求人 NEW

おもろいを、香川から
アイデアファーストな
クリエイティブチーム

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「クリエイティブはもっと人の役に立てる。強みを見つけて、それが伝わり記憶してもらえるようになれば、選んでもらえる機会も増える。そうなると、今以上になれる人がまだまだいると思うんです」

そう話すのは、「株式会社人生は上々だ」の代表・村上モリローさん。

人生は上々だは、香川県高松市にあるクリエイティブカンパニーです。

ブランディング、PR、デザインを軸に、地域内外のさまざまな企業の困りごとをクリエイティブの力で解決してきました。いいアイデアなら、肩書きに関係なくアイデアを採用していく、アイデアファーストのスタンスが気持ちいい会社です。

今回はここで働くアートディレクターを募集します。

デザイナーとして手を動かせることが前提となるため、実務経験は必須ですが、ディレクションはこれからという人でも大丈夫。

クリエイティブの力で人の役に立ちたい。新しいことにチャレンジしていきたい。そう思う人なら、どんどん活躍していける場所だと思います。

あわせて、WEBコーダーも募集します。

 

東京から飛行機に乗ること1時間ほど。30分ほどバスに乗ると、香川の中心地・高松駅が見えてくる。

駅前に立つと、瀬戸内海が近いこともあり、風が抜けていく感じがする。梅雨どきではあるけれど、外はからりとしていて心地いい。

人生は上々だの事務所へは、ここから車で20分。電車でも1本でアクセスできる。

駅を降りるとすぐに事務所が見える。

迎えてくれたのは、代表の村上モリローさん。

人生は上々だの創業者で、ほかのスタッフさんからは「モリローさん」と呼ばれている。

にこにこしながらも、一歩引いて話を聞いてくれている感じが心地いい方。

人生は上々だは、2013年に創業。

飲食店や企業のロゴデザインや食品のパッケージ、地域の鉄道会社やスポーツチームの広告など。

HPのギャラリーを見ると、四国を中心に、さまざまなクライアントと仕事をしてきたことがわかる。

広告代理店を通さず、ほとんど直接依頼を受けていて、モリローさんがすべてのクリエイティブディレクターを務めている。

「ブランディング、広告、グラフィック、WEBデザインなど、アウトプットはさまざまですが、どんな仕事でも根本から考えることを大事にしていて。『これをやって』と言われてそのままやることは、少ないかもしれません」

たとえば、穴吹邸という一棟貸しの宿のリブランディングでは、「旅行に対する概念から変えていきましょう」という提案をしたそう。

そんな提案をしたのも、穴吹邸の価値はここで過ごす時間にあると考えたから。築50年の屋敷には、丁寧に手入れされた日本庭園や、フィンランド式サウナも備えられている。

旅といえば、観光地巡りで予定を詰めて、宿は休むだけの場所になることも多い。

休むための宿ではなく、旅の目的が穴吹邸になるといい。時を休む「時休」というコンセプトで、ロゴやWEBサイトを制作した。

クライアントが本当に必要としていることはなにか。モリローさん、営業、マネージャー陣が中心となってお客さんと打ち合わせを何度も重ね、最適な提案を考え抜いていく。

大切にしているのは、アイデアファーストの考え方。

デザイナーやカメラマン、コピーライターたちクリエイティブチームと仕事をするときは、お客さんからヒアリングした情報をすべて話すようにしているのだそう。

依頼の経緯や、何に困っているのか、キーマンや家族構成まで。

「時間はかかるけれど、お客さんに対する理解を完全に同じ状態にできれば話が早いし、自分以上のアイデアを専門家が出せるなら、そのほうがいいですよね」

判断軸は常にお客さんにある。はっきりとしていて気持ちがいいし、アイデアを形にしていきたい人にとっては、成長の機会がたくさんあるように思う。

もともと、デザインの仕事がしたいと高校、大学で専門的に学んできたモリローさん。異なる仕事も経験したけれど、やっぱりデザインの仕事がしたいと、地元・香川の広告制作会社に入った。

「ただ、広告の仕事は頭打ちで。デザインではもう食っていけんと思ったんですよ」

「でも、お世話になっていたお客さんから『お前が辞めたら、うちの仕事、誰がするんや』って。ああ、必要とされているんだと。もう1回やろうかと思うきっかけになりました」

同じく地元で営業をしていた同級生とともに、法人化。ただ、県中の企業に営業をかけてもひとつも案件を得られず、苦しい時期が続いた。

広告賞に応募するために、企業に頼み込んで一円でポスターを制作したり、頼まれていないロゴや広告を勝手につくったり。がむしゃらに腕を磨いた。

そのうち表彰されることも増え、少しずつデザインの実績も積み上がっていった。並行して、もう一つの武器になればと始めたのが、ブランディングの勉強。

次第にブランディングの仕事の割合も増えていき、今では全体の8割を占めるほどに。

今の社名は、自ら実践することでリブランディングの事例になればと、3年前に変えたもの。「人生は上々だ」というのだから、なかなかインパクトは大きい。問い合わせも増えた。

決して道のりは上々とは言えないなかで、クリエイティブの仕事を続けてきた。なにがモリローさんを掻き立てているのだろう。

「僕の親父は家業として、レンガ・タイル屋を営んでいたんですよ。アイデアマンでありながら真面目な人で。西日本で一番薄くて強いタイルを開発したけれど、立場としては孫請けよりも下。ふつうのものと値段もそんなに変わらず卸していました」

