求人 NEW

漂って、流されて
自分にとって
いちばん居心地がいい場所へ

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

今の仕事が、なんだかしっくりこない。

仕事へのモチベーションがなくなってしまった。

自分に合った環境で働けていない人は、たくさんいると思います。

「『その環境が合っていないなら、合う環境を探し続けるしかないんじゃないかな』と、鯖江の人たちに出会って、前向きに転職できたんです。それに、身を置くならこっちのほうが楽しそうだなって」

今回の取材で特に印象に残った、合同会社ツギで働く、谷垣さんの言葉です。

合同会社ツギは、福井県鯖江市を拠点に活動し、ブランド運営や自社プロダクトの開発、実店舗の運営まで幅広く手がけているローカルクリエイティブカンパニー。

デザイン会社ですが、つくるだけではなく、販売することや魅力をきちんと伝えることを大切にしています。

今回募集するのは、新幹線開通に合わせて新しくオープンする福井駅前の「SAVA!STORE」2号店の店長候補とスタッフ。

デザインや伝統工芸品が好きな人。お客さんに丁寧に魅力を伝えたい人。納得して働きたいと思っている人。

ぜひTSUGIのみなさんの生き方、考え方に触れてみてほしいです。

 

東京から約3時間。新幹線と特急に乗って鯖江駅へ。

そこから車で15分ほど走ると、SAVA!STOREと、TSUGIの事務所が入っているビルに到着する。

TSUGIの事務所は3階で、1階は直営店であるSAVA!STORE本店。

ものづくりのまち・越前鯖江の産業観光イベント「RENEW」の開催に合わせ、つい先日リニューアルオープンした。

置かれているのは、鯖江のめがね素材からつくったアクセサリーや、モダンにアレンジされた越前漆器、越前和紙を使ったお財布、恐竜の刺繍が入ったキャップなど、どれも福井県にまつわるこだわりの商品ばかり。

白を基調とした内装の中に、可愛らしいアイテムがたくさん並べられていて、雑貨好きにはたまらない空間になっている。

最初にお話を聞くのは、TSUGIの代表でクリエイティブディレクターの新山さん。

リニューアルしたお店、とっても素敵ですね!

「RENEWの開催期間には、地域外の人もたくさん来てくれました。地元でお世話になっている人も、通りがかりに覗いてくれたりして。評判は上々です。これから、いろんな人に来てもらえるような場所になるとうれしいです」

本店のリニューアルに、福井駅前の2号店新規オープンと、かなり忙しそうな様子ですが、会社としてはどんな動きがあったのでしょうか。

「いやー、ほんと目まぐるしいですよ。自分でいうのもなんだけど、福井の重要案件、全部うちがやってるんじゃないかなってくらい(笑)。求められる領域が増えてきていますね」

今回募集するSAVA!STORE2号店とは別件で、福井駅前にある駅ビルの再開発にも、デザイン周りで携わっているそう。東京・銀座にある、福井県のアンテナショップもデザインと工芸売り場の監修で入っている。

たしかにここまで来ると「福井でデザインといえばTSUGI」といっても過言ではないかもしれない。

3月に新しくオープンする、SAVA!STOREについても教えてください。

「福井駅から徒歩2分のところにできる予定で、7坪ほどの小さなお店です。以前からある本店は、僕らの事務所の真下ということもあって、直営店という意識が強いのですが、アクセスは悪い。わざわざ来るしかないエリアです」

でも駅前だったら新幹線の開通もあって、よりたくさんの人が来てくれるはず。そう考えて、お店を開くことにした。

「僕らが扱う商品は伝統工芸の技を使ったものが多いので、お店に置いてあるだけとか、ウェブに掲載しているだけでは、本当に価値が伝わっているか怪しいと思うんです」

「だからこそ、小さくても自分たちでお店を持って、ちゃんと魅力を伝える必要がある。『福井のものづくり、イケてるじゃん』って思ってもらいたいという、正義感みたいなものですね」

今、会社としての売上の83%はデザイン、17%がプロダクトの卸しや小売りによるものだそう。新山さんは、これを変えていきたいと考えている。

「3年後くらいまでには、その割合を5対5にしたいんです。デザインの仕事が少なくなっても大丈夫なように、というリスク管理的な視点もありますが、今福井で求められているのは、デザイン以上に販売する力だと思っていて。その部分を店舗拡張で強化していきたいんですよね」

 

続いて、産休育休を経て最近TSUGIに戻ってきた、広報兼ECマネージャーの谷垣さんにも話を聞いてみる。

谷垣さんは、人材系の会社で働いたあと、流れ着くように鯖江に住みはじめたという。

流れ着いたって、一体どんな経緯で今に至ったんでしょう?

