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次世代に夢を託し
600人の村で挑む
チャレンジし続ける道の駅

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各地に存在している、道の駅。

古くは1990年代、官民連携事業として始まり、1991年に最初の道の駅ができたと言われています。

当初は一般道を走る車向けの休憩所だったのが、最近ではそれぞれの地域の特色を出した施設になり、その地域で採れた野菜や加工品などを目当てに訪れる人も増えてきました。

今回は、そんな道の駅でマネージャー候補として働く人と、施設運営スタッフを募集します。

舞台となるのは、山梨県・小菅村(こすげむら)。最近では道の駅ランキングでも上位に位置するなど、知っている人もいるかもしれません。

特徴は、地域の特産物を販売する物産館と、本格的な石窯で焼かれたピザを食べることができるレストラン。さらに、温泉や森林の中で遊ぶフォレストアドベンチャーが隣接しており、1日中楽しむことができる。

マネージャー候補となる人は、このなかの物産館とレストラン、両方を統括するような立場になります。

 

小菅村へは、新宿から特急で1時間。大月駅でおりて、車で40分ほどで到着する。村からも車に乗って2時間弱で都心に行くことができるため、比較的アクセスしやすい。

まず向かったのは、道の駅のなかにある株式会社源(みなもと)の事務所。

源は村が出資してつくられた会社で、道の駅と、道の駅に隣接する温浴施設の小菅の湯、そしてフォレストアドベンチャー、小菅川沿いにあるフィッシングヴィレッジの運営を担うとともに、村の情報発信やコンテンツ造成など、DMOのような役割を担う事業ディレクション部で構成されている。

迎えてくれたのが、小菅村の村長で源の代表も務める、舩木(ふなき)さん。

とても快活で、よく笑ってくれる方。

「ようこそ小菅村へ! 小菅は初めて? あ、3回目なのね。それはいろいろとお世話になりました。今回もよろしくお願いしますね」

ざっくばらんに話してくれる感じが、思っていた村長のイメージと違っていて、話しやすい。

さっそく、道の駅のことについて聞いてみる。

「今から6、7年前。村に続くトンネルが完成するときに、それに合わせて道の駅をつくろうというプロジェクトがあって。それで『道の駅こすげ』が誕生しました」

「ただ、道の駅はできたものの、ほぼ同じ敷地内にある温浴施設とフォレストアドベンチャーは別の事業者が運営していて、バラバラだった。それはよくないんじゃないかと、3つの施設を統括する株式会社源を立ち上げて、一本経営することになったんです」

経営はシンプルになり、運営もスムーズに行えるようになった。一方で、コロナ禍に入ってからは集客に苦しんだという。

それでも、地道な広報や、キャンプブームの追い風を受けて、小菅村を訪れる人が増加。多いときには、道の駅だけで1億円を売り上げるなど、経営的に右肩上がりになってきたそう。

「とくに物産館は、マネージャーの斎藤くんがよくやってくれて、売り上げがすごくあがったんです。けれど、彼が新しい道に進みたいということで、今年度末で退職することになって。それが今回の募集につながっているんですよ」

道の駅と温浴施設、レストランは、それぞれ建物が分かれている。一本経営になったことで、各施設の連携は増えたものの、それぞれの施設が物理的に離れていたり、業態が異なっていたりするため、スタッフ同士の連携などはまだまだ工夫の余地がある状態。

今回新しく入るマネージャー候補には、その橋渡し役も期待している、と舩木さん。

「わたしも村長になって三期目ですが、やりたかったことはできている感覚なんです。とはいえ、来年度は温泉の近くにクラフトビールの工場をつくるとか、まだまだやりたいことはあって」

「道の駅もリニューアルして、あと10万人くらいは来てもらえるようにしたい。いろいろ新しいことは考えているので、そういうことも面白がってくれる人だったらうれしいですね」

ほかにも、小菅村では道の駅付近にドローンスタンドをつくってドローン物流を試そうとしているところ。

やりたいことが湯水のように湧き出ている村長。それを語る顔はとても楽しそうだ。

「同じ仕事をしたくないんですよね。一つでも新しいことをプラスしたい。そんな思いでやっています」

「人間にはパターンがあると思うんです。だいたいの人は、失敗したらどうするんだっていうところから始まる。でもそれではなにも進まんだろうと。だめだったらそのとき対応を考えればいいだけで。だからまずはやってみてから、軌道修正していこうと。職員にもそう言ってますよ」

舩木村長は源の社長でもあるので、今回募集する人と関わることもあると思う。

志がまったく同じである必要はないけれど、「まずやってみる」という考え方に共感している人なら、いろいろなチャレンジがしやすい環境だと思う。

「人を相手にする仕事なので。聞く耳を持って、人をまとめていけるっていうのが大事かな。物産館もそうだし、レストランの人ともしっかりコミュニケーションをとって、協力する。それが小菅村の魅力を高めることにもつながると思うんですよね」

 

続いて話を聞いたのは、村長の隣で話を聞いていた寺田さん。

源で事業ディレクション部のマネージャーを務めている。

「3年間、小菅村で地域おこし協力隊として活動していて。その任期が終わるときに、源で企画の仕事をしないかって話をいただいて、入社することにしたんです」

初めて小菅村に来たときは、どうでしたか。

「うーん…山?(笑)。茨城県の出身なんですけど、山があんまりないので。だから山が近いなって思いました」

源に入ってからは、小菅村の情報を紹介するサイト「こ、こすげぇー」の運営や、1/2村民ポイントカード事業、ふるさと納税のサポートやツーリズム造成などに携わってきた。

