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働く人も、食う人も
みんなを幸せにする寿司

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「寿司なんて30分あれば誰でも握れるんだよ。大事なのは、いかにお客さまに喜んでもらいたいと思えるか。必要なのは、一歩を踏みだす勇気と、あとは情熱だ」

そう話すのは、回転寿司「赤舎利一筋 もり一」代表の吉野さん。

扉を開けると聞こえる、「いらっしゃいませ!」の明るい声。もり一のサービスは、お客さんをお迎えするところからはじまります。

注文に悩んでいたら、さりげなくおすすめを教えてくれたり。困ったことがあれば、さっと近づいてきてくれたり。

気さくで明るく、心配りの細やかな店員さんがいる店は、ごはんも一層、おいしく感じられる。

今回は、ここで働くスタッフを募集します。

未経験でも大丈夫。ホールの仕事から始め、寿司の握り、商品開発と、関心と適性に応じてさまざまな仕事に挑戦することができます。

お寿司好きはもちろん、食べることに幸せを感じる人、誰かを喜ばせたいと思う人なら、どんどん活躍していける場所だと思います。

 

東京・神保町。

オフィス街も近いこのまちは、ランチの激戦区。ラーメン、焼肉、カレー… 通りを歩くだけで食欲が刺激される。

もり一の店舗までは、地下鉄の出口から北へ向かって5分ほど。

お客さんが出入りするたびに、「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」と、明るい声が聞こえる。

中に入ると、すぐにスタッフさんが出迎えてくれた。

店内はカウンター席のみになっていて、「つけ場」と呼ばれる中のスペースでスタッフの方が寿司を握っている。

3階の事務所で待っていてくれたのは、もり一の代表、吉野さん。

強面で、話すと迫力があるけれど、時折冗談を混ぜたりと、チャーミングな表情も見せてくれる方。

17歳のとき、寿司職人の道に進んだ吉野さん。さまざまな店で働いたのち、30年ほど前にもり一へやってきて、1年後には店長に。

「入って早々に、この会社は売上が下がることをしているなと思いました」

当時は職人が握りもサービスもしていたけれど、接客がよくなかった。

お客さんを怒らせてしまうこともあったけれど、こだわりの強い職人の考え方をすぐに変えることはむずかしい。どうにかしようと、アルバイト、とくにそれまで寿司業界にいなかった女性のスタッフを積極的に雇っていった。

「売上を上げるのは極めて簡単なんですよ。気持ちがあれば上がります。お客さまを大事にする気持ちが一番大事。だって、お金を支払ってくれるのはお客さまなんだから」

吉野さんが大切にしているのは、「気配り」と「目配り」。

「着席されるときに椅子を引いて差し上げるとか、お子さん連れのお客さまには余分におしぼりをお渡ししてみるとか。当時から私はよく『目で聞いて、耳で見ろ』と言うんですよ」

寿司を握っていると、目は手元を見ているからお客さんのほうは見えない。だけど、「あのお客さま、しばらく頼んでないな」など、耳で掴めることもある。

「遠慮なくお声がけくださいね」と声をかけることで、迷っていたお客さんも注文しやすくなるかもしれない。

売り上げは向上し、店長に就任してから2ヶ月で、売り上げが400万円、800万円と上がっていったという。

その実績が評価されて、8年前にリニューアルオープンしたのが、もり一 神保町店。

千葉に2店舗、都内に4店舗あるなかで唯一、保育園を併設するなど、女性スタッフを中心に店づくりをしていて、最も高い売り上げを誇る。

吉野さんは現在、代表としてスタッフを指導しつつ、人手が足りないときはつけ場にも立っている。

「飯食うときって、幸せじゃない?お客さまがもり一に来て幸せだな、と感じる時間を演出できれば、お客さまもスタッフも幸せになるんじゃないかな。飲食店が生き残る道って、私はそれしかないと思ってます」

 

ときには、お客さんに紛れて客席に座ることもある吉野さん。

スタッフには、一人のお客さんとして接するように、と伝えているそうで、つねにお客さんの目線を大切にしていることわかる。

話を聞いているうちに、お腹も空いてきた。1階に降りてお寿司をいただくことに。

ちょうど時刻は17時ごろ。ピークタイムに向けて、スタッフの数も増えている。

席に着くと、「つけ場担当の◯◯です。よろしくお願いします」とスタッフさんが挨拶しに来てくれた。

カウンターの異なる場所からも、声が響きわたる。

「今日のおすすめは釧路産の大溝貝ですよー!」

「さあ、数量限定のクリーミーサーモンもございますよ〜。残り2皿!」

目の前のレーンを流れるお寿司を眺めるだけでもワクワクするのに、スタッフさんの声を聞くと、ああ、それも食べたい、これも食べたいと、食欲がふくらんでくる。

悩んだ末、流れてきたイワシと、大溝貝を注文。

もり一の寿司は、すべてに赤シャリが採用されている。

赤シャリとは、酒粕からつくられる赤酢で仕込んだシャリで、ほのかな紅色と、まろやかな酸味が特徴。

一般的な白シャリと比べるとコストはかさんでしまうけれど、昔ながらの江戸前寿司を楽しんでほしいと、吉野さんがみずから開発したものなのだとか。

プリプリの刺身と赤シャリは、よく合う。ついお酒がほしくなる。

あっという間に皿が空いてしまった。

すると、通りがかったスタッフさんから「お客さま、お皿空いてますけど、次大丈夫ですか?」と、声が。よく見てるなあ。

店内はすっかり満席。

学生さん、仕事帰りのサラリーマン、偶然お店を見つけたらしい海外のお客さん。

「次何にする?」と、隣の人と楽しげに話す人もいれば、レーンをじっと眺めながら、もぐもぐと味わう人もいる。みんな、思い思いに時間を過ごしているように感じた。

 

