求人 NEW

中庭の緑を眺めながら
ほどよくひとりで働く
健やかな食料品店

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

個人店のカウンターやスーパーマーケットのレジで、楽しそうに会話する人をたまに見かける。

常連さんなのか、料理の感想やお礼を伝えているのか、なんなのか。そんな光景に出会うたび、じんわりと温かい気持ちになります。

とくべつな一日の、とくべつなおもてなしもうれしいもの。だけど、日々の何気ないやりとりを交わせる相手がいること、そこから元気をもらえるような時間も、いいものです。

焼き物のまち、長崎・波佐見でオープン8年目を迎えたGROCERY MORISUKEは、そんなふうに地域の毎日をつくるお店になりつつあります。

店内に並ぶのは、オーガニックや無添加の食品。塩や砂糖といった基本の調味料に加えて、めずらしいスパイスや各国のワインなど、独自にセレクトした“ちょっといいもの”を揃えています。

今回はこのお店で働く人を募集します。

おいしく、楽しく、体にいいものを。そんな価値観を大事にしてきた人に似合うお店だと思います。

 

長崎空港から、車で50分。太陽を反射してキラキラ光る大村湾を横目に、北へ向かう。

波佐見のまちなかを走っていると、「〜窯」や「〜陶器」という看板をよく見かける。このあたりはもともと400年以上の歴史をもつ焼き物の産地で、中尾山という地域には、全長約170mの世界最大級の登り窯もある。

そんな波佐見で2番目の規模を誇った窯元の跡地を活用したのが、「西の原」というエリア。

事務所や絵付場として使われていた建物を利用し、カフェ・レストランや雑貨店、ボルダリング施設やギャラリースペースなどが次々に誕生。波佐見町の主要な観光スポットのひとつになっている。

その一角にあるのが、GROCERY MORISUKE。オーガニックや無添加の食料品を扱うお店だ。

店名の“モリスケ”は、この一帯を運営する西海陶器株式会社の会長・児玉盛介さんの名前から。

今回は、オープンから8年目を迎えたこのお店を切り盛りしていく人を募集したい。

まず話を聞いたのは、お隣の雑貨店「HANAわくすい」の店長を務める森村さん。

「今はGROCERY MORISUKEの専任者がいないので、⻄の原のスタッフみんなで運営しています。わたしは道具も好きなんですが、食べることも好きで。自分がいいなと思えるものをお客さまにご紹介できるのは、共通している部分ですね」

店内には、種類の豊富なスパイス、さまざまな国のナチュラルワインやクラフトビール、塩や砂糖、オリーブオイルなどの調味料。

トマトソースひとつとってもいろんな種類があるし、とても長いパスタやピタパンなど、ちょっとめずらしい食材も揃っている。

「GROCERY MORISUKEの品揃えは、最初見たときにびっくりしたんですよね。ここまで豊富に揃っているお店って、都市部でもなかなかないんじゃないかなって」

割合としては、輸入食料品が多い。オーガニックや無添加という軸に加え、パッケージもポップで、見ていて楽しくなるようなものをセレクトしている。

これまでインテリアや、輸入もののキッチン用品などを扱うお店で経験を積んできた森村さん。

直近は、大阪の百貨店内のアパレルショップで8年ほど店長を務めていた。

「コロナ以降はECが忙しくなって、家でも常に仕事しているような感じで。人と接するのが好きで店頭に立っていたのに、何してるんだろうなって、ずーっと思っていたんですよ」

そんな状況を離れようと、会社を退職。3、4ヶ月ほど休みつつ過ごしていたときに、日本仕事百貨でHANAわくすいの募集を見つけた。

「自然に囲まれている感じが気に入ったのと、バイイングの経験もあったので、お役に立てるんじゃないかと思って応募しました。1月に神戸から引っ越して、今はお店まで10分かけて自転車で通っています。朝日を浴びながら来て、夕焼けを見ながら帰る。少し戸惑いつつも、こんな生活もいいかなってじわじわ感じてきているところです」

森村さんは以前、オーガニック食材を扱うお店の立ち上げを手伝ったことがあるそう。

オーガニックや無添加の商品は、品質が高い一方で、値段も高く、気軽に手に取りにくいイメージがある。そのあたりのハードルを感じることはありますか?

「10年前は、もっと特別なものだったと思うんです。でもそこから、生産者さんで決めたり、無農薬のものを選んだりする土台が、ある程度できてきて。身近に感じてもらいやすい風潮は生まれているのかなと思います」

SDGsの考え方が広まり、フードロス削減に取り組む大手企業なども増えてきたことで、賞味期限が迫った商品のセールもしやすくなった。

お客さんも、前々から気になりつつ手に取れなかった商品を試すきっかけが生まれ、結果として商品のロスも減る。win-winの関係性が少しずつ形になってきているという。

「食は毎日のことだから、リピートしてもらいやすい。今はオンラインでなんでも買えるけど、スタッフの接客や場所の雰囲気を大切にしながら、生活に根ざしたお店にしていきたいですね」

西の原にはエリア内共通で使えるポイントカードがあって、1、2枚目のお客さんから、なかには20枚目以上になる方までいるそうだ。

周辺にカフェやレストラン、雑貨店などが集まるこの場所だからこそ、何かのついでに立ち寄ってもらいやすい側面もあると思う。ほかのお店とも連携しながら、ふらっと訪れたくなるエリアをつくっていきたい。

 

