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だったらいいね
想いをカタチにする
まちづくり

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

市民、企業、行政。さまざまな立場の人が入り混じるから、「まちづくり」はむずかしい。

そんな現場へ飛び込み、まちで暮らす人、それぞれの立場を踏まえながら解決策を導き出していくのが、まちづくりコンサルタントという仕事です。

街角企画は、大阪を拠点とするまちづくりコンサルティング会社。主に京阪神地域で、さまざまな都市、地域でのまちづくりを支えています。

今回は、ここでまちづくりコンサルタントとして働く人を募集します。中途採用希望者や2024年3月期新卒者向けの定期採用です。

経験者のほか、まちづくりや地域活動に関わった経験がある方、大学や大学院等で学んだ方で、現場にどっぷりと関わりたいという方なら、未経験でも活躍できる職場だと思います。

 

大阪・中之島。街角企画のオフィスは、天満橋、大阪天満宮駅から歩いて10分ほどのビルの4階にある。

目の前には大川が流れていて、川岸には公園が広がっている、きもちのいい場所。

エレベーターで4階へ。

代表の山本さんが迎えてくれた。

「学生時代は、海外に留学して建築家になろうと夢見てたんです。けれど、大学4年生のときに阪神淡路大震災があり、当時指導を受けていた先生とともに、復興支援に携わりました」

「最初は、建物をどう再建するかという視点で被災地に入りました。でも、まちが大きく様変わりした大震災のなか、被災者の方の関心は建物そのものじゃなくて、そのまちに住みつづけたいかどうか、に向いていて。そこで、建物をつくることより、まちと人との関わり方に興味を持つようになったんです」

その後、復興支援でお世話になっていたまちづくり会社に就職し、さまざまなプロジェクトを経験したのち、独立。2004年に街角企画を立ち上げた。

仕事は、自治体からの委託業務が多く、大阪や京都での仕事が多いそう。

「僕らの仕事は社会課題を解決すること。そのため、社会のトレンドに左右されます。景気がわるくなるとまちを活性化するプロジェクトが増えるし、大きな災害のあとは防災関係の仕事が増えます。市民の関心の高いときにこそ、取り組むべきチャンスなんです」

「ただうちで一貫しているのは、市民と一緒に計画を立てていくというスタンスです。そこはこだわりでもあり、街角企画というネーミングの所以ですね」

世の中のトレンドに左右されるということですが、現在はどんなお仕事が多いんでしょう?

少し前の業務ですが、現在、大きなボリュームを占める大阪市内の業務に通じるので、と話してくれたのが、豊中市の地域コミュニティ改革。

毎日通る道の街灯が切れていて、ゴミも落ちている。夏休みのイベントもなければ、歳末の餅つきもない。将来そんなさみしい地域にならず、居心地のよい地域であってほしい。

「ここでの社会課題とは、地域コミュニティの弱体化です。難しいのは、どんな地域が居心地よいのかは、地域によって、そこに暮らす人々によって異なるということ。なんか気が合うよね、なんか気持ちいいよね、なんかうまくいくよね、という仲間だったり、場だったりありますよね。自分たちの環境をそのようにしたい、しようという動き=「まちづくり」が自然に生じる地域、それを支える地域コミュニティを再構築した仕事です」

まずは、有識者の委員会での検討結果を受けて、「あなたのまちでご近所付き合いはありますか?」「地域活動は活発ですか?」と市民に問いかけるパンフレットの作成からスタート。

その後、行政側のしくみづくりと地域側の組織づくりや計画づくりを並行してサポートした。

「だれもが、自分のまちをよくしたいという想いは少なからず持っています。その想いをもう一歩踏み出してもらうための、シクミづくりを実践するプロジェクトでした」

「ほかには、マンション単位での防災対策を普及したプロジェクトがあります。2019年の大阪北部地震のとき、タワーマンションをはじめとするたくさんのマンションで停電が生じました。そのタイミングで『マンション単位で防災の取り組みをしませんか?』と周知したところ、一気に防災対策への取組みが広がったんです」

長年さまざまな地域でまちづくりをサポートしてきた街角企画。最近のプロジェクトの増加もあり、即戦力を求めている。

でも、これまでの求人では、入ってからのミスマッチも少なくなかったのだとか。

「仕事柄、夜や休日に会合やイベントが多くなるのは仕方ない部分もあって。そのぶん、平日に代休をとってもらう形にしています。ただ、自分でうまくスケジュール管理できないとしんどいですよね」

「あとは、コミュニケーションスキルの問題です。業種でいえば、公務員、住民、商店街の店主もいれば、製造業の社長さんもいます。年代では、お年寄り、ファミリー世代の方、子どもさん、まちに関わる人には、やさしい人もいれば、ちょっと怖い人もいたり(笑)。とにかくいろいろな立場の方と話すので、自身の考えやスキルをしっかり持った上で、丁寧に耳を傾け、気さくに話しあえないと仕事が進みません。対話ですね」

とはいえそれは、特別なスキルというわけではない。

たとえば自治会の清掃活動をしたことがあるとか、子ども会のソフトボールに参加していたとか、盆踊りに毎年行っていたとか。一市民としてまちのコミュニティ活動に関わってきた経験があれば、すっと馴染みやすい仕事だと思う。

「最近でいうと『エリアマネージメント』という言葉を、自身の言葉として説明できる人だといいかもしれないですね」と、山本さん。

 

