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人が、ものが、寄り合う
alphaだから生み出せるもの

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

1駅から歩いて20分もかかる住宅地に、お気に入りの古着屋兼セレクトショップがあります。

店主がこだわり抜いてセレクトした洋服は感性を刺激されるし、行くたびに生地のことや生産背景、スタイリングなどを教えてくれるので、ちょっと遠くても通いたくなる。

それくらい、魅力のあるお店には吸引力があると思います。

今回紹介する株式会社alphaの皆さんは、まさに発信のプロフェッショナルたち。

ファッションが好きな人は、クリエイティブディレクターの南貴之さんが代表を務める会社と聞けば、ピンとくる方も多いかもしれません。

国内外さまざまなブランドのPR・ブランディングを得意としつつ、自社ブランド「FreshService」や「Graphpaper」といったアパレルの展開や、「1LDK」や「ヒビヤ セントラル マーケット(HIBIYA CENTRAL MARKET)」といった新たな形態の店舗プロデュースなどもおこなってきました。

「うちの会社って、何屋なんですか?ってよく聞かれるんです」と南さんが言うほど、手がけるものは幅広い。

これまで誰もやってこなかったことを面白がり、疑問に思ったことを掘り下げながら仲間たちとともに形にしてきました。

そんなalphaが、東京・参宮橋に新たな形態のお店をつくります。

さまざまな「人」や「もの」が「寄り合う」ことをコンセプトに、ファッション×食×本&レコード等を組み合わせた、五感を刺激する、これまでにないお店。訪れる人の「五感に訴え、六感以上のインスピレーションを持ち帰ってもらう」ことを目指しています。

オープンは今年の6月3日を予定。今回は、キッチン、ホール、販売スタッフの3職種を募集します。

ファッションや食、カルチャーなどに広く興味がある人や、今後自分のお店を持ちたい人にとって、かけがえのない経験になると思います。

 

まずはalphaのアトリエ兼事務所での取材のため、東京・代々木上原に向かった。

洒落た個人店が多く上品なイメージがある代々木上原。

駅から歩いて7分ほどの場所にある事務所に着いて、はじめに代表の南さんに話を聞く。今日は急遽出張が入ってしまったとのことで、オンラインでつないでもらった。

もともとは、ファッション、ライフスタイル、アートなど幅広く事業を展開する企業で、セレクトショップの立ち上げや店舗のディレクションを経験してきた南さん。退職後、独立してalphaを設立した。

独立後はじめに手がけたのが、2008年にオープンしたライフスタイルショップ「1LDK」。

当時はまだ、“ライフスタイルショップ”という言葉もなかったころ。

商業エリアとしてだけでなく、生活する人の顔も見える中目黒の街から、友人の家に遊びに行くような感覚のお店をつくれないかと考えた。

「家」をコンセプトに衣食住を取り扱うお店を思いつき、空間デザイン、洋服のセレクション、PRなどすべてに関わったという。

実際の物件の間取りが、名前の由来になっている1LDK。レジ部分はお店に合わせてキッチンカウンターをつくるなど世界観をつくり込んだ結果、ライフスタイルショップの先駆けとも言えるお店になった。

「海外には、空間やお店、ブランドや企業のCIをつくったりしているクリエイティブの会社って結構あるんですけど、日本には横断している会社があんまりなくて。だったら自分たちでやろうよっていうのが、alphaのスタートです」

「どんなにいいものをつくっても、知ってもらえなきゃ意味がない。ぼくたちは、プロダクトや空間もつくるしイベントも開催するけれど、最後のアウトプットとしてPR事業を組み込んでいて。それが面白いところだと思いますね」

クライアントは、感性の鋭い人に聞いてみると必ず知ってるような、こだわり抜かれたブランドばかり。

アパレルだけでなく飲食も手がけており、一杯のコーヒーに至るまで、究極を追い求めて研究し続けてきた京都の老舗コーヒーメーカー「小川珈琲」では、新店舗のディレクションからPRまでおこなっている。

alphaは、ハイクオリティかつクリエイティブな“良いモノ”をもっと多くの人に知ってもらえるよう、各ブランドの発信力を強めるサポートをしてきた。

また、自分たち発信ではじまったブランドが、「Graphpaper」。

もともとalphaが運営するセレクトショップだった「Graphpaper」で、店員用のユニフォームとしてコートとパンツをつくったところ、そのデザインが業界で注目され、ブランドとして異例の立ち上げにつながった。

PRの仕事もブランドの立ち上げも、共通しているのは、市場に合わせるのではなく、いいと思うものを届けるべきところに届けていくということ。

そんなalphaが参宮橋に新しくつくる施設は、ファッション×食×本&レコード等を組み合わせたお店。

「参宮橋ってファッションやカルチャーにまつわるお店はあまりないんですけど、自分たちが場をつくることで、そこを中心として人が入ってくるようになるというか。街とか道をつくるつもりでやっています」

「青山にあるGraphpaperも、はじめは周りに何もお店がなくて。うちができればお客さんも来るかなと思って出店したら、だんだんとほかのお店もできてきて。今回も、いろんな人たちが集まってくるんじゃないかなと思っています」

ビルの1階と2階を利用した新たな施設は、大きく分けて3つのお店で構成される。

まずは1階、「寄せ」をコンセプトにした角打ちスタンドと、カルチャーを新たなベクトルで発信するレーベル兼、アートブックとレコードを楽しめる「ベクターショップ」。どちらもalphaが新たに立ち上げる新ブランド。