その後、バブルが弾けて家業は畳むことに。

「もしあのとき、親父がブランディングの存在を知ってたら、当時の僕にもっとデザインの技術があったなら。親父はまだタイルで勝負できたやろなと思うんですよね」

「デザインの力があれば、おもしろいアイデアや、真面目でたしかな技術がある人の力をちゃんと活かせる世の中にできるんちゃうかと思うんです」

想いはあるけれど、伝え方がわからない。同じような悩みを抱える人は、地方に行くほど多いんじゃないか。

「だからこそ地方でこの仕事をしたいし、クリエイティブとつなげていく価値があるんじゃないかと感じてます」

たまに、「無茶振りや!」と感じる依頼が来ることも。「でも、困っている人を見たら、引き受けちゃうんですよね」と笑う。

昨年企画したのが、「YASHIMA SUPER ODEN」というプロジェクト。

源平合戦など歴史的な舞台であり、夕陽が綺麗に見える場所としても有名な屋島は、観光客が減り続けていた。

そこに組み合わせたのが、讃岐うどんのお供として親しまれてきたおでん。そんなおでんのお店を、地元の料理人たちと期間限定でオープンすることで屋島を再注目させられないか、と考えた。

名前だけ聞くと不思議だけれど、おでんも絶景もいいものだ。そそられるイベントだと思う。

クリエイティブディレクション、アートディレクションだけでなく、当日の運営もおこなった。

金土日と4週連続での開催、朝は5時半集合。決して楽ではなかったけれど、誰かに丸投げするんじゃなく、自分たちでやったほうがいいという判断になった。

「できない理由じゃなく、できる方法を考えていくんですよね」

「僕のなかでは当たり前の考えやったけど、これがうちの特徴かもしれないです」

いいことのために、みずからも動き、突き進む。その姿を、地域の人も頼もしく感じていると思う。

 

今回募集するのは、アートディレクター。

どんなふうに働いているのか、聞かせてくれたのは久利(くり)さん。

在籍するデザイナーのなかではもっとも古株。新しく加わる人にとって、いい相談役になると思う。

大きな仕事の流れとしては、モリローさんからお客さんの情報を聞き、コンセプトやイメージを共有してもらったうえで、デザインを提案する。そのやりとりを何度か繰り返して、デザインが形になっていく。

「モリローさん、めっちゃモチベーションをあげてくださるんですよ。いいものができたときは『いいね!』って必ず褒めてくれる。褒めてくれるとうれしいし、頑張れるよねって、デザイナーのみんなとよく話してます」

案件はだいたい3〜4件を並行して担当している。

久利さん自身は、もともとグラフィックデザインが専門だったけれど、WEBデザイン、モーショングラフィックスと、少しずつできることを増やしてきた。

最近の仕事でも、新しいことに挑戦したという。

「大成生コンさんっていう、コンクリートをつくる企業のWEBサイトを制作したんです。息子さんが会社を継いだのを機に、地球環境に配慮した事業に力を入れたいと考えている会社さんで」

コンクリートは、建築や道路など、身近に活躍する素材。CO2排出量を抑えた自社開発の低炭素セメントを自社だけでかかえず、他社にも販売することで、環境負荷を軽減したいと考えている。

「利害関係とか、業界のセオリーとは離れて、環境に全力でコミットする。その熱って普通に表現しても伝わらないだろうと、抽象画や地球の写真などを取り入れたWEBサイトになりました。コピーが、『生コンは何にでもなれる』というモリローさんのアイデアなんですけど」

「それにあわせて、WEBサイト上のテキストの色を自由に変えられるようにしたんです」

…あ!本当だ!

テキストの色以外にも、右上は円環状のロゴがゆっくりと動いていて、ミキサー車を想像させる。

WEBサイトにも遊び心があって、一度訪れたら頭に残りそうです。

「コアアイデアというのをいつも大事にしていて。このクライアントさんにしかできない表現方法を毎回求めています。大成生コンさんなら、コンセプトがおもしろく印象に残る方法ってなんだろう?と」

「モリローさんは『できるかどうかは、あとから考えたらいいから』と。色を変える仕様もお金がかかるんですけど、クライアントさんは『最高!』って。やっぱり、アイデアがピタッとはまったときは、うれしいですね」

久利さんは、どんな人と働きたいですか?

「私の話だけ聞くと、モリローさんがすべてみたいに感じられるかもしれないけれど、そんなことはなくて。私は、あんまり大きな目標がないタイプなんです。フリーになってこんな仕事がしてみたいとか全然なくて」

「あ、でもCDジャケットのデザインはいつかやりたいですね」と、はにかむ。

「私を含め、後輩のデザイナーは職人タイプが多めです。新しいことにどんどんチャレンジしたいとか、モリローさんからいろいろ学んで独立したいみたいな人が来てくれるといいんじゃないかな」

 

モリローさんはこうも話していました。

「会社って船やと思ってて。最終目的地への航路さえ理解していれば、それぞれにやりたいことがあっていいし、途中で船降りるのもいいと思うんです」

「会社のためだけじゃなく自分のためにおもしろいと思うことをしてほしいし、見つからなければ見つかるまでずっと乗っててもいい。みんながそれぞれやりたいことをできるような会社にしていきたいですね」

クリエイティブで、世の中の役に立つ。地方というフィールドは、よりその手応えを感じやすい環境のように思いました。

ここで過ごす時間は、大きく自分を成長させてくれると思います。

(2023/6/12 取材 阿部夏海)

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