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ともに考え、
未来をつくる
本質を問うストラテジ

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

効率よくこなすよりも、一つひとつ深く考えて、最適なものを見つけていく。

そんなふうに仕事と向き合っていきたい人には、今回紹介する会社が合っているかもしれません。

upsetters architects(アップセッターズ アーキテクツ)は、建築やインテリアなどの設計・デザインからスタートした会社。

「本当にクライアントと社会の役に立つものとは?」という問いを深めていくうちに、コンセプトやブランドづくり、メディアの立ち上げ、チームビルディング、プロダクト開発など、あらゆる領域に派生するようになりました。

現在、デザインとストラテジの2つのチームでプロジェクトに伴走しているupsetters。今回はクライアントとともに事業戦略を考え、実行していく「ストラテジ」の部門でスタッフを募集します。

設計やデザイン、コンサルティング、PRや編集などの経験があれば活かすこともできますが、まったくの未経験でも大丈夫。

社会を楽しくしたい、よくしたいという想いを持って。長いスパンで目の前の仕事に丁寧に向き合っていきたいという人には、きっとやりがいを感じられる環境だと思います。

 

新しく建て替わったJR原宿駅を出て、線路沿いの並木道を進んでいく。

駅から7分ほど歩いて細い通りに入ると、あたりは落ち着いた住宅街に変わる。小さなビルの2階にある、upsettersのオフィスに到着。

ガラス張りの会議室でまず話を聞いたのは、デザイン、ストラテジの両方のクリエイティブを統括する岡部さん。

大学院で建築を学んでいたころに出会った仲間2人と活動をはじめ、2006年にこの会社を立ち上げた。

「設立からしばらくは、海外の設計案件を中心に手がけ飛びまわる日々でした。2011年の震災をきっかけに、日本国内に根を張って、相手の背景まで理解できるような仕事にシフトしたいと思うようになりました」

「同じころ、よりよいものを形にするには、目に見えるデザインだけでなく、そのコンテンツや事業の中身に関わる必要があると思いはじめて。『ストラテジ』というチームをつくって、プロジェクトの前段階から関わるようになりました」

もともとは設計につなげる準備段階として取り組みはじめたものの、最近ではストラテジそのものへの需要が高まっているという。

なかなかイメージが湧きにくいけれど、具体的にはどんな案件があるんだろう?

例として教えてくれたのが、岡山県倉敷市にある縫製工場・ナイスコーポレーション。国内外の大手ブランドのデニム製品を数多く手掛けている。

岡部さんは共通の知人を通して知り合い、事業の相談を受けるようになった。

「最初は、デニムや縫製を体験できる発信拠点として、デニムホステルをつくりたいという相談でした。それも面白いと思ったのですが、もう少し会社自体を整えてから取り組んだほうがいいんじゃないかと思いました」

会社は、ちょうど先代から代替わりするタイミング。これからどんな会社になっていきたいのか、あらためて言語化し、なりたい姿に近づくためのサポートをしていくことになった。

「もともと、国内外の大手メゾンから直接受注して生産を手掛けてきた会社だったので、その強みをより強化していきたいという考えがありました。その後押しをするために、コーポレートアイデンティティを整え、彼らの特徴をわかりやすく伝え発信していくWebサイトを構築するところから着手しました」

「次のステップとして、B Corpという国際認証の取得を提案しました」

B Corpを取得している企業は、当時日本では十数社ほど。国内の縫製工場ではまだ前例がなかった。

「近い将来、環境へのスタンスが見える工場でしか製品をつくらないブランドが増えていく。そのときにちゃんと選ばれる会社になることで、彼らの目指す姿に近づくことができると思いました」

相談を受けて答えを返すだけではなく、相手の考えを紐解きながら、一緒に向かうべき方向を模索していくのが、upsettersの考えるストラテジの仕事のひとつ。

「何かを打ち出していくとき、ほかとの差異を際立たせることは一般的だと思います。そのときに単純に比較ではなくて、会社やプロジェクト、地域、それ自体にある”固有のもの”が何かをきちんと捉えて打ち出していきたい」

「そう考えると、相談以前に、相手の目指す未来に共感でき、想いを共有できているどうかが大切だと思います」

相手のなかにある、固有のものを見つけ出す。

それを最適な方法でかたちにまとめていく。

 

upsetters のストラテジの進め方を今まさに体感しているのが、入社2年目の山路さん。

入社してから継続して関わっているのが、岩手県二戸市の公民連携プロジェクト。

地域にひらけた場をつくろうと、イベントなどに使える公園と温泉が一体となった施設「カダルテラス金田一」の開発に携わる。upsetters は行政の基本計画策定の段階から、建築設計、公園の使い方の提案など、5年間伴走してきた。

昨年施設は完成したものの、実運営を通じてよりプロジェクトを発展させていくために、引き続き成果報酬型でプロジェクトに参画している。

「今は、施設内のショップのディレクションに関わっています。ショップの立ち上げに当たって、どんな切り口が二戸市を発信していくために最適か、提案の前段階となるリサーチをするのが、入社して最初の仕事でした」

