求人 NEW

安心感と、いいハプニング
相反することが両立する
ちいさなトーキョー

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

今年の秋、リトルトーキョーがリニューアルオープンします。

リトルトーキョーは、東京・清澄白河にあるビルの名前。いろんな生き方・働き方に出会える場所として、株式会社シゴトヒトが運営しています。

ゲストを招いて飲み語らうイベント「しごとバー」や学びの場「しごとゼミ」や、週替わりの定食を提供するお店「ごはんや今日」、マルシェや展示、24時間ぶっ通しの周年イベント「24H仕事百貨」など。わたしたち自身も、この場所を通じてさまざまな人たちと出会い、たくさんの刺激やエネルギーをもらってきました。

コロナ禍を通じて長いお休みをいただいていましたが、いよいよ復活のとき。内装や場所のあり方も見直して、再スタートしたいと考えています。

今回は、そんな新しいリトルトーキョーを一緒につくっていく人を募集します。

 

清澄白河駅から徒歩3分。大通りがカーブに差し掛かる手前でくいっと曲がると見えてくる、5階建てのビルがリトルトーキョーだ。

目の前には「辰巳湯」という銭湯、お隣には中華料理屋「桃太楼」があって、窓を開けるといい匂いが漂ってくる。

以前は毎日のようにイベントがあり、お客さんで賑わっていたけれど、コロナ禍ですべての営業をストップ。今はシゴトヒトの事務所としてのみ使っている。

改装が進むフロアの一角で、まず話を聞いたのは代表のケンタさん。

東京・虎ノ門の元寿司屋さんを改装して2013年にオープンしたリトルトーキョー。2016年に現在のビルへと引っ越してきた。

この7年間で清澄白河にはいろんなお店やスペースができて、まちの姿はどんどん変わっている。リトルトーキョーも、そのなかで試行錯誤を繰り返しながら運営してきた。

ケンタさんは、これからどんなふうに場所を育てていきたいと考えているのだろう。

「いろんな人と接して、こんな生き方・働き方もいいんだって思えたり、一緒に仕事をする関係性や移住のきっかけが生まれたり。そういう場所にしたいという想いはそのままです」

「どうしたらそういうことが起きるのかなって考えたときに、今は2つの要素が必要だと思っていて。それが、拠りどころになる共同体と、公的な空間です」

共同体と公的な空間。

「公的でひらかれた空間は、いいハプニングが起きやすい。一方で共同体っていうのは、内輪なんですよ。安心できるけど、ハプニングはあんまり起きない。そのハイブリッドができないかってずっと考えてきたんだよね。相反するけど、どっちも大切だなって」

各フロアはどんな構成になるのだろう。

「1階には、山梨でワインツーリズムを展開する大木さんのお店ができます。飲食店であり、ワインショップでもあり、角打ち的なスペースもあって。いろんなワイナリーのつくり手と会える空間にもなると思う」

「2階はthe Blind Donkeyというお店が神田からやってきます。アメリカ西海岸のシェ・パニースで25年間ヘッドシェフを務めていたジェロームさんのお店。生産者とつながりながら、本当においしいものをつくっている人たちなので、ここもいろんなことが起きそうです」

食に携わる人が増えるので、ゆくゆくは空きスペースを使って、マルシェもしていきたい。シェアキッチンの計画も進めている。

3階にはカウンター席を設けて、週3日はしごとバーを開催。

以前は多いときで100人以上が集まるイベントだったけれど、もっと密にコミュニケーションがとれるようにしていきたい。

残りの週4日はというと、一日店長のお店になる。毎週コーヒーを淹れにくる一日店長もいれば、年に一度だけ遠方からやってきてスナックをひらく人がいたり。

「カウンターの周りは本屋さんになります。それぞれの生き方・働き方に影響を与えた本がテーマです。日本仕事百貨の編集者が選書したり、ゲストに選書いただいたり」

「あとはいろんな企業に棚貸しをして、それぞれの生き方・働き方に影響を与えた本を販売してもらいます。そこには求人情報を紐づけたいと思っていて」

本棚で求人…?

「たとえば、自分の本棚と似ていたら、ぴったりな会社かもしれない。全然見たことない本が並んでるけど、なんか興味あるなって本棚だったら、新しい自分に出会える会社かも。気になったら求人にエントリーできるとおもしろいよね」

「いろんな生き方・働き方に濃い出会い方ができて、自分の未来が広がっていくような場所にしたいです」

4、5階はシゴトヒトの事務所やフリースペース。屋上には100種類ほどの在来植物や飲食店で使えるハーブを植える計画もある。

ビルの施工は阿佐ヶ谷にある工務店・水雅(すいが)さん、屋上緑化はゴバイミドリさんにお願いしている。日本仕事百貨で過去に紹介した企業さんとのご縁が活きているのもうれしいこと。

いろいろな人やテーマに集まった共同体が、空間や時間によって積み重なっていく。

そこから“いいハプニング”が起きるように、今回募集する人に求めたい役割がある。

「ビルの入居者やしごとバーのゲスト、一日店長さんがぼくらとしかつながっていない状態だと、横の移動は起きない。一言でいうと、その人たち同士をつなげるのが新しく入る人の仕事です」

たとえば、リトルトーキョーに関わるメンバーを対象に、月に一度飲み会を開催する。メンバー紹介やここで日々起きることを広報誌にまとめて、メンバー内やご近所さんにも配る。いろんなつなぎ方が考えられる。

