求人 NEW

本気でやるから面白い
空間という作品づくり

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

本気で何かに打ち込んで、時間と熱量を思いっきり注ぎ込む。

だからこそ見える景色や、感じられる喜びって、あると思います。

デザイナーズレストランや高級レジデンスといった、こだわりが詰まった空間づくりを手掛けている株式会社天然社。

ここで働く人たちは、「一生懸命ってかっこいい」と思わせてくれる人たちでした。

今回募集する職種は、施工監理。

デザイナーのデザインをもとに設計図を描いたり、工事の順番を考えて現場に指示を出したり。顧客のイメージを具現化する、空間づくりのトータルマネージャーのような仕事です。

経験者は大歓迎ですが、未経験でも大丈夫。

プライドを持ってものづくりをしたい人にはおすすめの仕事です。

 

JR恵比寿駅の改札から、歩くこと9分。

恵比寿ガーデンプレイスのすぐ近くに、天然社のオフィスが入ったビルがある。

エレベーターで4階の会議室へ。

オフィスはスタイリッシュで、たくさんの植物やアート作品が飾られているのが印象的。

まずは代表の矢野さんに話を聞く。

「うちは、飲食店の施工を得意としてきました。業界内でもそのイメージは強くて、デザイナーを含め、飲食店の方々も天然社の名前を知ってくれています」

「ただ、コロナ禍で飲食店の出店が激減したこともあって、今年からは高級レジデンスやホテルの案件にも力をいれているところです」

天然社の特徴は、デザイナーやクライアントがイメージする「こだわりのつまった内装」を具現化する力。

これまで、デザイナーズレストランなどつくり込んだ内装を中心に手がけてきた。

2002年に小泉純一郎元首相がアメリカのブッシュ元大統領をもてなしたことでも知られる、西麻布のレストラン「権八」もその一つ。

「権八は、私の父が社長の時代に手掛けました。権八の運営会社には自社の専属デザイナーがいて、オーナーの想いを具現化するデザインを描いています。でも、実際に施工するには、さらに緻密な施工図面をつくらなくてはいけないんです。ほかの会社ができないというなかで、うちはそれを実現しました」

こだわった内装を数多く手掛けてきた実績や経験が評価され、世界で活躍する有名なデザイナーから指名を受け、一緒に仕事をする機会も多いそう。

「いくら有名なデザイナーさんが素晴らしいデザインしても、施工側に技量がないと、ちゃんと形にすることはできない」

「同じデザインを渡されても、仕上がりは人によって違う。デザイナーさんの描いたものを丁寧に読み込んで、ディテールを理解する。さらにはデザイナーさんが気づいていないところも含めて、職人さんたちが最高の仕事ができるように施工図に落とし込む。それでようやく、デザインが形になるんです」

「図面ができてからも、必要なものを発注したり、職人さんに指示を出したり。予算内に収まるように調整しつつ、クオリティーを下げないように進めていく。こだわればこだわるほど、やるべきことはたくさん出てくるし、本当に面倒くさいと思います」

そう言って笑う矢野さん。

「手を抜いてもそれなりのものはできるかもしれない。でも、めちゃくちゃ感動することもできないんですよね」

こだわって、本気でいいものをつくる。

そんな天然社の姿勢は働き方にも表れている。

「最近は分業する会社も多いのですが、うちは分業をよしとしていません。分業すると、責任が分散されてしまう。それではいいものって絶対つくれないと思う」

そんな姿勢を貫いているからこそ、天然社では、一緒に仕事をしたクライアントやデザイナーが再び同じ社員を指名してくれることが多いそう。

「この間も、うちの社員が何度か担当させていただいているクライアントから電話があって。『駅ビルに系列店を出店しないかって誘いがあるんだけど、天然社の彼は担当できる?』って聞かれました」

「できますよって言ったら『じゃあ安心して出店するって返事できるわ』って言ってくれたんですよ」

矢野さんはどんな人と働きたいですか。

「ものづくりが好きで、こういう空間をつくりたいと思って努力できる人ですかね。この仕事って、少しずつ経験していって、できることを増やしていくしかない。飛び級みたいなことができないんです」

「地道だけど、そういう基礎トレーニングを楽しめる人は、どんどん先に進んでいけると思います」

 

クライアントからのリピートが途切れないという、執行役員兼プロジェクトマネージャーの小林さんにも話を聞く。

天然社で働いて16年目になる小林さん。新米時代に担当した現場のことが強く記憶に残っているそう。

「初めて一人で現場を任されたときのことはよく覚えていますね。お金のことも、発注も、現場の指示も全部やった。かなり昔のことだけど、いまだにそのお店にいくと、あのときここをこうやってつくったなとか、この工事のときにちょっと喧嘩したなとか、細かいことも覚えていますね」

