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思考停止のルーティンより
考えるチャレンジを

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

その場所でしか採れない産物や、職人による工芸品など。

日本の各地には、さまざまないいものが眠っています。

今回紹介するのは、知られざるいいものをどうやって世に出し、どのように売っていくか。それを考え続けている人たちです。

株式会社ライヴスは、地域にある技術や商品を現代のニーズと掛け合わせて、新しい価値を生み出している会社。

新商品やブランドの開発、国内外への販路開拓など、さまざまな領域で地域の事業者をサポートしています。

今回募集するのは、ものづくりの職人や農家、中小企業など、地域の事業者に伴走して企画提案からプロジェクトマネジメントまでを担う、ディレクターのアシスタント。

地域を元気にする仕事をしたい。そう考える人にとっては、力をつけるのにぴったりな仕事だと思います。

 

恵比寿駅から歩いて5分ほど。タコの滑り台がある公園を抜けた先のビルの5階に、ライヴスのオフィスがある。

会議室では、代表の清家(せいけ)さんが待っていてくれた。

「ご無沙汰しています。この2年間はいろんな変化がありましたが、わたしたちは変わらず地域を応援する仕事を続けています」

ライヴスの主な事業は、工芸品や食品などの地域資源を活かした商品開発や販路開拓。

国や自治体から委託を受けつつ、民間の立場を活かして、事業者を柔軟にサポートしている。

「コロナ禍以前は、BtoBの活動が多かったんです。たとえば東京の催事に出展して目立つことで取引先が増える、みたいな」

「ただ、コロナ禍以後は催事が厳しくなってしまって。何が起こったかというと、BtoCが増えたわけですね。メーカーや事業者が、ECで直接お客さまに届けることが多くなってきて」

有名なサービスでいうと、「BASE」や「Makuake」など。クラウドファンディングもBtoCの新しい形と言える。

ライヴスも、『TSUKURIBA』というサービスをリリース。各地にいる職人やデザイナーとつながって、オーダーメイドのものづくりができる。

個人のお客さんはもちろん、商品として販売したい法人ともつながることができるのが強みだ。

大切にしているのが、生産者のストーリーをしっかり伝えること。

ただ、それだけではうまくいかないこともある。

「最初は本当に試行錯誤で。生産者にヒアリングして、ストーリー仕立てにするんですけど、なかなか売れないんですよ。なぜなら、ほかのサイトでもみんなそういうページ構成にしてるから」

「これはまずいよねっていうことで、いま力を入れているのが、著名人とコラボした商品の企画です。たとえばロンドンオリンピックの柔道銅メダリストの西山さんとコラボした、柔道家が持ちたくなるようなバッグとか」

柔道着の素材を使い、三河木綿の刺子織りでつくったバッグを販売。そこには、なぜ西山さんがその商品をつくりたいのかという想いが綴られている。

「西山さんとディスカッションして、どんな素材でどんなつくりがいいか、徹底的にこだわりました。工場の選定からMakuakeさんとのやりとり、プロジェクト全体のディレクションまで関わって、結果、すごくいいものをつくることができたと思っています」

ほかにも、ライヴスでは自社製品もつくっている。その第一弾が米ぬかパウダーという商品で、今はそれを使った米ぬかクッキーが人気だそう。

クラウドファンディングのサービスを使った事業や、自社製品の開発、催事などの出展や、海外輸出まで。

本当にいろんなことが経験できる会社ですね。

「そうなんです。ぼくらの仕事を体験してもらうと、商売に関係することをかなり網羅できると思います。若いうちにこのノウハウを吸収する人が増えてほしい。うちにずっといてくれてもいいし、地元にノウハウを持ち帰って地域活性につなげてもらってもいいと思っていて」

ライヴスに在籍しながら、地元の秋田で地域の課題解決の仕事をしているスタッフもいるそう。今年度からは、新卒採用にもチャレンジしている。

「地域のものを売れるようにするために、ぼくらは活動しています。だから地域に関わる仕事への興味に加えて、ビジネス的な視点も絶対に必要で」

ビジネス的な視点。

「いかに成果を上げるか、ですよね。それは売上かもしれないし、新しい販路を開拓することかもしれない」

「所属する地域資源マーケティング事業部では、たくさん地域を見られるし、ものの売り方もいろいろと経験できる。将来関わりたい地域があるような人だと、やりがいをもって働けると思いますよ」

 

次に話を聞いたのは、地域マーケティング事業部の小林さん。

地域に関わる仕事を長年続けてきた方で、ライヴスには2年前に入社した。

「昔から、成果を出すためにはどうしたらいいかを考えるのが好きで。地域系の仕事だと、自分の裁量でいろんなことができるのが面白いんですよね」

ライヴスで関わるのは、主に地方の中小企業。社長と直接コミュニケーションをとりながら進めることもある。

「相手は経営者なので。その方々のお手伝いをするんだったら、ぼくらも勉強してプロでないといけない。その気持ちは忘れないようにしています」

最近取り組んでいるのは、全国の中小食品事業者のサポート。

大規模な展示会に出展しても、具体的な取引などの成果につながらず、その課題を解決する事業を企画提案する必要があった。

「理由は単純で。地域の商品を並べても、商品の説明や取引条件の話ができる担当者がブースに立っていなかったんですよね。中小事業者はとくに人手が足りてないことが多いので、展示会に人を出せていなかった」