二戸市はどんな土地柄なのか。地域にある金田一温泉郷の特徴は? 湯治ってどんなものだろう。

初めてのリサーチだったので、どんなことでも広く調べて、アドバイスをもらいながら、まちの特徴を深掘りしていった。

持ち前の粘り強さで、リサーチにとどまらず、最終的には地域の農協ブランド“冬恋”の販売にまでこぎつけた。

「二戸市の特産品のひとつにりんごがあります。りんごってどうしても青森のイメージが強いんですけど、調べるうちに、土壌や気候から、岩手や二戸市のりんごの特徴が見えてきました」

「冬恋って、甘くなるようにあえて寒さの厳しい環境で育てていて、蜜もとても豊富なんです。表層のリサーチだけでとどめずに、深掘りしていったからこそ見えたものがあると思っています」

今後はどのような取り組みをイメージしていますか?

「まずは二戸の産品のオリジナルブランドをまちづくり会社と立ち上げて、その枠組みのなかで既存の冬恋の商品を売っていくことになりました」

「もちろん冬恋をより広めていくためには、加工商品の開発や、りんごの配送箱のデザインまで新たに提案することが、効果的な方法だと思っています。でも現時点では、まず二戸の産品をきちんと理解したいし、広く知ってもらうことを優先しています」

カダルテラス金田一が目指しているのは、地域にひらかれた場。自分たちの施設・商品だけが儲かる構造では、長年りんごを販売してきた農協や、地域の農家さんと足並みを揃えることはむずかしい。

一緒に二戸のりんごをPRしていく、というスタンスであれば、地域の人たちにも応援してもらいやすい。

地域の状況を考慮した選択は一見遠回りに感じるかもしれないけれど、この事業の本質を的確に捉えられたからこそ、たどり着いた最適解なんだと思う。

 

前職は看護師で、まったく異業種から転職してきた山路さん。退職後に空間デザインの学校に通い、upsetters に入社した。もともとは設計部門へ応募していたそう。

「病院をつくりたかったんです。ハコだけじゃなくて、なかの働き方まで含めてデザインしてみたいと思って。1年間がんばって勉強してきたので、設計として入れないとなったときは悔しかったんですけど、空間だけにとらわれない仕事にむしろ可能性を感じて、これが自分のやりたいことだと気がつくきっかけになりました」

2年間働いてきてどうですか?

「やればやるほどむずかしいですね。最初はプロジェクトを進めるってどういうことだろう?というところからのスタートですから。正解もゴールもすぐに見えない仕事なので、まだまだ何かを掴んだって自分で思えるところまではきていません」

「転職前は、理想に漠然と突き進んでいた部分があったかもしれません。今はちゃんと段階を踏んで、少し引いた目線で自分のすべきことを考えられるようになってきたのが、若干の成長なのかなと思います」

きれいな言葉でまとめようとせずに、ありのままを話してくれる山路さん。

きっと新しくチームに入る人も、試行錯誤しながら取り組むうちに、少しずつ見えてくるものがあるんだと思う。

 

最後に話を聞いた中根さんは、日本仕事百貨での募集をきっかけに、4年前にupsetters に参画した方。

業務委託でプロジェクトを引っぱりながら、フリーランスのデザイナーとしても活動している。もうすぐ2歳になるお子さんを育てる母でもある。

普段からリモートワークが多いとのことで、オンラインで話を聞いた。

「前回の日本仕事百貨の記事を読んだとき、『本当にその会社にとって必要なことが何かを見極める』っていう話がすごく印象に残って」

「設計の依頼からはじまっても結果的にコーポレートアイデンティティの構築をするとか、その会社にとって本当に必要なほうにプランを変えていく。本質的な仕事ができそうなところに一番惹かれました。入ってみたら、イメージしていた以上にストイックでしたね (笑)」

プロジェクトごとに、デザイナーやフォトグラファー、PRなど外部パートナーとチームを組んで進めていく。

対クライアントも含めたすべての窓口となり、進行管理をしていくことも、upsettersの役割。

「コミュニケーションをとることが何かと多いですね。進行具合を各所に確認したり、変更があれば連絡をしたり、必然的に社内ミーティングも多くなります。コミュニケーションや調整が日々の業務の大きな柱になってくるので、それを苦に感じない人がいいと思います」

これまで、チームメンバー4人がそれぞれ個別に担当を持つことが多かったストラテジ部門。最近は、中根さんと山路さんと共同で新規プロジェクトに取り組むなど、よりチームとして仕事をする動きが生まれているという。

「仕事と割り切ってサクサク進めたい人には、あまり向かないかもしれません。それって本質的なのか?こういう側面もあるんじゃないか?みたいな、あらゆる問いに答えていくことが求められます。かといってスケジュールに遅れが生じることは避ける必要があるので、会社として両立が課題ではありますね」

「でも、仕事をしていて、これって本当に役に立っているのか?って悩むことって、きっと誰にでもあると思うんです。そういうところを、突き詰めて考えることがよしとされているのは、恵まれているなと思います」

考えて、立ち止まって、ときには一歩戻ることもあるかもしれない。

じっくり、粘り強く。ものごとの本質としっかり向き合って、仕事ができる環境だと思います。

(2022/11/29 取材 増田早紀)

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