求人 NEW

楽しんで、突き進む
社長の隣で
富山の木をもっと面白く

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

山からまちへ。

木がどんな道を辿って私たちの生活に役立てられているのか。知らないことも多いと思います。

その過程で重要な役割を担っているのが、「製材所」。山から切り出してきた丸太を製品へと加工する場所です。

富山県の入善(にゅうぜん)。海と山に囲まれた自然豊かなこの地で、製材から建築設計・施工まで手がけているのが、米澤製材所です。

得意としているのは、国産材・県内産の材を使った住宅やカナダ産無垢材を使ったダイナミックな家づくり

ほかにも、樹形、レジンをいかした無垢材、一枚板のカウンターやテーブルは、国内外の五つ星ホテルや高級レストランに納入。

東京・蔵前には、米澤製材所の別ブランド「kanejin」世界各国のサニタリーブランドの輸入代理店も展開し、木や住まいにまつわる世界中の良いものを発信しています。

今回募集するのは、代表の米澤さんの右腕として、木を使った新しい事業を企画・運営する人と、製材工場で働く人。米澤さんとともに、製材所の新しい在り方を模索していく人を探しています。

新規事業の開拓担当は、東京と入善の二拠点で働くこともできるとのこと。

ほかにも現場監督・営業・設計など、いくつかの職種で募集中です。まずは米澤さんたちの考え方を知ってほしいです。

 

東京駅から北陸新幹線に乗って2時間。黒部宇奈月温泉駅で降りる。

米澤製材所の本社がある入善へは、ここから車で20分ほど。

右を見ると綺麗な北アルプスの山々、左側には真っ青な海。最高のロケーションだ。

事務所に着くと、代表の米澤さんが迎えてくれた。

「外に置いてある木見たでしょ? 本当はもっといっぱい置いてあるんだけど、今は北洋材、いわゆるロシア材が入ってこないから、これでもスカスカなんだよ」

たしかに敷地の大きさを考えると、木がもっと置いてあっても不思議じゃない。とはいえ、積まれている丸太の迫力はすごい。

米澤製材所では、北洋材や国産材、富山県産材だけでなく、カナダやイタリアなど、世界各国の木を仕入れて加工してきた。

「9月の頭にカナダ、末にイタリアに行ってきて。12月にも行く予定があるね。

イタリアのブーツの先っちょのところに、いいオリーブ材があるんだよ。今回は行けなかったんだけど、次はそこも見にいこうと思ってる」

「今はさ、電話一本で問屋から届く、みたいな仕組みができているけど、やっぱり自分の目で見るのが大事で。下手したら、商社が大量に仕入れたものを日本で買ったほうが安い可能性はある。でも、ちょっと変わったいいものは、自分で見つけるのが一番なんだよね」

直近だと、木材の価格が世界的に高騰するウッドショックもあった。だいぶ落ち着いてきたものの、今はさらに円安が重なり、海外材自体が高騰しているという。

「今まで110円で買ってたものが、145円とかになってる。輸入もやっぱり止まるよね。そうすると、国内産の材を使おうとなるわけよ。国の方針も、極力国産材でまわしましょうよってなってる」

「食糧も同じだと思うけど、だんだんと国内産のものを使おうっていう流れがきているよね。だからそれに対応していかないといけない」

世界の大きな流れのなかで、国産の木材をどう使うか。米澤さんは新しいチャレンジを始めようとしている。

「やっぱり突き進んでいかないといけないし、変えていかないといけない。だからうちも、富山県産材をどんどん使っていきたいと考えていて。それは今回の募集にもつながっていることなんだよね」

今回メインで募集したいのが、新しい事業を企画する、米澤さんの右腕。

米澤製材所では、山から仕入れた丸太を製材するだけでなく、自分たちで設計や建築まで手がけている。その過程で、新しいことができないか考えているところなのだとか。

「製材や建築をするなかで出てくる、おがくずとか木材チップとか端材。たとえばバイオマスエネルギー事業なんかには活用しているんだけど、そういったことを僕の代わりにプロデュースしてくれるとすごく助かる」