そのなかで、ケンタさんが何よりも大事だと考えているのは、「相手を思うこと」だという。

「お互いに名前や顔を認識していて、大切に思っている。人間の喜びとして、最後に残るものってそういうことだと思います。お互いに相手のことを思っている関係」

「旅館の女将さんとか、飲食店のマスターとか、またその人に会いに行きたくなるような存在になってほしい。日本の横丁文化なんて、海外の人たちにも大人気だし、どんなにAIが進化しても残るはず。その人の存在自体が一番大きな価値だからね」

もちろん、すべてをひとりで担うわけではない。リニューアルに向けて、すでに動いている3人のメンバーと一緒にチームで働くことになる。

 

そのうちのひとりが、荻谷さん。

前職では郵便局の切手や百貨店の広告をデザインする仕事をしていた。

「チラシとか印刷物の寿命ってすごく短くて。1年かけてつくっても、掲出期間は1ヶ月とかで、そのあとすぐに捨てられちゃう。もっと捨てられないもの、人の心に残るものをつくりたいなと思ったんです」

仕事を辞め、地元のフリーペーパーの創刊に携わったり、起業のセミナーを受けてみたり。

いろんなことに挑戦するなかで、仕事百貨主催の事業承継プロジェクト「BIZIONARY」に参加したのが入社のきっかけとなった。

「最初はBIZIONARYの運営担当として採用されたんですが、取材・編集を経験したり、『かこむ仕事百貨』の仕事を任せられて。いろんなプロジェクトに関わっていくうちに、気づいたら1年経っていました。社内の何でも屋さんみたいな感じですね(笑)」

「新規事業立ち上げに近いようなことも、最初から最後まで関わらせてもらっていて。ゼロイチに燃えるタイプなので、今回のリニューアルでもそこに立ち会えるのは楽しいです」

これから入る人には、本屋さんやシェアキッチンの企画運営、しごとバーや一日店長の補佐などを担ってほしい。

担当が明確に分かれているわけでもないし、オープンしてから、やるべきことやそれぞれの得意・不得意が見えてくる部分もあるはず。荻谷さんのように、当初想定している以外の仕事や働き方が求められる場面もきっと出てくると思う。

変化に対する柔軟性は、ここで働くうえでは重要なポイントかもしれない。

「新しい場所を一緒につくっていく段階なので、ある程度社会人経験があったり、何かしらの荒波に揉まれてきた人のほうがよさそう。根気強く向き合ってくれる人と一緒に、この場所をよりよくしていきたいです」

 

「わたしも、“館(やかた)”として一緒に盛り上げてくれる人が来てくれたらいいなと思っています。しごとバーも、シェアキッチンも関わりたいし、清澄のまちにも興味がありますっていうような、元気な人」

そう話すのは、イベント担当の中野さん。

「編集やバックオフィスのスタッフも、既存の役割だけじゃもったいない人がいっぱいいて。メインの役割はありつつ、少しずつ重なり合うような働き方ができたら理想的なんじゃないかなと思っているんです」

全国各地を取材で訪れている編集者のネットワークを通じて、イベントのゲストを招いたり、おいしい食材を仕入れて1、2階の飲食店で扱ったり。

広報誌をつくるのにも編集力が活かせるだろうし、食が好きな人、美大でデザインや創作・表現に携わっていた人、裏方の調整が得意な人など。シゴトヒトの社内には、「じつは…」という感じで、特技や好きなことを秘めている人がたしかに多い気がする。

新しいリトルトーキョーは、普段別の業務に携わっているスタッフも関わり、力を発揮できるようなきっかけの場所にしていきたい。

しごとバーの企画や進行を中心に、さまざまな場づくりに携わってきた中野さん。

2020年の入社直後からコロナ禍に入り、それまでリトルトーキョーで開催していたイベントもオンライン配信に切り替えるなど、思うように進められない部分もあった。

手探りの3年間だったと思うけど、振り返ってみてどうですか。

「仕事を通じて自分がやりたいこと、違うなっていうことも含めて、いろんな発見がありました」

「いわゆるインフルエンサーのように、自分の力でとにかく広めたいわけじゃない。ただ稼ぐとかも、うーん…って。それよりも、ゲストの話を聞いている人の表情をリアルタイムに見たり、元気が出ましたって話を聞けたり。それが自分の喜びなんだなってことがよくわかりました」

じゃあ、これから対面でお客さんを迎えられるのが楽しみですね。

「そうですね。わたしが個人的に好きなお店や場所も、ケンタさんの言っていた“お互いを認識していて大切に思える”関係性に近くて」

「家の近くのもつ焼き屋のおばちゃんは、1ヶ月空いただけで『久しぶりじゃん、どうしてたの?』って言ってくれる。隣駅のお店のお兄さんも、行くたびにカウンターに通してくれて、賄いをこっそりくれたり。愛されてるって感じられる場所が、家族とか友だち以外にあるのはすごくうれしいし、自分もそういう場所をつくりたいなって思ってます」



いろんな人と出会い、くだらないことで笑ったり、おいしいご飯を食べたり、一緒に真剣に考えたり。以前のリトルトーキョーは、ぼくたち編集スタッフにとっても大事な居場所でした。

また新しいリトルトーキョーを、一緒につくっていけることを楽しみにしています。

(2023/4/11,28 取材 中川晃輔)



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