2階には、ブランドの世界観を表現する「Graphpaper TOKYO」を。上品でシンプルな家具やフレグランスなどを扱うデンマークの「FRAMA」も、国内初のショップインショップとして入ることになっている。

「なんでこのセレクトかというと、五感に訴えることが人間にとってもっとも大事なことだと思っていて。訪れる人たちに六感以上のものを持って帰ってもらいたい、というのが全体のテーマになっています」

案内してもらった物件は、これから内装工事に取り掛かるとのことで、中身はまだスケルトンの状態。

今回は、角打ちスタンドで働くキッチン、ホールスタッフと、ベクターショップの物販スタッフを募集する。

お酒と楽しむ食メニューの開発や、レコードの仕入れも関わることができるので、自分で考えて動くのが好きな人にとっては、面白い環境だと思う。

「僕らは洋服屋なんで料理のプロではないし、レコードの仕入れもむずかしいけれど、セレクトショップとしてのやり方を用いて、それらを実現できないかっていうコンセプトで取り組んでいて」

こだわり抜いた洋服をセレクトしてお店をディレクションするように。自分たちの審美眼を光らせ、厳選したものを楽しんでもらう場所をつくっていく。

 

場所を移して向かったのは、渋谷に構えるショールーム。

次に話を聞いたのは、今回の店舗開発の飲食責任者を務める西垣さん。

「提供するお酒は自然派ワインを中心に、札幌の醸造所にお願いしてつくってもらうオリジナルのクラフトビールや、ハイボールや焼酎も飲めるようになっていて」

「あとは、お酒を飲むときの“あて”ってあるじゃないですか。たとえば枝豆とか、唐揚げとかだし巻き卵とか。大体15から20品を自分たちで開発することになっていて。シェフと相談しながら、自慢できるメニューを出そうと思っています」

すでに出来上がっているメニューもあって、そのひとつが京都の立ち食い蕎麦屋「すば」の蕎麦。

「東京とかと違って、京都では立ち食い蕎麦って馴染みのない文化だったんですね。店主の方が、そのファストフード感とか大衆食堂らしさを残しつつ、味のクオリティやアートを組み込んだのが特徴で」

「蕎麦もすごくお洒落だし、アート作品のようなカウンターで食べるっていうのも、すごく人気になっていて。今回はすばさん協力のもと、8種類のお蕎麦を提供する予定です」

蕎麦もセレクトした品のひとつ。同じように、これまで付き合いのあったシェフやお店に声をかけ、alphaセレクトの逸品や新メニューを提供していくことになる。

メニューの開発はこれから、とのことで、食に興味がある人は、どんどん自分のアイディアを出して形にしていけるといいと思う。

カルチャーを新たなベクトルで発信するレーベル兼、アートブック&レコードのお店「ベクターショップ」も、人気のレコードショップやアートブックショップに協力を仰ぎながら進めていくことになる。

これだけさまざまなジャンルでユニークな人たちが集まる場所は、聞いているだけで楽しみになるし、将来独立を目指す人にとっては自分の感度を高める機会にもなるはず。

また、お店を維持するための緻密な数字の分解も学んでほしいと西垣さん。

「前職では、海外のブランドと交渉して日本に出店してもらう、みたいなことをやっていて。最初からターゲットを立てて、マーケットも調べて、できるだけ大きいところで勝負するみたいなやり方だったんですね」

「でもここは、自分たちが表現したかったことを先に見つけて形にしていくスタイル。この会社の仲間にしてもらって、そういう尖った世界で働けていることは、大変でもあるけれどやっぱり楽しいですよね」

 

「自分1人でこのお店をつくろうと思っても絶対できないけど、alphaなら実現できるので、新しく入る人は最高の経験をできると思いますよ」と話すのは、同じくマネージャーの柴田さん。

「いまの時代、あえてオフラインで来てもらうには意味のある場所をつくらないとしょうがないので。もともと人が集まっている商業施設でなら、お客さんに合わせてお店を出すのは有効だと思うんですけど、僕らは自分たちから発信してそこに共感なり興味を持ってくれたりした人に来てもらう」

「場所が悪かろうが、自分たちが発信しているものが強ければ、お客さんは来てくれるんですよね。そこはalphaとしては軸にしている本質の部分です」

alphaは、とことんこだわる。

たとえば、「Graphpaper AOYAMA」では、定期的に食のイベントを開いていて、毎回南さん一押しのお店の店主を招待し、美味しいお酒と料理を提供している。

また、同店舗にてデニムの商品を打ち出すとき。訪れる人にどんな価値を提供できるのか、素材や生地を深く理解した上で、その世界観を空間に落とし込む。

神宮前にある「FreshService headquarters」では、メディアとのコラボレーションでつくったジャケットとパンツのセットアップにあわせて、編集者の空間を構成。その洋服を着ている人のライフスタイルを想像し、わざわざデッドストックのスニーカーの箱を用意したり、お店のレイアウトを変更したり。限定品にもかかわらず、細部までこだわって空間を演出。

「思った以上の反響で洋服は即日完売になって。うれしい反面、またすぐにお店のレイアウトを戻すのかって(笑)」

「クオリティに妥協せず、こんなに細かくたくさん仕掛けている洋服屋って日本のどこを探してもないと思いますよ。1個1個こだわるから、めちゃくちゃ大変ですけど、貴重な経験ですよね」

 

どんなことをするにしても、明確なロジックを持って行動するalpha。だからこそ提供するものの発信力は強いし、届くべき人の心をつかんで離さないのだと思う。

興味を持った人は、まずはalphaが手がけるものに触れてみてください。

(2023/03/13 取材 杉本丞)

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