求人 NEW

企業の力を引き出し
地域の魅力を光らせていく
サポーター

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「地域活性を実現するには、その地域にある中小企業一つひとつが自走力を高めていくことが大切だと思っています。そのお手伝いをするのが、私たちの役割ですね」

そう語るのは、オカビズのセンター長、高嶋さん。

愛知県岡崎市にある岡崎ビジネスサポートセンター「オカビズ」は、マーケティングやデザイン、販路開拓といったあらゆる面から、まちの中小企業をサポートする産業支援拠点。

それぞれの企業が持つ強みを活かしつつ、費用はかけずに売り上げアップなどの具体的な成果につなげる支援が特徴です。

今回はオカビズで働く、企画広報コーディネーターを募集します。

事業者さんの窓口として相談日程を調整したり、セミナーの運営をしたりなど、仕事内容は多岐に渡ります。

子育て中の人や副業希望の人など、柔軟な働き方も相談可能。誰かのためにお節介をするのが好き、ビジネスを通じて地域が元気になる変化をこの目で見てみたい。そんな方にぜひ挑戦してほしい仕事です。



愛知県のほぼ中央にある岡崎市。

徳川家康生誕の地である岡崎城は、今年の大河ドラマの舞台となっている場所。

名鉄東岡崎駅から歩くこと約15分。

岡崎城からほど近い場所に、オカビズが入っている「岡崎市図書館交流プラザ りぶら」がある。

中に入り、オカビズの事務局へ。相談ブースでは、何人もの相談者の方がオカビズのスタッフさんや相談員と話している姿が見える。

笑顔で迎えてくれたのは、センター長の高嶋さん。

「今日は、全部で15件のご相談予約をいただいていますね」

今年で10年目を迎えるオカビズ。これまでに2万件以上の相談を受け、あらゆる事業者をサポートしてきた。

相談に来るのは、主に岡崎市内の事業者さんたち。売り上げを伸ばしたい、販路を拡大したいなど、それぞれの悩みを相談員たちが丁寧にヒアリングし、一緒になって解決策を考えていく。

初回の相談は1時間。相談員は事業内容などを40分ほどヒアリングして、会社の概要を理解し、強みはなにかを見出していく。そして残りの20分で、強みを活かした新サービスなどの提案をするという。

たとえば、自動車の試作部品の下請け会社さん。

今後電気自動車が主流になると、車の部品の数は約5分の1になるといわれており、自社の仕事が少なくなる。危機感を抱いたその事業者は、新規事業を立ち上げようと、新製品のアイデアをたくさん持って相談に訪れた。

「自社だけでは商品開発がむずかしいから、協力してくれる事業者さんを紹介してほしい、というご相談でした。でも、お話を聞いていると、ほかの会社さんがやりたがらないようなむずかしい加工を最短3日でやられていることがわかったんです」

高嶋さん曰く、何度聞いてもわからないほど細やかでむずかしい加工なのだそう。

「事業者さんにとっては、むずかしい加工を短期間でやり遂げるのは当たり前。でも、その強みを活かさない手はないと思って」

「御社の技術を必要としている会社さんが、自動車部品以外でも絶対いると思いますよとお伝えして、リスクを伴う新規事業とは別の方法を考えました」

そこで提案したのは、新サービス「試作部品の難加工エクスプレス便72」の開始。この企業の強みを一目でわかりやすく、他業種へもPRできるようなメニューを打ち出す戦略だった。

そして、次に提案したのは、会社のホームページを作成すること。

インターネットを介して自らの強みを知ってもらう環境づくりを、オカビズのITやデザインなどのプロのアドバイザーたちが、相談員とともにサポートしていった。

たとえば、ITアドバイザーは無料でできるホームページの作成サイトと使い方を案内し、事業者さんと一緒にホームページを作成。デザインアドバイザーは、会社の魅力が伝わりやすいサービス名を事業者さんと考えた。

とはいえ、ホームページを実際につくっていくのは事業者さん自身。その過程を、オカビズのスタッフが一丸となって支えていく。

「相談もサポートも、基本はすべて無料。事業者さんが、『それ、やってみよう!』って自分で動き出していくことが私たちのゴールなんです」

ホームページを公開して2ヶ月ほど経ち、高嶋さんの元にうれしい連絡が来た。

「『すごいよ!直受けでびっくりするくらいの金額の仕事が受注できたんですよ!』って話をしてくれて。ホームページを見て、直接問い合わせをくださったそうなんです」

依頼元はある大手企業。自社の廃盤となった部品を再生してもらえないか、とのことだった。

むずかしい加工ができる強みを活かすべきだと考えた高嶋さんの予想は的中。元請けの仕事を得ることができ、その事業者の利益も上がったそう。

「事業者がもともと持っていた強みの伝え方を変えて、ちゃんと発信しただけなんです。でも、自分たちでは気づかない強みを見つけて、求めているターゲットに届ける。たったそれだけで、良い方向にガラッと変わることがあるんです」

コロナ禍のときも、その発想の転換がたくさんの事業者を救った。

たとえば、客足が減ってしまったスーパー銭湯。机と椅子があってWi-Fiも完備している。おまけに漫画を読めるスペースがあって、食事も楽しめる。「近所ワーケーション」というメニューを打ち出すと、客足も増えたという。