「仕事で悩んでいたとき、福井で地域系の仕事をしている今のパートナーのブログをたまたま見つけました。誘われるがままに鯖江に行ってみたら、本当にみんな楽しそうに生きていて『福井の生命力えげつない』と思って。なんだかすごく感じるものがあったんですよね」

人材系の会社で営業や販売促進を担当していた谷垣さん。業務内容に関して上司に「ここはこうした方がいいんじゃないか」という提案をしたが、なかなか受け入れてもらえなかった。

「なんのために働いているんだろう、って思っちゃったんですよね。そこからモチベーションが下がっていって。そんな状態で働いている自分のこともすごくきらいでした」

そんなときに鯖江に行って、仕事について相談すると、みんな『やめろやめろ』と言ってくる。鯖江の人たちが、仕事や未来に対して、嘘偽りなく楽しそうに語る姿に感銘を受けた。

「仕事をやめるなんて、人生の一大イベントだと思っていたけど、そんな軽い感じでいいのかって驚いて。自分の凝り固まった仕事観が解きほぐされていきましたね」

半年間のお試し移住プログラムを利用して、鯖江にやってきた谷垣さんは、めがねの素材を使ったTSUGIのアクセサリーブランド「Sur」のお手伝いを始めることに。

「このピアスには、めがねのフレームに使われるセルロースアセテートという素材を使っていて、とっても軽いつけ心地なんですよ」

「暇人アピールをしていたので、いろいろと声をかけてもらって。Surの製造補助のアルバイトと、夜はTSUGIのクライアントのお店でたこ焼きを焼きまくってました」

その後、SAVA!STOREがオープンすることになり、そこのスタッフに。

パートナーさんが運営するシェアハウスで暮らしながら、妊娠出産、パートナーさんの留学に合わせて、2歳の息子を連れてフィンランドでリモート勤務。そんないくつかの時代を経て今に至る。これは流れ着いてますね。

「自分では『漂流系』って呼んでるんですけど(笑)。この環境が自分にとって合っているかどうかでその都度選んできたような気がします。一緒にいるTSUGIのみんなのことが好きだし、今は『違和感のない状態』というのが1番しっくりきますね」

のらりくらりと漂いながら、今自分が居心地のいい場所を選んで、人生を楽しむ。それってとっても素敵な生き方だと思う。

「関東から北陸旅行に来られたお客さまが『福井って今まで来たことなかったんですけど、そういえばSAVA!STOREって福井だったなと思って寄りました』と、お目当てのTシャツをお買い求めに来てくださったときは、ここにいる理由や意味合いをより強く感じられたような気がしました」

 

続いて話を聞くのは、アートディレクターでデザイナーの室谷さん。ウェブデザイナーとして東京で働いているとき、RENEWに遊びにきたことがきっかけでTSUGIに入社した。

「前職で一緒にメディアを運営していたメンバーが、『今1番面白いのは福井だよ』というので来てみたら、本当にそうでした」

東京では、実際には掲出量の低い広告でデザイン賞を獲ったり、大きな会社のコーポレートサイトをつくったり。実力は付いたけれど、なかなかお客さまの顔が見えない仕事だった。

「福井でデザインの力が地域に影響を及ぼしているのを目の当たりにして、すごく感動したんです。今TSUGIで扱っている案件は、どれも自分ごととして取り組めるのがとっても面白いです」

仕事が常にいくつも並行しているため、10時に出社して23時くらいまで働くこともあるそう。

「自分のスケジュール管理不足もありますが、割といつもいそがしいです。だけど仕事は全部やりがいと納得感がありますね」

新山さんからは、冗談半分で「僕が死んだら次は任せる」と言われているという室谷さん。

「年々難易度の高い案件に関わらせていただくことが多く『失敗したらどうしよう』というプレッシャーは常に感じています」

「『自分が猫飼いたいって拾ってきたんじゃん!』っていう気持ちで、たまにイラつくときも(笑)。でも新山さんの挑戦的なやり方がいいな、と思っているし、私はかなり保守的な考え方なので。本当に私が引き継いだら、普通のデザイン事務所になってしまうんじゃないかな」

東京生まれ東京育ちだそうですが、福井で暮らしてみて、いかがでしたか?

「何度か遊びに来ていたのと、最初だけ谷垣さんがいるシェアハウスに住んでいたので、コミュニティに馴染めるかどうかの不安はありませんでした。移住者や若い人も多くて、イベントなどで人の出入りが多い地域なので、孤立の心配は少ないと思いますよ」

「今は駐車場代込みで7万円代の広めの家に住んでいて、川沿いの桜並木のそばで景色がとっても良いんです。東京と比べるとこれでも安いと思ってしまうけれど、周りには『なんでそんな値段出してるの?』って言われますね。鯖江市がやっているシェアハウスもあって、そこはなんと家賃1万6000円です」

最後に、再び新山さんに、どんな人に来てほしいか聞いてみる。

「過度なリスペクトはいらなくて、あくまでも自然体で、僕たちがやろうとしていることを面白いと共感してくれる人がいいですね。今回は店舗の募集なので、つくり手とお客さまとのつなぎ手になる。コミュニケーションはとても大事だと思います」

「SAVA!STOREのスタッフは、当時の谷垣さんのように、面白そうだからと言って飛び込んでくれるような、『流れ着いた系』の人が合っているような気がしますね。働くなかで、ゆくゆくは正社員になりたいという希望が出てくれば、相談に乗ることもできます」

店長候補はどうでしょう?

「店長経験があって、シフトの管理や発注などがお任せできる人だと理想的です。今、SAVA!STOREの商品管理と行商マネージャーをやっている大畑というスタッフは守備の人なので、攻撃の人がいいかな」

お店同士で連携を取り合いながら、SAVA!STOREというブランドや、TSUGIという会社全体を考えてくれる人がいい。

 

新山さんをはじめ、スタッフのみなさんが醸し出す空気感、フラットな距離感と風通しのよさが心に残る印象的な取材でした。

ちなみにスタッフ間は仲良しだけど、みんな車通勤だし多忙だから、飲み会は忘年会と新年会くらいとのこと。ベタベタしすぎないのもいいですよね。

自分にとって違和感のない、1番居心地のいい働き方は、福井で見つけられるかもしれません。

(2023/10/12 取材 今井夕華)

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