つづいて話を聞いた原田さんは、地元・岡山への想いが原点となってまちづくりに携わるようになった方。

「東日本大震災が起こったあと、地元の商店街で募金活動をしたんです。そのときに閑散としたシャッター商店街をあらためて見て、このままだとよくないと思ったんですよね。そこからまちづくりに関心を持つようになりました」

大学でまちづくりを学んだ原田さん。さまざまな地域で幅広い仕事を経験したいという想いから、8年前に街角企画へ入社した。

ある小学校の統廃合プロジェクトが印象に残っているという。

「新しく建てる学校をどんな場所にしたいか、小学校の先生や地域住民の方、そして建築設計の方とワークショップで話し合う時間をつくることになって。そのとき入ってまだ数ヶ月だったんですけど、ひとつのテーブルのファシリテーションを任されて」

「地域の人のなかには、そもそも統廃合に反対の人もいて、ひとりでその場を担当するのはすごく緊張しましたけど、いい経験になりました。小学校って、もしかしたら地域で一番思い入れの強い場所ですよね。そんな大切な場所のあり方について、熱心に携わる人たちとの本気の話し合いの場を乗り越えたから、ほかの業務でファシリテーターを任されても、自信を持って取り組めるようになりましたね」

すると、隣で話を聞いていた山本さん。

「話し合いをしていると、前提をひっくり返す意見が出ることもよくあるんです。でも、そういう意見も言ってもらった上でどうしていこうか?と考えていくことで、本質的な議論ができるんです。説得することはできませんが、納得してもらわないとまちづくりは進みません」

「不満や文句を言える場面をつくってあげるというのも、ワークショップを運営するコツだったりします。まちづくりのワークショップでは、プロセスデザイン、プログラムデザイン、場のデザインが大切ですが、本気で考え、意見が言える場を丁寧に組み立てないと、どこかで大きな対立が生まれ、プロジェクトは空中分解してしまいます」

会議やワークショップをうまく進めるためのテクニックも、もちろんある。

ただ、話を聞いていると、それ以上に会話の流れや意図を察知する力が必要な気がする。

原田さんは、仕事のなかでどんなことを意識していますか。

「わたしの場合は、そこがどんな地域で、なにが課題なのか、事前準備を経てしっかり把握することでしょうか。初めての会合での最初の一言って、すごく見られていると思うんです」

試されている、みたいな感じでしょうか。

「そうそう。最初の一言で、なにをどんなふうに話すか。なんなら、あいさつのところから、コミュニケーションは始まっていて」

「重たい話のときも、表情は明るく、最初のあいさつは元気よくっていうことを大切にしています。いい印象を持ってもらって、この人たちとなら一緒にできるかなって思ってもらう、それがすごく大切だと思っているので」

スタッフは5人と少人数。日常の些細なことから大きな困りごとまで、相談し合える関係だそう。

「山本とも雑談や相談を気軽にしています。あとはうちの看板猫のリーチくんですね。行き詰まって仕事にならないときは猫と遊びます(笑)。それに現場はひとつじゃないので、別の現場で地域の人としゃべって息抜きしたり、そういう切り替えはしやすいのかなと思います」

原田さんは、どんな人に来てもらいたいですか?

「探究心がある人。いろんな地域でいろんなテーマや課題に向き合うことでわかってくることも多いので、最初の一年目はなんでもやってみる気持ちが大切なのかなと」

「やってみたいですって、自分から関心をもってくれる人がいいですね。もちろんひとりで取り組むんじゃなく、簡単な仕事ではありませんが、なにかあったらわたしたちがフォローするので前向きに取り組める人に来てもらいたいです」

 

最後に話を聞いたのは、3年前に入社した林さん。山本さんと原田さんに見守られながら、今まさに経験を積んでいるところ。

「もともと、地元の和歌山で働いていて。まちづくりのボランティアに参加していたんです。自分の暮らすまちを自分たちで変えることができるって、こんなにおもしろいんだって感じて」

キャリアを重ねながらも、まちづくりへの興味を温めていた林さん。そんなときに見つけたのが、街角企画の募集だった。

「和歌山でボランティアをしていたときは、自分たちがおもしろいと思うことを、フットワーク軽く形にしようっていう雰囲気だったんです」

「けどここに入ってからは、補助金関係の書類をチェックするとか、議事録をとるとか。一つひとつ、筋道を立てて積み上げていく地味な仕事がまちづくりを支えていて、プロジェクトを形にしていくために必要なことなんだって気づかされましたね」

新しく入る人は、地域活動の支援窓口であるまちづくりセンターの運営業務を最初に担当することが多い。

「まちづくりセンターの仕事って地域との距離感が近くて、地域の人たちのやさしさや地域活動の実際のところを知るきっかけにもなるんです。子どもたちの餅つき大会があったり、会館で寄席を企画したり、手づくりのお料理を食べていただきながら交流を深めてもらったり」

「子どもからお年寄りまで楽しめるいろんな催しがあって、暮らす人たちが生き生きとしている。そんな様子を見ていると、地域でがんばっている人たちを応援したいと自然に思えるんですよね。私自身、大阪のまちがどんどん好きになってます」

「街角で考え、街角からはじめよう」

街角企画というネーミングにはそんな姿勢が表れているんだと、山本さんは話してくれました。

地域に伴走して、よりよい暮らしづくりをサポートする。仕事を通じて思い入れのある“街角”が増えていくのも、ここで働くおもしろさかもしれません。

(2022/6/6 取材、2023/4/26 更新 稲本琢仙)

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