ほかにも、オリジナルTシャツをつくっていた会社は、高校の文化祭などが軒並みなくなったため売れ行きが良くなかった。そこで、マスクに名前などを印刷して名刺代わりにした「ビジネスを加速するマスク『名刺マスク』」を販売したところ、反響も大きかった。

人々のワークスタイルやライフスタイルが変わることは、事業者にとっては逆境のようにも思えるけれど、新しいニーズが生まれるタイミングでもある。

もともと持つ強みと、時代が求めているニーズを結びつけることで、できる限り費用をかけずに事業者を元気にしていく。多くの事業者を元気にすることが、地域経済の活性化につながっていく。

「オカビズの相談員は、私を含めて自分で企業を経営している人ばかり。だからこそ、事業者さんごとにどういう支援が適切かを常にチームで共有して進んでいるので、しっかりと結果を残せているんだと思います」

今回募集するのは、相談以外の仕事をすべて担う企画広報コーディネーター。

事業者さんとのやりとりや相談案件のデータ管理、セミナーの企画やオカビズ自身のSNS発信といったあらゆることを任される。そして大小さまざまな事業者に加え、役所など地域の多様な人たちと関わっていく。

「地域活性って、まちに出てリサーチをしたり、イベントを企画したりするイメージが強いかもしれません。でもオカビズは、相談者さんにオカビズに来てもらうことで地域の課題解決につなげていくので、パソコンと向き合う仕事がかなり多いんです。そこは意外に感じるかもしれませんね」

「オカビズは10年を迎えて、私たちはさらに岡崎市を挑戦者が集うまちにしたいと思っています。中小企業や起業家たちがもっと多くの挑戦を後押しする仕組みをつくるために、私たちも個別支援から幅を広げるチャレンジが必要で。その想いに共感してくれる人に、ぜひ今のタイミングで来てほしいですね」



次に話を聞いたのは、企画広報コーディネーターを担当している入社4年目の内山さん。

将来的に相談員になることを目指して、中小企業診断士の資格を取得したばかり。

「もっと地域全体を相手にするイメージを持っていたんですけれど、ここまで一社一社を丁寧に支援することに驚きました。事業者さんごとの底力を上げることで、地域が良くなっていくんだなと感じていますね」

もともと、愛知県内の市役所に勤めていた内山さん。オカビズも岡崎市が運営する相談所ではあるものの、役所との違いを感じたそう。

「役所では、サービスを市民全員に平等に伝えることが大切でした。一方で、オカビズはターゲットを絞って打ち出し方を考えることが多いので、その違いにはじめは慣れなくて」

たとえばセミナーの告知ポスターをつくるときは、センター長ならどういった人をターゲットにするだろうと思考を巡らせたり、身の回りにある広告の打ち出し方を観察したりと、自分なりに勉強していった。

「セミナー関連の仕事は、登壇者さんとの調整や運営、広報など、幅広く任せてもらっています。ひと月に1回ほどのセミナーやイベントがあって、回数もこなせるので、自然と経験を積むことができていますね」

新しく入る人も、内山さんと同じ役割を担うことになる。どんなところにやりがいを感じるんだろう。

すると、「先日、うれしい連絡をいただいたんですよ」と、ある事業者さんの話を聞かせてくれた。

売り上げを上げたいと相談に来た、ハンマーの木の持ち手部分をつくっている事業者さん。相談の結果、製材技術を活かして今人気のアウトドア用のテーブルなどを新たにつくって販売することに。

「しばらくしたら、『ちゃんと売れたよ!』っていう報告をしてくれて。『よかったですね』とお伝えしたら、『いやいや、オカビズさんのおかげだよ』って。こちらまで心が温かくなりましたね」

相談員と異なり、直接事業者さんと深い話をすることは少ないけれど、チームの一員としてあらゆる面に関わることで、事業者さんの変化を感じられる喜びがきっとあると思う。

「相談員だけでは、どうしても手が回らない部分があるんです。『2ヶ月後にまた来ます』と言っていた事業者さんから、音沙汰がなくなってしまったけど大丈夫かな、とか。そういう細かい対応には、『念のため一回電話を入れておこう』と僕らが動くこともあります」

「ちょっとお節介かもしれないけれど、事業者さんのためを思ったひと手間が、僕たちの仕事には必要なんだと思います」

午前10時から午後4時までの相談時間は、電話対応や次回の予約といった事業者さんとのコミュニケーションや、相談の様子をSNSなどで広報する仕事が中心になる。

その前後で、相談内容のカルテを確認して案件を把握したり、セミナーの告知ポスターをつくったり。

やることは幅広いし、さまざまな人とも関わる。慣れるまでは苦労するかもしれないけれど、オカビズでしか経験できないことがたくさんあると思う。

「日々、学ぶことだらけで面白いんです。相談員の話の引き出し方や、デザイナーやコピーライターなどのプロの仕事をこれだけ間近で見られて、本当に刺激をもらいますね」

「事業者さんのことを考えつづけて、気付いたら自分まで事業者さんと同じ気持ちになってしまう。そんな先輩がオカビズにはいるので、自分もいつか追いつきたいです」



事業者さん本人が気づいていない強みに光を当て、地域が変わるイノベーションを事業者さんと一緒にチャレンジする。

一つひとつの相談が、まわりまわって地域全体を元気にしていく仕事だと思います。

(2022/8/29 取材、2023/7/28 更新 小河彩菜)

※撮影時はマスクを外していただきました。

この企業の再募集通知を受ける

おすすめの記事