキャンドル、おうちで楽しめるパウンドケーキのキットなど。

TOOTH TOOTHの雰囲気が伝わるものを一から商品化していく。MDに限らず、洋菓子の商品開発担当にも同じことが言える、と森野さん。

「物販・小売事業は、今までやったことがなくて。販売のノウハウや、年間の戦略、商品開発の仕方も含めて、現状は手探りの状態で進めています。そういった一連の流れをノウハウとして持っている方に来てほしいですね」

 

最後に話を聞いたのは、同じくMDチームの内ヶ崎さん。森野さんと同じように、ポトマックが運営しているお店に憧れて入社した。

「最初の4年間は、ずっとこの隣のお店でホールの業務に携わっていました。貸切でウェディングパーティをすることもできるので、打ち合わせから当日のアテンドも経験しましたね」

その後、ミュージアムショップの立ち上げに関わったのち、MDチームへ。まだチームに加わってから10日ほどとのことで、気持ちの上でもバタバタしているとのこと。

新店舗が出来上がったあとは、実際に店頭の接客に移るそうなので、お客さんの声を聞きたいときは内ヶ崎さんとコミュニケーションを取る機会も多いと思う。

「ずっと神戸に住んでいたのもあって、TOOTH TOOTHはすごく身近な存在でした。親がよく買ってきてくれていたので、夕食の後にケーキを食べたり。生活に溶け込んでいるというか、特別なものっていう感じではなかったんです。でもあったらうれしい、みたいな」

「新しい形態の店舗ということで、もちろん不安はあるんですけど、同時にすごく楽しみで。新しく入る人と一緒に頑張ってお店をつくっていけたらいいなと思ってます」

 

まだまだ新しく始まったばかりのプロジェクト。一から自分たちでお店をつくっていく経験は、とても貴重なものだと思います。

食を軸に、クリエイティブに働きたい方。この場所には感性を生かしつつ、挑戦できる環境があります。

(2022/07/20取材 杉本丞)

※撮影時は、マスクを外していただきました。

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