「ジブリで言ったら鈴木さんみたいな人だよね。そういう人がほしい(笑)」

今動いているプロジェクトの一つが、木育。最近はとくに、学校や企業から木育のツアーをしてほしいという依頼が増えているそう。

「この間もコロナ禍で県外に行けないからって、近所の高校から木育のツアーを頼まれて。うちの山で植林して、山で木を伐っているところを見せてあげて。ある意味コロナ禍じゃなかったら生まれなかった企画だから、若い子に見せてあげられたのはよかったんじゃないかって思ってる」

ほかには、「サイコロ」という小屋キットのプロジェクトも進行中。

富山県産材を使ったもので、規格寸法2m角~4m角で金物を使い、簡単に組み立てできるキットとして販売する、というものだ。

ポイントは、接合金物をセットにすることで、職人の技術がなくても組み立てられるところ。壁は板金でも木板でも、好きなものを組み合わせることができる。

「富山にある公園の管理棟をサイコロでつくったり、野沢温泉のバスターミナルをつくったり。サイコロはもっと売り出していきたいんだよね」

そのほかにも、住宅建築のノウハウを活かし、キャンピングカーやキッチンカー、サウナカーの製作も行っている。最近では、サウナカーを北海道に納品したそう。

規格品ではないので、購入者の好みに合わせて内外装を自由に選定したり、用途に合った必要な設備を搭載したりできるため、完全オリジナルで唯一無二の車が次々と誕生している。

現在企画進行中なのは、オフグリッドのキャンピングカー。自由に移動できるだけでなく、発電システムや蓄電池、HEMSを搭載することで、どこにでも滞在できるスマートハウスになっている。

さまざまなジャンルの人との関わりのなかで、新しいアイデアや商品が生まれているようだ。

米澤さんは富山県の木材組合の会長も務めていて、木材利用に関するトークショーやイベントに呼ばれることも多い。また、多くのデザイナーや建築家とも親交があり、東京での仕事も多いそう。それらの下準備は、東京のスタッフも一緒に手を動かして進めている。

そういった段取りも、これからは新しく入る人に任せていきたい、と米澤さん。

取材中も、視察の依頼が来たり、その準備でホテルを押さえたりと、忙しそうにしていた。右腕が一人いるだけで、米澤さん自身、もっと必要なところに力を注ぐことができると思う。

「新しい企画も、いろんな人を巻き込みながらつくりたいと思っていて。入善と東京とか、常に飛び回ることになると思うから、やっていて面白い仕事だと思うよ。いろんなところに顔を出してコミュニケーションすることになると思う。自分で企画を考えてもらうのも歓迎だから、いろいろチャレンジしてほしいね」

働き方についても、柔軟に対応したいと考えているそう。

「たとえば週の半分入善にいて、もう半分は東京、とかでもいい。交通費はかかるけど、新幹線だって往復で2万ちょっとだし、この辺ならアパートもある」

「企画とかの経験を積んできたハングリーな人が来てくれたらうれしいよね。あとは山とか海が好きな人が来たら、最高に楽しい環境だと思うよ。川遊びもキャンプも釣りもなんでもできる。うちで働いている職人も、ラフティングやスキーのインストラクターがいたりするから」

新しい事業の構築に加えて、最近は工場自体のレベルアップにも着手している。

事務所の隣にある工場は全面改装中で、来月には新しい機械を入れるのだとか。

「たとえば保育所とか公共的な建物をつくるときには、JAS規格に則った材料を使わないといけない。うちも今JAS認定の工場ではあるんだけど、今は目視等級という区分なので、そのもうひとつ上の規格、機械等級っていうのを取りたいと思ってる」

「新しい機械はそのためのもので、コンピュータで木のなかの水分含有率や強度を自動的に測って印字してくれるわけ。それがないと、JASの機械等級はとれない。来月くらいには入る予定だから、それに合わせて工場自体も改装してるところなんだ」