「わたしがいる事業ディレクション部っていうのは、温泉や道の駅など、横断的にほかの部署と関わることが多いんですが、やっぱりスタッフ同士の連携は少なくて」

「たとえば、道の駅でイベントを開催しようというときも、事前に準備をするなかでレストランと話をすると、テイクアウトで使えるゲームの景品を用意してくれて。やっぱりコミュニケーションをとることが大切なんですよね」

舩木村長も、コミュニケーション能力が大切だと言っていた。それは源の仲間に対してもそうだし、村の人に対しても同じなのだと思う。

「あとは、チームで動くことが好きな人だったらいいんじゃないかな。村の人も移住者にすごく優しいんですよ。あまり閉鎖的じゃない感じで住みやすいと思います」

また今年は、小菅村にとっては節目の年になる。物産館のリニューアルの計画もあるし、温泉の横には地ビール工場ができるので、それ目当てに来るお客さんもいるはず。

「入ってから1、2年くらいでガラッと変わると思うので、その波に乗って面白いことをしようって思える人に来てほしいですね」

 

最後に話を聞いたのは、道の駅の駅長を務めている斎藤さん。今年の3月末で退職する予定だ。

「もともと隣の市の地域おこし協力隊として、道の駅の立ち上げに関わっていたんです。任期が終わるタイミングで、小菅村で駅長を募集していたので、経験が活かせそうだなと思って応募しました」

駅長になってからは、どういったことから始めたんでしょう。

「まずは売り場をぜんぶ入れ替えました。4ヶ月くらいかかったかな…。最初見たときに、このままだとこれ以上伸びないなって、感覚的に思って。たとえばアイテム数が圧倒的に少ないし、それを魅力的に見せる陳列もできていない」

「カテゴリもバラバラで、お客さんの動線もできてなかった。だから売り場として成立させようっていうのが最初の仕事でしたね」

棚の数は当時と変わっていないけれど、普通の平台に段をつけて売り場面積を広げたり、陳列台の高さを変えて目線が向きやすいものにつくり変えたり。

すべて閉店後に寸法から取り直してつくりなおしたそう。

「売り場を変えた後のほうが、売り上げの伸びはすごく大きくなりました。今は新しい商品も入っているし、陳列もさらに工夫しています。あとはニーズを探って、それに合うものを置くのも必要ですね」

夏場であれば、キャンプに使えるものを置いたり、お土産で買いやすいように常温保存ができるものを入荷したり。小さな工夫の積み重ねが、人気につながっている。

「あとぼくがよくやっているのが、野菜とかの生産者さんが来たとき、売り場で立ち話するんですよ。これどうやって食べるのが美味しいんですか、みたいに。そうするとお客さんがそれを聞いているので、今度はお客さんから生産者さんに話しかける」

「そうすると、その野菜を買いたくなるじゃないですか。そんなふうに人という資源も活用する。小菅村は野菜の種類や数も少ないので、それくらいしないといけないほど、道の駅としては不利な場所なんです」

なかには村のおばあちゃんのファンがいて、毎年そのおばあちゃんがつくったものを買いにくる人もいるそう。

「昔、研修に行った先の人に言われたんです。『ないものをないと嘆いていてもしょうがない。ないならつくる、もしくは育てろ』って」

「だから僕自身も価値ですよね。毎日顔を合わせる人がいたら、自然と仲良くなる。それで常連になってくれるかもしれないし、商品を買ってくれるかもしれない。そうやって自分で自分のまわりの環境を育てることをしないと」

研修時代から積み重ねた経験が、いまの売り上げ向上につながっているのだろうな。

「あとは、まずはやってみることですね。違ったら違ったでいいので、やってみてダメだったら変えましょうっていうスタンスで、当たったらそれを伸ばしていく。その繰り返しです」

就任して5年。個人的に納得いくレベルになっているんでしょうか。

「まだまだですね。たとえば野菜を増やそうにも、生産者さんの高齢化は止めようがない。それに食品衛生法が変わったら、今まで売れていたお漬物が売れなくなることもある。課題はいっぱいあるけど、それを受け入れるのか、抗うのかの差だと思うんです。ぼくは抗いたい」

その鍵になるのは、コミュニケーションだと話す斎藤さん。ほかの二人も話していたように、地域の人たちと話しながら物事を考え、進めていくことが求められる役割なんだと思う。

最後に、どんな人にマネージャーになってほしいか聞いてみる。

「固定概念にとらわれてほしくないので、道の駅の経験者じゃない方がいいと思います。でも、小売の経験はあったらいいかなと。飲食とか喫茶店でもいい。人と話すのが好きだったらなおいいですよね」

「もちろん、少しでも一緒に働くタイミングがあれば、伝えられることは伝えたいと思っています。陳列は小手先の技術なので。自分が小菅村でどう生きていくか。それを考えることが、道の駅を支えることにつながると思うんです」

 

小さな村にある道の駅で、どう売り上げをあげていくか。斎藤さんがこれまでチャレンジしてきたことは、並大抵のことではないと思います。

もちろん同じことは求めません。自分なりに、どうしたらこの村の資源を活かして道の駅全体を発展させることができるか。

気になる人は、ぜひ一度村を訪れてみてください。そこでの発見が、新しいヒントになるかもしれません。

(2023/1/6 取材 稲本琢仙)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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