今でも、そのお店には内装のメンテナンスなどで訪れることがある。

「お店のスタッフとも仲が良くて、ご無沙汰していますって雑談したり、なんにも用事がなくても立ち寄ったりできる。そんな関係です」

分業せず、すべてに責任を持って担当するからこそ、お客さんとの信頼関係ができるし、ものづくりへの思いも強くなる。

「大変だけど、自分はそれが楽しいと思ってやっています。社内でもたまに分業することがあるんですが、大体うまくいかない。『次も天然社にお願い』となるかもしれませんが『小林さんにお願い』とはならないんですよね」

長年続けてきて、どんなところにやりがいを感じているんでしょう。

「月並みですが、お客さんからもらう一言っていうのが一番うれしい。この仕事をやっている以上、お客さんから『またお願いしますね』って言われることにやりがいを感じます。完成したときに、『ありがとう、またお願いします』って握手されるとかね」

「なんだかんだ、いろいろ揉めたり、大変だったりした現場のほうが、あとから振り返ると面白かったりうれしかったりするんですよね」

できることが増えると仕事の面白さも変わっていく。

「この仕事って、下積みありきの仕事なんです。だから、すぐにやめてしまう人もいるし、なり手も少ない。けど、自分でできるようになってくると面白いし楽になってくる」

「一人で現場をまわせるようになると、現場をつくること自体が楽しくなる。さらに今度は、何軒かの事案を同時にやって、お金を動かしたりしていることが楽しくなってくる。それを続けていると、お客さまとの関係も深くなって、一緒にご飯を食べに行くこともあります。人付き合いも楽しくなってくるんですよね」

信頼を積み上げて関係性を深めていくことで、また新しい仕事にもつながっていく。小林さんが、クライアントからのリピートが途切れないというのもわかる気がする。

「最初のうちは失敗してなんぼ。あまりへこみすぎず、知識を身につけるとか仕事を覚えることを率先してやっていってほしいなと思います」

 

小林さんの話を隣でうなずきながら聞いていたのが、入社9年目の佐藤さん。

もともとは地元である長野の工場で働いていたけれど、建築に関わる仕事がしたくて上京した。

今は、ディレクターとして2人の部下と一緒にさまざまなプロジェクトを手掛けている。

図面を描いたり、工程表をつくったりと、高い専門性が求められる仕事。建築の知識がないと苦労することも多かったのでは?

「学校で学ぶような知識はあんまり必要じゃなくって、現場で学ぶことが多かったですね」

「入社して1、2年目は現場にいることが多いので、職人さんと話すなかでコミュニケーションのとり方とか、使う素材のこととかを学んでいきました。素材なんかは常に新しいものが出てくるので、今でも勉強の日々です」

最近は、武蔵小杉にある「コスギグリルマーケット」という飲食店を担当した。

「昨年、恵比寿ガーデンプレイスの飲食店の施工をさせていただいたのですが、そのときに一緒に仕事をしたデザイナーさんから、『この現場の次は、武蔵小杉の現場をやるからどう?』って声をかけていただいて。前の仕事を評価してもらった結果の依頼だったので、うれしかったです」

「このお店は、スケルトン天井といって天井の電気配線や配管が見えるようになっているんです。こういう天井だと、本来は隠れていたものが見えるから、一つひとつ見栄えを考えて配置しないといけない」

「どういうふうにすれば綺麗に見えるか考えながら、各工程に関係する大工さんと打ち合わせを重ねて、電線のルートを1本ずつ決めていきました」

こだわればこだわるほど、時間も手間もかかる。

「完成してからも、色々気になる。デザイナーさんは充分綺麗だよって褒めてくれたんですけど、頭のなかでは、こうしておけばもっと綺麗に見えたな、次はどうしようって考えています。工事が終わるたびに反省がありますね」

「施工的な都合って、デザイナーさんもしょうがないよね、とはならないんです。もし、仕方ないって思ってもらえたとしても、妥協するのっていやじゃないですか。せっかくつくるなら、ちゃんとこだわりたい。こだわるぶん、時間も使うんですよね。大変だけど、面白いと思っています」

佐藤さんは、自ら週末に出勤することも多いそう。

「四六時中、現場のことを考えちゃっています。いまこれを考えておけば、あとでこうなるなとか。これを今やっておかないととか」

話を聞いていると、本当に忙しそう。なんでそんなに頑張れるんでしょう。

「なんでですかね」と佐藤さん。

「まあ、好きだからですかね。興味があるから。こだわりたいから。うん… まあ、そういうのが多分、プライドなのかもしれません」

 

取材の中で、代表の矢野さんが話してくれた言葉が印象に残っています。

「世間の人からすれば、誰がこの空間をつくったのと聞かれればデザイナーの名前しか出てこない。でも僕たちは、自分たちがつくった、自分たちの作品だっていう気持ちで仕事しています」

こだわって、こだわって、自分の作品をつくっていく。

大変だけど、ほかでは味わえない達成感を感じることができる。そんな仕事だと思います。

(2023/10/12 取材 高井瞳)

この企業の再募集通知を受ける

おすすめの記事