これまでは、JASの機械等級を求められると、遠い製材所まで行って機械を借りなければいけなかった。

「うちが機械等級を取れたら、この辺の製材所さんも楽になるし、仕事を受けやすくなる」

「もちろんすごくお金がかかるけど、富山の木を使って、なおかつほかの製材所さんと一緒に生きていくためには、誰かがやらないといけないからさ」

認定を受けることも、木材に付加価値をつける方法のひとつ。企画を考える人は、そのあたりまで守備範囲を広げて、木材の活用方法を米澤さんと一緒に考えていってほしい。

「ほかの製材所とか森林組合でも、けっこう状況は似てるんだよね。誰かがそこを突っ走って突き抜けることをしていかない。1+1=2って書く人ばかりじゃなくて、1+1=田んぼの田って書いてやる、くらい発想が飛び抜けた人がいたらいいと思うんだよ」

場所を変えて、本社から車で5分ほどのところにある、板ものや車両の内装を手がけている工場を見せてもらう。

ちょうどつくられていたのは、大きな一枚板と樹脂を組み合わせたオリジナルのテーブル。

一つひとつ米澤さんが選び抜いたという板は、佇まいがとてもかっこいい。高級ホテルのテーブルやお寿司屋さんのカウンターなど、さまざまな場所で使われているそう。

 

ここで話を聞いたのは、大西さん。普段は本社横の加工場で働いているものの、今日は手伝いでこちらの工場に来ていた。

「入社したのは、今年の5月です。まだ半年も経っていないので、日々学びながら、試行錯誤しながらっていう感じですね」

「今は、でかい縦のこを使って丸太を切ったりとか、切った後の生木を乾燥する作業とかを、見習いとしてやらせてもらっています」

もともとは、金属加工の会社で17年間働いていた大西さん。趣味だった木工を仕事にしたいと、米澤製材所へ入社した。

「地元の大工さんや業者さんとのやりとりも多いので、人と関わりながら働けるのが、自分のモチベーションになっているかなと思います。つくったものが、誰にどう使われているかわかりやすいのも、やりがいになっていますね」

異業種からの転職。もちろん不安も大きかったけれど、ワクワクする気持ちのほうが勝ったという大西さん。

実際に木材を扱ってみて、どうですか?

「第一印象は、迫力がすごい!ということでした。丸太を切るのは想像していたんですけど、こんなでかい機械を使ってバサッと切るのは、すごく…ダイナミックで。言葉足らずなんですけど、とにかくすごいんです(笑)」

「どでかい木をセットして、でかい縦のこで、一瞬でスパッと切れちゃうんですよ。初めて見たときは、おお!って思ったし、感動ものでしたね。忘れられないです」

今は加工場での作業をメインに担当しつつ、必要に応じて建築現場の手伝いもしている。

「家具とかもつくったことはないので、今はお手伝いをさせていただいて。出来上がったものはきれいだなって思いますし、プロの仕事だなって実感します」

加工場スタッフとして働く人は、大西さんが一番身近な相談相手になると思う。

ともに切磋琢磨しながら、技術を磨いていきたい、と大西さん。

最後に、どんな人と働きたいか聞いてみる。

「木に興味があって、楽しいことが好きというのは必要かなと。社長もとにかく楽しいことが好きなので。あとは単純な仕事も多いので、コツコツ積み重ねることが苦じゃない人がいいと思います」

「あとは感動できる人がいいと思うんですよね」

感動できる人、ですか。

「僕が初めて縦のこが動いているのを見たときのように、森の木を扱うことに感動したり、思いを馳せたり。そういう気持ちがある人だと、会社のみんなや関係する業者さんともうまく付き合えるんじゃないかな」

 

木を使って、どんな面白いことができるか。

木を知り尽くし、楽しむことを大事にしている米澤さんの隣なら、いろんなアイデアが湧いてくるような気がしました。あなたの発想が、富山の木の未来を変えるかもしれません。

(2022/10/19 取材 稲本琢仙)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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