商品や取引条件の話ができないと、商談が進まず、売り上げにもつながらない。小林さんはそこを改善すべきだと判断し、いろいろな仕組みを整えていった。

「いまやっているのは、地域産品を取り扱う卸業者さんと協力して、大きな展示会の卸売業さんのブースに中小食品事業者さんが出展するというものです。ただし出展するのは誰でもいいわけではなくて、ちゃんとお客さまに語れるような、こだわりの商品を扱っている食品事業者さんを選びたい」

「そのために、一次審査と二次審査をして、商品のデザインやコンセプト、味や供給体制、意欲などもチェックした上で、食品事業者さんを選定しています」

企画を考えて、各所との調整をして、出展前に研修会をして…と、裏方としての仕事はとても多い。

一日の流れはどんな感じでしょう。

「朝出勤したらメールとかを確認して。あとは着々とやるべきタスクをこなす。地域系の仕事って、地方を飛び回るみたいなイメージが強いんですけど、そういうことでもなくて。事務仕事がかなりあります」

「企画書をつくって公募に手を挙げて、プレゼンして仕事をとってきて。あとは営業に行って次の仕事をとってくることもあるし、実際に事業が始まったらプロジェクトマネジメントもする。本当に全部やってますね」

華やかで派手な仕事よりは、いわゆる縁の下の力持ち的な仕事が多い。

「あくまで主役は地域の事業者さんたちなので。その事業者さんたちがいかに輝けるか。それをお手伝いする仕事だと思います」

未経験の人は、小林さんの元でアシスタントとして学ぶこともあると思う。

小林さんが何を優先して動いているか、一緒に働きながら観察していくと、いろいろな学びがありそうだ。

「思考停止でルーティンワークばかりする人よりも、考えてチャレンジする人のほうがいいですね。売れる状況をつくるのが、ぼくらの仕事なので。売れ続けるためにどうするか、一緒に考えられる人と働きたいなと思います」

 

最後に話を聞いたのは、入社して1年半の三宅さん。

「実家が愛媛県の松山市で、甘味処みたいなお店をしているんです。母で3代目なんですけど、75年くらいやっていて。小さい頃からお店の手伝いをしていたんですよね」

「長年愛してくださるお客さんがいるから、商売が成り立つ訳ですが、人が何かを求めて、代わりにお金を払って得て帰る、っていうことが、幼いながらに面白いなって思っていたんです」

その後は、そんな子ども時代の影響もあり、飲食店などを中心にアルバイトを経験。就職も、「体験を売る」ことに興味を持ち、テーマパークに就職して、飲食部門へ配属された。

そのなかで発生したのが、コロナ禍。パークも休園になったことで、商売ってこんなにも脆いものなんだ、と痛感したという。

「自分自身がものを売ることにこだわらず、別の立場から、商売という営みが続いていくお手伝いができないかって思うようになって。そんなときにたまたま、日本仕事百貨でライヴスの記事を見つけたんですよね」

「読んでみたら、やりたかったのはこれかも、っていう納得感があって。中小企業の支援をすることで、今までとは違った立場で商売を見ることができるかもって思ったのが、転職を決めたきっかけでした」

アシスタントディレクターとして最初に経験したのは、山形県の食品に関する仕事。

例年、百貨店で開催していた物産展を、コロナ禍ということもあり、ECサイトとカタログ通販で販売しようという企画だった。

「前職からの振り幅がものすごくて、新鮮でした。いきなりカタログの紙面をつくるところからやらせてもらって。70種類くらい商品があるカタログをつくっていたので、各事業者さんにしっかりと確認してもらって、正確に戻しを反映して。地道だけど、ミスが許されない仕事を任せてもらいましたね」

ほかには、「お茶」と「瀬戸焼」をテーマにした展示販売会も経験。

クライアントが立てた企画をもとに、運営の準備から必要備品の発注、アルバイトスタッフ用の業務マニュアルの作成・周知など、裏方からイベントを支えた。

アシスタントディレクターとして、さまざまな経験を積んできた三宅さん。クライアントが喜んでくれる姿を見るのが、とてもうれしかったそう。

今年度からは経営企画室の所属になり、新卒採用の担当として日々動いている。

三宅さんは、どういう人に入ってほしいですか。

「個人的には、スキルとか経験はいらないんじゃないかなと思っています。それよりも、こうなりたいなっていうなんとなくの姿。明確でもいいし、漠然とでもいい。それを持ちつつ、地域に関心がある人がいいのかなと思っています」

 

最後に、三宅さんは将来のことについて、こんなふうに話してくれました。

「昔から実家を継ぎたいとは思っていて。ただ、今の状態を継続することだけを目指すと、それさえも難しくなってしまう。家業の魅力とか価値を理解した上で、もっと多くの人に届けられるような力をライヴスで身につけたくて」

「ゆくゆくは自分の家業とか、地元のまちでその力を活かすことができたらいいなっていうのが、わたしの20年後くらいの目標ですね」

地域を元気にしたい。でも具体的な方法がわからない。

そんな人にとって、ここは自分の思いを形にする力を身につける、いい修行の場だと思いました。

(2022/11/29 取材 稲本琢仙)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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