「引っ越して何ヶ月経ったの?とか、こっちでの暮らしはどう?とか。お客さんのほうから声をかけていただくこともありますね」

そう話すのは、HANAわくすいのスタッフの牧野さん。

日本仕事百貨の記事を読み、森村さんと同じタイミングで入社。GROCERY MORISUKEのシフトに入る機会も多いという。

「いらっしゃい、また来たよっていう、個人店のような距離感が好きで。お店単体というよりは、地域のなかでの場づくりがしたかったんです。その基準で求人を探していたら、ここに辿り着きました」

以前は大手スーパーマーケットの惣菜コーナーのマネジメントなどを担当していた牧野さん。

当時はとても忙しい環境で、売り場の惣菜を買って食べることも多かった。

ここに来てからは、時間に余裕が生まれたことで、自炊をする機会が増えたという。

「お塩もこんなに種類があるんだ、このハーブティーおいしいな、とか。ここで買ったものを、自分自身が楽しむようになりましたね。このあいだはオレンジワインを買って家で飲んだら、すごくおいしくて。ハマりそうです」

「味を知らないとおすすめできない、でも全部を買うことはできない。それで、社内におすそわけの文化があるんです。いっぱい入ってるものを買ったら、ちょっと食べてみて、みたいな感じで」

おすすめを聞いてみると、「このレモンフレーバーのマスタードが好きで」「ピタパンも隠れたロングセラーですよね」といろいろ教えてくれるおふたり。

やっぱり、まずは自分で食べること、いろんな食材を試すことを楽しめる人だといいなと思う。その気持ちは、自ずとお客さんにも伝わってゆく。

「わたしは、この会社のアットホームな感じが好きで。LINEグループで『ナス100円ですけどいる人いますか?』ってメッセージが来たり、徳永さんっていう親戚のおじさんみたいな方がいて、『こういうのがほしいんですよ』って言ったら棚をつくってくれたり」

いいですね。お店同士の距離感だけでなく、働く人同士の関係性も近いように感じます。

「セールのポップづくりやInstagramの発信はスタッフの原さんががんばってくれているし、徳島さんは写真が上手。各々が自分の好きなこと、得意なことでお店を支えている感じはありますね」

いいと思ったことはすぐに反映できる環境。一方、上からの指示があるわけではないので、自ら判断して進めていく決断力は求められる。

今回募集する人は、基本的には今後ひとりでGROCERY MORISUKEを回していくことになる。周りの意見を聞きながら、自分のペースで進めていきたい人。ほどよくひとりが好きな人は向いているかもしれない。

一日の流れは、おおよそどんな感じでしょうか。

「9時15分にお店に来て清掃をして、陳列を整理したり、商品の補充をしたり。オープン後は接客をしつつ、空いている時間帯は商品のことを調べたり、SNSを更新したりします」

数ある商品のなかでも、ワインは質問されることが多いもののひとつ。

産地や製法、ぶどうの品種による味わいの違いなど、さまざまな変数があって奥が深い。専門的な資格までは問わないものの、興味を持って向き合える人だといい。

ゆくゆくは、新しい商品の仕入れなども担ってほしいとのこと。

展示会に足を運んだり、おいしいものを見つけたら、直接メーカーに問い合わせたり。商品のセレクトや買い付けに関しては、お店の立ち上げから関わっている専属のバイヤーさんが都内にいるので、相談しながら進められるはず。

接客に関しては、森村さんがHANAわくすいの店長になってから、心がけていることがあるという。

「以前は自由に見ていただいて、何か質問を受けたらお答えする、という雰囲気のお店でした。でも、説明しないとわからない商品もけっこうあって。今はお客さまの様子を見つつ、こちらからも声をかけていく接客スタイルを意識しています」

コロナ前までおこなっていた店頭での試食販売は、今はなかなかできていない。その代わり、屋外の空間を使ったマルシェイベントなどを企画することで、感染対策をとりながら、新しい形で交流を生むこともできるかもしれない。

「今年の陶器祭りでも、店頭のおすすめの商品を使ってインドカレーをつくって販売しました。波佐見の人って、かなりお祭りが好きみたいで。地元に根づいた明るいお店づくりをしていきたいです」

それぞれ新潟と神戸から移住してきた牧野さんと森村さん。

私生活の面では、ギャップはないですか。

「車を持っていないので、移動は基本的に自転車ですね」と牧野さん。

「隣町の嬉野のおいしいパン屋さんを教えてもらって、片道1時間かけて行くこともあります。きついけど、自分が食べたいものを餌にがんばっています(笑)」



波佐見町には鉄道が通っていないため、免許と自家用車はあったほうが便利。おふたりも、生活できないわけではないけれど、そろそろ買わなきゃねと話しているところだそう。

西の原の運営母体である西海陶器株式会社には、全国各地から移住してきて働いている人も多い。車や住まいのこと、地域コミュニティとのつながりなど、私生活の面でのサポート体制もしっかりしているので、地方暮らしがはじめての人も馴染みやすいと思う。

「わたしは、仕事をしていて緑が見えるのが好きで。こういう環境で、自分が好きだなって思えるものを販売できるのは、このお店のいいところだなと思います」

自分の感覚やペースと、地域を流れる空気感。うまくその波長が合えば、気持ちよく働ける環境なんじゃないかな。

よければぜひ、一度お店を訪ねてみてください。

(2022/8/29 取材 中川晃輔)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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