「回転寿司あるあるなんですけど、人手が少ないと、なぜかいつもより売り上げが伸びるんですよね。今日は急遽欠勤のスタッフがいて、逆にいそがしくなるので楽しいな、と思っていました」

そう話してくれたのは、店舗部長の近藤さん。

店内では、お客さんだけでなく、スタッフにも明るく声をかけているのが印象的だった。

「入社したときに社長に言われたんです。『笑顔で元気に挨拶しなさい。それさえやっていれば給料は上がる』って。私は元気しか取り柄がないので(笑)、それだけはやり続けているつもりです」

その言葉通り、給料もきちんと上がり続けていると近藤さん。

ただ、なんらかの要因で売上が下がってしまうときもある。そんなときは、「お店の感じをよくするように努めています」と、近藤さん。

「テキパキ動いているほうが、お客さまも見ていて気持ちがいいじゃないですか。でも、人を変えるのはむずかしい。まずは自分から行動するようにしています」

「それと、やっぱりスタッフが笑顔じゃないと、お客さまも笑顔になってくれないので。笑顔になってもらうために冗談を言ってみることもありますね」

 

そんな近藤さんの振る舞いに刺激を受けてきた、と話すのが入社して8年目の矢萩さん。

「笑顔がいいんですよ。お客さまも注文しやすいし、なにかあったとき話しかけやすい。自分にないものを持っているなと思って、尊敬しています」

正社員の仕事を探しているとき、偶然もり一の求人を見つけたという矢萩さん。

「お寿司が好きなので、まかないでお寿司食べれるかな?みたいな(笑)。そんな軽い気持ちで応募したんですけど、面接で吉野と会って、やばいところに来ちゃった、と思いましたね。見た目で判断しちゃいけないですけど… 怖〜!って」

それでも話をするうち、印象が変わっていった。

「私はこれまでずっと飲食の仕事をしてきたんですけど、これまでの上司と考え方がまったく違いました。それまでは、利益至上主義というか、数が肝心だから、お客さまをどんどん捌こうって人がほとんどで」

「お客さまを第一に、と言う社長が、すごいなって。もちろん経営上、数字は大事なんですけど、『現場はやっぱり感じよくやんねえとな』って話す姿に惹かれて入社しました」

ホールから始めて、今はつけ場にも立っている矢萩さん。

お客さんに話しかけることも多い仕事。ふだん、意識していることはありますか?

「えーっと…。味見をします。営業時間中、ネタを取りに3階の仕込み場に上がるんですけど、仕込みをしている社長が『これ食ってみろ』って、食べさせてくれることがあるんですね」

「新しい商品のこともあれば、切り方を変えたネタのこともある。ビンチョウって切り方で味が変わるんですよ。そんな話を聞いたり、自分で食べたりしておいしい!って感じたら、お客さまにも食べてもらいたいと思う。そのまま、おすすめしに行っちゃいますね」

もり一では商品開発にも積極的に取り組んでいて、日々新しい寿司が生まれている。

サーモンに柚子のトッピング。中落ちに山くらげを刻んだもの。

これらを考えたのは、矢萩さん。

「食事をしていると、アイデアがわいてくるんです。『このお漬物、寿司にしたらおもしろいんじゃないか?』とか。社長の許可はとくに必要ないですし、むしろ面白がって感想をくれますね」

思いついた商品があれば試しにレーンに流したり、「限定なんですけど…」と直接おすすめしたり。スタッフが自由に挑戦して、お客さんの反応を直に見られるのも、もり一ならでは。

自分が食べておいしいと思えるものを提供する。おいしいと感じる気持ちを、人と分かち合いたい。

その気持ちをまっすぐに活かせる職場だと思う。

「お寿司が好きな人と一緒に働きたいですね。『このサーモン、◯◯乗っけて食べてみたらおいしいよ』『じゃあ流してみよう』みたいな会話が自然にできたら、いい仕事ができると思うんです」

 

矢萩さんと話しているとき、代表の吉野さんがある絵を見せてくれました。

「うちはテーブルに紙のランチョンマットを敷いているんですけど、その裏にスタッフの絵を描いてくれた子がいて」

「大切にお店に飾ってます。うれしいよな。だって、君たちを見て、お寿司屋さんって格好いいな、と思ってくれたかもしんない。すごいよ、君たちの頑張りだよ」

事務所の壁には、吉野さんがお客さんからプレゼントされた歌の歌詞や、海外からのお客さんからスタッフへ贈られたコアラの人形とポストカード、来店アンケートなどが所狭しと飾られている。

「これが飲食店の醍醐味ですよ。気持ちは返ってくるのよ!必ず」

「飲食店ってたしかにさ、厳しい仕事だけれど、こういうところが明るい材料じゃねえのかな。お客さまが支えてくれてんじゃん?これからもそんな場所を続けていきたいよ」

興味がわいたら、ぜひお店を訪れてみてください。

もり一のみなさんが大事にしているものは、肌で感じるのが一番だと思います。

(2023/1/18 取材 阿部夏海)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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